この章では、Oracle XML DBを管理する方法について説明します。Oracle XML DBのインストール、アップグレードおよび構成に関する情報が含まれます。
この章の内容は次のとおりです。
関連項目: XLinkおよびXIncludeを使用するためのOracle XML DBリポジトリ・リソースの構成の詳細は、「XLinkおよびXIncludeのためのリソースの構成」を参照してください。 |
Database Configuration Assistant(DBCA)の有無にかかわらず、Oracle XML DBの新規インストールを実行できます。既存のインストールをアップグレードする場合、DBCAを使用せずに手動でOracle XML DBをインストールする必要があります。
注意: Oracleサポートに問い合せることなく、XMLType データを含むデータベースのOracle XML DBを削除しないでください。 |
Oracle XML DBはシード・データベースの一部であり、デフォルトで、Database Configuration Assistant(DBCA)によってインストールされます。Oracle XML DBのインストールに、他の手順は必要ありません。
ただし、データベースの拡張構成を選択した場合は、Oracle XML DBリポジトリ用のSYSAUX
表領域と、FTP、HTTP、HTTPS、WebDAVプロトコルのポート番号を構成できます。
デフォルトでは、DBCAによって次のタスクがインストール中に実行されます。
Oracle XML DBリポジトリ用の表領域SYSAUX
を作成します。
すべてのプロトコル・アクセスを有効にします。
表領域SYSAUX
には、Oracle XML DBリポジトリに格納されるデータが保持されます。次のものを使用して格納されるデータが含まれます。
SQL(RESOURCE_VIEW
、PATH_VIEW
などを使用)
FTP、HTTP、HTTPSおよびWebDAVなどのプロトコル
この表領域外の表にデータを格納し、このデータに対するREF
をこの表領域内の表に格納することにより、Oracle XML DBリポジトリを介してこのデータにアクセスできます。
Oracle XML DBのインストールでは、FTP、HTTPおよびHTTPSサービスがローカル・リスナーに動的に登録されます。lsnrctl
を使用して、開始、停止および問合せを実行できます。次に例を示します。
開始: lsnrctl
start
停止: lsnrctl
stop
問合せ: lsnrctl
status
FTP、HTTPおよびHTTPSのポート番号を変更するには、Oracle XML DBリポジトリの/xdbconfig.xml
ファイル内の要素<ftp-port>
、<http-port>
と<http2-port>
を更新します。
ポート番号を更新すると、動的プロトコル登録によって更新前のポート番号のFTP、HTTPまたはHTTPSサービスが自動的に停止され、ローカル・リスナーが起動されている場合は、新しいポート番号でFTP、HTTPまたはHTTPSサービスが開始されます。ローカル・リスナーが起動されていない場合は、ポート番号を更新した後、リスナーを再起動します。
Oracle XML DBでは、動的プロトコル登録を使用して、FTPおよびHTTPリスナー・サービスがローカル・リスナーに設定されます。Oracle XML DBプロトコルにアクセスする場合は、リスナーが起動されていることを確認してください。
注意: リスナーが標準ポート(例: 1521)以外で起動中の場合、プロトコルを正しいリスナーに登録するには、init.ora ファイルにlocal_listener エントリを含める必要があります。これによって、正しいリスナーを指すTNSNAME エントリが参照されます。init.ora パラメータの編集後、CREATE SPFILE を使用してSPFILE エントリを再生成する必要があります。 |
Oracle XML DBは、catqm
SQLスクリプトをディレクトリrdbms/admin
でデータベース・ユーザーSYS
として実行することで、手動でインストールできます。スクリプトを実行する前に、データベースをインストールする必要があります。また、Oracle XML DBリポジトリに大量のデータが格納されることが予想される場合は、Oracle XML DB用に個別の表領域を作成することをお薦めします。
catqm
の構文と各要素の意味を次に示します。
xdb_password
はパスワードです。
xdb_ts_name
は、Oracle XML DBに使用する表領域です。
temp_ts_name
は一時表領域です。
secure_file_for_repo
はYES
またはNO
(大文字)で、YES
はOracle XML DBリポジトリにSecureFile LOBを使用することを意味します。
catqm.sql xdb_password xdb_ts_name temp_ts_name secure_file_for_repos
次に例を示します。
catqm.sql change_on_install SYSAUX TEMP YES
注意:
|
次の考慮事項は、Oracle Database 11gへのすべてのアップグレードに適用されます。
通常どおり、スクリプトcatproc.sql
を実行します。
アップグレード後の手順として、Oracle XML DB機能が必要である場合、「DBCAを使用しない手動でのOracle XML DBのインストール」で説明されているとおりに、Oracle XML DBを手動でインストールする必要があります。
ACLセキュリティ: Oracle Database 11gリリース1以前のリリースでは、同じプリンシパルおよび同じ権限のACE間の競合は、先行するACEに子grant
があるかどうかに関係なく、子deny
のあるACEを優先させることで解決していました。つまり、ACEの順序は関係ありませんでした。Oracle Database 11gでは、このdeny-trumps-grant
の動作も使用できますが、デフォルトの動作ではありません。
アクセス制御リスト(ACL)の文書は、表XDB$ACL
に格納されています。Oracle XML DBの構成ファイルxdbconfig.xml
は、表XDB$CONFIG
に格納されています。Oracle Database 11gリリース1以降、これらの表では事後解析(バイナリXML)記憶域モデルを使用します。これは、ACL文書および構成ファイルが、各XML Schemaに対して完全に検証されることを意味します。検証は、既存のACL文書と構成ファイル、および既存の対応するXML Schemaを使用してアップグレード時に行われます。
アップグレード時にACL文書の検証に失敗した場合、その文書は表XDB$INVALID_ACL
に移動されます。
アップグレード時に構成ファイルxdbconfig.xml
の検証に失敗した場合、そのファイルは表XDB$INVALID_CONFIG
に格納され、デフォルトの構成ファイルが表XDB$CONFIG
内でそれを置換し、データベースのXDB
コンポーネントは無効としてマークされます。その後、データベースを通常モードで起動し、データベースを使用する前にXDB
コンポーネントを修正する必要があります。
XDB
コンポーネントを修正するには、無効なファイルを修正して有効にし、PL/SQLプロシージャRecoverUpgrade
をコールします。検証後、このプロシージャは修正済のファイルを表XDB$ACL
および表XDB$CONFIG
に移動し、XDB
コンポーネントを有効としてマークします。
オプションとして、パラメータuse_default
をTRUE
に設定してプロシージャRecoverUpgrade
をコールし、無効なファイルを破棄できます。この場合、有効なファイルは表XDB$ACL
および表XDB$CONFIG
に移動され、残った無効なファイルはすべて削除されます。無効なファイルのかわりにデフォルト・ファイルが使用されます。ACLにはデフォルトのACL文書が使用されます。構成ファイルにはデフォルトのxdbconfig.xml
が使用されます(ここではACEの順序が関係します)。
注意: 古いACLファイルまたは無効な構成ファイルが確実に必要でない場合にのみ、パラメータuse_default にTRUE の値を使用します。これらのファイルは削除されます。 |
Oracle Enterprise ManagerはOracle Database付属のグラフィカル・ツールで、データベース管理タスクの容易な実行を可能にします。このツールを使用して、Oracle XML DBに関連する次のタスクを実行できます。
Oracle XML DBの構成。Oracle XML DBの構成ファイル、/xdbconfig.xml
のパラメータを表示または編集します。
Oracle Enterprise Managerを使用しないOracle XML DBの構成の詳細は、「xdbconfig.xmlを使用したOracle XML DBの構成」を参照してください。
Oracle XML DBリポジトリ・リソースおよびそれに関連するアクセス制御リスト(ACL)の検索、作成、編集および削除の取消し。
Oracle Enterprise Managerを使用しないリソースの作成および管理の詳細は、第V部「Oracle XML DBリポジトリ」を参照してください。
XMLType
表およびビューの検索、作成、編集および削除。
XMLスキーマの検索、作成、登録および削除。
Oracle Enterprise Managerを使用しないXML Schemaの操作の詳細は、第7章「XML Schemaの格納と問合せ: 基本」を参照してください。
XPath式に基づくファンクション索引の作成。
Oracle Enterprise Managerを使用しないファンクション索引の作成の詳細は、第6章「XMLTypeデータの索引付け」を参照してください。
関連項目: Oracle Enterprise Managerを使用した、これらのタスクの実行の詳細は、Oracle Enterprise Manager付属のオンライン・ヘルプを参照してください。 |
Oracle XML DBは、Oracle XML DBリポジトリにリソースとして格納された構成ファイルの/xdbconfig.xml
を介して内部管理できます。Oracle Enterprise Managerを使用してOracle XML DBを構成するかわりに、Oracle XML DB構成ファイルを使用して直接構成できます。
構成ファイルは実行時に変更できます。構成ファイルを更新すると、このリポジトリ・リソースの新しいバージョンが作成されます。セッションが開始されると、現行のバージョンの構成ファイルがそのセッションにバインドされます。最新のバージョンにセッションをリフレッシュするように明示的にコールしないかぎり、このセッション中は、このバージョンの構成ファイルが使用されます。
Oracle XML DBの構成ファイルは、Oracle XML DB構成XML Schemaであるhttp://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd
に準拠するOracle XML DBリポジトリ・リソースの/xdbconfig.xml
で定義および格納されます。Oracle XML DBを構成または再構成するには、/xdbconfig.xml
ファイルを更新します。その構造については、次の項で説明します。/xdbconfig.xml
ファイルにアクセスするには、管理者権限が必要です。
要素<xdbconfig>
は、最上位の要素です。その構造は次のとおりです。
<xdbconfig> <sysconfig> ... </sysconfig> <userconfig> ... </userconfig> </xdbconfig>
要素<sysconfig>
は、システム固有の組込みパラメータを定義します。要素<userconfig>
を使用すると、新しいカスタム・パラメータを格納できます。
要素<sysconfig>
は、<xdbconfig>
の子です。その構造は次のとおりです。
<sysconfig>
general parameters
<protocolconfig> ... </protocolconfig>
</sysconfig>
要素<sysconfig>
には、アクセス制御リスト(ACL)の最大存続期間、Oracle XML DBで大/小文字が区別されるかどうかなど、すべてのOracle XML DBに適用されるいくつかの一般的なパラメータが含まれます。子<protocolconfig>
には、プロトコル固有のパラメータが含まれます。
要素<protocolconfig>
は、<sysconfig>
の子です。その構造は次のとおりです。
<protocolconfig> <common> ... </common> <ftpconfig> ... </ftpconfig> <httpconfig> ... </httpconfig> </protocolconfig>
<common>
には、MIMEタイプについての情報など、すべてのプロトコルに適用されるパラメータがOracle Databaseによって格納されます。FTP、HTTPおよびHTTPSプロトコルに固有のパラメータは、要素<ftpconfig>
と<httpconfig>
にそれぞれ含まれます。
要素<httpconfig>
は、<protocolconfig>
の子です。その構造は次のとおりです。
<httpconfig> ... <webappconfig> ... <servletconfig> ... <servlet-list> <servlet> ... </servlet> ... </servlet-list> </servletconfig> </webappconfig> ... <plsql> ... </plsql> </httpconfig>
要素<httpconfig>
には、次の子要素、およびその他の子要素が含まれます。
<webappconfig>
: Webベースのアプリケーションの構成に使用します。これには、アイコン名、アプリケーションの表示名およびサーブレットのリストなど、Webベースのアプリケーション固有のパラメータが含まれます。
要素<servletconfig>
は、サーブレットの定義に使用される<webappconfig>
の子です。<servlet>
を子に持つ子<servlet-list>
を含んでいます(「<servlet> (<httpconfig>の子孫)」を参照)。
<plsql>
脚注1 埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する際、グローバル構成パラメータを定義するために使用されます。各グローバル・パラメータは、<plsql>
の子要素を使用して定義されます。要素名は、グローバル・パラメータ名と同じです。要素のコンテンツは、パラメータ値と同じです。
埋込みPL/SQLゲートウェイの構成方法としては、xdbconfig.xml
ファイルを編集するのではなく、PL/SQLパッケージDBMS_EPG
のプロシージャを使用する方法をお薦めします。
関連項目:
|
<servlet>
の子であるオプションの要素<plsql>
は、埋込みPL/SQLゲートウェイ・サーブレットを構成します。ただし、埋込みゲートウェイの構成方法としては、xdbconfig.xml
ファイルを編集するのではなく、PL/SQLパッケージDBMS_EPG
のプロシージャを使用する方法をお薦めします。
要素<plsql>
は、埋込みゲートウェイの構成に必要な、埋込みPL/SQL DAD属性脚注 2 ごとに子要素を持っています。これらの子はすべてオプションです。要素名はDAD属性名と同じです。要素のコンテンツは、DAD属性値と同じです。
要素<servlet>
は<httpconfig>
の子孫です。「<httpconfig> (<protocolconfig>の子)」を参照してください。Javaサーブレットおよび埋込みPL/SQLゲートウェイ・サーブレットなど、サーブレットの構成に使用します。
関連項目:
|
次に、Oracle XML DBの構成ファイルの例を示します。
例34-1 Oracle XML DBの構成ファイル
<xdbconfig xmlns="http://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd http://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd"> <sysconfig> <acl-max-age>900</acl-max-age> <acl-cache-size>32</acl-cache-size> <invalid-pathname-chars>,</invalid-pathname-chars> <case-sensitive>true</case-sensitive> <call-timeout>300</call-timeout> <max-link-queue>65536</max-link-queue> <max-session-use>100</max-session-use> <persistent-sessions>false</persistent-sessions> <default-lock-timeout>3600</default-lock-timeout> <xdbcore-logfile-path>/sys/log/xdblog.xml</xdbcore-logfile-path> <xdbcore-log-level>0</xdbcore-log-level> <resource-view-cache-size>1048576</resource-view-cache-size> <protocolconfig> <common> <extension-mappings> <mime-mappings> <mime-mapping> <extension>au</extension> <mime-type>audio/basic</mime-type> </mime-mapping> <mime-mapping> <extension>avi</extension> <mime-type>video/x-msvideo</mime-type> </mime-mapping> <mime-mapping> <extension>bin</extension> <mime-type>application/octet-stream</mime-type> </mime-mapping> </mime-mappings> <lang-mappings> <lang-mapping> <extension>en</extension> <lang>english</lang> </lang-mapping> </lang-mappings> <charset-mappings> </charset-mappings> <encoding-mappings> <encoding-mapping> <extension>gzip</extension> <encoding>zip file</encoding> </encoding-mapping> <encoding-mapping> <extension>tar</extension> <encoding>tar file</encoding> </encoding-mapping> </encoding-mappings> </extension-mappings> <session-pool-size>50</session-pool-size> <session-timeout>6000</session-timeout> </common> <ftpconfig> <ftp-port>2100</ftp-port> <ftp-listener>local_listener</ftp-listener> <ftp-protocol>tcp</ftp-protocol> <logfile-path>/sys/log/ftplog.xml</logfile-path> <log-level>0</log-level> <session-timeout>6000</session-timeout> <buffer-size>8192</buffer-size> </ftpconfig> <httpconfig> <http-port>8080</http-port> <http-listener>local_listener</http-listener> <http-protocol>tcp</http-protocol> <max-http-headers>64</max-http-headers> <session-timeout>6000</session-timeout> <server-name>XDB HTTP Server</server-name> <max-header-size>16384</max-header-size> <max-request-body>2000000000</max-request-body> <logfile-path>/sys/log/httplog.xml</logfile-path> <log-level>0</log-level> <servlet-realm>Basic realm="XDB"</servlet-realm> <webappconfig> <welcome-file-list> <welcome-file>index.html</welcome-file> <welcome-file>index.htm</welcome-file> </welcome-file-list> <error-pages> </error-pages> <servletconfig> <servlet-mappings> <servlet-mapping> <servlet-pattern>/oradb/*</servlet-pattern> <servlet-name>DBURIServlet</servlet-name> </servlet-mapping> </servlet-mappings> <servlet-list> <servlet> <servlet-name>DBURIServlet</servlet-name> <display-name>DBURI</display-name> <servlet-language>C</servlet-language> <description>Servlet for accessing DBURIs</description> <security-role-ref> <role-name>authenticatedUser</role-name> <role-link>authenticatedUser</role-link> </security-role-ref> </servlet> </servlet-list> </servletconfig> </webappconfig> </httpconfig> </protocolconfig> <xdbcore-xobmem-bound>1024</xdbcore-xobmem-bound> <xdbcore-loadableunit-size>16</xdbcore-loadableunit-size> </sysconfig> </xdbconfig>
Oracle XML DB構成ファイル(xdbconfig.xml
)には、階層内の他のXML Schemaに基づくリソースと同様にアクセスできます。FTP、HTTP(S)、WebDAV、Oracle Enterprise Managerまたはあらゆるリソースおよびドキュメント・オブジェクト・モデル(DOM) API for Java、PL/SQLまたはC (OCI)を使用してアクセスできます。
便宜上、構成へのアクセスには、PL/SQLパッケージDBMS_XDB
を使用できます。これにより次の関数およびプロシージャが公開されます。
cfg_get
: 現在のセッションの構成情報を表示します。
cfg_refresh
: 現在の構成ファイルを使用して、セッション構成情報をリフレッシュします。典型的なcfg_refresh
の使用例には、次のものがあります。
構成の変更後、セッションで最新バージョンの構成情報を取得する必要がある場合。
セッションの実行が長時間におよび、同時セッションによって構成が変更され、現行のセッションで最新バージョンの構成情報を取得する必要がある場合。
cfg_update
: 構成ファイルを書き込み、構成情報を更新します。COMMIT
が実行されます。
例34-2では、構成ファイル内のftp-port
およびhttp-port
パラメータを更新します。
例34-2 CFG_UPDATEおよびCFG_GETを使用した構成ファイルの更新
DECLARE v_cfg XMLType; BEGIN SELECT updateXML(DBMS_XDB.cfg_get(), '/xdbconfig/descendant::ftp-port/text()', '2121', '/xdbconfig/descendant::http-port/text()', '19090') INTO v_cfg FROM DUAL; DBMS_XDB.cfg_update(v_cfg); COMMIT; END; /
多くのパラメータを更新する場合、FTP、HTTP、HTTPSまたはOracle Enterprise Managerを使用すると、より簡単に構成を更新できます。
関連項目: 『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』 |
Oracle XML DBでは入力XML文書を事前解析して、スキーマに基づくXMLType
インスタンスを識別します。適切なxsi:schemaLocation
またはxsi:noNamespaceSchemaLocation
属性が検出された場合は、指定されたスキーマの場所を示すURLを使用して、登録済スキーマが参照されます。適切なxsi:
属性が検出されない場合、そのXML文書は、スキーマに基づかない文書とみなされます。Oracle XML DBは、デフォルトのスキーマの場所のマッピングを構成するメカニズムを提供します。適切なxsi:
属性がXML文書に指定されていない場合、デフォルトのスキーマの場所のマッピングが使用されます。Oracle XML DB構成XML Schemaであるxdbconfig.xsd
の要素schemaLocation-mappings
を使用して、(namespace, element)
の組合せとデフォルトのスキーマの場所との間のマッピングを指定できます。element
の値が空の場合、マッピングは指定した名前空間内のすべてのグローバル要素に適用されます。namespace
の値が空の場合、NULLの名前空間に対応します。
要素schemaLocation-mappings
の定義は、次のとおりです。
<element name="schemaLocation-mappings" type="xdbc:schemaLocation-mapping-type" minOccurs="0"/> <complexType name="schemaLocation-mapping-type"><sequence> <element name="schemaLocation-mapping" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"> <complexType><sequence> <element name="namespace" type="string"/> <element name="element" type="string"/> <element name="schemaURL" type="string"/> </sequence></complexType> </element></sequence> </complexType>
使用されるスキーマの場所は、Oracle XML DB構成ファイル内の使用される名前空間と文書のルート要素のマッピングによって異なります。たとえば、文書にスキーマの場所を示す適切なxsi:
属性がないと想定します。名前空間Nに文書のルート要素Rがあると仮定します。デフォルトのスキーマの場所を識別するアルゴリズムは次のようになります。
Oracle XML DB構成ファイルにNおよびRのマッピングが指定されている場合は、対応するスキーマの場所が使用されます。
構成ファイルにNのマッピングが指定されていて、Rのマッピングが指定されていない場合、Nのスキーマの場所が使用されます。
ドキュメント・ルートRにいずれの名前空間も指定されていない場合は、Rのスキーマの場所が使用されます。
たとえば、Oracle XML DB構成ファイルに次のマッピングが含まれているとします。
<schemaLocation-mappings> <schemaLocation-mapping> <namespace>http://www.oracle.com/example</namespace> <element>root</element> <schemaURL>http://www.oracle.com/example/sch.xsd</schemaURL> </schemaLocation-mapping> <schemaLocation-mapping> <namespace>http://www.oracle.com/example2</namespace> <element></element> <schemaURL>http://www.oracle.com/example2/sch.xsd</schemaURL> </schemaLocation-mapping> <schemaLocation-mapping> <namespace></namespace> <element>specialRoot</element> <schemaURL>http://www.oracle.com/example3/sch.xsd</schemaURL> </schemaLocation-mapping> </schemaLocation-mappings>
次のスキーマの場所が使用されます。
ルート要素 = root
名前空間 = http://www.oracle.com/example
スキーマURL = http://www.oracle.com/example/sch.xsd
このマッピングは、インスタンス・ドキュメントによる指定が次の場合に使用されます。
<root xmlns="http://www.oracle.com/example">
ルート要素 = null
(名前空間内の任意のグローバル要素)
名前空間 = http://www.oracle.com/example2
スキーマURL = http://www.oracle.com/example2/sch.xsd
このマッピングは、インスタンス・ドキュメントによる指定が次の場合に使用されます。
<root xmlns="http://www.oracle.example2">
ルート要素 = specialRoot
名前空間 = null
(NULLの名前空間)
スキーマURL = http://www.oracle.com/example3/sch.xsd
このマッピングは、インスタンス・ドキュメントによる指定が次の場合に使用されます。
<specialRoot>
注意: この機能はXMLがサーバー上で解析される場合にサーバー側でのみ使用できます。XMLがクライアント側で解析される場合は、適切なxsi: 属性も必要になります。 |
Oracle XML DBリポジトリは、特定のファイルをそのファイル拡張子に基づいてXML文書として処理します。このようなファイルがリポジトリに挿入されると、Oracle XML DBはそのファイルを事前解析し、スキーマの場所を識別(またはデフォルトのマッピングがある場合はそれを使用)して、文書を適切なデフォルト表に挿入します。デフォルトでは、xml
、xsd
、xsl
、xlt
などの拡張子がXMLファイル拡張子とみなされます。さらに、Oracle XML DBは、各アプリケーションに対して、その他のファイル拡張子をXMLファイル拡張子として指定できるメカニズムを提供します。xml-extensions
要素は、構成スキーマのhttp://xmlns.oracle.com/xdb/xdbconfig.xsd
で次のように定義されます。
<element name="xml-extensions" type="xdbc:xml-extension-type" minOccurs="0"/> <complexType name="xml-extension-type"><sequence> <element name="extension" type="xdbc:exttype" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"> </element></sequence> </complexType>
たとえば、Oracle XML DB構成ファイルxdbconfig.xml
の次のフラグメントは、拡張子vsd
、vml
およびsvgl
を持つファイルをXMLファイルとして処理することを指定しています。
<xml-extensions> <extension>vsd</extension> <extension>vml</extension> <extension>svgl</extension> </xml-extensions>
表34-1は、Oracle XML DBおよびOracle XML DBリポジトリの管理および構成用のDBMS_XDB_ADMIN
PL/SQLプロシージャを示しています。
表34-1 DBMS_XDB_ADMIN管理プロシージャ
ファンクションおよびプロシージャ | 説明 |
---|---|
|
データベース・スキーマ |
|
階層リポジトリ索引を再構築します。これには、特に |
注意: デフォルトの汎用データベースで、データベース・スキーマXDB が表領域SYSAUX にある場合、データベースの完全エクスポートを実行する前に、DBMS_XDB_ADMIN.moveXDB_tablespace を使用する必要があります。データベースの完全エクスポートでは、SYSTEM またはSYSAUX 表領域からはデータはエクスポートされません。 |
注意: Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以前は、これらのプロシージャはPL/SQLパッケージDBMS_XDB に付属していました。パッケージDBMS_XDB 内のこれらの2つのプロシージャはりリース11.2.0.3の時点では非推奨です。 |
関連項目: 『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』 |
脚注の凡例
脚注1: 埋込みPL/SQLゲートウェイの構成に使用される<plsql>
要素には、2つの異なるものがあります。1つは<httpconfig>
の子で、グローバル・パラメータを定義します。もう1つは<servlet>
の子で、DAD属性を定義します。