Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド リリース1.3.1 for Windows, Linux, Solaris, and AIX E48234-03 |
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この章ではOracle R Enterpriseのインストール・プロセスについて説明します。この章には、次の項目が含まれます。
Oracle R Enterpriseでは、オープン・ソースのスクリプト言語および環境であるRが、Oracle Databaseと統合されます。Rには、高度な統計分析と精緻なグラフィック機能が備わっています。Oracle DatabaseにおけるOracle Advanced Analytics Optionの一コンポーネントであるOracle R Enterpriseを使用すると、R言語でOracleデータを透過的に処理できます。
関連項目:
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Oracle R Enterpriseでは、サード・パーティ製のオープン・ソース・ソフトウェアであるRをインストールする必要があります。オープン・ソースRは、OracleライセンスではなくGNU General Public License (GPL)で管理されています。次のOracleツールによって、Oracle DatabaseでRを容易に使用できます。
Oracle R Distribution
Oracle R Distributionは、オープン・ソースRのOracle無償版ディストリビューションです。Oracle R Distributionには、Oracle R Enterpriseで次の大きな利点があります。
Oracle R Enterprise向けRのインストールが簡略化されます。
Intel Math Kernel Library (MKL)との統合が簡略化されます(MKLによりRの算術計算の多くのパフォーマンスが向上します)。
注意: Oracle R Enterpriseでは、可能なかぎりOracle R Distributionの使用をお薦めします。 |
ROracle
ROracleは、RとOracle Databaseとの相互作用を可能にするオープン・ソースRパッケージです。もともとサード・パーティによって開発されたROracleをオラクル社が機能強化し、現在はオラクル社が保守およびサポートを行っています。ROracleは、Oracle R EnterpriseのClient Supporting Packagesの1つです。
注意: RStudio統合開発環境(IDE)はOracle R Enterpriseに含まれません。RStudio IDEは、無償のオープン・ソース製品であり、RStudio社から入手およびライセンス取得できます。詳細は、付録D「RStudioのインストール」を参照してください。 |
Oracle Big Data Connectorsを使用すると、HadoopクラスタとOracle Database間の対話およびデータ交換が容易になります。Oracle R Connector for Hadoopは、ローカルR環境、Oracle DatabaseおよびHadoop間のインタフェースをサポートするRパッケージのセットです。このインタフェースにより、3つのプラットフォームすべてにおいて高速でインタラクティブな分析が可能になります。
Oracle R Connector for Hadoopは独立して動作するように設計されていますが、Oracle R Enterpriseとともに使用することで、その特性を十分に発揮します。Oracle R Connector for HadoopとともにOracle R EnterpriseのR関数を使用してHiveに接続し、Oracle Databaseオブジェクトを作成および管理できます。
Oracle R Enterpriseは、Oracle DatabaseおよびOracle Clientに基づくクライアント/サーバー型アーキテクチャを採用しています。Rエンジンは、サーバー・コンピュータおよび各クライアント・コンピュータ上で動作します。
SQLの透過性
Oracle R Enterpriseのクライアント・パッケージではSQLの透過性がサポートされており、Oracle表がネイティブRオブジェクトであるかのように「透過的に」表示されます。SQLの透過性によって、SQLを理解できなくても、データ分析でRを使用したデータの検索、クレンジング、変換が行えます。
埋込みRの実行
Oracle R Enterpriseのサーバー・パッケージではSQL問合せおよびPL/SQL文内でのRコマンドの実行がサポートされています。埋込みRは、パラレルに実行できる、生成されたRエンジンで実行されます。埋込みRを使用すると、大規模データ・ストアでRアルゴリズムを実行し、埋込みRにLights-Out処理をスケジュール設定できます。
図1-1は、Oracle R Enterpriseのクライアント/サーバー型アーキテクチャを示しています。
図1-1 Oracle R Enterpriseのクライアント/サーバー型アーキテクチャ
Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストール手順を図1-2に示します。
図1-2 Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストール手順
注意: Oracle R Enterpriseをサーバー・コンピュータで直接使用する場合は、個別クライアントへのインストールは必要ありません。Oracle Database Clientのローカル・インストールは、自動的にOracle Databaseのインストールに組み込まれます。 |
Oracle R Enterpriseは、64ビットのプラットフォームでのみ動作します。クライアントおよびサーバー・コンポーネントの両方が、表1-1に示されている各プラットフォーム上でサポートされています。
表1-1 Oracle R Enterpriseのプラットフォーム要件
表1-2は、Oracle R Enterpriseのサーバー・コンポーネントのサポートされている構成を示しています。
表1-2 Oracle R Enterprise Serverのサポート・マトリクス
Oracle R Enterprise | オープン・ソースRまたはOracle R Distribution | Oracle Database (注意を参照) |
---|---|---|
1.0 |
2.13.2 |
11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1 |
1.1 |
2.13.2 |
11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1 |
1.2 |
2.15.1 |
11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1 |
1.3 |
2.15.1 |
11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1 |
1.3.1 |
2.15.1, 2.15.2, 2.15.3 |
11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1 |
注意: パッチが適用されている場合、Oracle Databaseバージョン11.2.0.1および11.2.0.2はLinuxでサポートされています。手順は、第2.2項「Linux上の11.2.0.1または11.2.0.2 Databaseへのパッチ適用」を参照してください。他のプラットフォームの場合は、 Oracle Database 11.2.0.3、11.2.0.4または12.1が必要です。 |
関連項目: 最新のプラットフォーム要件およびOracle R Enterpriseでサポートされている最新バージョンのRの詳細は、『Oracle R Enterpriseリリース・ノート』を参照してください。 |