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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56273-15
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1 Oracle Databaseのインストールの概要

この章では、Oracle Databaseの様々なインストール・タイプと、Oracle Databaseのインストール前に考慮が必要な問題について説明します。

1.1 このリリースでインストールされる新しいOracle製品および機能

このリリースでインストールされる新しい機能および製品の詳細は、「Oracle Database 11gリリース2(11.2)の新機能」を参照してください。

1.2 インストールの計画

Oracle Databaseのインストール・プロセスは、次の手順で構成されます。

  1. リリース・ノートの参照: インストールを開始する前に、『Oracle Databaseリリース・ノート for Linux』を参照してください。リリース・ノートは、プラットフォーム固有のマニュアルとともに使用可能です。

    最新版のリリース・ノートは、次の場所から入手できます。

    http://docs.oracle.com/
    
  2. ライセンス情報の確認: メディア・パック内のインストール・メディアには多くのOracleコンポーネントが含まれていますが、使用可能なのは、ライセンスを購入したコンポーネントのみです。

    Oracleサポート・サービスでは、ライセンスを購入していないコンポーネントに対するサポートは提供していません。


    関連項目:

    『Oracle Databaseライセンス情報』

  3. インストールの計画: この章では、インストールできるOracle製品と、インストール開始前に考慮が必要な問題について説明します。

    また、付録Hでは、サイトでOracleアプリケーションを使用している場合や、複数のOracle Database接続が必要な場合のOracle Databaseのインストール方法など、Oracle Databaseコンポーネントのインストールに関するよくある質問を参照できます。

  4. インストール前の作業の完了: 第2章では、製品のインストール前に完了する必要のある作業について説明します。また、Oracle Restartのインストール前の作業の詳細は、第3章を参照してください。

  5. ソフトウェアのインストール: 次の各項に従って、Oracle Databaseおよびスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールします。

    • 第3章: スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールする方法について説明します。

    • 第4章: Oracle Universal Installerを使用してOracle Databaseをインストールする方法と、Oracleホームをクローニングする方法について説明します。

    • 第7章: Oracle Databaseソフトウェアを削除する方法について説明します。

    • 付録A: サイレント・インストールまたはレスポンス・ファイル・インストールの実行について説明します。これらの方法は、複数のOracle Databaseをインストールする必要がある場合に使用します。

    • 付録B: Oracleホームのクローニングについて説明します。

    • 付録F: グローバリゼーション・サポート情報について説明します。

    • 付録G: インストール時に問題が発生した場合のトラブルシューティングについて説明します。

  6. インストール後の作業の完了: 第5章では、推奨および必須のインストール後の作業について説明します。

  7. Oracle Databaseの使用開始: 次の項を参照してOracle Databaseの使用を開始します。

    • 第6章: インストールされたOracle Databaseの内容の確認方法、各種ツールの起動方法、各種ファイルの検索方法について説明します。

    • 付録C: ネットワーク接続ストレージ(NAS)・デバイスについて説明します。このデバイスは、Oracleデータベース・ファイルやOracleソフトウェアの格納に使用できます。

    • 付録D: Optimal Flexible Architectureについて説明します。これは、少しのメンテナンスで信頼性の高いOracleインストールを確実に行えるようにする一連のガイドラインです。

    • 付録E: Oracle Databaseのポート番号を管理する方法について説明します。

1.3 インストールの考慮事項

この項には、この製品のインストール方法を決定する前に考慮する必要のある情報が記載されています。この項の内容は、次のとおりです。

1.3.1 ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。My Oracle SupportのWebサイトには、次からアクセスできます。

https://support.oracle.com/

My Oracle Supportを使用するには、オンライン登録する必要があります。ログイン後、メニュー・オプションから「動作保証」タブを選択します。「動作保証」ページで、「動作保証検索」オプションを使用して、製品、リリースおよびプラットフォームで検索します。製品デリバリやライフタイム・サポートなどの、動作保証クイック・リンクのオプションを使用して検索することもできます。

1.3.1.1 Oracle SQL Developer用のサード・パーティ・データベースの動作保証

Oracle SQL Developerを使用して、複数のOracle以外のデータベースのメタデータおよびデータを表示できます。詳細は、『Oracle SQL Developerインストレーション・ガイド』のSQL Developer (Oracleおよびサード・パーティ)用のデータベースの動作保証に関する項を参照してください。

1.3.2 複数のOracleホームのサポート

この製品では複数のOracleホームがサポートされています。つまり、ソフトウェアのこのリリースまたは以前のリリースを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数インストールできます。

1.3.2.1 既存のOracleがインストールされているシステムへのOracle Databaseのインストール

Oracle Databaseを新規のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Databaseのあるリリースの製品を別のリリースのOracleホーム・ディレクトリにはインストールできません。たとえば、既存のOracle9iのOracleホーム・ディレクトリにOracle Database 11gリリース2のソフトウェアをインストールすることはできません。

このリリースは、別のOracleホーム・ディレクトリにインストールするかぎり、同じシステムに複数回インストールできます。

1.3.3 スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureには、エンタープライズ・グリッド・アーキテクチャに単一インスタンスのデータベースを含めるインフラストラクチャが用意されています。Oracle Database 11gリリース2(11.2)は、これらのインフラストラクチャ製品をOracle Grid Infrastructureホームと呼ばれる1つのソフトウェア・インストールに結合します。単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureホームにはOracle RestartおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ソフトウェアが含まれます。

Oracle ASMまたはOracle Restartを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前に、まず、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。そうでない場合は、データベースを手動でOracle Restartに登録する必要があります。


関連項目:

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストールの詳細は、第3章「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure」を参照してください。

1.3.4 Oracle Cluster Synchronization Services

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureをインストールすると、 Oracle Universal Installer (OUI)で、単一ノードのOracle Cluster Synchronization Services (CSS)が構成されます。CSSは、具体的には、root.shスクリプトで構成されるデーモン・プロセスです。

CSSサービスは、Oracle ASMインスタンスと、データベース・ファイルのストレージ用に依存しているデータベース・インスタンスとの同期を可能にするために必要です。CSSサービスは、Oracle ASMインスタンスまたはデータベース・インスタンスの起動時にすでに実行されている必要があるため、Oracle ASMが起動される前にOracle Restartによって自動的に起動されます。Oracleデータベースのデータベース・ファイルの記憶域にOracle ASMを使用している場合、このプロセスは実行中である必要があります。

単一インスタンスのインストールの場合、CSSデーモンがインストールおよび実行されるOracle Grid Infrastructureホームで、Oracle ASMも実行されます。


注意:

Oracle RACがインストールされているクラスタ・システムでは、CSSデーモンはOracle Clusterwareのインストール時に構成されます。Oracle Clusterwareを実行中のシステムで、Oracle RACまたはOracle Clusterwareを削除する方法の詳細は、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX Systems』を参照してください。

1.3.5 Oracle Data Guard環境へのOracle Database Vaultのインストール

Oracle Data GuardでOracle Database Vaultを使用する場合は、次にアクセスしてMy Oracle Supportでノート754065.1を参照してください。

https://support.oracle.com/

1.3.6 Oracle Database Vaultのデフォルトの監査ポリシーおよび初期化パラメータ

Oracle Database Vaultにより、ベースラインのデータベース監査ポリシーがインストールされます。このポリシーは、Oracle Database Vaultのデータベース表に格納されるアクセス制御構成情報、Oracle Catalogに格納される情報(ロールバック・セグメントや表領域など)、システム権限の使用、Oracle Label Security構成を網羅しています。Oracle Database Vaultをインストールすると、セキュリティ固有のデータベース初期化パラメータがデフォルト値で初期化されます。


関連項目:

データベースの監査ポリシーの詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

1.4 Oracle Databaseのインストール方法

Oracle Databaseをインストールする際は、次のような様々な方法を選択できます。

1.4.1 対話型のインストール・タイプ

対話型の方法を使用して「データベースの作成および構成」オプションを選択してOracle Databaseをインストールする場合は、Oracle Universal Installerに表示される一連の画面で、Oracle Databaseソフトウェアのインストールや、データベースの作成に必要な情報をすべて指定できます。

Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降、Oracle Universal Installerには次のオプションが用意されています。

  • デスクトップ・クラス: ラップトップまたはデスクトップ・クラス・システムにインストールする場合に、このオプションを選択します。このオプションには初期データベースが含まれ、最小構成が可能です。このオプションは、データベースを短時間で設定するユーザーを対象としています。

  • サーバー・クラス: 本番データ・センターにOracle Databaseをデプロイする際に使用するようなサーバー・クラス・システムにインストールする場合に、このオプションを選択します。このオプションでは、より拡張された構成オプションを使用できます。このオプションで使用できる拡張構成オプションには、Oracle RAC、Oracle ASM、バックアップおよびリカバリ構成、Oracle Enterprise Manager Grid Controlとの統合、より細かいメモリー・チューニングなどがあります。

    さらに、「サーバー・クラス」オプションには、次のインストール・タイプが用意されています。

    • 標準: Oracle Databaseを簡単にインストールするには、このインストール方法を選択します。このインストール・タイプでは、ユーザー入力が最小限で済みます。OUIでは、ソフトウェアがインストールされ、画面上で指定する情報を使用することにより、汎用のデータベースがオプションで作成されます。このインストール・タイプはデフォルトです。

    • 詳細: 次のいずれかのタスクを実行する場合は、このインストール・タイプを選択します。

      • データベース・キャラクタ・セットまたは異なる製品言語を選択します。

      • インストール中にEXAMPLE表領域を作成します。

      • ソフトウェアとは異なるファイル・システムにデータベースを作成します。

      • 管理スキーマに異なるパスワードを指定します。

      • 自動バックアップまたはOracle Enterprise Manager通知を構成します。

      • Oracle Configuration Managerを構成します。

      • 使用可能なコンポーネント・リストのコンポーネントのカスタマイズ。「データベース・エディションの選択」画面で、「Enterprise Edition」を選択すると、ほとんどの顧客がOracle Databaseのインストールに際して必要とするコンポーネントが自動的に選択されます。「オプションの選択」をクリックしてコンポーネント・リストのコンポーネントをカスタマイズすることも可能です。


        関連項目:

        Oracle Databaseのインストールの詳細は、「コンポーネント固有のインストール・ガイドラインの参照」を参照してください。

1.4.2 レスポンス・ファイルを使用した自動インストールの方法

レスポンス・ファイルを作成し、それをOracle Universal Installerの起動時に指定することにより、Oracle Databaseのインストールの手順の一部またはすべてを自動化できます。類似した構成を持つシステム上で複数インストールを実行する必要がある場合や、このソフトウェアをインストールするシステムに、X Window Systemソフトウェアがインストールされていない場合には、この自動インストールの方法が便利です。

レスポンス・ファイルを使用すると、必要な情報をすべて指定したかどうかによって、次のいずれかのモードでOracle Universal Installerを実行できます。

  • サイレント・モード: Oracle Universal Installerの起動時に、必要な情報をすべて指定したレスポンス・ファイルを使用して-silentオプションを指定すると、Oracle Universal Installerはサイレント・モードで実行されます。Oracle Universal Installerの画面は表示されません。

  • レスポンス・ファイル・モード: レスポンス・ファイルに必要な情報を一部指定しない場合、Oracle Universal Installerはレスポンス・ファイル・モードで実行されます。

これらのモードおよびレスポンス・ファイルを使用したインストールの実行方法の詳細は、付録Aを参照してください。

1.5 ソフトウェアの更新オプション

ソフトウェアの更新機能を使用して、Oracleでの最新の更新(個別パッチの更新、クリティカル・パッチの更新、Oracle Universal Installerの更新、最新のパッチ・セット更新など)を動的にダウンロードし、適用します。この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)で使用できます。

My Oracle Supportの資格証明を入力して最新の更新をダウンロードするか、以前にダウンロードした更新を適用できます。または、-downloadUpdatesオプションを使用して更新を別途ダウンロードしておき、後で更新の保存場所を指定してOracle Databaseのインストール中に適用することもできます。


関連項目:

-downloadUpdatesオプションおよびインストールの際の動的なソフトウェア更新の適用の詳細は、「Oracle Universal Installerの実行」を参照してください。

1.6 Oracle Databaseのエディション

Oracle Database 11gリリース2(11.2)のインストール時には、次のデータベース・エディションから1つ選択できます。

  • Enterprise Edition: 「Standard Edition」を選択した場合にインストールされる全製品に加えて、ライセンス供与可能なOracle Databaseオプションとデータベース構成および管理ツールがインストールされます。また、データ・ウェアハウスおよびトランザクション処理で普及している製品もインストールされます。このオプションを使用すると、コンポーネント・リストのコンポーネントを個別に有効または無効にすることもできます。

  • Standard Edition: このインストール・タイプは、部門またはワークグループ・レベルのアプリケーションおよび中小企業(SME)向けに設計されています。コア・リレーショナル・データベース管理サービスおよびオプションを提供するように設計されています。管理ツール、完全分散、レプリケーション、Web機能およびビジネス集中型アプリケーションの構築に役立つ統合セットがインストールされます。

  • Standard Edition One: このインストール・タイプは、部門レベル、ワークグループ・レベルまたはWebアプリケーション向けに設計されています。中小企業の単一インスタンス環境から、多くの部門に分散されている環境まで、Oracle Database Standard Edition Oneには、ビジネス集中型アプリケーションの構築に必要なすべての機能が備わっています。


注意:

  • Oracle Database Clientは個別にインストールする必要があります。Oracle Databaseをインストール中にインストールすることはできません。インストール手順は、Oracle Database Clientのインストレーション・ガイドを参照してください。

  • インストール・プロセスはすべてのデータベース・エディションで同じです。

  • 必ず有効なライセンスがある製品のみをインストールしてください。



関連項目:

各Oracle Databaseエディションで使用可能な機能の詳細とライセンスの情報は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。

1.7 データベース構成オプション

Oracle Databaseのインストール時、インストールの一環としてOracleデータベースを作成するよう選択できます。Oracleデータベースの作成を選択すると、Oracle Universal InstallerではOracle Database Configuration Assistantを使用してOracleデータベースが作成されます。様々な異なるアプリケーション用に設計されている事前構成済データベース・タイプの1つを作成するか、事前構成済データベース・タイプの1つを変更するか、または要件に適したカスタマイズ・データベースを作成できます。

この項では、次のデータベース構成オプションについて説明します。

1.7.1 事前構成済データベース・タイプ

Oracleでは、インストール時に作成したりカスタマイズできる次の事前構成済データベース・タイプを提供しています。

  • 汎用目的、トランザクション処理

  • データ・ウェアハウス

これらの事前構成済データベース・タイプの説明は、Oracle Universal InstallerまたはOracle Database Configuration Assistantのオンライン・ヘルプを参照してください。

1.7.2 データベースの作成に影響するインストールの選択

Oracle Universal Installerは、インストール時の選択により、次の2通りのモードでOracle Database Configuration Assistantを実行します。

  • サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モード

    「Enterprise Edition」または「Standard Edition」のデータベース・エディションを選択した場合、事前構成済データベース・タイプを作成するよう選択してください。Oracle Universal Installerでは、選択したタイプのデータベースの作成に必要な最低限の情報がプロンプトで表示されます。この場合、ソフトウェアのインストール後に、Oracle Database Configuration Assistantがサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行され、データベースが作成されます。


    注意:

    以前にデータベースを作成していない場合、この方法を使用してデータベースを作成することをお薦めします。

  • 対話モード

    Oracle Universal Installerを使用してデータベースをインストールし、OracleホームからOracle Database Configuration Assistantを起動します。Oracle Database Configuration Assistantは対話モードで実行されます。Oracle Database Configuration Assistantの画面を使用すると、事前構成済データベース・タイプのうち1つを変更するか、データベースをカスタマイズできます。


    注意:

    この方法を選択してデータベースを作成する場合、Oracle Database Configuration Assistantの各画面で指定の必要な情報の説明を表示するには、その画面にある「ヘルプ」をクリックしてください。

1.7.3 インストール後のデータベースの作成

インストール中にデータベースを作成しなかった場合、ソフトウェアのインストール後にOracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成できます。インストール後にOracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のDBCAを使用したデータベースの作成と管理に関する項を参照してください。

1.8 データベース記憶域オプション

インストール時にデータベースを作成する場合は、データベース・ファイルについて次の記憶域オプションのいずれか1つを指定できます。


注意:

インストール中にRAWデバイスにファイルをインストールするオプションは使用できなくなりました。ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)を使用する必要があります。

1.8.1 ファイル・システム

ファイル・システム・オプションを使用すると、Oracle Database Configuration Assistantにより、コンピュータにマウントされたファイル・システムのディレクトリにデータベース・ファイルが作成されます。オペレーティング・システムまたはOracleソフトウェアで使用されるファイル・システムとは異なるファイル・システムを選択することをお薦めします。次のいずれのファイル・システムも選択できます。

  • システムに物理的に接続されているディスク上のファイル・システム

    論理ボリュームまたはRAIDデバイス以外の基本ディスクにデータベースを作成する場合は、Optimal Flexible Architecture (OFA)推奨事項に従い、データベース・ファイルを複数のディスクに分散させることをお薦めします。

  • 論理ボリューム・マネージャ(LVM)またはRAIDデバイス上のファイル・システム

    LVMまたはRAID構成で複数のディスクを使用している場合は、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を使用してパフォーマンスと信頼性を高めることをお薦めします。この方法を使用すると、データベース記憶域用に複数のファイル・システムのマウント・ポイントを指定する必要がありません。

  • 動作保証されているネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスからマウントされたネットワーク・ファイル・システム(NFS)。NFS構成の管理が簡素化され、パフォーマンスも向上するDirect NFSクライアント機能を使用することもできます。

    オラクル社によってNASデバイスが動作保証されている場合、これらにデータベース・ファイルを格納できます。


    関連項目:


「詳細」データベース作成オプション使用する場合は、新規データベースでOracle Managed Files機能を使用することもできます。この機能を使用するには、データベース・ファイルを作成または削除するときに、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクト名を指定する必要があります。


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』「データベースの作成でのOracle Managed Filesの指定」

1.8.2 Oracle Automatic Storage Management

Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)は、パフォーマンスの高いストレージ管理ソリューションです。Oracle Databaseファイルでは、データベースの作成やレイアウトおよびディスク領域の管理など、動的なデータベース環境の管理作業が簡素化されます。

Oracle ASMは、単一データベース・インストール環境、複数データベース・インストール環境、およびOracle RAC環境で使用できます。また、Oracle Database 10gリリース1(10.1.0.3以上)で作成されたデータベースで使用できます。ただし、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のデータベースでは、Oracle Database 11gリリース2(11.2)以上のOracle ASMを使用する必要があります。Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureインストールの一部としてインストールされます。Oracle ASMを使用する場合は、データベースのインストールおよび作成を行う前にOracle Grid Infrastructureをインストールする必要があります。既存のOracle ASMインストールをアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。


関連項目:

Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールの詳細は、第3章「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure」を参照してください

Oracle ASMでは、REDOログ、制御ファイル、データ・ポンプ・エクスポート・ファイルなど、すべてのデータベース・ファイルの記憶域が管理されます。

Oracle ASMでは、Oracle Automatic Storage Management Cluster File Systemを使用してファイル・システムを作成することで、Oracle Database実行可能バイナリ・ファイルおよび他のデータベース以外のファイルを管理できます。Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システムはクラスタですが、単一インスタンス・データベースではファイル・システムとしても機能します。


関連項目:

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

高度なレベルでは、Oracle ASMを実装すると、ストライプ化およびミラー化を考慮して、パーティション化されたディスクがOracle Databaseに割り当てられます。Oracle ASMにより、ディスク領域が自動的に管理されます。したがって、論理ボリューム・マネージャ(LVM)のような従来のディスク管理ツール、ファイル・システムおよび両者の管理に必要となる数多くのコマンドが必要なくなります。Oracle ASMとデータベース・インスタンスとの同期化は、CSSにより処理されます。

Oracle ASMのインストールは、次の2つの要素によって構成されています。

Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループ

ディスク・グループは、Oracle ASMにより1つのユニットとして管理されるディスク・デバイスの集合です。各ディスク・デバイスには、個別の物理ディスク、RAIDストレージ・アレイや論理ボリュームなどの複数のディスク・デバイス、または物理ディスク上のパーティションを使用できます。ほとんどの場合、ディスク・グループは1つ以上の個別物理ディスクで構成されます。Oracle ASMでディスク・グループ内の入出力操作と記憶域のバランスを効果的に調整できるように、ディスク・グループ内のすべてのデバイスの記憶容量とパフォーマンスが、完全に同じでなくとも類似していることを確認する必要があります。

Oracle ASMディスク・グループ・テンプレートを使用すると、ディスク・グループ内の個別ファイル・タイプの冗長性属性およびストライプ化属性を設定できます。ディスク・グループを作成すると、Oracle ASMにより、そのディスク・グループ用に一連のデフォルト・テンプレートが作成されます。デフォルトのテンプレート設定は、ディスク・グループのタイプに応じて異なります。たとえば、標準および冗長性の高いディスク・グループの場合、制御ファイルのデフォルト・テンプレートは3方向ミラー化に設定されます。他のファイルは、標準冗長性の場合は双方向ミラー化に設定され、高冗長性の構成時には3方向ミラー化に設定されます。高冗長性ディスク・グループの場合、デフォルトのミラー化を変更できません。つまり、高冗長性ディスク・グループでは、すべてのファイルが常に3方向でミラー化されます。デフォルト・テンプレートは、サイトの要件に合せて変更できます。詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

Oracle ASMはディスク・グループのすべてのデバイスにデータを均等に分散させて、パフォーマンスと使用率を最適化します。データベースを停止せずに、ディスク・グループにディスク・デバイスを追加または削除できます。ディスクを追加または削除すると、Oracle ASMによりディスク・グループ内の各ファイルのバランスが再調整されます。複数のディスク・グループを作成し、日常のファイル格納アクティビティに加えて、バックアップおよびリカバリ操作のような特定のタスクを実行できます。

ディスク・グループにデバイスを追加するときに、そのデバイスの障害グループを指定できます。障害グループにより、同じコントローラに接続されているデバイスなど、共通の障害特性を持つディスク・デバイスが識別されます。コントローラに障害が発生すると、そこに接続されているデバイスがすべて使用不可能になります。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループにも属しています。Oracle ASMでは、指定された障害グループを使用してデータがディスク・グループ内のデバイスに分散され、コンポーネントの障害によるデータ消失の危険性が最小限に抑制されます。

Oracle Automatic Storage Managementインスタンス

Oracle ASMインスタンスは、Oracle ASMディスク・グループを管理する特殊なOracleインスタンスです。Oracle Grid Infrastructureをインストールすると、必要に応じて、Oracle ASMインスタンスおよびASMSNMPアカウントが作成され起動されます。Oracle Enterprise Managerでは、このアカウントを使用してOracle ASMインスタンスが監視され、Oracle ASM関連のデータ・ディクショナリ・ビューからデータが取得されます。ASMSNMPアカウントの作成と同時にステータスはOPENに設定され、SYSDBA権限が付与されます。

Oracle ASMインスタンスは独自のOracleホームに格納しておくことをお薦めします。また、Oracle ASMを使用するデータベース・インスタンスを起動する前に、このインスタンスを実行することをお薦めします。

Oracle Databaseインストールの場合、必要なOracle ASMインスタンスは、コンピュータ上のデータベース・インスタンス数に関係なく1つのみです。


関連項目:

ASMSNMPユーザーの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』「Oracle Enterprise ManagerによるOracle ASMユーザーの管理」を参照してください。

1.9 データベース管理オプション

データベース管理を容易にするために、Oracle Enterprise Managerと呼ばれるWebベースの管理ツールが提供されています。Oracle Enterprise Managerは、次のような方法でデプロイできます。

  • Oracle Enterprise Managerを環境の中心にデプロイ

    Oracle Enterprise Managerを中心にデプロイするには、1つ以上のOracle Management Repositoryと1つのOracle Management Serviceを環境にインストールした後、管理する各コンピュータにOracle Enterprise Management Agentをインストールする必要があります。その後、単一のHTMLインタフェースを使用して、それらの全システムのソフトウェア・ターゲットおよびハードウェア・ターゲットを管理および監視できます。ターゲットには、Oracleデータベース、アプリケーション・サーバー、Netリスナーおよびサード・パーティのソフトウェアを含めることができます。この単一のインタフェースは、Oracle Enterprise Manager Grid Control(または単にGrid Control)と呼ばれています。


    注意:

    • Oracle Enterprise Managerは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストール・メディアで別に提供されています。

    • 動作保証の最新情報は、次の場所からMy Oracle Supportのノート412431.1の「Oracle Enterprise Manager Grid Controlの動作保証チェッカ」を参照してください。

      https://support.oracle.com/


  • Oracle Enterprise Manager Database Controlをデータベース・システム上にローカルにデプロイ

    Oracle Enterprise Manager Database Controlソフトウェアは、Oracle Databaseのインストール時にデフォルトでインストールされます。このローカルでのインストールにより、Oracle Enterprise Manager Database Controlと呼ばれるWebベース・インタフェースが提供されます。Database Controlは、Grid Controlと類似していますが、Database Controlの場合は単一のデータベースのみを管理できます。このシステム上で複数のデータベースを管理する場合は、データベースごとに別のDatabase Controlを構成するか、Oracle Enterprise Manager Grid Controlをインストールする必要があります。


    関連項目:

    Oracle Enterprise Managerの詳細は、Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストール・メディアに収録されている『Oracle Enterprise Manager概要』および『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

この項の内容は、次のとおりです。

1.9.1 事前構成済データベースの管理オプション

インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを選択する必要があります。次のオプションを使用できます。

  • 中央データベース管理にGrid Controlを使用

    このオプションは、Oracle Enterprise Manager Database Control Agentがシステム上にインストールされている場合にのみ使用できます。Oracle Universal Installerにより、システム上でOracle Management Agentが検出された場合は、このオプションを選択して、データベースの管理に使用するOracle Management Serviceを指定できます。

    Oracle Management Agentがインストールされていない場合、データベースの管理にDatabase Controlを使用する必要があります。しかし、Oracle Databaseのインストール後にOracle Management Agentをインストールする場合には、このデータベースの管理にGrid Controlを使用できます。

  • ローカル・データベース管理にDatabase Controlを使用

    このオプションは、Oracle Management Agentがシステム上にインストールされていない場合に、デフォルトで選択されます。ただし、Management Agentがインストールされている場合でも、Database Controlを構成してデータベースを管理できます。

1.9.2 カスタム・データベースの管理オプション

Oracle Universal Installerを使用してデータベースをインストールし、OracleホームからOracle Database Configuration Assistantを起動します。Oracle Database Configuration Assistantは対話モードで実行されます。Oracle Database Configuration Assistantの画面を使用して、データベースの管理に使用するOracle Enterprise Managerインタフェースを指定できます。Enterprise Managerでデータベースを構成しないように選択することもできます。

インストール時にEnterprise Managerを使用してデータベースを構成することをお薦めします。ただし、インストール時にEnterprise Managerを使用してデータベースを構成しない場合は、インストール後にOracle Database Configuration Assistantを使用して、Enterprise Managerを使用するようにデータベースを構成できます。

1.9.3 Oracle Enterprise Manager Database Controlで使用できる機能

Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、Oracleデータベースの監視、管理および保守に使用できるWebベースのユーザー・インタフェースが提供されます。これを使用して、すべてのデータベース管理タスクを実行できます。また、データベースに関する情報の確定にも使用できます。

  • インスタンス名、データベースのバージョン、Oracleホームの位置、メディア・リカバリ・オプションおよびその他のインスタンス・データ

  • 現行のインスタンスの可用性

  • データベース・アラート情報

  • セッションおよびSQL関連のパフォーマンス情報

  • 領域使用マトリクス

この他にも、セキュリティ・アラートの自動通知機能や、ソフトウェア用のパッチをダウンロードして適用する機能があります。

1.10 データベース・バックアップおよびリカバリ・オプション

インストール時にOracle Enterprise Manager Database Controlを使用する場合は、オプションでオラクル社推奨のデフォルト・バックアップ方法を使用する自動データベース・バックアップを有効にできます。インストール時に自動バックアップを有効にする必要はありません。Oracle Enterprise Manager Database ControlまたはGrid Controlを使用して、ソフトウェアをインストールしてデータベースを作成した後に自動バックアップを構成できます。

この項の内容は、次のとおりです。


関連項目:

  • Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用した自動バックアップの構成やカスタマイズ、またはバックアップしたデータベースのリカバリの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

  • バックアップ方法の定義と、Oracleデータベースのバックアップおよびリカバリの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。


1.10.1 自動バックアップの有効化

自動バックアップを有効にすると、Oracle Enterprise Managerでは、高速リカバリ領域と呼ばれるディスク上の記憶域にすべてのデータベース・ファイルをバックアップするOracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、日次バックアップ・ジョブがスケジュールされます。バックアップ・ジョブの初回実行時には、データベースの全体バックアップが作成されます。その後のバックアップ・ジョブでは、増分バックアップが実行され、先行する24時間におけるどの時点の状態にもデータベースをリカバリできます。

自動バックアップ・ジョブをインストール時に有効にするには、次の情報を指定する必要があります。

  • 高速リカバリ領域の場所

    高速リカバリ領域では、ファイル・システム・ディレクトリまたはOracle ASMディスク・グループのいずれかを使用できます。高速リカバリ領域およびデータファイルの場所にデフォルト値を設定する場合は、開始ポイントとしてOracleベースを使用します。Oracleベースの詳細は、『Oracleベース・ディレクトリ』を参照してください。

    • デフォルトの高速リカバリ領域: $ORACLE_BASE/recovery_area

    • デフォルトのデータファイルの場所: $ORACLE_BASE/oradata

    高速リカバリ領域に構成されるデフォルトのディスク割当て制限は、2GBです。Oracle ASMディスク・グループでは、必要なディスク領域は選択するディスク・グループの冗長性レベルにより決定します。高速リカバリ領域の場所を選択する方法およびそのディスク領域要件の詳細は、第2章を参照してください。

  • バックアップ・ジョブのオペレーティング・システムのユーザー名およびパスワード

    Oracle Enterprise Managerでは、バックアップ・ジョブの実行時に指定するオペレーティング・システムの接続情報が使用されています。指定するユーザー名は、データベース管理者を識別するUNIXグループ(ORA_DBAグループ)に属している必要があります。このユーザーは、Logon As A Batch Job権限も備えている必要があります。

1.10.2 バックアップ・ジョブのデフォルト設定

インストール時に事前構成済データベースを選択した後に自動バックアップを有効にすると、自動バックアップは次のデフォルト設定で構成されます。

  • バックアップ・ジョブは毎朝2.00 a.m.に実行するようスケジュールされています。

  • 高速リカバリ領域のディスク割当て制限は、2GBです。

インストール時またはインストール後のいずれかの時点で、Oracle Database Configuration Assistantを使用して自動バックアップを有効にすると、様々なバックアップ・ジョブの開始時間および様々な高速リカバリ領域のディスク割当て制限を指定できます。

1.11 電子メール通知オプション

インストール時、データベースの管理にOracle Enterprise Manager Database Controlを使用するオプションを選択すると、特定のイベントが発生した場合に電子メールを自動的に送信するようOracle Enterprise Managerを構成することもできます。これらのイベントには、ディスク領域のクリティカル制限(しきい値)への到達、またはデータベースの予期しない停止などの状態変化を含めることができます。

電子メール通知を有効にするには、次の情報を指定する必要があります。

  • Simple Mail Transfer Protocol(SMTP)サーバーのホスト名

  • アラートを受信する電子メール・アドレス

    電子メール・アドレスには、個人のアドレス、共有電子メール・アカウントまたは配布リストを指定できます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用すると、データベースの作成後に電子メール通知を設定、変更またはカスタマイズできます。


注意:

「電子メール通知を有効にする」オプションは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)以降使用できません。

1.12 移行の考慮事項

32ビットLinux用のOracle Database 11gリリース2(11.2)データベースは、64ビットLinux用のOracle Database 11gリリース2(11.2)データベースに移行できます。移行の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス for Linux and UNIX-Based Operating Systems』の「32ビットLinuxから64ビットLinuxへのデータベースの移行」を参照してください。

1.13 アップグレードの考慮事項

以前のリリースのOracle DatabaseからOracle Database 11gリリース2(11.2)へのアップグレードの詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。次の各項では、既存のデータベースをアップグレードする前に確認する必要があるプラットフォーム固有のその他のアップグレード情報について説明します。

1.13.1 データベースのアップグレード前のオペレーティング・システムのアップグレード

新しいリリースのOracle Databaseにアップグレードする場合、オペレーティング・システム要件が変更されている可能性があります。必要に応じて、Oracle Databaseをアップグレードする前にオペレーティング・システムをアップグレードします。サポートされているオペレーティング・システムの一覧については、第2章「Oracle Databaseのインストール前の作業」を参照してください。

オペレーティング・システムをアップグレードしてからデータベースのアップグレードを実行するには、次のいずれかの手順を実行します。

1.13.1.1 オペレーティング・システムのアップグレード

オペレーティング・システムをアップグレードします。次に、手動またはOracle Database Upgrade Assistantでデータベースをアップグレードします。

1.13.1.2 新しいコンピュータへの移行

次のいずれかの方法を使用して、新しいコンピュータに移行します。

  • 新しいコンピュータでデータベースをアップグレードするには、次のようにします。

    1. 前のオペレーティング・システムを実行しているコンピュータから、サポートされているオペレーティング・システムを実行しているコンピュータに、データベース・ファイルをコピーします。

    2. サポートされているオペレーティング・システムを実行しているコンピュータに制御ファイルを再作成します。

    3. 『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』に説明されている方法を使用して、データベースを手動でアップグレードします。


    注意:

    この方法では、Oracle Database Upgrade Assistantは使用できません。ただし、前のデータベースに戻す処理は容易になります。

  • また、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』に説明されている、エクスポート/インポート・ユーティリティの方法を使用して、データベースをアップグレードすることも可能です。


    関連項目:

    現在のデータベース・リリースのアップグレード方法の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』のOracle Databaseをアップグレードする場合にサポートされるアップグレード・パスに関する項の表を参照してください。

1.13.2 Oracle Automatic Storage Managementのアップグレード

以前のリリースでは、Oracle Databaseのインストールの一部としてOracle ASMがインストールされました。Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、Oracle ASMは、クラスタまたはスタンドアロン・サーバーへのOracle Grid Infrastructureのインストールに含まれます。

既存のOracle ASMインストールをアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。Oracle ASMがインストールされていない場合、Oracle ASMを記憶域オプションとして使用するには、Oracle Databaseのインストールを開始する前に、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了してください。


関連項目:

  • 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

  • 『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』


1.13.3 夏時間のアップグレード

夏時間のアップグレードの詳細は、「タイムゾーン付きタイムスタンプ・データ型の夏時間のアップグレード」を参照してください。

1.13.4 同じOracleホームでのOracle Databaseのアップグレード

Oracle Databaseのインプレース・アップグレードの実行の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。