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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56274-14
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4 Oracle Database Clientのインストール後の作業

この章では、Oracle Database Clientソフトウェアをインストールした後に、インストール後の作業を完了する方法について説明します。内容は次のとおりです。

「インストール後の必須作業」で説明する作業は、必ず実行してください。すべてのインストールが完了した後は、「インストール後の推奨作業」で説明する作業を実行することをお薦めします。

「インストール後の製品固有の必須作業」で説明する製品のいずれかをインストールして使用する場合は、製品固有の項で説明する作業を実行する必要があります。


注意:

この章では、基本構成についてのみ説明します。すべての構成およびチューニングの詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス for Linux and UNIX-Based Operating Systems』『Oracle Database管理者ガイド』、および製品固有の管理ガイドおよびチューニング・ガイドを参照してください。

4.1 インストール後の必須作業

インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行する必要があります。

4.1.1 パッチのダウンロードとインストール

インストールに必要なパッチについては、My Oracle SupportのWebサイトで確認してください。


注意:

パッチをダウンロードしてもInstant Clientを更新できません。Instant Clientを更新するには、「Instant Clientの更新」の手順を実行してください。

必要なパッチをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、My Oracle SupportのWebサイトを表示します。

    https://support.oracle.com/
    
  2. My Oracle Supportにログインします。


    注意:

    My Oracle Supportの登録ユーザーでない場合は、ここで登録してくださいをクリックして登録の手順に従います。

  3. My Oracle Supportのメイン・ページで「パッチと更新版」タブをクリックします。

  4. 「パッチ検索」グループで、「製品またはファミリ(拡張検索)」を選択します。

  5. 「製品」フィールドで、Oracle Databaseを選択します。

  6. 「リリース」フィールドで、リリース番号を選択します。たとえば、Oracle 11.2.0.3.1とします。

  7. 「検索」をクリックします。

  8. 「パッチ検索」ページに、使用可能なすべてのパッチの更新が表示されます。

  9. パッチ番号を選択して「README」をクリックします。パッチ・セットに関する情報と、インストールへのパッチの適用方法が記載された「README」ページが表示されます。

  10. 「パッチ検索」ページに戻って「ダウンロード」をクリックし、ファイルをシステムに保存します。

  11. Oracle Database 11gリリース1 (11.1)で提供されたunzipユーティリティを使用して、My Oracle SupportからダウンロードしたOracleのパッチ更新を解凍します。解凍ユーティリティは、$ORACLE_HOME/binディレクトリにあります。

4.1.2 Instant Clientの更新

Instant Clientを更新する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Technology NetworkからInstant Clientをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/features/instant-client/index-097480.html

  2. 既存のディレクトリにファイルを格納する場合は、そのディレクトリが空であることを確認します。

    別のディレクトリにファイルを格納(および以前のファイルを削除)する場合は、PATH環境変数の設定を更新して新しい格納場所を反映してください。


注意:

Instant ClientまたはInstant Client Lightの制限として、opatchユーティリティを使用してパッチのアップグレードを行えません。これは、パッチのアップグレード・プロセスがパッチをアップグレードするためにアクセスする必要のあるインベントリがInstant Clientのインストールで作成されないためです。また、インベントリが存在しないということは、パッチの試行が不可能になる前に、インストール済の中間のパッチが報告され、競合が検出されることを意味します。

4.1.3 Instant Clientでの接続

「InstantClient」インストール・タイプでインストールした場合は、次のようにユーザーの環境を構成して、動的にリンクされたクライアント・アプリケーションによるデータベースへの接続を有効にすることができます。

  1. プラットフォームの適切な共有ライブラリ・パス環境変数を設定して、Instant Clientライブラリを含むディレクトリを指定します。「InstantClient」インストール・タイプの場合、このディレクトリは、インストール時に指定したOracleホーム・ディレクトリになります。たとえば、次のようになります。

    /u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1
    
  2. 次のいずれかの方法で、クライアント・アプリケーションのデータベース接続情報を指定します。

    • 次の形式でSQL接続URL文字列を指定します。

      //host:port/service_name
      
    • TNS_ADMIN環境変数を設定してtnsnames.oraファイルの場所を指定し、そのファイルからサービス名を指定します。

    • TNS_ADMIN環境変数を設定してTWO_TASK環境変数を設定し、tnsnames.oraファイルからサービス名を指定します。


注意:

ORACLE_HOME環境変数を指定する必要はありません

4.2 インストール後の推奨作業

インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行することをお薦めします。

4.2.1 Instant Client Lightの構成

Instant Clientをインストールすると、Instant ClientライブラリがORACLE_HOMEディレクトリにインストールされ、Instant Client Light固有のライブラリがORACLE_HOME/lightディレクトリにインストールされます。Instant Client Lightを構成するには、ORACLE_HOME/libociei.soファイルをORACLE_HOME/light/libociicus.soファイルに置き換える必要があります。

ライブラリ・ファイルを置き換えた後、Instant Client共有ライブラリ・ファイルの場所を指すようにLD_LIBRARY_PATH環境変数を設定する必要があります。

4.2.2 root.shスクリプトのバックアップ作成

インストールの完了後に、root.shスクリプトのバックアップを作成することをお薦めします。他の製品を同じOracleホーム・ディレクトリにインストールすると、Oracle Universal Installerによりインストール中に既存のroot.shスクリプトの内容が更新されます。オリジナルのroot.shスクリプトに含まれていた情報が必要な場合は、バックアップのroot.shファイルからリカバリできます。

4.2.3 Instant ClientまたはInstant Client LightのOracle Databaseへの接続

Instant Client (Instant Client Lightを含む)がOracleデータベースに接続する前に、Instant Clientライブラリを含むディレクトリがLD_LIBRARY_PATH環境変数で指定されていることを確認します。このディレクトリは、インストール時に指定したORACLE_HOMEディレクトリです。

たとえば、Instant ClientまたはInstant Client Light(Instant Client Lightを構成した場合)の共有ライブラリは、次の場所にあります。

/u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1

LD_LIBRARY_PATH環境変数の確認後、次の方法のいずれかを使用して、クライアント・アプリケーションのOracle Database接続情報を指定できます。

4.2.3.1 簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定

Instant Clientのtnsnames設定を構成せずに、クライアント・アプリケーションから直接、Oracle Databaseに対する接続アドレスを指定できます。この方法は、tnsnames.oraファイルを作成および管理する必要がないという点で便利です。ただし、アプリケーション・ユーザーは、アプリケーションにログインする際にホスト名およびポート番号を指定する必要があります。

たとえば、クライアント・コンピュータでSQL*Plusを実行する場合、ホスト名がshobeen、ポート番号が1521のサーバー上にあるsales_usデータベースへ接続するには、次のようにしてログインできます。

sqlplus system/admin@//shobeen:1521/sales_us

同様に、アプリケーション・コードでOracle Call Interfaceネット・ネーミング・メソッドを使用して、Instant ClientとOracle Databaseの接続を作成できます。たとえば、OCIServerAttach()コール内の次の形式により、接続情報を指定します。

  • 次の形式でSQL接続URL文字列を指定します。

    //host[:port][/service_name]
    

    次に例を示します。

    //shobeen:1521/sales_us
    
  • あるいは、SQL接続情報をOracle Netキーワード値ペアとして指定できます。次に例を示します。

    "(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=shobeen) (PORT=1521))
    (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales_us)))"
    

    関連項目:

    Oracle Call Interface Instant Clientの使用方法の詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。

4.2.3.2 tnsnames.oraファイルの構成による接続の指定

デフォルトでは、Instant Clientをインストールする場合、Oracle Universal Installerには、サンプルのtnsnames.oraファイルも、通常このファイルの作成に使用されるOracle Net Configuration Assistantユーティリティも含まれません。ただし、ユーザーが実際のホスト名とポート番号を指定せずにすむように、tnsnames.oraファイルによるInstant ClientとOracle Databaseの接続の設定を検討してください。

別のOracleインストールからこのファイルをコピーして変更することによって、tnsnames.oraファイルを手動で作成するか、またはOracle Net Configuration Assistantを使用して、このファイルを自動的に作成および管理できます。

Oracle Net Configuration Assistantをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Universal Installerを実行します。

  2. 「カスタム」インストール・タイプを選択します。

  3. 「使用可能な製品コンポーネント」画面で、Oracle Net Listenerを選択します。

  4. 「サマリー」画面で「インストール」をクリックしてから、「終了」および「はい」をクリックしてOracle Universal Installerを終了します。

各クライアント・コンピュータ上で、次のいずれかの設定を構成します。

  • TNS_ADMIN環境変数を設定してtnsnames.oraファイルの場所を指定し、そのファイルからサービス名を指定します。

  • tnsnames.oraファイルを$ORACLE_HOME/network/adminディレクトリ内に格納し、ORACLE_HOME環境がこのOracleホームに設定されていることを確認します。


    関連項目:

    Oracle Call Interface Instant Client接続文字列の詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。

4.2.3.3 空の接続文字列およびTWO_TASKを使用した接続の指定

接続文字列を空の接続文字列("")に設定し、TWO_TASK環境変数を次のいずれかの値に設定します。

  • 直接アドレス(「簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定」を参照)

  • Oracle Netキーワード値ペア

  • tnsnames.oraエントリ。さらに、TNS_ADMINtnsnames.oraの場所に設定します。

  • tnsnames.oraエントリ。さらに、次のようにします。

    • tnsnames.oraファイルを$ORACLE_HOME/network/adminに格納

    • ORACLE_HOME環境変数をこのOracleホームに設定

この方法により、アプリケーション・コード自体で空の接続文字列が使用されている場合、アプリケーションの内部で接続文字列を指定できます。空の接続文字列のメリットは、アプリケーション自体がtnsnames.oraエントリを指定する必要がないという点です。かわりに、ユーザーがアプリケーションを起動する際、TWO_TASK環境変数の設定に応じてスクリプトまたは環境によってデータベースの場所が決定されます。空の文字列を使用するデメリットは、アプリケーションがデータベースに接続するためにこの追加情報を構成する必要があるという点です。

4.2.4 ユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントの追加設定の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス for Linux and UNIX-Based Operating Systems』を参照してください。

4.2.5 NLS_LANG環境変数の設定

NLS_LANGは、Oracleソフトウェアのロケール動作を指定する環境変数です。この変数では、クライアント・アプリケーションとデータベース・ユーザー・セッションに使用する言語および地域を設定します。また、クライアント用のキャラクタ・セットも設定します。これは、SQL*Plusなど、Oracleクライアント・プログラムにより入力または表示されるデータのキャラクタ・セットです。


関連項目:

NLS_LANG環境変数の詳細は、付録B「Oracle Databaseグローバリゼーション・サポートの構成」を参照してください。


注意:

表示されるデータのキャラクタ・セットは、使用しているキーボード・ドライバやフォントなどのオペレーティング・システムの環境によって決定されます。NLS_LANGキャラクタ・セットがオペレーティング・システムに適合している必要があります。

4.2.6 クライアントの静的ライブラリの生成

クライアントの静的ライブラリ(libclntst11.a)は、インストール時に生成されません。クライアントの静的ライブラリにアプリケーションをリンクする場合は、次の手順に従って最初に静的ライブラリを生成する必要があります。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

  2. ORACLE_HOME環境変数を設定して、Oracle Databaseのインストールに使用したOracleホーム・ディレクトリを指定します。次に例を示します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1 
      $ export ORACLE_HOME
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/11.2.0/client_1
      
  3. 次のコマンドを入力します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/genclntst
    

4.3 インストール後の製品固有の必須作業

次の項では、該当する製品をインストールして使用する場合に実行する必要のある、インストール後の作業について説明します。


注意:

インストール後の作業は、使用する製品についてのみ実行する必要があります。

4.3.1 Oracle Net Servicesの構成

システムに以前のリリースのOracleソフトウェアがインストールされている場合は、Oracle Netのtnsnames.oraおよびlistener.ora構成ファイルの情報を、以前のリリースから新規リリースの対応するファイルにコピーできます。


注意:

tnsnames.oraおよびlistener.oraファイルのデフォルトの位置は、$ORACLE_HOME/network/admin/ディレクトリです。ただし、これらのファイルを1つの中央の場所に保存することもできます。

必要な場合は、追加のデータベース・インスタンスの接続情報を新しいファイルに追加することもできます。

4.3.2 Oracleプリコンパイラの構成

この項では、Oracleプリコンパイラに関するインストール後の作業について説明します。


注意:

プリコンパイラの構成ファイルは、すべて$ORACLE_HOME/precomp/adminディレクトリにあります。

4.3.2.1 Pro*C/C++の構成

PATH環境変数の設定に、Cコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。

次の表に、コンパイラのデフォルト・ディレクトリおよび適切なパス設定確認コマンドを示します。

表4-1 C/C++コンパイラのディレクトリ

パス コマンド

/usr/bin

$ which gcc

/opt/intel_cce_80/bin/icc

$ which icc


4.3.2.2 Pro*FORTRANの構成

PATH環境変数の設定に、FORTRANコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。パス設定は、whichxlfコマンドで確認できます。