この付録では、デフォルトのポート番号を示し、割り当てられたポートをインストール終了後に変更する方法について説明します。
インストールの実行中Oracle Universal Installerでは、各コンポーネントに対して、一連のデフォルト・ポート番号の中からいずれかのポート番号が割り当てられます。多数のOracle Databaseコンポーネントおよびサービスがポートを使用します。管理者は、これらのサービスで使用されるポート番号を把握し、同じポート番号がホスト上の2つのサービスに使用されないことを確認する必要があります。
ほとんどのポート番号はインストール中に割り当てられます。各コンポーネントおよびサービスには、ポート範囲が割り当てられています。これは、Oracle Databaseでポートの割当て時に使用される一連のポート番号です。Oracle Databaseでは、範囲の最小番号から順番に次のチェックが実行されます。
ホスト上の他のOracle Databaseインストールで使用されているポートかどうか。
インストールがその時点で稼働中または停止されている場合も、Oracle Databaseではポートが使用されているかどうかを検出できます。
現在実行中のプロセスで使用されているポートかどうか。
これは、ホスト上のプロセスであればOracle Database以外のプロセスであってもかまいません。
前述の設問に1つでも該当する場合、Oracle Databaseは割当済ポート範囲内で次に上位のポートに移動して、空きポートが見つかるまでチェックを続行します。
ほとんどの場合、Oracle Databaseコンポーネントのポート番号は、ポート構成に使用するツールに表示されます。また、一部のOracle Databaseアプリケーションのポートは、portlist.ini
ファイルに示されます。このファイルは、ORACLE_HOME
\install
ディレクトリにあります。
ポート番号を変更してもportlist.ini
ファイル内では更新されないため、このファイルに依存できるのはインストール直後のみです。ポート番号を検索または変更するには、この付録で説明する方法を使用します。
表E-1に、インストール時に構成されるコンポーネントで使用されるポート番号およびプロトコルを示します。デフォルトでは、範囲内で使用可能な先頭のポートがコンポーネントに割り当てられます。
表E-1 Oracleコンポーネントで使用されるポート
コンポーネントと説明 | デフォルトのポート番号 | ポート範囲 | プロトコル |
---|---|---|---|
Oracleクライアントは、Oracle Net Servicesを使用してデータベースに接続できます。このポートの番号はインストール時に構成できます。このポートを再構成するには、Net Configuration Assistantを使用します。 |
1521 |
1024-65535 |
TCP |
Oracle Client接続用のリスニング・ポート。インストール中に構成されませんが、Net Configuration Assistantを使用すると構成できます。 |
1630 |
1630 |
TCP |
Oracle Enterprise Manager Database Control Enterprise Manager Database Control用のHTTPポート。インストール時に構成されます。ポート番号の変更方法は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlポートの変更」を参照してください。 |
1158 |
5500–5519 |
HTTP |
Oracle Enterprise Manager Database Control Enterprise Manager Database Control用のRMIポート。インストール時に構成されます。ポート番号の変更方法は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlポートの変更」を参照してください。 |
5520 |
5520–5539 |
TCP |
Oracle Enterprise Manager Database Control Enterprise Manager Database Control用のJMSポート。インストール時に構成されます。ポート番号の変更方法は、「Oracle Enterprise Manager Database Controlポートの変更」を参照してください。 |
5540 |
5540–5559 |
TCP |
Enterprise Manager Database Control Agent Oracle Management Agent用のHTTPポートで、Oracle Enterprise Managerの一部です。インストール時に構成されます。このポート番号の変更方法については、「Oracle Enterprise Management Agentポートの変更」を参照してください。 |
3938 |
1830–1849 |
HTTP |
WebベースのアプリケーションがHTTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB HTTPポートが使用されます。このポートはインストール時に構成されますが、その後は参照できません。 関連項目: 『Oracle XML DB開発者ガイド』のOracle XML DBデフォルト・ポートのかわりに標準ポートでHTTP(S)を使用する方法に関する項 |
0 |
手動で構成 |
HTTP |
Oracle XML DB アプリケーションがFTPリスナーからOracle Databaseにアクセスする必要がある場合は、Oracle XML DB FTPが使用されます。このポートはインストール時に構成されますが、その後は参照できません。 関連項目: 『Oracle XML DB開発者ガイド』のOracle XML DBデフォルト・ポートのかわりに標準ポートでFTPを使用する方法に関する項 |
0 |
手動で構成 |
FTP |
Cluster Synchronization Service(CSS) Group Manager用のCSSサービスのノード間接続。ポート番号は自動的に割り当てられます。その後は、参照も変更もできません。 |
42424 |
動的 |
TCP |
ポート番号はインストール時に自動的に割り当てられます。その後は、参照も変更もできません。 |
動的 |
動的 |
TCP |
Microsoftトランザクション・サーバー用のOracleサービス Microsoft Transaction Server用のポート番号は、特定のサーバーにMicrosoft Transaction Serverを初めてインストールする際に、Oracle Universal Installerでポート番号の値を入力するときに構成されます。Microsoft Transaction Serverを同じサーバーの複数のOracleホームにインストールする場合、Oracle Universal Installerは初回のインストールで指定したものと同じポート番号を使用します。 ほとんどの場合、ポート番号を再構成する必要はありません。ポート番号の変更方法は、「Oracle Services for Microsoft Transaction Serverポートの変更」を参照してください。 |
動的 |
49152-65535 |
TCP |
関連項目: Oracleコンポーネントで使用されるクラスタウェア・ポートの一覧については、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)』を参照してください。 |
Oracle Management Agentポートの現行の設定を確認するには、ORACLE_HOME
\
host_sid
\sysman\config\emd.properties
ファイル内でEMD_URL
を検索します。
Oracle Management AgentのHTTPポートを変更するには、次のようにemca -reconfig ports
コマンドを使用します。
emca -reconfig ports -AGENT_PORT 1831
現行のHTTP、RMIおよびJMSポート設定を確認するには、次のファイル内で検索します。
HTTPポート: ORACLE_HOME
\
host_sid
\sysman\config\emd.properties
ファイル内でREPOSITORY_URL
を検索します。
RMIポート: ORACLE_HOME
\oc4j\j2ee\OC4J_DBConsole_
host_sid
\config\rmi.xmlファイル内でrmi-server
タグのport
属性を検索します。
JMSポート: ORACLE_HOME
\oc4j\j2ee\OC4J_DBConsole_
host_sid
\config\jms.xmlファイル内でjms-server
タグのport
属性を検索します。
Oracle Enterprise Manager Database Controlポートを変更するには、次のようにemca -reconfig ports
コマンドを使用します。
ORACLE_HOME\bin> emca -reconfig ports option setting
option
には次の値を使用できます。
DBCONTROL_HTTP_PORT
: 次のようにHTTPポートを設定します。
emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820
RMI_PORT
: 次のようにRMIポートを設定します。
emca -reconfig ports -RMI_PORT 5520
JMS_PORT
: 次のようにJMSポートを設定します。
emca -reconfig ports -JMS_PORT 5521
次のように、1行に複数の-reconfig ports
設定を入力できます。
emca -reconfig ports -DBCONTROL_HTTP_PORT 1820 -AGENT_PORT 1821 -RMI_PORT 5520
ほとんどの場合、ポート番号を再構成する必要はありません。必要な場合は、レジストリ・エディタを使用して、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\OracleMTSRecoveryService\Protid_0
レジストリ・エディタ・キーの値を1024から65535
の範囲の使用可能なポートに編集します。
このキーのポート値が設定されていれば、インストール中、Oracle Universal Installerではこの値が使用されます。設定されていない場合、49152から65535
の範囲の空いているポートが選択されます。