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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58878-10
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5 Oracle Databaseのインストール後の作業

この章では、次のインストール後の構成作業について説明します。

5.1 最新パッチ・セット・リリースのインストール

Oracle Databaseのインストールに成功したら、最新のパッチ・セット・リリースをインストールすることをお薦めします。

My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)を使用する前に、オンラインでの登録が必要です。My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)にログインした後、画面の最上部で「パッチと更新版」タブを選択します。

パッチを検索およびダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、My Oracle SupportのWebサイトを表示します。

    https://support.oracle.com/
    
  2. My Oracle Supportにログインします。


    注意:

    My Oracle Support(以前のOracleMetaLink)の登録ユーザーでない場合は、新規ユーザーの「ここで登録してください」をクリックして登録の手順に従います。

  3. My Oracle Supportのメイン・ページで、「パッチと更新版」タブをクリックします。

  4. 「パッチ検索」グループで、「製品またはファミリ(拡張)」を選択します。

  5. 「製品」フィールドで、「Oracle Database」を選択します。

  6. 「リリース」フィールドで、リリース番号を選択します。たとえば、Oracle 11.2.0.3.2とします。

  7. 「検索」をクリックします。

  8. 「パッチ検索」ページに、使用可能なすべてのパッチの更新が表示されます。

  9. パッチ番号を選択して「README」をクリックします。パッチ・セットに関する情報と、インストールへのパッチの適用方法が記載された「README」ページが表示されます。

  10. 「パッチ検索」ページに戻って「ダウンロード」をクリックし、ファイルをシステムに保存します。

  11. Oracle Database 11gで提供された解凍ユーティリティを使用して、My Oracle SupportからダウンロードしたOracleのパッチ更新を解凍します。解凍ユーティリティは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\binディレクトリにあります。

5.2 無効なPL/SQLモジュールの検証

データベースを新規作成またはアップグレードした後は、utlrp.sqlスクリプトを実行します。このスクリプトは、パッケージ、プロシージャおよび型など、状態がINVALIDとなっている可能性があるすべてのPL/SQLモジュールを再コンパイルします。この手順はオプションですが、後日ではなくインストール時に実行して再コンパイルのパフォーマンス・コストを発生させることをお薦めします。


注意:

スクリプトの実行中は、データベースで他のデータ定義言語(DDL)文を実行しないでください。また、パッケージSTANDARDおよびDBMS_STANDARDは有効にしておく必要があります。

  1. SQL*Plusを起動します。

    DRIVE_LETTER:\> sqlplus /nolog
    
  2. データベースにSYSアカウントで接続します。

    SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
    Enter password: SYS_password 
    
  3. データベースを起動します(必要な場合)。

    SQL> STARTUP
    
  4. デフォルトでORACLE_HOME\rdbms\admin\utlrp.sqlにあるutlrp.sqlスクリプトを実行します。次に例を示します。

    SQL> @?\rdbms\admin\utlrp.sql
    

5.3 Secure Sockets Layerの構成

HTTPリクエストでパスワードや他の機密データをクリアテキストで送信しないように、Secure Sockets Layer(SSL)を構成および使用することをお薦めします。


関連項目:

  • SSLの構成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』のSSLの使用およびSSLの有効化に関する項を参照してください。

  • SSLの使用事項の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』のSSLの使用事項に関する項を参照してください。


5.4 Oracle SQL Developerのインストール後の作業

SQL Developerのインストール後の推奨作業については、Oracle SQL Developerインストレーション・ガイドの次に関する項を参照してください。

  • 以前のリリースからのユーザー設定の移行

  • 以前のリリースからの情報の移行

  • ユーザー関連情報の場所

5.5 Oracleコンポーネントの構成

多くのOracle製品およびオプションは、使用を開始する前に構成する必要があります。個々のOracle製品またはオプションを使用する前に、製品のドキュメント・ライブラリに格納されている適切なマニュアルを参照してください。

この項の内容は、次のとおりです。


関連項目:

  • 『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』の第4章「データベースからのインストール時の構成タスク」

  • Oracle Configuration Managerのインストール後の作業の詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』のインストール後のデータベースの構成に関する項を参照してください。



注意:

使用する予定のコンポーネントについてのみ、インストール後の作業を実行する必要があります。

5.5.1 Direct NFSクライアント

Oracle Database 11gでは、データファイルは、サポートされているNFSシステムに格納できます。Oracle内部のDirect NFSクライアントを使用して直接NFS V3サーバーにアクセスするようOracle Databaseを構成できます。Oracle DatabaseでDirect NFSクライアントを使用してNFSサーバーを開くことができない場合は、Direct NFSクライアントを確立できなかったことを示す情報メッセージがOracleアラートおよびトレース・ファイルに記録されます。

Direct NFSクライアントで作成されたOracleデータ・ファイルの管理は、『Oracle Database管理者ガイド』に記載されているガイドラインに従って行う必要があります。Direct NFSクライアントによって処理されるNFSサーバーに存在するOracleファイルにも、サード・パーティのNFSクライアントを介してアクセスできます。ボリュームをCIFSまたはカーネルNFSにマウントして、コピーなどの通常のWindowsのユーティリティおよびコマンドを有効にし、リモート・ロケーションにあるデータベース・ファイルにアクセスする必要があります。CIFSにマウントされたボリュームは、Direct NFSクライアントを構成して初めてデータベース・ファイルの記憶域に使用できます。データベース・アクセスに必要なアトミック書込み要件は、CIFSプロトコルでは保証されていません。したがって、CIFSは、コピーや移動などのオペレーティング・システム・レベルのコマンド用にのみ使用できます。

一部のNFSファイル・サーバーでは、NFSクライアントは予約されたポートを使用して接続する必要があります。予約されたポートのチェックを使用してファイラを実行している場合は、Direct NFSクライアントが動作するように、予約されたポートのチェックを無効にする必要があります。予約されたポート・チェックを無効化するには、NFSファイル・サーバーのドキュメントを参照してください。

Direct NFSクライアントでは、NFSサーバーに対して定義されているネットワーク・パスを4つまで使用できます。Direct NFSクライアントによって、指定したすべてのパス間でロード・バランシングが実行されます。指定したパスで障害が発生した場合は、Direct NFSクライアントによって、残りのパスに対してI/Oコマンドが再発行されます。

Direct NFSクライアントでは、16384バイト以上のNFS読取り/書込みバッファをサポートするNFSサーバーを必要とします。

Direct NFSクライアントでは、wtmaxの粒度でNFSサーバーへの書込みが発行されます。Direct NFSクライアントでは、wtmaxが16384未満のNFSサーバーは処理されません。推奨される値は32768です。

Direct NFSクライアントの管理には、次のビューを使用します。

  • v$dnfs_servers: Direct NFSクライアントを使用してアクセスしたサーバーの表が表示されます。

  • v$dnfs_files: Direct NFSクライアントを使用して現在開いているファイルの表が表示されます。

  • v$dnfs_channels: Direct NFSクライアントによってファイルが提供されるサーバーに対するオープン・ネットワーク・パス(またはチャネル)の表が表示されます。

  • v$dnfs_stats: Direct NFSクライアントのパフォーマンス統計の表が表示されます。

ポート範囲が制限されたNFSサーバーの場合、クライアントからNFSサーバーへの接続を有効にするにはroot以外にinsecureオプションを使用します。または、「Direct NFSクライアントの無効化」の説明に従って、Direct NFSクライアントを無効にします。


注意:

Oracle Databaseに対してサポートされているNFSサーバーを使用します。サポート情報については、My Oracle SupportのWebサイトを参照してください。
https://support.oracle.com

次の各項では、Direct NFSクライアントのバッファ・サイズの有効化、無効化、チェックについて説明します。

5.5.1.1 Direct NFSクライアントの有効化

Direct NFSクライアントを有効にするため、新しいOracle固有ファイルoranfstabORACLE_HOME\dbsに追加できます。oranfstabORACLE_HOME\dbsに配置すると、このエントリは単一データベースに固有のものとなります。

Direct NFSクライアントでは、ORACLE_HOME\dbs\oranfstab内のマウント・ポイント・エントリが検索されます。最初に一致したエントリがマウント・ポイントとして使用されます。

Direct NFSクライアントを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Direct NFSクライアントを使用してアクセスするNFSサーバーごとに、次の属性を使用してoranfstabファイルを作成します。

    • Server: NFSサーバー名を指定します。

    • Path: NFSサーバーへのネットワーク・パスを4つまで指定します。指定には、NFSサーバーで実行されるifconfigコマンドで表示されるIPアドレスまたは名前を使用します。

    • Local: データベース・ホストのネットワーク・インタフェースを4つまで指定します。指定には、データベース・ホストで実行されるipconfigコマンドで表示されるIPアドレスまたは名前を使用します。

    • Export: NFSサーバーからエクスポートされたパスを指定します。UNIX形式のパスを使用します。

    • Mount: エクスポートされたボリュームの対応するローカル・マウント・ポイントを指定します。Windows形式のパスを使用します。

    • mnt_timeout: タイムアウトまでDirect NFSクライアントが正常なマウントを待機する時間(秒)を指定します。このパラメータはオプションで、デフォルトのタイムアウトは10分です。

    • management: Direct NFSクライアントを有効にして、SNMP問合せの管理インタフェースを使用します。SNMPがNFSサーバー上の別の管理インタフェースで実行されている場合は、このパラメータを使用できます。デフォルト値は、serverパラメータ値です。

    • community: SNMP問合せで使用するコミュニティ文字列を指定します。デフォルト値はpublicです。

    次に、NFSサーバー・エントリが2つ指定されたoranfstabファイルの例を示します。

    server: MyDataServer1
    local: 132.34.35.10
    path: 132.34.35.12
    local: 132.34.55.10
    path: 132.34.55.12
    export: /vol/oradata1 mount: C:\APP\ORACLE\ORADATA\ORCL
    
    server: MyDataServer2
    local: LocalInterface1
    path: NfsPath1
    local: LocalInterface2
    path: NfsPath2
    local: LocalInterface3
    path: NfsPath3
    local: LocalInterface4
    path: NfsPath4
    export: /vol/oradata2 mount: C:\APP\ORACLE\ORADATA\ORCL2
    export: /vol/oradata3 mount: C:\APP\ORACLE\ORADATA\ORCL3
    

    一般に、oranfstabファイルに指定されたマウント・ポイントは、通常、つまりDirect NFSクライアントを有効化せずにデータベース・ファイルが存在するローカル・パスを表します。たとえば、Direct NFSクライアントを使用しないデータベースがC:\app\oracle\oradata\orclディレクトリにファイルを保持する場合、対応するoranfstabファイルに仮想マウント・ポイントとしてC:\app\oracle\oradata\orclを指定する必要があります。


    注意:

    Windowsプラットフォームでは、oranfstabファイルにオプション・パラメータを2つ指定できます。
    • uid: Direct NFSクライアントによって使用されるUNIXのユーザーID

    • gid: Direct NFSクライアントによって使用されるUNIXのグループID


    Direct NFSクライアントでは、uidまたはgid値を使用して、oranfstabにリストされたすべてのNFSサーバーにアクセスします。Direct NFSクライアントは、値が0uidまたはgidを無視します。uidgidも指定されていない場合、Direct NFSクライアントでは、デフォルトのuid:65534gid:65534が使用されます。NFSサーバーでは、デフォルト値はuser:nobodyおよびgroup:nogroupに対応することがあります。


    注意:

    NFSサーバーからエクスポートされたパスは、oranfstabに指定されたuid, gidを持つユーザーによって、読取り、書込みおよび実行操作にアクセス可能である必要があります。uid、gidのどちらもリストされていない場合、エクスポートされたパスは、uid:65534, gid:65534を持つユーザーによってアクセス可能である必要があります。

  2. Oracle Databaseでは、Direct NFSクライアントを有効にするためにODMライブラリoranfsodm11.dllを使用します。標準のODMライブラリoraodm11.dllのかわりに、ODM NFSライブラリoranfsodm11.dllを使用する場合は、次の手順に従ってください。

    1. ディレクトリを、ORACLE_HOME\binに変更します。

    2. Oracleデータベースを停止します。

    3. 次のコマンドを入力します。

      DRIVE_LETTER:\> copy oraodm11.dll oraodm11.dll.stub
      DRIVE_LETTER:\> copy /Y oranfsodm11.dll oraodm11.dll 
      

5.5.1.2 Direct NFSクライアントの無効化

Direct NFSクライアントを無効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Grid Infrastructureソフトウェアの所有者としてログインします。

  2. 「Direct NFSクライアントの有効化」で実行したプロセスを逆順に実行して、oraodm11.dllスタブ・ファイルを元に戻します。

  3. oranfstabファイルを削除します。

5.5.1.3 ORADNFS

ORADNFSは、データベース管理者がMicrosoft Windowsプラットフォーム上でダイレクトNFSクライアントを介して基本ファイル操作を実行できるようにするユーティリティです。

ORADNFSはマルチコール・バイナリで、複数のユーティリティのように機能する単一のバイナリです。これにより、すべての組込みコマンドで多くの共通操作に対してDNFSを利用できるので、ORADNFSを小さくすることができます。ORADNFSは、コマンドラインで引数としてコマンドを発行して実行します。

たとえば、C:\> ORADNFS helpによりORADNFSは組込みコマンドのリストを出力し、C:\> ORADNFS ls C:\ORACLE\ORADATA\ORCLによりORADNFSはC:\ORACLE\ORADATA\ORCLリモート・ディレクトリのlsコマンドとして動作します。C:\ORACLE\ORADATAは、oranfstab構成ファイルで指定されるDNFS仮想マウント・ポイントです。


注意:

  • oranfstab構成ファイルの有効なコピーは、ORADNFSで操作されるORACLE_HOME\dbsディレクトリにある必要があります。

  • ユーザーは、ORADNFSを実行するローカルORA_DBAグループのメンバーである必要があります。


5.5.2 Oracle Messaging Gatewayの構成

Oracle Databaseアドバンスト・キューイングの機能であるOracle Messaging Gatewayでは、Oracle Databaseアドバンスト・キューイングを使用する場合、Oracle Databaseのインストール後、追加の構成を必要とします。


関連項目:

Oracle Messaging Gatewayの構成や、listener.oratnsnames.oraおよびmgw.oraファイルの構成に関する追加指示の詳細は、『Oracle Streamsアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイド』のOracle Messaging Gatewayのロードおよび設定に関する項を参照してください。

5.5.3 Oracle Administration Assistant for Windowsの構成

Oracle Administration Assistant for Windowsを実行するには、Microsoft管理コンソールおよびHTML Help 1.2以上が必要です。Microsoft管理コンソール(MMC)バージョン3.0は、Windows 2003、Windows XP、Windows VistaおよびWindows Server 2008で使用できます。最新のMMCバージョンを使用することをお薦めします。


関連項目:

次のURLにあるMicrosoftのドキュメント
http://www.microsoft.com/

5.5.4 Oracle Counters for Windows Performance Monitorの構成

Oracle Counters for Windows Performance Monitorを使用してOracle固有のカウンタを表示する前に、ORACLE_HOME\binディレクトリにあるoperfcfg.exeを実行してシステム・パスワードを指定する必要があります。operfcfg.exeは、ユーザー名とパスワード、TNSエイリアスの入力を求めてきます。

次に例を示します。

DRIVE_LETTER:\> ORACLE_HOME\bin\operfcfg.exe
Enter user-name: system
Enter password: password
Enter tns-alias: orcl
operfcfg: New registry values have been successfully set.

次のコマンドを実行する場合、operfcfg.exeはパスワードを要求しません。

operfcfg.exe -U user_name -D tns_alias

関連項目:

  • Windows Performance Monitorの資格証明の設定の詳細は、My Oracle Support(以前のOracleMetalink)のNote 106375.1を参照してください。

  • Oracle Counters for Windows Performance Monitorの詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド for Microsoft Windows』を参照してください。


5.5.5 Oracle Label Securityの構成

Oracle Label Securityをインストールした場合は、使用する前にデータベース内で構成する必要があります。Oracle Label Securityは、Oracle Internet Directoryの統合を使用するかどうかにかかわらず構成できます。Oracle Internet Directoryの統合を使用せずにOracle Label Securityを構成した場合、後でOracle Internet Directoryを使用するように構成することはできません。


注意:

Oracle Internet Directoryの統合を使用してOracle Label Securityを構成するには、環境にOracle Internet Directoryをインストールし、ディレクトリにOracleデータベースを登録する必要があります。


関連項目:

Oracle Internet Directoryで使用可能なOracle Label Securityの詳細は、『Oracle Label Security管理者ガイド』を参照してください。

5.5.6 Oracle Database Vaultの構成

Oracle Database Vaultをインストールしてある場合はこれをデータベースで登録し、使用する前に、Database Vault所有者および(オプションで)Database Vaultアカウント・マネージャの管理アカウントを作成してください。


関連項目:

Oracle Database Vaultの登録の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

5.5.7 Oracle Net Servicesの構成

システムに以前のリリースのOracleソフトウェアがインストールされている場合は、Oracle Netのtnsnames.oraおよびlistener.ora構成ファイルの情報を、以前のリリースから新規リリースの対応するファイルにコピーできます。


注意:

tnsnames.oraおよびlistener.oraファイルのデフォルトの位置は、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\network\admin\ディレクトリです。

listener.oraファイルの変更

以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードする場合は、以前のリリースではなく現行リリースのOracle Netリスナーを使用することをお薦めします。

静的リスナー情報の以前のOracleホーム・ディレクトリ名を参照している場合、listener.oraファイルをリリース11.2の環境で使用できるようにするには、これらのディレクトリ名を変更する必要があります。

現行リリースのリスナーを使用するには、静的サービス情報を、以前のリリースのlistener.oraファイルから新規リリースで使用するファイルのバージョンにコピーする必要があります。

リリース8.0.3より前のデータベース・インスタンスについては、listener.oraファイルに静的サービス情報を追加します。リリース8.0.3以降のOracle Databaseは、静的サービス情報を必要としません。

tnsnames.oraファイルの変更

中央のtnsnames.oraファイルを使用していない場合は、Oracle Netのサービス名と接続記述子を、以前のリリースのtnsnames.oraファイルから新しいリリースで使用するファイルのバージョンにコピーします。

必要な場合は、追加のデータベース・インスタンスの接続情報を新しいファイルに追加することもできます。

5.5.8 Oracle Textが提供するナレッジ・ベースのインストール

Oracle Textのナレッジ・ベースは、テーマの索引付け、ABOUT問合せ、およびドキュメント・サービスでのテーマの抽出に使用される概念の階層ツリーです。Oracle Textのこの機能のいずれかの使用を計画する場合、Oracle Database Examplesメディアから提供される2つのナレッジ・ベース(英語とフランス語)をインストールできます。


関連項目:

提供されるナレッジ・ベースを要件に応じて拡張する方法や、英語およびフランス語以外の言語で独自のナレッジ・ベースを作成する方法など、ナレッジ・ベースの作成や拡張の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。

5.5.9 Oracle Textフィルタリング・コンポーネントのインストール

Oracle Textフィルタリング・テクノロジでは、Microsoft社によって提供されるVisual C++再頒布可能パッケージに含まれるVisual C++ライブラリが必要です。2005 SP1再頒布可能パッケージ・バージョンのvcredist_x86.exeファイルを次のサイトからダウンロードできます。

http://www.microsoft.com/downloads


関連項目:

Oracle Textフィルタリング・テクノロジの詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。

5.5.10 Oracle XML DBの構成または再インストール

次の作業の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

  • Oracle XML DBの再インストール

  • Oracle XML DB表領域の構成またはカスタマイズ

  • FTP、HTTP/WebDAVポート番号の構成


関連項目:

『Oracle XML DB開発者ガイド』の付録A

5.5.11 PL/SQL外部プロシージャの構成

PL/SQLの構成は、使用されるネットワーク構成ファイルによって異なります。ほとんどの場合、構成は自動です。ただし、8.0.3より前のtnsnames.oraファイルおよびlistener.oraファイルを11gリリース2(11.2)データベースで使用する場合は、手動で構成する必要があります。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「Windows用アプリケーションの開発」

5.5.12 共有サーバー・サポートの構成

共有サーバー・モードを使用するためのデフォルト設定は、ソフトウェアのインストール方法によって決まります。「Enterprise Edition」、「Standard Edition」、「Personal Edition」インストール・タイプでOracle Databaseをインストールした場合、共有サポートは構成されていません。Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成した場合は、共有サーバー・サポートまたは専用サーバー・サポートのいずれかを選択しています。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』の「Windowsでのインストール後の構成タスク」

5.5.13 ジョブ・システムをOracle Enterprise Managerで機能させるための資格証明の設定

Windowsシステムでは、ジョブ・システムがOracle Enterprise Managerで正常に機能するように、正しい資格証明を設定する必要があります。デフォルトでは、Management AgentサービスがLocalSystemユーザーとしてインストールされています。データベースの停止または起動などのジョブを発行するとき、ジョブを発行するオペレーティング・システム・ユーザーは、「バッチ ジョブとしてログオン」権限を有効にする必要があります。

Oracle Enterprise Managerジョブを発行する必要のあるユーザーは、どのオペレーティング・システムの場合でも、次の手順を使用してこの権限を確立します。

  1. 「ローカル セキュリティ ポリシー」ツールを起動します。

    • Windows 2003の場合: 「スタート」メニューから、「管理ツール」「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。

    • Windows XPの場合: 「スタート」メニューから、「コントロール パネル」「管理ツール」「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。

    • Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合: 「スタート」メニューから、「プログラム」「管理ツール」「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。

  2. 「セキュリティの設定」リストの下の「ローカル ポリシー」を開き、一覧表示します。

  3. 「ローカル ポリシー」の下の「ユーザー権利の割り当て」をダブルクリックします。

  4. 「ポリシー」で「バッチ ジョブとしてログオン」ポリシーを検索します。

    Management Agentサービスがその他のユーザーとしてインストールされている(つまり、LocalSystemではない)場合、「バッチ ジョブとしてログオン」権限の付与に加えて、次の3つの権限が「Windowsサービス」ユーザーに付与される必要があります。

    • オペレーティング・システムの一部として機能

    • プロセスのメモリ クォータの増加

    • プロセス・レベル・トークンの置き換え

      「Windowsサービス」ユーザーでのサービスは、オペレーティング・システム・レベルで実行されます。

  5. 各ポリシーで次の手順を実行します。

    1. ポリシー名をダブルクリックします。

    2. 「プロパティ」ダイアログ・ボックスで「ユーザーまたはグループの追加」をクリックします。

    3. 「ユーザーまたはグループの選択」ダイアログ・ボックスで、ユーザーの名前(jsmithadministratorなど)を入力します。


      注意:

      Windows VistaおよびWindows Server 2008では、このダイアログ・ボックスの名前は、「ユーザー、コンピュータ、またはグループの選択」です。

    4. 「名前の確認」をクリックして、名前を正しく入力したことを確認します。

    5. 「OK」をクリックします。

  6. 「OK」をクリックし、「プロパティ」ダイアログ・ボックスを終了し、「ローカル セキュリティ設定」および「管理ツール」を終了します。

  7. コンピュータを再起動します。

ローカルにもドメイン・レベルにもユーザーが存在する場合、Windowsではローカル・ユーザーを優先します。ドメイン・ユーザーを使用するには、ユーザー名をドメイン名で修飾します。たとえば、ACCOUNTSドメインでユーザーjoeを使用するには、ACCOUNTS\joeとしてユーザー名を指定します。

5.5.14 Oracle Automatic Storage Managementと通信するためのOracle Databaseの構成

Windowsでは、Oracle Automatic Storage Managementを使用するOracle Databaseのインストールでは、Windows固有の認証を使用する必要があります。デフォルトでは、Windows固有の認証が有効になっています。これを確認するには、デフォルトでORACLE_HOME\network\adminにあるsqlnet.oraファイルをチェックし、NTSが有効になっていることを確認します。次に例を示します。

sqlnet.authentication_services=(NTS)

関連項目:

Windows固有の認証の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』を参照してください。

5.5.15 Oracle Enterprise Manager Database Controlを使用するためのデータベースの構成

Database Control Assistantを使用して新規データベースを作成する際にOracle Enterprise Manager Database Controlを自動的に構成するオプションがあります。これにより、Enterprise Manager Database Controlを使用してデータベース全体を管理できます。


関連項目:

Database Controlを使用するためのデータベースの構成の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

5.5.16 Oracle Database Examplesのインストール

次の製品または機能の使用を予定している場合は、Oracle Database Examplesメディアから製品をダウンロードおよびインストールしてください。

  • Oracle Databaseのサンプル

  • Oracle JDBC開発ドライバ

  • Oracle Textのナレッジ・ベース


関連項目:

様々なOracle製品のデモの詳細は、『Oracle Database Examplesインストレーション・ガイド』を参照してください。

5.6 高速リカバリ領域ディスク・グループの作成

インストール時、デフォルトではディスク・グループを1つ作成できます。スタンドアロン・サーバー用のOracle Databaseを追加する場合は、データベース・ファイル用に高速リカバリ領域を作成する必要があります。

5.6.1 高速リカバリ領域と高速リカバリ領域ディスク・グループについて

高速リカバリ領域は、リカバリに関連するすべてのOracle Databaseファイルの統合的な記憶域の場所です。データベース管理者は、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE_SIZEパラメータを高速リカバリ領域のパスに定義して、ディスク上のバックアップおよびデータの高速リカバリを有効にできます。最新データの高速バックアップを有効にすると、リカバリ操作用のバックアップ・テープを取得するというシステム管理者への依頼を減らすことができます。

init.oraファイルで高速リカバリを有効にすると、すべてのRMANバックアップ、アーカイブ・ログ、制御ファイル自動バックアップおよびデータベースのコピーが高速リカバリ領域に書き込まれます。RMANは、古くなったバックアップおよびリカバリには必要なくなったアーカイブ・ファイルを削除して、高速リカバリ領域のファイルを自動的に管理します。

高速リカバリ領域ディスク・グループを作成することをお薦めします。Oracle ClusterwareファイルおよびOracle Databaseファイルは、同じディスク・グループに配置できますが、高速リカバリ・ファイルも同じディスク・グループに配置できます。しかし、ストレージ・デバイスの競合を減らすため、別の高速リカバリ・ディスク・グループを作成することをお薦めします。

高速リカバリ領域は、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEを設定すると有効になります。高速リカバリ領域のサイズは、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEで設定します。原則として、高速リカバリ領域が大きいほど、利便性は高くなります。使用しやすくするため、高速リカバリ領域ディスク・グループを、3日以上のリカバリ情報を格納できるストレージ・デバイス上に作成することをお薦めします。高速リカバリ領域は、保存ポリシーに基づいて保存されたデータファイル・バックアップを使用してデータベースをリカバリするのに必要な、すべてのデータファイルおよび制御ファイルのコピー、オンラインREDOログ、アーカイブREDOログ・ファイルを格納するのに十分な大きさであることが理想的です。

複数のデータベースで同じ高速リカバリ領域を使用できます。たとえば、3つの異なるデータベースで共有される、記憶域が150GBのディスク上に高速リカバリ領域ディスク・グループを1つ作成したとします。各データベースの重要性に基づいて、データベースごとに高速リカバリのサイズを設定できます。たとえば、database1は重要性が最も低いデータベースで、database2は重要性がより高く、database3は重要性が最も高い場合、database1には30GB、database2には50GB、database3には70GBとデータベースごとに異なるDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE設定を行い、各データベースの保存ターゲットを満たすことができます。

5.6.2 高速リカバリ領域ディスク・グループの作成

高速リカバリ・ファイル・ディスク・グループを作成するには、次のようにします。

  1. Gridホームのbinディレクトリに移動し、ASMコンフィギュレーション・アシスタント(ASMCA)を起動します。次に例を示します。

    DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\11.2.0\grid\bin
    DRIVE_LETTER:\> asmca
    
  2. ASMCAの「ディスク・グループ」タブが開きます。「作成」をクリックしてディスク・グループを作成します。

  3. 「ディスク・グループの作成」ウィンドウが開きます。

    「ディスク・グループ名」フィールドに、高速リカバリ領域グループの説明的な名前を入力します。たとえば、FRAです。

    「冗長性」セクションで、使用する冗長性のレベルを選択します。

    「メンバー・ディスクの選択」フィールドで、高速リカバリ領域に追加できるディスクを選択して「OK」をクリックします。

  4. ディスク・グループの作成ウィンドウが開き、ディスク・グループの作成が完了すると通知されます。「OK」をクリックします。

  5. 「終了」をクリックします。


関連項目:

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』の高速リカバリ領域の場所および初期サイズの設定に関する項

  • 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』


5.7 データベース・オプションの有効化と無効化

Oracle Databaseをインストールする際、特定のオプションが有効になり、他が無効になります。Oracleホームの特定のデータベース機能を有効または無効にする必要がある場合、データベースを停止し、choptツールを使用します。例5-1を参照してください。

choptツールはコマンドライン・ユーティリティで、ORACLE_HOME\binディレクトリにあります。choptの構文は次のとおりです。

chopt [ enable | disable] db_option

db_optionに使用可能な値を次の表に示します。

説明
dm Oracle Data MiningのRDBMSファイル
dv Oracle Database Vault
lbac Oracle Label Security
olap Oracle OLAP
partitioning Oracleパーティション化
rat Oracle Real Applicationテスト
ode_net_2 .NET 2.0用のOracle Databaseの拡張機能

例5-1 Choptツールの完全な実行例

Oracleバイナリ・ファイルでOracle Label Securityオプションを有効にする手順は、次のとおりです。

  1. データベースをsrvctlまたはSQL*Plusで停止します。

    srvctl stop database -d myDb
    
  2. コントロール パネルの「サービス」プログラムを使用して、データベース・サービスOracleServiceSIDを停止します。

  3. 次のコマンドを実行します。

    cd %ORACLE_HOME%/bin
    chopt enable lbac
    
  4. コントロール パネルの「サービス」プログラムを使用して、データベース・サービスOracleServiceSIDを開始します。

  5. データベースを起動します。

    srvctl start database -d myDb