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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Oracle Solaris
B61028-07
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Oracle Database 11gリリース2(11.2)の新機能

この項では、このマニュアルに記載された新機能について説明し、詳細の参照先を示します。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)の新機能および拡張機能

RACcheck構成監査ツール

Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の構成監査ツール(RACcheck)を使用して、Oracle Databaseインストールを確認することができます。


注意:

RACcheckツールは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)以上で使用できます。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)の新機能および拡張機能

プロキシ・レルム情報

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降、ソフトウェア更新のダウンロードの詳細を指定する際、プロキシ・レルム情報を入力できます。プロキシ・レルムは、認証に使用されるセキュリティ・データベースを識別します。プロキシ・レルムがない場合、「プロキシ・ユーザー名」、「プロキシ・パスワード」および「プロキシ・レルム」の各フィールドに入力する必要はありません。大/小文字が区別されます。

このプロキシ・レルムは、ソフトウェア更新のダウンロードのみを対象とします。

Solaris用TDEハードウェア・アクセラレーション

透過的データ暗号化(TDE)では、暗号化および復号化処理を高速化する専用の暗号シリコンを搭載したデータベース・ホスト・システムを自動的に検出します。検出されると、TDEは専用のシリコンを使用して暗号処理を実行し、暗号パフォーマンス全体を高速化します。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降では、SPARC T3、SPARC T4、およびAES-NIを登載したIntel Xeon上で実行されるSolaris 11でTDEの暗号ハードウェア・アクセラレーションを使用できます。


関連項目:

TDEの詳細は、次のURLにあるOracle Technology Network (OTN)を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/database/options/advanced-security/index-099011.html


Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)の新機能

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)の新機能または拡張機能を次に示します。

拡張パッチ・セットのインストール

Oracle Database 11gリリース2の11.2.0.2パッチ・セットのリリース以降、Oracle Databaseのパッチ・セットはOracle Databaseソフトウェアのフル・インストールになりました。新しいパッチ・セット・パッケージの変更点を次に示します。

  • 前のリリース(11.x、10.x)から最新のパッチ・セットへの直接アップグレードをサポートします。

  • アウトオブプレース・アップグレードにより、新しい別のOracleホームにパッチ・セットをインストールする方法が、推奨されるベスト・プラクティスです。インプレース・アップグレードはサポートされていますが、推奨されません。

  • 基本リリースをインストールしてから特定のパッチ・リリースへのアップグレードを実行する必要なしに、最新のパッチ・セットをインストールできます。


関連項目:

  • 次のURLのMy Oracle Supportノート1189783.1および854428.1:

    https://support.oracle.com
    
  • Oracle OPatchユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIX


新しいソフトウェア更新オプション

この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以上で使用できます。ソフトウェアの更新機能を使用して、ソフトウェア更新の動的なダウンロードおよび適用をOracle Databaseインストールの一部として実行します。または、-downloadUpdatesオプションを使用して更新のダウンロードのみを行い、後でインストールする際に保存場所を指定して更新を適用することもできます。

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム

新しいマルチプラットフォームであるOracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS)は、スケーラブルなファイル・システムで、Oracle ASMテクノロジを拡張して単一インスタンス構成とクラスタ構成の両方でOracle ASMに格納できないデータをサポートするストレージ管理設計です。加えて、Oracle ACFSにより、Oracle ACFSシステムのコピー時点でのスナップショット機能が提供されます。

Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイル・システムの必要なソフトウェアは、Oracle Grid Infrastructureのインストールによりインストールされます。


関連項目:


Oracle Database Clientのインプレース・アップグレード

この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以上で使用できます。Oracle Database Clientのインプレース・アップグレード機能を使用して、既存のOracle Database Client 11gリリース2(11.2)バージョンを最新バージョンにアップグレードします。

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1)の新機能

Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1)の新機能または拡張機能を次に示します。

新しいOracle Grid Infrastructureインストール・オプション

Oracle Grid Infrastructureのインストールが、Oracle Database 11gリリース2で導入されました。単一インスタンスのデータベースの場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)、リスナーおよびOracle Restartが含まれます。Oracle Restartは、Oracle Databaseインスタンス、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスおよびリスナーを含むOracle Database環境を監視および管理し、障害発生時にこれらを自動的に再起動する新しい機能です。クラスタ環境の場合、Oracle Grid InfrastructureにはOracle Clusterware、Oracle ASMおよびリスナーが含まれます。

スタンドアロン・サーバーでOracle Grid Infrastructureを使用する場合は、データベースをインストールする前に、Oracle Grid InfrastructureメディアからOracleソフトウェアをインストールする必要があります。

新しい「デスクトップ・クラス」と「サーバー・クラス」オプション

Oracle Database 11gリリース2で導入された新しいオプションにより、データベースをインストールするシステムのタイプを指定できるようになりました。ラップトップまたはデスクトップにインストールする場合は「デスクトップ・クラス」オプションを選択し、それ以外の場合は「サーバー・クラス」オプションを選択してサーバーにインストールします。これらのオプションは、「サーバー・クラス」画面で使用できます。

いずれかのオプションを選択した後にインストールされるソフトウェアに差異はありませんが、「デスクトップ・クラス」オプションでは、拡張構成オプションなしに単一インスタンス・データベースがインストールされます。


関連項目:

「デスクトップ・クラス」と「サーバー・クラス」オプションの詳細は、「対話型のインストール・タイプ」を参照してください。

タイムゾーン付きタイムスタンプ・データ型の夏時間のアップグレード

夏時間の変更によってタイムゾーン・バージョン・ファイルが更新されると、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)データは古くなります。以前のリリースでは、データベース管理者がSQLスクリプトutltzuv2.sqlを実行してタイムゾーン・バージョンの変更の影響を受けるTSTZデータを検出し、広範囲に及ぶ手順を手動で実行してTSTZデータを更新する必要がありました。

このリリースでは、TSTZデータは、新たに提供されるDBMS_DST PL/SQLパッケージを使用した非常にわずかな手作業で透過的に更新されます。また、クライアントでタイムゾーン・データ・ファイルにパッチを適用する必要がなくなりました。


関連項目:

  • タイムゾーン付きタイムスタンプ・データのアップグレード準備の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • タイムゾーン・ファイルおよびタイムゾーン付きタイムスタンプ・データのアップグレード方法の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

  • 異なるバージョンのタイムゾーン・ファイルで動作するクライアントおよびサーバーのパフォーマンスの影響の詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』 を参照してください。


SYSASM権限

Oracle Database11gリリース2(11.2)以降では、Oracle ASM管理はSYSASM権限を使用して行う必要があります。SYSASM権限は、Oracle ASMインスタンスでパスワード認証を使用して付与することもできます。

OPERATOR権限(SYSASM権限のサブセット、Oracle ASMの起動および停止を含む)は、Oracle ASMグループ用のOSOPERのメンバーに指定できます。

ASM管理にSYSASM権限を使用すると、ASM管理とデータベース管理の対象を明確に分離できます。また、オプションで、同じ記憶域を使用する異なるデータベースが互いのファイルを誤って上書きしないようにすることも可能です。


関連項目:

SYSASM権限、ASMSNMPアカウントおよびOSASMオペレーティング・システム・グループの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

修正スクリプトと前提条件チェック

Oracle Database 11g リリース2(11.2)以降では、インストーラ(OUI)によってインストールの最低要件が満たされていないことが検出されると、満たされていない様々なシステム構成要件を解決するために、修正スクリプトと呼ばれるスクリプトが作成されます。OUIで不完全なタスクが検出されたときに「修正および再チェック」ボタンをクリックすると、修正スクリプトが生成されます。

Oracle Clusterwareの場合、クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用してインストール前に修正スクリプトを生成することもできます。

修正スクリプトはインストール時に生成されます。スクリプトをrootとして別のターミナル・セッションで実行するように要求されます。スクリプトを実行すると、必要に応じて一部のシステム・パラメータがOracle推奨値に設定され、他のオペレーティング・システムの構成タスクが完了します。

データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュ

Database Smart Flash Cacheは、ソリッド・ステート・デバイス(SSD)テクノロジを使用してデータベース・バッファ・キャッシュを透過的に拡張する機能です。SSDは、Level 1(一次)Oracleシステム・グローバル領域(SGA)に対するLevel 2(二次)キャッシュとして動作します。

SSDストレージはディスク・ストレージよりも高速で、RAMよりも安価です。SSDストレージを搭載したDatabase Smart Flash Cacheでは、ディスクI/Oの回数の削減により、同等の容量のRAMを増設するよりも安価にOracleデータベースのパフォーマンスが大幅に向上します。

Database Smart Flash CacheはOracle SolarisおよびOracle Linuxのみでサポートされています。


関連項目:

  • 『Oracle Database新機能ガイド』

  • 『Oracle Database概要』

  • データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュの詳細は『Oracle Database管理者ガイド』


新しいツールによるカスタム・インストール・オプションの構成

Oracle Universal Installerでは、個別コンポーネントのカスタム・インストールのオプションを構成できなくなりました。choptツール(ORACLE_HOME/binディレクトリにあるコマンドライン・ユーティリティ)を使用して、データベース・オプションを構成します。

削除ツール

新しい削除ツール(deinstall)は、インストール前にはOracle Technology Networkからダウンロードして、インストール後にはOracleホーム・ディレクトリから使用してOracle Databaseソフトウェアを削除できます。

第7章「Oracle Databaseソフトウェアの削除」を参照してください。

インテリジェント・データ配置

インテリジェント・データ配置機能により、Oracle ASMディスク上のディスク・リージョンを指定して、高いパフォーマンスを提供する一番外側の(ホット)トラックに、頻繁にアクセスされるデータを確実に配置できます。


関連項目:

Oracle ASMインテリジェント・データ配置の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Data PumpのエクスポートおよびOracle Data Pumpのインポート

データ・ポンプが提供するレガシー・モードにより、Oracle Data Pumpのエクスポートおよびインポート操作の際、元のエクスポートおよびインポート・パラメータを使用できます。


関連項目:

データ・ポンプのレガシー・モードの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

データベースを自動的に再起動するOracle Restartの使用

Oracle Restartはこのリリースに含まれる新機能です。この機能により、単一インスタンス環境でのOracleデータベースの可用性が向上します。Oracle Restartをインストールした場合、データベース、リスナーおよびOracle ASMインスタンスを含めて、Oracle Databaseソフトウェア・スタックの一部で一時的な障害が発生した場合、Oracle Restartにより障害の発生したコンポーネントが自動的に再起動されます。また、データベース・ホスト・コンピュータの再起動の際、これらのすべてのコンポーネントがOracle Restartにより起動されます。コンポーネントは、コンポーネント間の依存性も考慮に入れて適切な順序で起動されます。


関連項目:

Oracle Restartの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。

Oracle Automatic Storage Managementの新しいインストール方法

過去のリリースでは、Oracle ASMのインストールは、Oracle Databaseインストールの一部として実行されました。Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降では、Oracle ASMのインストールは、Oracle Grid Infrastructureコンポーネントをインストールする際に実行され、Oracle Real Application Cluster(Oracle RAC)などでクラスタにインストールされる場合はOracle Clusterware、単一インスタンス・データベースの場合はOracle RestartとOracleホームを共有します。

既存のOracle ASMをアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。Oracle ASMがインストールされていない場合、Oracle ASMを記憶域オプションとして使用するには、Oracle Databaseのインストールを開始する前に、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了してください。

クラスタ内の単一インスタンスのデータベースに対するSRVCTLサポート

SRVCTLが拡張され、スタンドアロン・サーバーおよびOracle Clusterwareを使用したクラスタで、Oracle Restartを備えた単一インスタンス・データベースがサポートされています。SRVCTLは、Oracle Restartを使用する際に、Oracleプロセス(データベース・インスタンス、リスナー、Oracle ASMインタフェース)を管理するために使用するコマンドライン・インタフェースです。SRVCTLを使用すると、Oracle Restart構成の管理、Oracle Restartで管理されるプロセスのステータスの確認、およびOracle Databaseなどのプロセスの開始や停止が可能です。


関連項目:

SRVCTLコマンドの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の第4章「Oracleデータベースの自動再起動の構成」を参照してください。

Oracle Database 11g リリース2 (11.2)での非推奨事項

Oracle Database 11gリリース2では、次のことが非サポートになるか、使用できなくなりました。

  • Oracle Universal InstallerまたはDatabase Configuration Assistantを使用したインストールでは、データファイルをRAWデバイスに直接インストールできなくなりました。ファイル・システムを使用するか、Oracle ASMを使用してください。

  • Oracle Ultra Search

Oracle Database 11g リリース2 (11.2)でサポート終了した機能

次の機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2)ではサポートされていません。

  • 削除ツールの-cleanupOBaseフラグは、サポートされていません。このフラグの代替機能はありません。