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Oracle® Database Advanced Security管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56286-10
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E orapkiユーティリティ

orapkiユーティリティは、公開鍵インフラストラクチャ(PKI)要素(ウォレットや証明書失効リストなど)をコマンドラインから管理するために提供されています。これにより、スクリプトを使用してこれらのタスクを自動化できます。PKI要素の管理をスクリプトに組み込む方法を提供することにより、PKIを管理するための数多くのルーチン・タスクを自動化できるようになります。

この付録の内容は次のとおりです。

E.1 orapkiユーティリティの概要

このコマンドライン・ユーティリティを使用して、次のタスクを実行できます。

  • テスト用の署名付き証明書の作成および表示

  • Oracleウォレットの管理:

    • Oracleウォレットの作成および表示

    • 証明書リクエストの追加および削除

    • 証明書の追加および削除

    • 信頼できる証明書の追加および削除

  • 証明書失効リスト(CRL)の管理:

    • 証明書検証用ハッシュ値によるCRLの名前変更

    • Oracle Internet DirectoryでのCRLのアップロード、一覧表示、表示および削除

E.1.1 orapkiユーティリティの構文

orapkiコマンドライン・ユーティリティの基本的な構文を次に示します。

orapki module command -parameter value

moduleは、wallet(Oracleウォレット)、crl(証明書失効リスト)またはcert(PKIデジタル証明書)にできます。使用可能なコマンドは、使用するmoduleによって異なります。たとえば、walletを使用している場合、addコマンドを使用して証明書またはキーをウォレットに追加できます。次の例では、/private/lhale/cert.txtにあるユーザー証明書が、$ORACLE_HOME/wallet/ewallet.p12にあるウォレットに追加されます。

orapki wallet add -wallet $ORACLE_HOME/wallet/ewallet.p12 -user_cert -cert /private/lhale/cert.txt

E.2 テスト用の署名付き証明書の作成

orapkiユーティリティは、テスト用の署名付き証明書を作成する便利で手軽な方法を提供します。

テスト用の署名付き証明書を作成するには、次のコマンドを使用します。

orapki cert create [-wallet wallet_location] -request certificate_request_location -cert certificate_location -validity number_of_days [-summary]

このコマンドにより、証明書リクエストから署名付き証明書が作成されます。-walletパラメータは、証明書リクエストへの署名に使用されるユーザー証明書と秘密鍵を含むウォレットを指定します。-validityパラメータは、現在の日付から数えてこの証明書が有効である日数を指定します。証明書と証明書リクエストの指定は、このコマンドでは必須です。

証明書を表示するには、次のコマンドを使用します。

orapki cert display -cert certificate_location [-summary | -complete]

このコマンドを使用すると、orapkiを使用して作成したテスト証明書を表示できます。-summaryまたは-completeのいずれかを選択できます。これによりコマンドが表示するデータの詳細さが決まります。-summaryを選択すると、証明書とその有効期限が表示されます。-completeを選択すると、シリアル番号、公開鍵などの追加の証明書情報が表示されます。

E.3 orapkiユーティリティを使用したOracleウォレットの管理

次の各項では、orapkiコマンドライン・ユーティリティを使用してOracleウォレットの作成および管理を行うために使用される構文について説明します。これらのorapkiユーティリティのwalletモジュール・コマンドをスクリプトで使用して、ウォレット作成プロセスを自動化できます。


注意:

-walletパラメータは、すべてのwalletモジュール・コマンドで必須です。

E.3.1 orapkiを使用したウォレットの作成、表示および変更

この項の内容は次のとおりです。

E.3.1.1 PKCS#12ウォレットの作成

Oracle PKCS#12ウォレット(ewallet.p12)を作成するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet create -wallet wallet_location [-pwd password]

コマンドラインでパスワードを指定していない場合、このコマンドではウォレットのパスワードの入力と再入力を求められます。-walletで指定された場所にウォレットが作成されます。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインにパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

E.3.1.2 自動ログイン・ウォレットの作成

パスワードを必要としない自動ログイン・ウォレット(cwallet.sso)を作成するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet create -wallet wallet_location -auto_login_only

このコマンドでは、開くためにパスワードを必要としない自動ログイン・ウォレット(cwallet.sso)が作成されます。パスワードを使用しないでウォレットを変更または削除することもできます。ファイル・システム権限によって、このような自動ログイン・ウォレットに必要なセキュリティが提供されます。

PKCS#12ウォレットに関連付けられた自動ログイン・ウォレットを作成することもできます。自動ログイン・ウォレットを開くのにパスワードは必要ありません。ただし、ウォレットを変更または削除するには、関連付けられたPKCS#12ウォレットのパスワードを入力する必要があります。PKCS#12ウォレットを更新した場合、関連付けられた自動ログイン・ウォレットも更新されます。

PKCS#12ウォレット(ewallet.p12)に関連付けられた自動ログイン・ウォレット(cwallet.sso)を作成するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet create -wallet wallet_location -auto_login [-pwd password]

このコマンドでは、自動ログインが有効なウォレット(cwallet.sso)が作成され、PKCS#12ウォレット(ewallet.p12)に関連付けられます。コマンドラインでパスワードを指定していない場合、このコマンドではPKCS#12ウォレットのパスワードの入力を求められます。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインにパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

wallet_locationがPKCS#12ウォレットにすでに含まれている場合は、その自動ログインが有効になります。既存のPKCS#12ウォレットの自動ログインを有効にするには、そのパスワードを入力する必要があります。

wallet_locationがPKCS#12ウォレットに含まれていない場合は、新しいPKCS#12ウォレットが作成されます。新しいPKCS#12ウォレットのパスワードを指定する必要があります。

PKCS#12ウォレットの自動ログイン機能をオフにする場合は、Oracle Wallet Managerを使用します。


関連項目:

詳細は、「自動ログインの使用」を参照してください。

ローカルの自動ログイン・ウォレットを作成することもできます。ローカルの自動ログイン・ウォレットを別のコンピュータに移動することはできません。それらは作成されたホストで使用する必要があります。

ローカルの自動ログイン・ウォレットを開くのにパスワードは必要ありません。ただし、ウォレットを変更または削除するには、関連付けられたPKCS#12ウォレットのパスワードを入力する必要があります。PKCS#12ウォレットを更新した場合、関連付けられた自動ログイン・ウォレットも更新されます。

ローカルの自動ログイン・ウォレットを作成するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet create -wallet wallet_location -auto_login_local [-pwd password]

このコマンドでは、自動ログイン・ウォレット(cwallet.sso)が作成されます(自動ログイン・ウォレットが作成されるコンピュータおよび自動ログイン・ウォレットを作成したユーザーの両方にローカル)。これは、PKCS#12ウォレット(ewallet.p12)に関連付けられます。コマンドラインでパスワードを指定していない場合、このコマンドではPKCS#12ウォレットのパスワードの入力を求められます。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインにパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

E.3.1.3 ウォレットの表示

Oracleウォレットを表示するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet display -wallet wallet_location

このコマンドを使用すると、ウォレットに含まれている証明書リクエスト、ユーザー証明書および信頼できる証明書が表示されます(これらは拡張子.p12のバイナリPKCS12ファイルであることが必要です)。他のファイルでは失敗します。

E.3.1.4 ウォレットのパスワードの変更

ウォレットのパスワードを変更するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet change_pwd -wallet wallet_location [-oldpwd password ] [-newpwd password]

このコマンドでは、現在のウォレットのパスワードが新しいパスワードに変更されます。コマンドラインでパスワードを指定していない場合、このコマンドでは新旧のパスワードを求められます。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインでパスワード・オプションを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

E.3.2 orapkiを使用した証明書と証明書リクエストのOracleウォレットへの追加

Oracleウォレットに証明書リクエストを追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -dn user_dn -keySize 512|1024|2048

このコマンドを使用すると、指定した識別名(user_dn)を持つユーザーのウォレットに証明書リクエストが追加されます。このリクエストでは、リクエストされた証明書のキー・サイズ(512、1024または2048ビット)も指定します。リクエストに署名するには、エクスポート・オプションを使用してそのリクエストをエクスポートします。

Oracleウォレットに信頼できる証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -trusted_cert -cert
certificate_location

このコマンドでは、指定した場所(-cert certificate_location)にある信頼できる証明書がウォレットに追加されます。ユーザー証明書を追加する前に、ユーザー証明書の証明連鎖にあるすべての信頼できる証明書を追加する必要があります。そうしないと、ユーザー証明書を追加するコマンドは失敗します。

Oracleウォレットにルート証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -dn certificate_dn -keySize 512|1024|2048 -self_signed -validity number_of_days

このコマンドを使用すると、新しい自己署名(ルート)証明書が作成され、ウォレットに追加されます。-validityパラメータ(必須)は、現在の日付から数えてこの証明書が有効である日数を指定します。このルート証明書の鍵サイズ(-keySize)は、512、1024または2048ビットに指定できます。

Oracleウォレットにユーザー証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -user_cert -cert certificate_location

このコマンドでは、-certパラメータで指定された場所にあるユーザー証明書が、wallet_locationにあるOracleウォレットに追加されます。ユーザー証明書をウォレットに追加する前に、証明連鎖を構成するすべての信頼できる証明書を追加する必要があります。ユーザー証明書を追加する前に、すべての信頼できる証明書がウォレットに追加されていない場合、ユーザー証明書の追加は失敗します。

ウォレットにPKCS#11情報を追加するには

他のOracleウォレットと同様に、PKCS#11情報を含むウォレットを使用できます。秘密鍵はハードウェア・デバイスに格納されます。暗号化処理もデバイスで実行されます。

ウォレットにPKCS#11情報を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet p11_add -wallet wallet_location -p11_lib pkcs11Lib 
[-p11_tokenlabel tokenLabel] [-p11_tokenpw tokenPassphrase] 
[-p11_certlabel certLabel] [-pwd password]

各パラメータの意味は、次のとおりです。

  • -walletでは、ウォレット・ロケーションを指定します。

  • -p11_libでは、PKCS#11ライブラリへのパスを指定します。これにはライブラリのファイル名が含まれます。

  • -p11_tokenlabelでは、デバイスで使用されるトークンまたはスマートカードを指定します。これはデバイスに複数のトークンがある場合に使用します。トークンのラベルは、ベンダー・ツールを使用して設定します。

  • -p11_tokenpwでは、トークンへのアクセスに使用されるパスワードを指定します。トークンのパスワードは、ベンダー・ツールを使用して設定します。

  • -p11_certlabelは、トークン上の証明書ラベルを指定するために使用します。これはトークンに複数の証明書がある場合に使用します。証明書ラベルはベンダー・ツールを使用して設定します。

  • -pwdは、ウォレットのパスワードを指定するために使用します。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインにパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

PKCS#11ウォレットを使用して、ハードウェア・デバイス上の資格証明を検証できます。そのためには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet p11_verify -wallet wallet_location [-pwd password]

注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインにパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワードの入力は、求められたときに行ってください。

E.3.3 orapkiを使用した証明書と証明書リクエストのOracleウォレットからのエクスポート

Oracleウォレットから証明書をエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet export -wallet wallet_location -dn certificate_dn -cert certificate_filename

このコマンドを使用すると、サブジェクトの識別名(-dn)を持つ証明書が、ウォレットから-certで指定されたファイルにエクスポートされます。

Oracleウォレットから証明書リクエストをエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet export -wallet wallet_location -dn certificate_request_dn -request certificate_request_filename

このコマンドを使用すると、サブジェクトの識別名(-dn)を持つ証明書リクエストが、ウォレットから-requestで指定されたファイルにエクスポートされます。

E.4 orapkiユーティリティを使用した証明書失効リスト(CRL)の管理

CRLは、orapkiを使用して管理する必要があります。このユーティリティは、CRL発行者名のハッシュ値を作成して、システム内でCRLの場所を特定します。orapkiを使用しないと、Oracleサーバーは、CRLを探してPKIデジタル証明書を検証することができません。orapkiを使用したCRLの管理の詳細は、「証明書失効リストの管理」を参照してください。

E.5 orapkiの使用例

この項では、前の項で説明したorapkiコマンドの例を示します。

例E-1では、自己署名証明書を含むウォレットを作成し、証明書をファイルにエクスポートする手順を示します。

例E-1 自己署名証明書を含むウォレットの作成と証明書のエクスポート

次に、ウォレットの作成、自己署名証明書の追加、ウォレットの表示および証明書のエクスポートの手順を示します。

  1. ウォレットの作成

    orapki wallet create -wallet /private/user/orapki_use/root
    

    ウォレットは、/private/user/orapki_use/rootに作成されます。

  2. 自己署名証明書をウォレットに追加します。

    orapki wallet add -wallet /private/user/orapki_use/root -dn 
    'CN=root_test,C=US' -keysize 2048 -self_signed -validity 3650
    

    この結果、3650日の有効期限を持つ自己署名された証明書が作成されます。サブジェクトの識別名はCN=root_test,C=USです。証明書のキー・サイズは2048ビットです。

  3. ウォレットの表示

    orapki wallet display -wallet /private/user/orapki_use/root
    

    これはウォレットに含まれる証明書を表示するために使用します。

  4. 証明書のエクスポート

    orapki wallet export -wallet /private/user/orapki_use/root -dn 
    'CN=root_test,C=US' -cert /private/user/orapki_use/root/b64certificate.txt
    

    これにより、自己署名証明書がファイルb64certificate.txtにエクスポートされます。使用される識別名はステップ2と同じであることに注意してください。

例E-2では、ユーザー証明書の作成に関連する様々な作業について説明します。

例E-2 ウォレットおよびユーザー証明書の作成

次に、ウォレットの作成、証明書リクエストの作成、証明書リクエストのエクスポート、テスト用のリクエストからの署名付き証明書の作成、証明書の表示、ウォレットへの信頼できる証明書の追加、およびウォレットへのユーザー証明書の追加の手順を示します。

  1. 自動ログインを有効にしたウォレットの作成

    orapki wallet create -wallet /private/user/orapki_use/server -auto_login
    

    これにより、自動ログインを有効にしたウォレットが/private/user/orapki_use/serverに作成されます。

  2. ウォレットへの証明書リクエストの追加

    orapki wallet add -wallet /private/user/orapki_use/server -dn 'CN=server_test,C=US' -keysize 2048
    

    これにより、作成されたウォレットに証明書リクエストが追加されます。サブジェクトの識別名はCN=server_test,C=USです。指定された鍵サイズは2048ビットです。

  3. ファイルへの証明書リクエストのエクスポート

    orapki wallet export -wallet /private/user/orapki_use/server -dn 'CN=server_test,C=US' -request /private/user/orapki_use/server/creq.txt
    

    これにより、指定されたファイル(この場合はcreq.txt)に証明書リクエストがエクスポートされます。

  4. テスト用のリクエストからの署名付き証明書の作成

    orapki cert create -wallet /private/user/orapki_use/root -request /private/user/orapki_use/server/creq.txt -cert /private/user/orapki_use/server/cert.txt -validity 3650
    

    これにより、3650日の有効期限を持つ証明書cert.txtが作成されます。証明書は前のステップで生成された証明書リクエストから作成されます。

  5. 証明書の表示

    orapki cert display -cert /private/user/orapki_use/server/cert.txt -complete
    

    これにより、前の手順で生成された証明書が表示されます。-completeオプションでは、シリアル番号や公開鍵などの追加的な証明書情報を表示できます。

  6. ウォレットへの信頼できる証明書の追加

    orapki wallet add -wallet /private/user/orapki_use/server -trusted_cert -cert /private/user/orapki_use/root/b64certificate.txt
    

    これにより、信頼できる証明書b64certificate.txtがウォレットに追加されます。ユーザー証明書を追加する前に、ユーザー証明書の証明連鎖内のすべての信頼できる証明書を追加する必要があります。

  7. ウォレットへのユーザー証明書の追加

    orapki wallet add -wallet /private/user/orapki_use/server -user_cert -cert /private/user/orapki_use/server/cert.txt
    

    これにより、ユーザー証明書cert.txtがウォレットに追加されます。

E.6 orapkiユーティリティ・コマンドのサマリー

この項では、次のorapkiコマンドについて説明します。

E.6.1 orapki cert create

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.1.1 用途

orapki cert createコマンドは、テスト用の署名付き証明書を作成するために使用します。

E.6.1.2 構文

orapki cert create [-wallet wallet_location] -request certificate_request_location -cert certificate_location -validity number_of_days [-summary]
  • -walletパラメータは、証明書リクエストへの署名に使用されるユーザー証明書と秘密鍵を含むウォレットを指定します。

  • -requestパラメータ(必須)は、作成する証明書の証明書リクエストの場所を指定します。

  • -certパラメータ(必須)では、ツールによって新しい署名付き証明書が配置されるディレクトリの場所を指定します。

  • -validityパラメータ(必須)は、現在の日付から数えてこの証明書が有効である日数を指定します。

E.6.2 orapki cert display

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.2.1 用途

orapki cert displayコマンドは、特定の証明書の詳細を表示するために使用します。

E.6.2.2 構文

orapki cert display -cert certificate_location [-summary|-complete]
  • -certパラメータは、表示する証明書の場所を指定します。

  • -summaryパラメータまたは-completeパラメータのいずれかを使用して、次の情報を表示できます。

    • -summaryを使用すると、証明書およびその有効期限が表示されます。

    • -completeを使用すると、シリアル番号、公開鍵などの追加の証明書情報が表示されます。

E.6.3 orapki crl delete

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.3.1 用途

orapki crl deleteコマンドは、Oracle Internet DirectoryからCRLを削除するために使用します。orapkiを使用してディレクトリからCRLを削除するユーザーは、CRLAdmins(cn=CRLAdmins,cn=groups,%s_OracleContextDN%)ディレクトリ・グループのメンバーである必要があることに注意してください。

E.6.3.2 前提条件

なし

E.6.3.3 構文

orapki crl delete -issuer issuer_name -ldap hostname:ssl_port -user username [-wallet wallet_location] [-summary]
  • -issuerパラメータは、CRLを発行した認証局(CA)の名前を指定します。

  • -ldapパラメータは、CRLを削除するディレクトリのホスト名とSSLポートを指定します。このポートは、認証を使用しないディレクトリのSSLポートであることが必要です。


    関連項目:

    このポートの詳細は、「Oracle Internet DirectoryへのCRLのアップロード」を参照してください。

  • -userパラメータは、ディレクトリのCRLサブツリーからCRLを削除する権限のあるディレクトリ・ユーザーのユーザー名を指定します。

  • -walletパラメータ(オプション)は、CRLを発行した認証局(CA)の証明書を含むウォレットの場所を指定します。これを使用すると、CRLをディレクトリから削除する前に、ツールによってCAの証明書に対するCRLの有効性が検証されます。

  • -summaryパラメータはオプションです。これを使用すると、削除されたCRL LDAPエントリがツールによって印刷されます。

E.6.4 orapki crl display

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.4.1 用途

orapki crl displayコマンドは、Oracle Internet Directoryに格納されている特定のCRLを表示するために使用します。

E.6.4.2 構文

orapki crl display -crl crl_location [-wallet wallet_location] [-summary|-complete]
  • -crlパラメータは、ディレクトリ内のCRLの場所を指定します。orapki crl listコマンドを使用すると表示されるリストからCRLの位置を貼り付けると便利です。「orapki crl list」を参照してください。

  • -walletパラメータ(オプション)は、CRLを発行した認証局(CA)の証明書を含むウォレットの場所を指定します。これを使用すると、CRLを表示する前に、ツールによってCAの証明書に対するCRLの有効性が確認されます。

  • -summaryパラメータまたは-completeパラメータのいずれかを選択すると、次の情報が表示されます。

    • -summaryを選択すると、CRL発行者名およびCRLの有効期間を含むリストが表示されます。

    • -completeを選択すると、そのCRLに含まれるすべての失効した証明書のリストが表示されます。このオプションを選択すると、CRLのサイズによっては、表示に時間がかかる場合があることに注意してください。

E.6.5 orapki crl hash

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.5.1 用途

orapki crl hashコマンドは、証明書失効リスト(CRL)発行者のハッシュ値を生成して、証明書検証用にファイル・システム内のCRLの場所を特定するために使用します。

E.6.5.2 構文

orapki crl hash -crl crl_filename|URL [-wallet wallet_location] [-symlink|-copy] crl_directory [-summary]
  • -crlパラメータは、CRLまたはCRLがあるURLを含むファイル名を指定します。

  • -walletパラメータ(オプション)は、CRLを発行した認証局(CA)の証明書を含むウォレットの場所を指定します。これを使用すると、CRLをディレクトリにアップロードする前に、ツールによってCAの証明書に対するCRLの有効性が確認されます。

  • オペレーティング・システムに応じて、-symlinkパラメータまたは-copyパラメータのいずれかを使用します。

    • (UNIX) -symlinkを使用してcrl_directoryにCRLへのシンボリック・リンクを作成します。

    • (Windows) -copyを使用してcrl_directoryにCRLのコピーを作成します。

  • -summaryパラメータ(オプション)を使用すると、ツールによってCRL発行者名が表示されます。

E.6.6 orapki crl list

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.6.1 用途

orapki crl listコマンドは、Oracle Internet Directoryに格納されているCRLのリストを表示するために使用します。特定のCRLを検出してローカル・システムで表示またはダウンロードする際に、このリストを参照すると便利です。

E.6.6.2 構文

orapki crl list -ldap hostname:ssl_port

-ldapパラメータは、CRLリストの作成対象のディレクトリ・サーバーのホスト名およびSSLポートを指定します。このポートは、認証を使用しないディレクトリのSSLポートであることが必要です。


ヒント:

このポートの詳細は、「Oracle Internet DirectoryへのCRLのアップロード」を参照してください。

E.6.7 orapki crl upload

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.7.1 用途

orapki crl uploadコマンドは、証明書失効リスト(CRL)をOracle Internet DirectoryのCRLサブツリーにアップロードするために使用します。CRLをディレクトリにアップロードするには、ディレクトリ管理グループCRLAdmins(cn=CRLAdmins,cn=groups,%s_OracleContextDN%)のメンバーである必要があることに注意してください。

E.6.7.2 構文

orapki crl upload -crl crl_location -ldap hostname:ssl_port -user username [-wallet wallet_location] [-summary]
  • -crlパラメータは、ディレクトリの場所またはディレクトリにアップロードするCRLが配置されているURLを指定します。

  • -ldapパラメータは、CRLのアップロード先のディレクトリのホスト名およびSSLポートを指定します。このポートは、認証を使用しないディレクトリのSSLポートであることが必要です。


    関連項目:

    このポートの詳細は、「Oracle Internet DirectoryへのCRLのアップロード」を参照してください。

  • -userパラメータは、ディレクトリのCRLサブツリーにCRLを追加する権限のあるディレクトリ・ユーザーのユーザー名を指定します。

  • -walletパラメータは、CRLを発行した認証局(CA)の証明書を含むウォレットの場所を指定します。これはオプションのパラメータです。これを使用すると、CRLをディレクトリにアップロードする前に、ツールによってCAの証明書に対するCRLの有効性が確認されます。

  • -summaryパラメータもオプションです。これを使用すると、CRL発行者名、およびCRLがディレクトリに格納されているLDAPエントリがツールによって表示されます。

E.6.8 orapki wallet add

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.8.1 用途

orapki wallet addコマンドは、証明書リクエストおよび証明書をOracleウォレットに追加するために使用します。

E.6.8.2 構文

証明書リクエストを追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -dn user_dn -keySize 512|1024|2048
  • -walletパラメータは、証明書リクエストの追加先のウォレットの場所を指定します。

  • -dnパラメータは、証明書の所有者の識別名を指定します。

  • -keySizeパラメータは、証明書の鍵サイズを指定します。

  • リクエストに署名するには、エクスポート・オプションを使用してそのリクエストをエクスポートします。「orapki wallet export」を参照してください。

信頼できる証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -trusted_cert -cert certificate_location
  • -trusted_certパラメータを使用すると、ツールによって、-certで指定された場所にある信頼できる証明書がウォレットに追加されます。

ルート証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -dn certificate_dn -keySize 512|1024|2048 -self_signed -validity number_of_days
  • -self_signedパラメータを使用すると、ツールによってルート証明書が作成されます。

  • -validityパラメータは必須です。これを使用して、現在の日付から数えてこのルート証明書が有効である日数を指定します。

ユーザー証明書を追加するには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet add -wallet wallet_location -user_cert -cert certificate_location
  • -user_certパラメータを使用すると、ツールによって、-certパラメータで指定された場所にあるユーザー証明書がウォレットに追加されます。ユーザー証明書をウォレットに追加する前に、証明連鎖を構成するすべての信頼できる証明書を追加する必要があります。ユーザー証明書を追加する前に、すべての信頼できる証明書がウォレットに追加されていない場合、ユーザー証明書の追加は失敗します。

E.6.9 orapki wallet create

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.9.1 用途

orapki wallet createコマンドは、Oracleウォレットの作成またはOracleウォレットの自動ログインの設定に使用します。

E.6.9.2 構文

orapki wallet create -wallet wallet_location [-auto_login|-auto_login_local]
  • -walletパラメータは、新しいウォレットの場所または自動ログインを有効にするウォレットの場所を指定します。

  • -auto_loginパラメータにより、自動ログイン・ウォレットが作成されます。または、-walletオプションで指定されたウォレットの自動ログインが有効になります。


    関連項目:

    自動ログイン・ウォレットの詳細は、「自動ログインの使用」を参照してください。

  • -auto_login_localパラメータにより、ローカル自動ログイン・ウォレットが作成されます。または、-walletオプションで指定されたウォレットのローカル自動ログインが有効になります。

E.6.10 orapki wallet display

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.10.1 用途

orapki wallet displayコマンドは、Oracleウォレット内の証明書リクエスト、ユーザー証明書および信頼できる証明書を表示するために使用します。

E.6.10.2 構文

orapki wallet display -wallet wallet_location
  • -walletパラメータは、開くウォレットの場所を指定します(そのウォレットが現在の作業ディレクトリにない場合)。

E.6.11 orapki wallet export

次の各項では、このコマンドについて説明します。

E.6.11.1 用途

orapki wallet exportコマンドは、証明書リクエストおよび証明書をOracleウォレットからエクスポートするために使用します。

E.6.11.2 構文

Oracleウォレットから証明書をエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet export -wallet wallet_location -dn certificate_dn -cert certificate_filename
  • -walletパラメータは、証明書のエクスポート元のウォレットの場所を指定します。

  • -dnパラメータは、証明書の識別名を指定します。

  • -certパラメータは、エクスポートされる証明書を含むファイルの名前を指定します。

Oracleウォレットから証明書リクエストをエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

orapki wallet export -wallet wallet_location -dn certificate_request_dn -request certificate_request_filename
  • -requestパラメータは、エクスポートされる証明書リクエストを含むファイルの名前を指定します。