複数のデータ値を1つの値に集約するプロセス。たとえば、売上データを毎日収集して、これを週レベルに集計したり、週データを月レベルに集計したりできる。この結果のデータは、集計データとして参照できる。
「集計」は「サマリー」と同じ意味で使用されることが多く、「集計データ」は「サマリー・データ」と同じ意味で使用される。ただし、SUM
の他にも多様な集計メソッドが使用可能。
アナリティック・ワークスペース(analytic workspace)
ディメンションやキューブなど、関連する次元オブジェクトを格納するコンテナ。アナリティック・ワークスペースは、リレーショナル表に格納される。
「キューブ」、「キューブ・ディメンション」も参照。
集計で、特定のメンバーより上位のレベルにあるディメンション・メンバー。たとえば、Timeディメンションでは、年の値2007は日の値06-July-07の祖先である。すぐ上のレベルにあるメンバーが親。ディメンション階層においては、祖先のデータ値はその子孫のデータ値を集計した値である。
OLAPキューブ・ディメンションに関連するデータベース・オブジェクト。属性は、すべてのディメンション・メンバー、特定の階層のメンバー、または階層の特定レベルのメンバーのみについて、説明的な特性を格納する。
属性の値が一意である場合、表示や分析に使用できる補足的な情報(説明的な名前、期間における日数など)を提供する。属性の値をディメンション・メンバーのグループに割り当てると、同じような特性に基づいてデータを選択できるようになる。たとえば、履物のデータベースでは、色の属性を使用することにより、同じ色のブーツ、スニーカーおよびスリッパをすべて選択できる。
「キューブ・ディメンション」も参照。
問合せに対して実行する保存済の式。たとえば、計算済メジャーは、COSTS
メジャーに対してLAG_VARIANCE
ファンクションを実行して前の期間からの費用の変化を算出できる。また、SALES
メジャーからCOSTS
メジャーを減算して利益を計算することもできる。式は、問合せで要求された値のみを解決する。
式の単一のデータ値。ディメンション化された式の場合、セルは、式の各ディメンションの値によって識別される。たとえば、MONTH
ディメンションとCUSTOMER
ディメンションを持つメジャーの場合、ある月とある顧客の各組合せによって、そのメジャーの個々のセルが識別される。
「キューブ・ディメンション」も参照。
階層内で、上位のレベルにある集計メンバーの一部であるディメンション・メンバー。たとえば、Timeディメンションでは、月の値Jan-06は四半期の値Q1-2006の子である。ディメンション・メンバーは、各階層で異なる親の子になることができる。
スパースな多次元データを格納するための圧縮形式。Oracle OLAPでは、圧縮コンポジット(極端にスパースなデータ用)と通常のコンポジット(ややスパースなデータ用)という2つのタイプのコンポジットを使用できる。
同一のディメンションなど共通の特性を持つメジャーの編成。キューブのエッジにはディメンション・メンバーが格納され、キューブの本体にはデータ値が格納される。たとえば、売上データをキューブに編成する場合、エッジにはTime、ProductおよびCustomerの各ディメンションの値が格納され、本体には売上数量および売上高のデータが格納される。
値のリストを格納する次元オブジェクト。メジャーの値を識別する索引である。たとえば、売上データが月ごとの売上高を個別に持っている場合、そのデータは月の値を含むTimeディメンションを持ち、データは月別に編成される。
多次元分析において、キューブ・ディメンションはディメンションと呼ばれる。
「ディメンション」も参照。
キューブ・マテリアライズド・ビュー(cube materialized view)
マテリアライズド・ビュー機能で強化されたキューブ。Oracle Databaseのマテリアライズド・ビュー・サブシステムで段階的にリフレッシュでき、ソース表に対する問合せの透過的なリライトのターゲットとして働くことができる。
キューブ編成のマテリアライズド・ビューとも呼ばれる。
トランザクション処理用ではなく、問合せおよび分析用に設計されたデータベース。通常、データ・ウェアハウスには、トランザクション・データから導出された履歴データが格納されるが、別のソースのデータが格納される場合もある。データ・ウェアハウスにより、分析ワークロードとトランザクション・ワークロードを分離できる。また企業は、複数のソースのデータを統合できるようになる。
集計で、特定のメンバーより下位のレベルにあるディメンション・メンバー。たとえば、Timeディメンションでは、日の値06-July-07は年の値2007の子孫である。すぐ下のレベルにあるメンバーが子。ディメンション階層においては、子孫のデータ値は祖先のデータ値にロールアップされる。
データを分類する構造。売上に関するデータで最も一般的なディメンションは、Time、GeographyおよびProductである。ほとんどのディメンションは階層とレベルを持つ。
キューブでは、ディメンションは全レベルの集計の値のリストである。
リレーショナル表では、ディメンションは列セットの組の階層関係(親子関係)を定義する一種のオブジェクトである。
「キューブ・ディメンション」、「階層」も参照。
ディメンション・メンバー(dimension member)
キューブ・ディメンションを構成するリストの一要素。たとえば、Timeディメンションには、日、月、四半期および年のディメンション・メンバーが含まれる。
すべての階層の全メンバーに関する情報を提供するキューブ・ディメンションのリレーショナル・ビュー。ディメンション・キー、レベルおよび属性の列が含まれる。
「キューブ・ディメンション」、「階層ビュー」も参照。
1つの項目から一連の関連項目にナビゲートすること。通常、ドリル操作では、階層内のレベルを上方向または下方向にナビゲートする。
ドリルダウンは、ビューを開いて、階層内の親値に関連付けられている子値を表示する。
ドリルアップは、階層内の親値に関連付けられている子孫の値のリストを閉じる。
アナリティック・ワークスペース間でデータを転送すること、またはデータベース外でアナリティック・ワークスペース(すべてまたは選択したオブジェクト)のバージョンを保存することを目的とした、特別な形式のファイル。
階層の全レベルのディメンション・メンバーのリスト。集計メンバー(合計および小計)にはディテール・メンバーが散在している。たとえば、Timeディメンションには、日、月、四半期および年のディメンション・メンバーが含まれる。
1つ以上の値(通常、メジャーまたは計算済メジャーで提供される)、演算子および関数の組合せ。値に評価される。式は通常、そのコンポーネントのデータ・タイプを前提とする。
たとえば、SALES
がメジャーである場合、式はSALES
、SALES*1.05
、TRUNC(SALES)
となる。
実際のデータを格納する、スター・スキーマ内の表。多くの場合、ファクト表には、ファクトを格納する列と、ディメンション表への外部キーとなる列の2種類の列がある。通常、ファクト表の主キーは、その表のすべての外部キーで構成されるコンポジット・キーである。
ファクト表は、ディテール・ファクトと集計済ファクトのどちらでも格納できる。集計済のファクトを格納するファクト表は通常、集計表またはマテリアライズド・ビューと呼ばれる。通常、ファクト表には同じ集計レベルのファクトが格納される。
「マテリアライズド・ビュー」も参照。
集計の様々なレベルでデータを構成するための方法。データ集計の定義に使用する。たとえば、Timeディメンションでは、階層を使用して日から月、四半期、年へとデータを集計できる。ナビゲーション・ドリル・パスの定義にも使用される。
リレーショナル表では、階層はディメンション・オブジェクトの一部として定義できる。
特定の階層に属するメンバーに関する情報を提供するキューブ・ディメンションのリレーショナル・ビュー。ディメンション・キー、親、階層レベルおよび属性の列が含まれる。
「キューブ・ディメンション」、「ディメンション・ビュー」も参照。
階層内における名前付きの位置。たとえば、Timeディメンションは、月レベル、四半期レベルおよび年レベルのデータを表す階層を持つ。各レベルの名前は、Month、QuarterおよびYearとなる。こうした名前により、ベース・レベルから同一距離にあるディメンション・メンバーのグループを簡単に参照できる。
レベルベース階層(level-based hierarchy)
レベルで構成される階層。たとえば、Timeは常に、Month、QuarterおよびYearなどのレベルを持つレベルベース。ほとんどの階層はレベルベースである。
「値ベース階層」も参照。
マテリアライズド・ビュー(materialized view)
集計データにアクセスできるようにするデータベース・オブジェクト。自動リフレッシュおよびクエリー・リライト・サブシステムで認識可能。
「キューブ・マテリアライズド・ビュー」も参照。
売上データや費用データなど、ビジネス・メジャーを表すデータ。メジャー内のデータは、選択、表示および分析が可能。メジャーとファクトは同義語である。一般的に、メジャーは多次元環境で使用され、ファクトはリレーショナル環境で使用される。
メジャーは、売上数量や売上高などのデータを格納する次元オブジェクト。キューブに属している。
メジャーのグループを編成してラベル付けする、データベース・オブジェクト。SalesやCostsといった名前のメジャーを含む複数のスキーマにアクセスする際に、メジャー・フォルダによってメジャーを区別できる。
オンライン分析処理。履歴データを動的に次元分析する機能。次のような処理がサポートされる。
ディメンションおよび階層にまたがる計算
傾向の分析
階層内のドリルアップおよびドリルダウン
ディメンションの向きを変更するためのキューブの回転
「OLTP」と対比。
Oracle Database内のアナリティック・ワークスペースに格納された次元データの管理に使用する一連のコマンド、ファンクションおよびオプション。
Analytic Workspace Manager、OLAP式の構文、OLAP Java API、各種アプリケーションおよびPL/SQLパッケージでは、ユーザーはOLAP DMLを直接使用することなく次元データにアクセスできますが、これらのツールは目的のタスクを完了するためにOLAP DMLを使用しています。
OLAPデータ操作言語(DML)は、次元、変数、計算式、リレーションおよび値セットで主にデータが構成されるアナリティック・ワークスペース内で排他的に機能します。アナリティック・ワークスペース内の次元オブジェクトは、データベースの高レベルな次元オブジェクト(キューブ、キューブ・ディメンション、メジャー、属性、階層など)をサポートします。
「OLAP式の構文」と対比。
オンライン・トランザクション処理。高速かつ信頼性の高いトランザクション処理を行うために最適化されたシステム。ほとんどのOLTP操作では、データ分析システムと比較して、扱う行の数は少なく、表のグループは大規模になる。
「OLAP」と対比。
特定の問合せに対する応答において、必要に応じて実行時に計算を行うこと。キューブでは通常、計算済メジャーおよびカスタム・メンバーは必要に応じて計算されます。集計データは、事前に計算するか、必要に応じて計算するか、またはその両方を組み合せて計算できます。
「事前計算」と対比。
親子リレーション(parent-child relation)
階層ディメンションにおける、1つの親と1つ以上の子の間の1対多関係。たとえば、New York(州レベル)は、Albany、Buffalo、PoughkeepsieおよびRochester(都市レベル)の親である。
スキップレベル階層(skip-level hierarchy)
複数の高いレベルに親を持ち、階層に欠落部分を作成するメンバーが1つ以上含まれる階層。たとえば、City、StateおよびCountryのレベルを持つGeographyディメンションでは、Washington D.C.はState値を持たない都市であり、その親はCountryレベルのUnited Statesである。
導出データがすべて計算済である結果セット。結果セットのすべてのデータはSQLベースのアプリケーションに戻される前に計算されているので、キューブからフェッチしたデータは常に完全に解決済である。キューブから取得した結果セットは、そのデータが事前計算されたものであるか、必要に応じて計算されたものであるかに関係なく同一です。
実際のデータを持たないディメンション値の組合せが比較的高い割合で存在するような多次元データを指す概念。
スパース性には、次の2つの種類がある。
制御されたスパース性は、1つ以上のディメンションの一定範囲の値がデータを持たない場合に発生する。たとえば、新しいメジャーをMonthでディメンション化したが、過去の月のデータは存在しない、という場合がこれに該当する。Monthディメンションには過去の月があるのでセルは存在するが、そのセルは空である。
ランダムなスパース性は、NULLがメジャー全体に点在している場合に発生する。通常、ディメンション・メンバーの組合せの一部が常にデータを持たないことが原因で発生する。たとえば、ある地区では特定の製品のみを販売しており、販売していない製品についての売上データは持っていない、という場合がこれに該当する。
一部のディメンションがスパースであるのに対し、他のディメンションが稠密である場合がある。たとえば、あらゆる期間において、他のディメンションにまたがる1つ以上のデータ値があり、Timeディメンションが稠密になっているが、その一方で、一部の製品について、販売されていない地域があったり、一定期間まったく販売されていなかったりするため、ProductディメンションとGeographyディメンションがスパースになっている、という場合がこれに該当する。
「コンポジット」も参照。
次元データ・モデルを表すように設計されたリレーショナル・スキーマ。スター・スキーマは、1つ以上のファクト表と、外部キーを通じて関連付けられた1つ以上のディメンション表で構成される。
「スノーフレーク・スキーマ」も参照。
特定のディメンションに関する、現在アクセス可能な値のリスト。ディメンションのステータスは特定のセッションを通じて維持され、明示的に変更しないかぎりは変更されない。アナリティック・ワークスペースが最初にセッションにアタッチされたときは、すべてのメンバーにステータスが設定される。
「キューブ・ディメンション」、「ディメンション・メンバー」も参照。