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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56289-08
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G Oracle Cluster Registryユーティリティ・リファレンス

この付録はOracle Cluster Registry(OCR)構成ユーティリティOCRCONFIGの構文およびOCRのトラブルシューティングについて説明します。OCRCHECKとOCRDUMPに関する説明および使用情報も含まれています。

内容は次のとおりです。

OCRCONFIGについて

この項では、OCRCONFIGユーティリティの使用に関連する項目について説明します。

概要

ocrconfigコマンドを使用して、OCRを管理します。このユーティリティを使用すると、OCRのインポート、エクスポート、追加、削除、リストア、上書き、バックアップ、修復、置換、移動、アップグレードまたはダウングレードを行うことができます。

使用上の注意

使用方法

  • OCRCONFIG実行可能ファイルは、Grid_home/binディレクトリに格納されています。

  • ocrconfig コマンドの構文は次のとおりです。

    ocrconfig -option
    

ユーティリティ・ヘルプの使用

OCRCONFIGユーティリティのヘルプ出力を表示するには、次のコマンドを使用します。

ocrconfig -help

権限およびセキュリティ

OCRCONFIGユーティリティを使用するには、管理権限を持つユーザーとしてオペレーティング・システムにログインする必要があります。

ログ・ファイル

OCRCONFIGユーティリティを実行すると、Grid_home/log/host_name/clientにログ・ファイルが作成されます。

ロギングの量を変更するには、Grid_home/srvm/admin/ocrlog.iniファイルのパスを編集します。

OCRCONFIGコマンド・リファレンス

この項では、次のOCRCONFIGコマンドについて説明します。

ocrconfig -add

ocrconfig -addコマンドを使用して、ストレージ・デバイスまたはOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループにOCRの場所を追加します。追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、Oracle ASMディスク・グループの場合、この場所はマウントしてから追加する必要があります。

構文

ocrconfig -add location_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • location_name変数は、デバイス名、ファイル名、またはOracle ASMディスク・グループの名前です。次に例を示します。

    • /dev/raw/raw1: デバイスが存在することを確認します

    • /oradbocfs/crs/data.ocr: 空(0バイト)のOCRの場所を作成する必要があります

    • d:\oracle\mirror.ocr: 空(0バイト)のOCRの場所を作成する必要があります

    • +newdg: ディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。

      Oracle ASMディスク・グループを指定する場合は、ディスク・グループの名前の前にプラス記号(+)を付ける必要があります。


    関連項目:

    • OCRの場所の作成、および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

    • Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


dataというOracle ASMのデフォルトの場所にOCRの場所を追加するには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -add +data

ocrconfig -backuploc

ocrconfig -backuplocコマンドを使用して、OCRバックアップ・ディレクトリの場所を指定します。

構文

ocrconfig [-local] -backuploc file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • -localオプションを使用して、OLRバックアップ・ディレクトリの場所を指定します。

  • file_name変数は、すべてのノードからアクセス可能なディレクトリのフルパス名です。次に例を示します。

    • Grid_home/cdata/cluster3/: 場所が存在することを確認します

    • d:\cdata\cluster3: 場所が存在することを確認します

  • LinuxまたはUNIXシステムでOCRバックアップが生成されるデフォルトの場所は、Grid_home/cdata/cluster_nameで、cluster_nameは、使用しているクラスタ名です。WindowsでOCRバックアップが生成されるデフォルトの場所は、同じパス構造を使用します。

  • LinuxまたはUNIXシステムでOLRバックアップが生成されるデフォルトの場所はGrid_home/cdata/host_nameで、host_nameは、バックアップ対象のOLRが存在するノードの名前です。WindowsでOLRバックアップが生成されるデフォルトの場所は、同じパス構造を使用します。

ディレクトリのOCRバックアップの場所を指定するには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -backuploc $Grid_home/cdata/cluster3

ocrconfig -delete

ocrconfig -deleteコマンドを使用して、OCRデバイスまたはファイルを削除します。

構文

ocrconfig -delete file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • file_name変数は、デバイス名、ファイル名、またはOracle ASMディスク・グループの名前です。次に例を示します。

    • /dev/raw/raw1

    • /oradbocfs/crs/data.ocr

    • d:\oracle\mirror.ocr

    • +olddg

    Oracle ASMディスク・グループを指定する場合は、ディスク・グループの名前の前にプラス記号(+)を付ける必要があります。

OCRの場所を削除するには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -delete +olddg

ocrconfig -downgrade

ocrconfig -downgradeコマンドを使用して、指定した以前のバージョンにOCRをダウングレードします。

構文

ocrconfig -downgrade [-version version_string]

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

OCRを以前のバージョンにダウングレードするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -downgrade -version

ocrconfig -export

ocrconfig -exportコマンドを使用して、OCRの内容をターゲット・ファイルにエクスポートします。

構文

ocrconfig [-local] -export file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • -localオプションを使用して、OLRの内容をエクスポートします。

  • file_name変数は、すべてのノードからアクセス可能なフルパス名です。次に例を示します。

    • /oradbocfs/crs/data.ocr

    • d:\oracle\

OCRの内容をファイルにエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -export d:\tmp\a

ocrconfig -import

ocrconfig -importコマンドを使用して、ターゲット・ファイルの内容(OCRの内容をエクスポートしたもの)を、OCRにインポートします。

構文

ocrconfig [-local] -import file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • -localオプションを使用して、OLRの内容をファイルからインポートします。

  • file_name変数は、すべてのノードからアクセス可能なフルパス名です。次に例を示します。

    • /oradbocfs/crs/data.ocr

    • d:\oracle\

  • このコマンドを実行する前にOracle Clusterwareを停止する必要があります。

ファイルの内容をOCRにインポートするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -import d:\tmp\a

ocrconfig -manualbackup

ocrconfig -manualbackup コマンドを使用して、-backuplocオプションで指定した場所に必要に応じてOCRをバックアップします。

構文

ocrconfig [-local] -manualbackup

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • -localオプションを使用して、OLRの手動バックアップを実行します。

OCRをバックアップするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -manualbackup

ocrconfig -overwrite

ocrconfig -overwriteコマンドを使用して、OCRメタデータのOCR構成を、このコマンドが実行されたノードで検出された現行のOCR構成情報で上書きします。

構文

ocrconfig -overwrite

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

OCR構成を上書きするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -overwrite

ocrconfig -repair

ocrconfig -repairコマンドを使用して、このコマンドを実行するノードのOCR構成を修復します。このコマンドを使用して、クラスタのOCR構成の変更中に停止していた可能性のあるノードのOCRの場所を追加、削除または置換します。追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、Oracle ASMディスク・グループの場合、この場所はマウントしてから追加する必要があります。

構文

ocrconfig -repair -add file_name | -delete file_name | -replace 
current_file_name -replacement new_file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • 修復を正常に完了させるには、Oracle高可用性サービスを起動する必要があります。

  • ocrconfig -repairを実行する前にクラスタ・レディ・サービス・デーモンを停止する必要があります。

  • file_name変数は、有効なOCRおよび、デバイス名、存在するファイルの絶対パス名、またはOracle ASMディスク・グループの名前のいずれかです。次に例を示します。

    • /dev/raw/raw1

    • /oradbocfs/crs/data.ocr

    • d:\oracle\mirror.ocr

    • +newdg

      Oracle ASMディスク・グループを指定する場合は、ディスク・グループの名前の前にプラス記号(+)を付ける必要があります。


    関連項目:

    • OCRの作成および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

    • Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


  • ocrconfig -repairと同時に使用できるオプションは1つのみです。

  • このコマンドの実行によって変更されるのはローカル構成のみであり、影響を受けるのは現行のノードのみです。

OCR構成を修復するには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -repair -delete +olddg

ocrconfig -replace

ocrconfig -replaceコマンドを使用して、このコマンドを実行するノードのOCRデバイスまたはファイルを置換します。追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、Oracle ASMディスク・グループの場合、この場所はマウントしてから追加する必要があります。

構文

ocrconfig -replace current_location_name -replacement new_location_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • new_location_name変数は、デバイス名、ファイル名、またはOracle ASMディスク・グループの名前です。次に例を示します。

    • /dev/raw/raw1: デバイスが存在することを確認します

    • /oradbocfs/crs/data.ocr: 空(0バイト)のOCRの場所を作成する必要があります

    • d:\oracle\mirror.ocr: 空(0バイト)のOCRの場所を作成する必要があります

    • +newdg: ディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。

      Oracle ASMディスク・グループを指定する場合は、ディスク・グループの名前の前にプラス記号(+)を付ける必要があります。


    関連項目:

    • OCRの作成および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

    • Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


  • このコマンドを使用するには2つ以上のOCRデバイスが必要です。OCRデバイスが2つ未満の場合、ocrconfig -addコマンドを実行して新しいOCRデバイスを追加してからocrconfig -deleteコマンドを実行し、置換するOCRデバイスを削除します。

OCRデバイスまたはファイルを置換するには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -replace /dev/raw/raw1 -replacement +newdg

ocrconfig -restore

ocrconfig -restoreコマンドを使用して、自動的に作成されたOCRバックアップ・ファイルからOCRをリストアします。

構文

ocrconfig [-local] -restore file_name

使用上の注意

  • このコマンドは、rootで実行する必要があります。

  • このコマンドを実行する前に、元のOCRファイルまたはOLRファイルが存在することを確認します。元のファイルが存在しない場合、空のファイルを作成する必要があります。


    注意:

    ocrconfig -exportによって生成されたファイルを使用してOCRをリストアすることはできません。ファイルは手動バックアップまたは自動バックアップである必要があります。

  • -localオプションを使用して、OLRのバックアップをリストアします。

  • 次にファイル名の例を示します。

    • /oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr

    • d:\oracle\BACKUP01.ocr

  • 指定したストレージ・デバイスが存在し、これらのデバイスが有効であることを確認します。

ファイルからOCRをリストアするには、次のコマンドを使用します。

# ocrconfig -restore /oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr

ocrconfig -showbackup

ocrconfig -showbackupコマンドを使用して、バックアップ場所、タイムスタンプおよびバックアップ・ファイルの元のノード名を表示します。このコマンドにautoまたはmanualを指定しないと、自動および手動の両方のバックアップに関する情報がデフォルトで表示されます。

構文

ocrconfig [-local] -showbackup [auto | manual]

使用上の注意

  • -localオプションを使用して、手動のOLRバックアップ情報を表示します。-localフラグは、manualオプションとあわせて指定した場合にのみ機能します。

  • 必要に応じてautoまたはmanualを指定して、自動バックアップまたは手動バックアップのいずれかの情報のみを表示することもできます。

    • auto: 過去4時間、8時間、12時間、前日および先週に作成された自動バックアップの情報を表示します。

    • manual: ocrconfig -manualbackupコマンドを使用して呼び出した手動バックアップの情報を表示します。

OLRの手動バックアップ情報を表示するには、次のコマンドを使用します。

$ ocrconfig -local -showbackup manual

ocrconfig -upgrade

rootスクリプトのみがocrconfig -upgradeコマンドを使用して、OCRを以前のバージョンからアップグレードします。

Oracle Cluster Registryのトラブルシューティングおよび診断出力

この項では、OCRに関する問題のトラブルシューティングを行う様々な方法およびOCRの管理に使用されるユーティリティから診断情報を取得する様々な方法について説明します。これらのユーティリティは、OLRのトラブルシューティングにも使用できます。

この項の内容は次のとおりです。

Oracle Cluster Registryのトラブルシューティング

表G-1に、OCRの一般的な問題およびそれに対応する推奨の解決策を示します。

表G-1 Oracle Cluster Registryの一般的な問題および解決策

問題 解決策

現在使用されていないOCRのミラー化を有効にする必要があります。

-replaceオプションを指定してocrconfigコマンドを実行します。

OCRに障害が発生したため、置換する必要があります。Oracle Enterprise ManagerまたはOCRのログ・ファイルにエラー・メッセージが書き込まれます。

-replaceオプションを指定してocrconfigコマンドを実行します。

OCRの構成が不適切です。

説明されているように、-repairオプションを指定してocrconfigコマンドを実行します。

OCRの処理によってパフォーマンスに重大な影響が及ぼされたか、または他の理由のためにOCRを削除します。

説明されているように、-replaceオプションを指定してocrconfigコマンドを実行します。

OCRに障害が発生したため、修正する前に、1つのOCRのみを使用してノードを再起動する必要があります。

-repairオプションを指定してocrconfigを実行し、問題のあるOCRの場所を削除します。定義済のすべてのOCRが見つからない場合、Oracle Clusterwareは起動されません。


OCRCHECKユーティリティの使用

OCRCHECKユーティリティを実行すると、構成したOCRのブロック形式のバージョン、使用可能な領域の合計、使用済の領域、OCRのIDおよび場所が表示されます。OCRCHECKでは、構成したすべてのOCRにあるすべてのブロックに対して、ブロック単位のchecksum操作が実行されます。各ファイルごとのステータスと、OCR全体の整合性チェックの結果も返されます。


注意:

クラスタのすべてのノードでOracleクラスタ・レディ・サービス・スタックがONLINEの場合、OCRCHECKのみが使用できます。


関連項目:

Oracleクラスタ・レディ・サービス・スタックの詳細は、「Oracle Clusterwareのスタック」を参照してください。

ocrcheck -helpコマンドを実行して、このユーティリティの使用方法を表示します。

OCRCHECKユーティリティの出力例を次に示します。

# ocrcheck

Status of Oracle Cluster Registry is as follows :
        Version                  :          3
        Total space (kbytes)     :     262120
        Used space (kbytes)      :        752
        Available space (kbytes) :     261368
        ID                       : 2098980155
        Device/File Name         : +ocrdg1
                                   Device/File integrity check succeeded
        Device/File Name         : +ocrdg2
                                   Device/File integrity check succeeded
                                   Device/File not configured
                                   Device/File not configured
                                   Device/File not configured
        Cluster registry integrity check succeeded 
        Logical corruption check succeeded

注意:

論理破損チェックは、rootとしてocrcheckコマンドが実行される場合のみ実行されます。

OCRCHECKユーティリティの出力例を2つ次に示します。それぞれの例で、Oracle ASMディスク・グループに配置された構成済OCR、およびRAWデバイスに配置された構成済OCRのみを示しています。

例G-1 Oracle ASMディスク・グループに配置されたOCR

$ ocrcheck -config

Oracle Cluster Registry configuration is :
        Device/File Name         : +ocrvd11
        Device/File Name         :  +ocrvd2
.
.
.
Status of Oracle Cluster Registry is as follows :
        Version                  :          3
        Total space (kbytes)     :     262120
        Used space (kbytes)      :       2384
        Available space (kbytes) :     259736
        ID                       : 1517109829
        Device/File Name         : +ocrvd11
                                   Device/File integrity check succeeded
        Device/File Name         : +ocrvd2
                                   Device/File integrity check succeeded
                                   Device/File not configured
                                   Device/File not configured
                                   Device/File not configured
        Cluster registry integrity check succeeded 
        Logical corruption check succeeded

例G-2 RAWデバイスに配置されたOCR

$ ocrcheck -config

Oracle Cluster Registry configuration is :
        Device/File Name         : /dev/raw/raw15
        Device/File Name         : /dev/raw/raw17
        Device/File Name         : /dev/raw/raw16
.
.
.
Status of Oracle Cluster Registry is as follows :
        Version                  :          3
        Total space (kbytes)     :     262120
        Used space (kbytes)      :       2884
        Available space (kbytes) :     259236
        ID                       :  157485888
        Device/File Name         : /dev/raw/raw15
                                   Device/File integrity check succeeded
        Device/File Name         : /dev/raw/raw17
                                   Device/File integrity check succeeded
        Device/File Name         : /dev/raw/raw16
                                   Device/File integrity check succeeded
                                   Device/File not configured
                                   Device/File not configured
        Cluster registry integrity check succeeded 
        Logical corruption check succeeded

ocrcheck -local -configコマンドを実行して、OLR情報を取得します。


注意:

ローカル・ノードでOracleクラスタ・レディ・サービス・スタックおよびOracle高可用性サービス・スタックがOFFLINEの場合のみ、ocrcheck -localコマンドを使用できます。


関連項目:

Oracleクラスタ・レディ・サービス・スタックおよびOracle高可用性サービス・スタックの詳細は、「Oracle Clusterwareのスタック」を参照してください。

$ ocrcheck -local -config

Oracle Local Registry configuration is :
        Device/File Name         : Grid_home/oracle/has_work/data.olr.stact23

OCRCHECKを実行すると、Grid_home/log/host_name/clientディレクトリにログ・ファイルが作成されます。ログ・レベルを変更するには、Grid_home/srvm/admin/ocrlog.iniファイルを編集します。

OCRDUMPユーティリティを使用したOracle Cluster Registryの内容の表示

この項では、OCRDUMPユーティリティを使用してトラブルシューティングのためにOCRおよびOracle Local Registry(OLR)の内容を表示する方法について説明します。OCRDUMPユーティリティを使用すると、OCRおよびOLRの内容を読みやすい形式でファイルまたはstdoutに書き込むことによって表示できます。

OCRDUMPにはいくつかのオプションを使用できます。たとえば、出力をキーおよびその子に制限できます。ブラウザを使用して表示可能なXMLファイルに内容を書き込むこともできます。OCRDUMPは、ASCII文字列およびデータ型形式の値としてOCRのキーを書き込みます。OCRDUMPは、ベスト・エフォート原則に基づいてヘッダー情報を取得します。

また、OCRDUMPを実行すると、Grid_home/log/host_name/clientにログ・ファイルが作成されます。ログ・レベルを変更するには、Grid_home/srvm/admin/ocrlog.iniファイルを編集します。

ロギング・コンポーネントを変更するには、comploglvl=エントリを含むエントリを編集します。たとえば、OCRAPIコンポーネントのログ・レベルを3に変更し、OCRRAWコンポーネントのログ・レベルを5に変更するには、ocrlog.iniファイルに次のエントリを作成します。

comploglvl="OCRAPI:3;OCRRAW:5"

注意:

OCRDUMPユーティリティを使用する前に、Grid_homeディレクトリにファイルを作成する権限を持っていることを確認してください。

この項には次のトピックが含まれます:

OCRDUMPユーティリティの構文およびオプション

この項では、OCRDUMPユーティリティのコマンド構文および使用方法について説明します。次の構文を使用してocrdumpコマンドを実行します(この場合、file_nameにはOracle Cluster Registryの出力を書き込むターゲット・ファイルの名前、key_nameにはOracle Cluster Registryのサブツリーの内容を書き込むキーの名前を指定します)。

$ ocrdump [file_name | -stdout] [-local] [-backupfile backup_file_name
[-keyname key_name] [-xml] [-noheader]
]

表G-2に、OCRDUMPユーティリティのオプションおよびオプションの説明を示します。

表G-2 OCRDUMPのオプションおよびオプションの説明

オプション 説明

file_name

OCRDUMPによって出力を書き込むファイルの名前です。

デフォルトでは、OCRDUMPによって、事前定義された出力ファイルOCRDUMPFILEに出力が書き込まれます。file_nameオプションによって、OCRDUMP出力は指定したファイルにリダイレクトされます。

-stdout

このオプションを使用して、プログラムを起動したテキスト端末にOCRDUMP出力をリダイレクトできます。

出力をリダイレクトしない場合、OCRDUMPによって、事前定義された出力ファイルOCRDUMPFILEに出力が書き込まれます。

-local

OLRの内容をダンプするには、このオプションを使用します。

-backupfile

OCRバックアップ・ファイルの内容を表示するには、このオプションを使用します。-localオプションをこのオプションとともに使用すると、OLRバックアップ・ファイルの内容が表示されます。

backup_file_name

表示する内容を含むバックアップ・ファイルの名前です。ocrconfig -showbackupコマンドを使用して、バックアップを問い合せることができます。

-keyname key_name

サブツリーがダンプされるOracle Cluster Registryキーの名前です。

-xml

出力をXML形式で書き込むにはこのオプションを使用します。

-noheader

コマンドを実行した時間およびOracle Cluster Registry構成が作成された時間を出力しません。


OCRDUMPユーティリティの例

次に示すocrdumpユーティリティの例では、様々なタイプのOCR情報を抽出し、様々なターゲットに書き込みます。

ocrdump

OCRの内容を現在のディレクトリのOCRDUMPFILEというファイルに書き込みます。

ocrdump MYFILE

OCRの内容を現在のディレクトリのMYFILEというファイルに書き込みます。

ocrdump -stdout -keyname SYSTEM

OCRの内容をSYSTEMキーのサブツリーから端末ウィンドウに表示します。

ocrdump -stdout -xml

OCRの内容をXML形式で端末ウィンドウに表示します。

ocrdump -stdout -backupfile Grid_home/cdata/cluster_name/file_name

Grid_home/cdata/cluster_name/file_nameディレクトリのコンテンツを表示します。すべてのキーを表示できるようにするには、このコマンドをrootで実行する必要があります。OCRバックアップ・ファイルであることを認識できるように、ファイルにはBACKUPOO.ocrなどの適切な名前を付けてください。

OCRDUMPユーティリティの出力例

次のOCRDUMPの例は、ocrdumpコマンドの2つの実行例について、KEYNAMEVALUE TYPEVALUE、権限のセット(usergroupworld)およびアクセス権を示します。テキスト値がAMERICAN_AMERICA.WE8ASCII37であるSYSTEM.languageキーの出力を次に示します。

[SYSTEM.language]
ORATEXT : AMERICAN_AMERICA.WE8ASCII37
SECURITY : {USER_PERMISSION : PROCR_ALL_ACCESS, GROUP_PERMISSION : PROCR_READ,
OTHER_PERMISSION : PROCR_READ, USER_NAME : user, GROUP_NAME : group}

3という整数値を持つSYSTEM.versionキーの出力を次に示します。

[SYSTEM.version]
UB4 (10) : 3
SECURITY : {USER_PERMISSION : PROCR_ALL_ACCESS, GROUP_PERMISSION : PROCR_READ,
OTHER_PERMISSION : PROCR_READ, USER_NAME : user, GROUP_NAME : group}