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Oracle® Databaseユーティリティ
11gリリース2 (11.2)
B56303-08
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2 データ・ポンプ・エクスポート

この章では、Oracle Data Pump Exportユーティリティ(expdp)について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティとは

データ・ポンプ・エクスポート(以降、エクスポート・ユーティリティと呼びます)は、ダンプ・ファイル・セットと呼ばれる一連のオペレーティング・システム・ファイルにデータおよびメタデータをアンロードするためのユーティリティです。ダンプ・ファイル・セットは、データ・ポンプ・インポート・ユーティリティによってのみインポートできます。ダンプ・ファイル・セットは、同一システムでインポートするか、または別のシステムへ移動してそのシステムにロードできます。

ダンプ・ファイル・セットは、表データ、データベース・オブジェクトのメタデータ、制御情報を含む1つ以上のディスク・ファイルで構成されています。これらのファイルは独自のバイナリ形式で書き込まれています。データ・ポンプ・インポート・ユーティリティは、インポート操作中、これらのファイルを使用してダンプ・ファイル・セット内の各データベース・オブジェクトの位置を特定します。

ダンプ・ファイルは、クライアントではなくサーバーによって書き込まれるため、データベース管理者(DBA)は、ファイルが書き込まれるサーバーの場所を定義するディレクトリ・オブジェクトを作成する必要があります。ディレクトリ・オブジェクトの詳細は、「ダンプ・ファイル、ログ・ファイルおよびSQLファイルのデフォルトの位置」を参照してください。

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティでは、データおよびメタデータのサブセットが、エクスポート・モードで設定されているとおりにジョブによって移動されるように指定できます。この指定には、エクスポート・パラメータで指定するデータ・フィルタおよびメタデータ・フィルタが使用されます。詳細は、「エクスポート操作中のフィルタ処理」を参照してください。

データ・ポンプ・エクスポートを使用できる様々な方法の例については、「データ・ポンプ・エクスポートの使用例」を参照してください。

データ・ポンプ・エクスポートの起動

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティは、expdpコマンドを使用して起動します。エクスポート操作の特性は、指定するエクスポート・パラメータによって決定されます。これらのパラメータは、コマンドラインまたはパラメータ・ファイルのいずれかで指定できます。


注意:

エクスポート・ユーティリティは、Oracleサポート・サービスから要求された場合以外、SYSDBAとして起動しないでください。SYSDBAは内部的に使用され、一般ユーザーとは異なる特別な機能を持ちます。

エクスポート・ユーティリティの起動の詳細は、次の項を参照してください。

データ・ポンプ・エクスポートのインタフェース

データ・ポンプ・エクスポートとは、コマンドライン、パラメータ・ファイルまたは対話方式コマンド・モードを使用して対話できます。

  • コマンドライン・インタフェース: ほとんどのエクスポート・パラメータを直接コマンドラインで指定できます。コマンドライン・インタフェースで使用可能なパラメータの詳細は、「エクスポート・ユーティリティのコマンドライン・モードで使用可能なパラメータ」を参照してください。

  • パラメータ・ファイル・インタフェース: パラメータ・ファイルでコマンドラインのパラメータを指定できます。パラメータ・ファイルはネストできないため、PARFILEパラメータのみが例外となります。値の指定に引用符が必要なパラメータを指定する場合は、パラメータ・ファイルを使用することをお薦めします。詳細は、「データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用」を参照してください。

  • 対話方式コマンド・インタフェース: 端末へのロギングを中止してエクスポート・ユーティリティのプロンプトを表示します。このプロンプトで、対話方式コマンド・モード固有のコマンドも含めて、様々なコマンドを入力できます。このモードは、コマンドライン・インタフェースまたはパラメータ・ファイル・インタフェースで開始されたエクスポート操作中に[Ctrl]キーを押しながら[C]キーを押すと使用可能になります。対話方式コマンド・モードは、実行中のジョブまたは停止されたジョブに接続した場合も使用可能になります。

    対話方式コマンド・モードで使用可能なコマンドの詳細は、「エクスポート・ユーティリティの対話方式コマンド・モードで使用可能なコマンド」を参照してください。

データ・ポンプ・エクスポートのモード

エクスポート・ユーティリティには、データベースの様々な部分をアンロードするための様々なモードがあります。モードは、適切なパラメータを使用してコマンドラインで指定します。使用可能なモードについては、次の項で説明します。


注意:

一部のシステム・スキーマは、ユーザー・スキーマではないため、エクスポートできません。システム・スキーマには、Oracleが管理するデータおよびメタデータが含まれています。エクスポートされないシステム・スキーマの例としては、SYSORDSYSMDSYSなどがあります。

全体エクスポート・モード

全体エクスポートは、FULLパラメータを使用して指定します。全データベース・エクスポートでは、データベース全体がアンロードされます。このモードには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。


参照:

エクスポート・ユーティリティのFULLパラメータの詳細は、「FULL」を参照してください。

スキーマ・モード

スキーマ・エクスポートは、SCHEMASパラメータを使用して指定します。これがデフォルトのエクスポート・モードです。DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールを所有している場合は、スキーマのリストを指定し、オプションでスキーマ定義およびこれらのスキーマに対するシステム権限を指定することができます。DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールを所有していない場合は、自分のスキーマのみをエクスポートできます。

SYSスキーマは、エクスポート・ジョブのソース・スキーマとして使用できません。

相互スキーマ参照は、参照されるスキーマがエクスポート対象のスキーマのリストにも指定されないかぎり、エクスポートされません。たとえば、指定されたいずれかのスキーマ内の表にトリガーが定義されていても、そのトリガーが、明示的に指定されていないスキーマ内に常駐している場合はエクスポートされません。これは、指定されたスキーマ内の表に影響を及ぼす外部型定義についても同様です。この場合は、インポート時に、型定義がターゲット・インスタンスにすでに存在している必要があります。


参照:

エクスポート・ユーティリティのSCHEMASパラメータの詳細は、「SCHEMAS」を参照してください。

表モード

表モード・エクスポートは、TABLESパラメータを使用して指定します。表モードでは、指定した表、パーティションおよびそれらの依存オブジェクトのみがアンロードされます。

TRANSPORTABLE=ALWAYSパラメータとTABLESパラメータを組み合せて指定すると、オブジェクト・メタデータのみがアンロードされます。実際のデータを移動するには、データ・ファイルをターゲット・データベースにコピーします。これにより、エクスポート時間が短縮されます。異なるリリースまたはプラットフォーム間でデータ・ファイルを移動する場合は、データ・ファイルをOracle Recovery Manager(RMAN)で処理することが必要な場合があります。


参照:

プラットフォーム間のデータの移動の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

自分のスキーマに存在しない表を指定するには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。列の型定義は、表モードではエクスポートされません。この場合は、インポート時に、型定義がターゲット・インスタンスにすでに存在している必要があります。また、スキーマ・エクスポートの場合と同様に、相互スキーマ参照もエクスポートされません。


参照:

  • エクスポート・ユーティリティのTABLESパラメータの詳細は、「TABLES」を参照してください。

  • エクスポート・ユーティリティのTRANSPORTABLEパラメータの詳細は、「TRANSPORTABLE」を参照してください。


表領域モード

表領域エクスポートは、TABLESPACESパラメータを使用して指定します。表領域モードでは、指定した表領域内に存在する表のみがアンロードされます。表がアンロードされると、その表の依存オブジェクトもアンロードされます。オブジェクトのメタデータとデータは、両方ともアンロードされます。表領域モードでは、指定した表領域内に表の一部が存在する場合、その表とその表のすべての依存オブジェクトがエクスポートされます。特権ユーザーは、すべての表を取得します。権限のないユーザーは、自分のスキーマ内の表のみを取得します。


参照:

  • エクスポート・ユーティリティのTABLESPACESパラメータの詳細は、「TABLESPACES」を参照してください。


トランスポータブル表領域モード

トランスポータブル表領域エクスポートは、TRANSPORT_TABLESPACESパラメータを使用して指定します。トランスポータブル表領域モードでは、指定した表領域セット内にある表のメタデータ(およびその表の依存オブジェクト)のみがエクスポートされます。表領域データ・ファイルは別の操作でコピーされます。次に、トランスポータブル表領域インポートが実行され、メタデータを含むダンプ・ファイルのインポートと、使用するデータ・ファイルの指定が行われます。

トランスポータブル表領域モードでは、指定した表がすべてその表領域に含まれている必要があります。つまり、表領域セット内に定義されているすべての表(およびその索引)のすべての記憶域セグメントも、セット内に含まれている必要があります。表領域セット内に違反が含まれている場合は、エクスポート・ユーティリティが実際にエクスポートを実行することなくすべての問題を識別します。

トランスポータブル表領域エクスポートは、停止すると再開できません。また、トランスポータブル表領域エクスポートには、1を超える並列度は指定できません。

暗号化された列は、トランスポータブル表領域モードではサポートされていません。


注意:

トランスポータブル表領域をエクスポートした後、それよりも古いリリース・レベルのデータベースにインポートすることはできません。ターゲット・データベースのリリース・レベルは、ソース・データベース以上である必要があります。

トランスポータブル表領域モードでのタイムゾーン・ファイルのバージョンに関する考慮点

トランスポータブル表領域モードで実行されるジョブには、タイムゾーン・ファイルのバージョンに関連する次の要件があります。

  • ソースがOracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)以降で、TIMESTAMP WITH TIMEZONE(TSTZ)列を使用するトランスポータブル・セット内に表がある場合、ターゲット・データベースのタイムゾーン・ファイルのバージョンは、ソース・データベースのタイムゾーン・ファイルのバージョンと完全に一致する必要があります。

  • ソースがOracle Database 11g リリース2(11.2.0.2)よりも前の場合、トランスポータブル・セットがTSTZ列を使用するかどうかに関係なく、タイムゾーン・ファイルのバージョンはすべてのトランスポータブル・ジョブのソースおよびターゲット・データベースで同じである必要があります。

これらの要件が満たされない場合、インポートが実行される前にインポート・ジョブが中断されます。これは、インポート・ジョブによるオブジェクトのインポートを許可すると、TSTZ列を含む表を読み込む際に、結果に不整合が生じる可能性があるためです。

データベースのタイムゾーン・ファイルのバージョンを識別するには、次のSQL文を実行します。

SQL> SELECT VERSION FROM V$TIMEZONE_FILE;

参照:

  • 「TRANSPORT_FULL_CHECK」

  • 「TRANSPORT_TABLESPACES」

  • トランスポータブル表領域の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • タイムゾーン・ファイルのバージョンの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。


ネットワークに関する考慮点

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティの起動時、接続文字列には接続識別子を指定できます。この識別子では、現行のOracleシステム識別子(SID)によって指定した現行のインスタンスとは別のデータベース・インスタンスを指定できます。接続識別子には、Oracle*Net接続記述子または接続記述子にマップするネット・サービス名(通常、tnsnames.oraファイルで定義される)を指定できます。接続識別子を使用するには、Oracle Net Listenerが実行中であることが必要です(デフォルト・リスナーを起動するには、lsnrctl startと入力します)。次に、inst1が接続識別子である場合のこのタイプの接続の例を示します。

expdp hr@inst1 DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr.dmp TABLES=employees

エクスポートによってパスワードの入力を要求されます。

Password: password

ローカル・エクスポート・クライアントは接続識別子inst1 (ネット・サービス名)によって定義されるデータベース・インスタンスに接続し、inst1からデータを取得し、データをinst1のダンプ・ファイルhr.dmpに書き込みます。

エクスポート・ユーティリティの起動時に接続識別子を指定することと、NETWORK_LINKパラメータを使用してエクスポート操作を実行することは異なります。エクスポート操作を開始して接続識別子を指定すると、接続識別子によって識別されたデータベース・インスタンスにローカルのエクスポート・クライアントが接続され、データベース・インスタンスのデータが取得され、そのデータベース・インスタンスのダンプ・ファイル・セットにデータが書き込まれます。一方、NETWORK_LINKパラメータを使用してエクスポートを実行すると、エクスポートはデータベース・リンクを使用して実行されます。(データベース・リンクとは2つの物理データベース・サーバー間の接続で、データベース・リンクによってクライアントは2つの物理データベース・サーバーに1つの論理データベースとしてアクセスできます。)


参照:

  • 「NETWORK_LINK」

  • データベース・リンクの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。

  • 接続識別子およびOracle Net Listenerの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Database Heterogeneous Connectivityユーザーズ・ガイド』


エクスポート操作中のフィルタ処理

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティでは、データとメタデータのフィルタ処理機能を使用して、エクスポートする情報の種類を効果的に制限できます。

データ・フィルタ

データ固有のフィルタ処理は、QUERYおよびSAMPLEパラメータによって実装されます。このパラメータは、表のエクスポートされる行に対する制限を指定します。

メタデータのフィルタ処理のため、間接的にデータのフィルタ処理が実行される場合もあります。この処理では、表オブジェクトおよび関連付けられた行データを含めたり、除外することができます。

各データ・フィルタは、表ごとにジョブ内で1回指定できます。同じ名前を使用する異なるフィルタが特定の表とジョブ全体の両方に適用された場合は、特定の表に対して提供されたフィルタ・パラメータが優先されます。

メタデータ・フィルタ

メタデータのフィルタ処理は、EXCLUDEおよびINCLUDEパラメータによって実装されます。EXCLUDEおよびINCLUDEは、相互に排他的なパラメータです。

メタデータ・フィルタは、オブジェクトを、エクスポートまたはインポート操作に含めるか除外するかを識別します。たとえば、パッケージ仕様またはパッケージ本体を含まない全体エクスポートを要求できます。

フィルタを正しく使用して必要な結果を得た場合は、識別されたオブジェクトの依存オブジェクトも、識別されたオブジェクトとともに処理されます。たとえば、索引を操作に含めるようにフィルタで指定すると、その索引の統計も含まれます。同様に、フィルタで表を除外すると、その表に対する索引、制約、権限およびトリガーも除外されます。

1つのオブジェクト型に対して複数のフィルタが指定されている場合は、それらのフィルタに対して暗黙的なAND処理が適用されます。つまり、ジョブに関連するオブジェクトは、オブジェクト型に適用されるすべてのフィルタで処理される必要があります。

同じメタデータ・フィルタ名を、1つのジョブ内で複数回指定できます。

DATABASE_EXPORT_OBJECTS(全体モードの場合)、SCHEMA_EXPORT_OBJECTS(スキーマ・モードの場合)、TABLE_EXPORT_OBJECTS(表および表領域モードの場合)ビューを問い合せて、有効なオブジェクト・タイプ値の一覧を表示できます。OBJECT_PATH列にリストされる値が有効なオブジェクト・タイプです。たとえば、次の問合せを実行できます。

SQL> SELECT OBJECT_PATH, COMMENTS FROM SCHEMA_EXPORT_OBJECTS
  2  WHERE OBJECT_PATH LIKE '%GRANT' AND OBJECT_PATH NOT LIKE '%/%';

次に、この問合せの出力結果の例を示します。

OBJECT_PATH
--------------------------------------------------------------------------------
COMMENTS
--------------------------------------------------------------------------------
GRANT
Object grants on the selected tables
 
OBJECT_GRANT
Object grants on the selected tables
 
PROCDEPOBJ_GRANT
Grants on instance procedural objects
 
PROCOBJ_GRANT
Schema procedural object grants in the selected schemas
 
ROLE_GRANT
Role grants to users associated with the selected schemas
 
SYSTEM_GRANT
System privileges granted to users associated with the selected schemas

参照:

「EXCLUDE」および「INCLUDE」

エクスポート・ユーティリティのコマンドライン・モードで使用可能なパラメータ

この項では、データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティのコマンドライン・モードで使用可能なパラメータについて説明します。エクスポート・パラメータを使用する前に、必ず次の項を読んでください。

パラメータの説明では、多くの場合パラメータの使用例を含みます。使用例を実行するために必要な環境の設定の詳細は、次の項を参照してください。

エクスポート・パラメータの指定

値を複数個指定できるパラメータでは、カンマまたは空白で値を区切ることができます。たとえば、TABLES=employees,jobsまたはTABLES=employees jobsのように指定できます。

入力するパラメータごとに、等号(=)と値を入力する必要があります。それ以外の方法では、1つ前のパラメータ指定がどこで完了し、新しいパラメータ指定がどこから始まるかをデータ・ポンプに伝えることができません。たとえば、次のコマンドラインの場合、NOLOGFILEは有効なパラメータですが、DUMPFILEパラメータに対するダンプ・ファイル名がもう1つあると解釈されます。

expdp DIRECTORY=dpumpdir DUMPFILE=test.dmp NOLOGFILE TABLES=employees

その結果、test.dmpおよびnologfile.dmpという2つのダンプ・ファイルが作成されることになります。

これを回避するには、NOLOGFILE=YESまたはNOLOGFILE=NOのいずれかを指定します。

データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用

一部のオペレーティング・システムでは引用符が特殊文字として処理されるため、バックスラッシュ(\)などのエスケープ文字を前に付けないと、アプリケーションに正しく渡されません。これは、コマンドラインとパラメータ・ファイル内の両方に当てはまります。また、オペレーティング・システムによっては、コマンドラインで、特殊文字を含むパラメータ値全体を一重引用符または二重引用符で囲む必要があります。

次の例では、これらの概念を説明します。特定のオペレーティング・システムに該当しない場合があること、および各ユーザーに固有の運用環境は想定していないことに注意してください。

次のように、パラメータ・ファイルでTABLESパラメータを指定するとします。

TABLES = \"MixedCaseTableName\"

これをコマンドラインで指定するとき、一部のオペレーティング・システムでは、次のように一重引用符で囲む必要があります。

TABLES = '\"MixedCaseTableName\"'

コマンドラインで追加の引用符を指定せずに手順を続行するには、パラメータ・ファイルを使用することをお薦めします。また、パラメータ・ファイルを使用し、指定するパラメータ値の文字列の最初の文字に引用符を使用しない場合(たとえば、TABLES=scott."EmP")は、エスケープ文字の使用が不要になるシステムがあることに注意してください。


参照:


エクスポート・パラメータの使用例

各項に示す例を試行する場合は、次の内容に注意してください。

  • 例に示すようにユーザー名およびパラメータを入力した後、エクスポート・ユーティリティが起動され、パスワードの入力を求められます。データベース接続が行われる前に、パスワードを入力する必要があります。

  • ここに示す例の多くは、Oracle Databaseのインストール時にデフォルトでインストールされるシード・データベースのサンプル・スキーマを使用しています。特に、人事管理(hr)スキーマを頻繁に使用します。

  • この例では、ディレクトリ・オブジェクトdpump_dir1およびdpump_dir2がすでに存在し、これらのディレクトリ・オブジェクトについてのREAD権限およびWRITE権限が、hrユーザーに付与されているものとします。ディレクトリ・オブジェクトの作成および権限の割当ての詳細は、「ダンプ・ファイル、ログ・ファイルおよびSQLファイルのデフォルトの位置」を参照してください。

  • 一部の例では、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールおよびDATAPUMP_IMP_FULL_DATABASEロールが必要です。その例では、hrユーザーにこれらのロールが付与されているものとします。

必要に応じて、これらのディレクトリ・オブジェクトの作成と、必要な権限やロールの割当てをDBAに依頼します。

これらのパラメータの構文図は、「データ・ポンプ・エクスポートの構文図」を参照してください。

特に指定がないかぎり、これらのパラメータはパラメータ・ファイルでも指定できます。

ABORT_STEP

デフォルト: NULL

用途

ジョブの初期化後に、そのジョブを停止する場合に使用します。これによって、データのエクスポート前にマスター表の問合せが可能になります。

構文および説明

ABORT_STEP=[n | -1]

指定可能な値は、マスター表内のプロセス・オーダー番号と対応しています。各番号の使用結果は次のとおりです。

  • n: 値が0以上の場合は、エクスポート操作が開始され、対応するプロセス・オーダー番号を持つ、マスター表に格納されているオブジェクトでジョブが中断されます。

  • -1: 値が負の1(-1)の場合は、ジョブの設定後(ただし、オブジェクトまたはデータのエクスポート前)に、ジョブが中断されます。

制限事項

  • なし

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=expdat.dmp SCHEMAS=hr ABORT_STEP=-1

ACCESS_METHOD

デフォルト: AUTOMATIC

用途

エクスポート・ユーティリティで特定のメソッドを使用してデータをアンロードするように指定します。

構文および説明

ACCESS_METHOD=[AUTOMATIC | DIRECT_PATH | EXTERNAL_TABLE]

デフォルトのメソッドがなんらかの理由で動作しない場合に別のネイティブ・メソッドを試行できるように、ACCESS_METHODパラメータが提供されます。できるだけデフォルトのオプション(AUTOMATIC)を使用することをお薦めします(このオプションによって、データ・ポンプは最も効果的なメソッドを自動的に選択できるようになります)。

制限事項

  • NETWORK_LINKパラメータも指定する場合、ダイレクト・パス・モードはサポートされません。

  • Data Pump ExportのACCESS_METHODパラメータは、トランスポータブル表領域のジョブに対して有効ではありません。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=expdat.dmp SCHEMAS=hr 
ACCESS_METHOD=EXTERNAL_TABLE 

ATTACH

デフォルト: ユーザーのスキーマで現在実行されているジョブ(存在する場合)

用途

クライアント・セッションを既存のエクスポート・ジョブに接続し、自動的に対話方式コマンド・インタフェースを有効にします。接続先のジョブの説明およびエクスポート・プロンプトが表示されます。

構文および説明

ATTACH [=[schema_name.]job_name]

schema_nameは、オプションです。自分のスキーマ以外のスキーマを指定するには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。

job_nameは、スキーマに対応するエクスポート・ジョブが1つのみで、そのジョブがアクティブの場合はオプションです。停止しているジョブに接続する場合は、このジョブ名を指定する必要があります。DBA_DATAPUMP_JOBSビューまたはUSER_DATAPUMP_JOBSビューを問い合せて、データ・ポンプ・ジョブ名の一覧を表示できます。

ジョブに接続している場合、エクスポート・ユーティリティでは、ジョブの説明が表示され、次にエクスポート・プロンプトが表示されます。

制限事項

  • ATTACHパラメータを指定する場合、コマンドラインで他に指定できるデータ・ポンプ・パラメータは、ENCRYPTION_PASSWORDのみです。

  • 接続するジョブが最初に暗号化パスワードを使用して起動している場合、そのジョブへの接続時に、コマンドライン上のENCRYPTION_PASSWORDパラメータを再入力してそのパスワードを再指定する必要があります。唯一の例外は、ジョブが最初にENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLYパラメータを使用して開始されている場合です。この場合、ジョブへの接続時に暗号化パスワードは必要ありません。

  • そのジョブが実行中でなければ、別のスキーマのジョブに接続することはできません。

  • ジョブのダンプ・ファイル・セットまたはマスター表が削除されている場合、接続操作は失敗します。

  • マスター表を変更すると、それがどのような変更であっても、予期しない結果になります。

次に、ATTACHパラメータの使用例を示します。ジョブhr.export_jobがすでに存在するものとします。

> expdp hr ATTACH=hr.export_job

CLUSTER

デフォルト: YES

用途

データ・ポンプでOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)リソースを使用できるかどうかと、ワーカーを他のOracle RACインスタンス上で開始できるかどうかを決定します。

構文および説明

CLUSTER=[YES | NO]

データ・ポンプ・エクスポートで、ジョブが開始されたインスタンスのみを使用し、Oracle Database 11g リリース2(11.2)より前の動作と同じにするには、CLUSTER=NOを指定します。

特定の既存サービスを指定しワーカー・プロセスを制約して、そのサービスに対して定義されたインスタンス上のみでこれらを実行できるようにするには、CLUSTER=YESパラメータとSERVICE_NAMEパラメータを組み合せて使用します。

CLUSTERパラメータを使用すると、エクスポート・ジョブをOracle RACインスタンス全体に分散させるための追加のオーバーヘッドが発生するため、パフォーマンスに影響する場合があります。ジョブが小さいときは、CLUSTER=NOを指定して、ジョブが開始されたインスタンス上のみでジョブを実行した方がよい場合もあります。CLUSTERパラメータを使用してジョブのパフォーマンスが最もよくなるのは、ジョブのデータ量が多い場合です。

次に、CLUSTERパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_clus%U.dmp CLUSTER=NO PARALLEL=3

この例では、hrスキーマのスキーマ・モード・エクスポート(デフォルト)を実行します。CLUSTER=NOが指定されているため、ジョブでは起動時のインスタンスのみが使用されます。(CLUSTERパラメータが指定されていない場合は、デフォルト値のYが使用され、必要に応じて、Oracle RACの他のインスタンス上で動作が開始されます。)ダンプ・ファイルは、dpump_dir1ディレクトリ・オブジェクトに指定された場所に書き込まれます。ジョブでは、パラレル処理を最大3つまで実行できます。

COMPRESSION

デフォルト: METADATA_ONLY

用途

ダンプ・ファイル・セットに書き込む前に圧縮するデータを指定します。

構文および説明

COMPRESSION=[ALL | DATA_ONLY | METADATA_ONLY | NONE]
  • ALLを指定すると、エクスポート操作全体について圧縮が有効になります。ALLオプションでは、Oracle Advanced Compressionオプションを有効にする必要があります。

  • DATA_ONLYを指定すると、すべてのデータが圧縮形式でダンプ・ファイルに書き込まれます。DATA_ONLYオプションでは、Oracle Advanced Compressionオプションを有効にする必要があります。

  • METADATA_ONLYを指定すると、すべてのメタデータが圧縮形式でダンプ・ファイルに書き込まれます。これがデフォルトです。

  • NONEを指定すると、エクスポート操作全体について圧縮が無効になります。


参照:

Oracle Advanced Compressionオプションのライセンス要件の詳細は、『Oracle Databaseライセンス情報』を参照してください。

制限事項

  • これらすべての圧縮オプションを使用するには、COMPATIBLE初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。

  • METADATA_ONLYオプションは、たとえCOMPATIBLE初期化パラメータが10.2に設定されていても使用できます。

  • ALLまたはDATA_ONLYを使用したデータ圧縮は、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効で、Oracle Advanced Compressionオプションを有効にする必要があります。

次に、COMPRESSIONパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_comp.dmp COMPRESSION=METADATA_ONLY

このコマンドは、スキーマ・モードのエクスポートを実行し、すべてのメタデータを圧縮してからダンプ・ファイルhr_comp.dmpに書き出します。エクスポート・モードが指定されていないため、デフォルトでスキーマ・モードのエクスポートになります。

CONTENT

デフォルト: ALL

用途

エクスポート・ユーティリティでアンロードする内容を、データのみ、メタデータのみ(あるいはその両方)でフィルタ処理できます。

構文および説明

CONTENT=[ALL | DATA_ONLY | METADATA_ONLY]
  • ALLを指定すると、データとメタデータの両方がアンロードされます。これがデフォルトです。

  • DATA_ONLYを指定すると、表の行データのみがアンロードされます。データベース・オブジェクト定義はアンロードされません。

  • METADATA_ONLYを指定すると、データベース・オブジェクト定義のみがアンロードされ、表の行データはアンロードされません。CONTENT=METADATA_ONLYを指定した場合、ダンプ・ファイルが後でインポートされるときに、ダンプ・ファイルからインポートされる索引または表の統計はインポート後にロックされることに注意してください。

制限事項

  • CONTENT=METADATA_ONLYパラメータは、TRANSPORT_TABLESPACES(トランスポータブル表領域モード)パラメータまたはQUERYパラメータと組み合せて使用することはできません。

次に、CONTENTパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr.dmp CONTENT=METADATA_ONLY

このコマンドでは、hrのスキーマに関連付けられたメタデータのみをアンロードするスキーマ・モード・エクスポートが実行されます。エクスポート・モードが指定されていない場合は、デフォルトでhrのスキーマのスキーマ・モード・エクスポートになります。

DATA_OPTIONS

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。このパラメータが使用されていない場合、このパラメータが提供する特別なデータ処理オプションは無効になります。

用途

DATA_OPTIONSパラメータは、エクスポート操作時に特定のタイプのデータをどのように処理するかを指定します。

構文および説明

DATA_OPTIONS=XML_CLOBS

XML_CLOBSオプションを指定すると、XMLType列は、列に対して定義されているXMLTypeの格納形式に関係なく非圧縮のCLOB形式でエクスポートされます。

表にCLOBとして格納されているXMLType列しかない場合は、データ・ポンプにより自動的にこれらの列がCLOB形式でエクスポートされるため、XML_CLOBSオプションを指定する必要はありません。表にオブジェクト・リレーショナル(スキーマベース)、バイナリまたはCLOB形式の組合せで格納されているXMLType列がある場合、デフォルトで、これらの列はデータ・ポンプにより圧縮形式でエクスポートされます。この方法をお薦めします。ただし、データを非圧縮のCLOB形式でエクスポートする必要がある場合は、XML_CLOBSオプションを使用してデフォルトの設定を上書きできます。


参照:

XMLType表のエクスポートおよびインポートに固有の情報については、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

制限事項

  • XML_CLOBSオプションを使用するには、エクスポート時とインポート時の両方で同じXMLスキーマを使用する必要があります。

  • エクスポート・ユーティリティのDATA_OPTIONSパラメータを使用する場合は、ジョブ・バージョンを11.0.0以上に設定する必要があります。詳細は、「VERSION」を参照してください。

この例では、hr.xdb_tab1表のXMLType列を、列に対して定義されているXMLTypeの格納形式に関係なく、非圧縮のCLOB形式でエクスポートするエクスポート操作を示します。

> expdp hr TABLES=hr.xdb_tab1 DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_xml.dmp
VERSION=11.2 DATA_OPTIONS=XML_CLOBS

DIRECTORY

デフォルト: DATA_PUMP_DIR

用途

エクスポート・ユーティリティによるダンプ・ファイル・セットおよびログ・ファイルのデフォルトの書込み先を指定します。

構文および説明

DIRECTORY=directory_object

directory_objectは、データベースのディレクトリ・オブジェクトの名前です(実際のディレクトリファイル・パスではありません)。インストール時に、特権ユーザーにDATA_PUMP_DIRという名前のデフォルトのディレクトリ・オブジェクトへのアクセス権が付与されます。デフォルトのDATA_PUMP_DIRディレクトリ・オブジェクトにアクセス可能なユーザーは、DIRECTORYパラメータを使用する必要はまったくありません。

DUMPFILEパラメータやLOGFILEパラメータで指定したディレクトリ・オブジェクトは、DIRECTORYパラメータに指定したディレクトリ・オブジェクトよりも優先されます。

次に、DIRECTORYパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=employees.dmp CONTENT=METADATA_ONLY

ダンプ・ファイルemployees.dmpは、ディレクトリ・オブジェクトdpump_dir1に対応付けられたパスに書き込まれます。


参照:


DUMPFILE

デフォルト: expdat.dmp

用途

名前を指定します。オプションで、エクスポート・ジョブに対するダンプ・ファイルのディレクトリ・オブジェクトを指定します。

構文および説明

DUMPFILE=[directory_object:]file_name [, ...]

DIRECTORYパラメータで指定されている場合、directory_objectはオプションです。ここで値を指定する場合は、すでに存在しアクセス権があるディレクトリ・オブジェクトを指定します。DUMPFILEパラメータの一部に指定されるデータベース・ディレクトリ・オブジェクトは、DIRECTORYパラメータによって指定された値またはデフォルトのディレクトリ・オブジェクトよりも優先されます。

カンマで区切ったリストまたは個別のDUMPFILEパラメータ指定で、複数のfile_name指定を定義できます。ファイル拡張子を指定しない場合は、デフォルトのファイル拡張子.dmpが使用されます。ファイル名には、複数のファイルを生成できることを示す置換変数(%U)を含めることができます。生成されるファイル名では、置換変数が、01から99まで増加する固定幅の2桁の整数に変換されます。ファイル指定に2つの置換変数が含まれている場合は、両方の変数が同時に増加します。たとえば、exp%Uaa%U.dmpは、exp01aa01.dmpexp02aa02.dmpというように変換されます。

FILESIZEパラメータを指定すると、各ダンプ・ファイルがそのサイズを上限とするため、拡張できなくなります。置換変数(%U)を持つテンプレートを指定していて、ダンプ・ファイル・セットに必要な領域が不足し、デバイスに余裕がある場合は、FILESIZEパラメータで指定したサイズの新しいダンプ・ファイルが自動的に作成されます。

置換変数が含まれているファイル指定またはファイル・テンプレートは、定義されているとおり、完全修飾されたファイル名としてインスタンス化され、エクスポート・ユーティリティによって作成されます。ファイル指定は、指定した順序で処理されます。ファイル・サイズが上限に達したか、またはパラレル処理をアクティブなままにするためにジョブにファイルを追加する必要がある場合、置換変数を持つファイル・テンプレートが指定されていれば、追加のファイルが作成されます。

DUMPFILEパラメータで複数のファイルを指定することもできますが、エクスポート・ジョブでエクスポート・データを保持するために必要となるのは、それらのファイルのサブセットのみの場合もあります。エクスポート・ジョブの最後に表示されるダンプ・ファイル・セットには、実際に使用されたファイルが示されます。このダンプ・ファイル・セットを使用するインポート操作には、このファイル・リストが必要になります。使用されなかったファイルは無視してかまいません。

制限事項

  • 作成されるダンプ・ファイルの名前がすでに存在しているダンプ・ファイルの名前と一致するとエラーが生成されます。既存のダンプ・ファイルが上書きされることはありません。この動作を上書きするには、エクスポート・ユーティリティのパラメータREUSE_DUMPFILES=YESを指定します。

次に、DUMPFILEパラメータの使用例を示します。

> expdp hr SCHEMAS=hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=dpump_dir2:exp1.dmp,
 exp2%U.dmp PARALLEL=3

ダンプ・ファイルexp1.dmpは、ディレクトリ・オブジェクトdpump_dir2に対応するパスに書き込まれます。これは、dpump_dir2が、ダンプ・ファイル名の一部として指定されたことによって、DIRECTORYパラメータで指定されたディレクトリ・オブジェクトよりも優先されるためです。3つのパラレル処理のすべてに、このジョブの間に実行する作業が与えられるため、指定した置換変数exp2%U.dmpに基づいて、exp201.dmpおよびexp202.dmpという名前のダンプ・ファイルが作成されます。ディレクトリが指定されていないため、作成されたファイルは、DIRECTORYパラメータで指定されたディレクトリ・オブジェクトdpump_dir1に関連付けられたパスに書き込まれます。


参照:

  • ダンプ・ファイル名に置換変数を指定する場合の置換変数の処理方法については、「置換変数の使用方法」を参照してください。


ENCRYPTION

デフォルト: デフォルト値は、使用される暗号化関連のパラメータの組合せによって決まります。暗号化を有効にするには、ENCRYPTIONまたはENCRYPTION_PASSWORDパラメータ、あるいは両方を指定する必要があります。

ENCRYPTION_PASSWORDパラメータのみが指定されている場合は、デフォルトでENCRYPTIONパラメータがALLに設定されます。

ENCRYPTIONパラメータのみが指定され、Oracle暗号化ウォレットがオープン状態の場合、デフォルト・モードはTRANSPARENTになります。ENCRYPTIONパラメータのみが指定され、ウォレットが閉じられている場合は、エラーが返されます。

ENCRYPTIONENCRYPTION_PASSWORDのいずれも指定しない場合、ENCRYPTIONのデフォルト値はNONEとなります。

用途

ダンプ・ファイル・セットに書き込む前にデータを暗号化するかどうかを指定します。

構文および説明

ENCRYPTION = [ALL | DATA_ONLY | ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY | METADATA_ONLY | NONE]

ALLを指定すると、エクスポート操作ですべてのデータおよびメタデータについて暗号化が有効になります。

DATA_ONLYを指定すると、データのみが暗号化形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。

ENCRYPTED_COLUMNS_ONLYを指定すると、暗号化された列のみが暗号化形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。このオプションを使用するには、Oracle Advanced Securityのデータの透過的な暗号化を有効にする必要があります。データの透過的な暗号化の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

METADATA_ONLYを指定すると、メタデータのみが暗号化形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。

NONEを指定すると、データは暗号化形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれません。


注意:

エクスポート対象のデータに暗号化の必要なSecureFilesが含まれている場合は、ENCRYPTION=ALLを指定してダンプ・ファイル・セット全体を暗号化する必要があります。ダンプ・ファイル・セット全体の暗号化は、データ・ポンプのエクスポート操作中にSecureFilesの暗号化セキュリティを実現する唯一の方法です。SecureFilesの詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

制限事項

  • ALLDATA_ONLYまたはMETADATA_ONLYの各オプションを指定するには、COMPATIBLE初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

  • データ・ポンプの暗号化機能を使用するには、Oracle Advanced Securityオプションが有効である必要があります。Oracle Advanced Securityオプションのライセンス要件の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

次の例では、ダンプ・ファイルでデータのみが暗号化されるエクスポート操作を実行します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_enc.dmp JOB_NAME=enc1
ENCRYPTION=data_only ENCRYPTION_PASSWORD=foobar

ENCRYPTION_ALGORITHM

デフォルト: AES128

用途

暗号化の実行に使用する必要のある暗号化アルゴリズムを指定します。

構文および説明

ENCRYPTION_ALGORITHM = [AES128 | AES192 | AES256]

暗号化アルゴリズムの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

制限事項

  • この暗号化機能を使用するには、COMPATIBLE初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。

  • ENCRYPTION_ALGORITHMパラメータを使用する場合は、ENCRYPTIONまたはENCRYPTION_PASSWORDパラメータも指定する必要があります。指定しないと、エラーが返されます。

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

  • データ・ポンプの暗号化機能を使用するには、Oracle Advanced Securityオプションが有効である必要があります。Oracle Advanced Securityオプションのライセンス要件の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_enc3.dmp
ENCRYPTION_PASSWORD=foobar ENCRYPTION_ALGORITHM=AES128

ENCRYPTION_MODE

デフォルト: デフォルト・モードは、他に使用される暗号化関連のパラメータによって決まります。ENCRYPTIONパラメータのみが指定され、Oracle暗号化ウォレットがオープン状態の場合、デフォルト・モードはTRANSPARENTになります。ENCRYPTIONパラメータのみが指定され、ウォレットが閉じられている場合は、エラーが返されます。

ENCRYPTION_PASSWORDパラメータが指定され、ウォレットがオープン状態の場合、デフォルト設定はDUALになります。ENCRYPTION_PASSWORDパラメータが指定され、ウォレットが閉じられている場合、デフォルト設定はPASSWORDになります。

用途

暗号化および復号化を実行する際に使用するセキュリティ・タイプを指定します。

構文および説明

ENCRYPTION_MODE = [DUAL | PASSWORD | TRANSPARENT]

DUALモードでは、後から透過的にインポートしたり、デュアルモードで暗号化されたダンプ・ファイル・セットの作成時に使用したパスワードを指定してインポートすることができるダンプ・ファイル・セットを作成します。DUALモードで作成されたダンプ・ファイル・セットを後からインポートするときは、ウォレットまたはENCRYPTION_PASSWORDパラメータで指定されたパスワードのいずれかを使用できます。DUALモードは、ウォレットを使用する場合にはダンプ・ファイル・セットのインポートをオンサイトで行い、ウォレットが使用できない場合にはオフサイトでインポートを行う必要もある場合に最適です。

PASSWORDモードでは、暗号化されたダンプ・ファイル・セットの作成時にパスワードを指定する必要があります。ダンプ・ファイル・セットをインポートするときは同じパスワードを指定する必要があります。PASSWORDモードでは、ENCRYPTION_PASSWORDパラメータを指定する必要もあります。PASSWORDモードは、ダンプ・ファイル・セットが別のデータベースやリモート・データベースにインポートされるときに、転送中もセキュリティで保護する必要がある場合に最適です。

TRANSPARENTモードでは、必要なウォレットを使用できる場合、暗号化されるダンプ・ファイル・セットをデータベース管理者(DBA)の介入なしで作成することができます。したがって、ENCRYPTION_PASSWORDパラメータは必要なく、実際には、TRANSPARENTモードで使用するとエラーの原因となります。この暗号化モードは、ダンプ・ファイル・セットがエクスポート元と同じデータベースにインポートされる場合に最適です。

制限事項

  • DUALまたはTRANSPARENTモードを使用するには、COMPATIBLE初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。

  • ENCRYPTION_MODEパラメータを使用する場合は、ENCRYPTIONまたはENCRYPTION_PASSWORDパラメータのいずれかを使用する必要もあります。それ以外の場合は、エラーが返されます。

  • ENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLYを使用する場合は、ENCRYPTION_MODEパラメータを使用できません。それ以外の場合は、エラーが返されます。

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

  • データ・ポンプの暗号化機能を使用するには、Oracle Advanced Securityオプションが有効である必要があります。Oracle Advanced Securityオプションのライセンス要件の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_enc4.dmp
ENCRYPTION=all ENCRYPTION_PASSWORD=secretwords
ENCRYPTION_ALGORITHM=AES256 ENCRYPTION_MODE=DUAL

ENCRYPTION_PASSWORD

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。ユーザーが値を指定します。

用途

エクスポート・ダンプ・ファイル内の暗号化列のデータ、メタデータまたは表データを暗号化するためのパスワードを指定します。これにより、暗号化されたダンプ・ファイル・セットへの不正なアクセスを防ぎます。


注意:

データ・ポンプの暗号化機能は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で変更されています。リリース11.1より前は、ENCRYPTION_PASSWORDパラメータが適用されるのは暗号化列のみでした。しかし、リリース11.1では、新しいENCRYPTIONパラメータが他のタイプのデータを暗号化するためのオプションを提供するようになりました。つまり、ENCRYPTIONと固有のオプションを指定せずにENCRYPTION_PASSWORDを指定すると、ダンプ・ファイルに書き込まれるすべてのデータが暗号化されるようになりました(ENCRYPTION=ALLを指定した場合と同じ)。暗号化列のみを再暗号化する場合は、ENCRYPTION_PASSWORDに加えてENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLYを指定する必要があります。

構文および説明

ENCRYPTION_PASSWORD = password

指定するpassword値は、暗号化された表の列、メタデータまたは表データをダンプ・ファイル・セットにクリア・テキストとして書き込まないように、再度暗号化するキーを指定します。エクスポート操作の対象に暗号化された表の列がある場合に暗号化パスワードが指定されていなければ、暗号化された列はクリア・テキストとしてダンプ・ファイル・セットに書き込まれ、警告が発行されます。

エクスポート操作については、ENCRYPTION_MODEパラメータがPASSWORDまたはDUALに設定されている場合に、このパラメータが必要になります。


注意:

データ・ポンプのENCRYPTION_PASSWORDパラメータで指定されるキーと、暗号化された列が含まれる表が最初に作成されるときにENCRYPTキーワードで指定されるキーとの間には、関連性も依存性もありません。たとえば、次のように、キーがxyzの暗号化列を持つ表を作成するとします。
CREATE TABLE emp (col1 VARCHAR2(256) ENCRYPT IDENTIFIED BY "xyz");

emp表をエクスポートするときは、ENCRYPTION_PASSWORDに任意の値を指定できます。xyzである必要はありません。


制限事項

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

  • データ・ポンプの暗号化機能を使用するには、Oracle Advanced Securityオプションが有効である必要があります。Oracle Advanced Securityオプションのライセンス要件の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • ENCRYPTION_PASSWORDを指定して、ENCRYPTION_MODEを指定しない場合は、ENCRYPTION_MODEのデフォルトがPASSWORDになるため、Oracle Advanced Securityのデータの透過的な暗号化を有効にする必要はありません。

  • ENCRYPTION_PASSWORDパラメータは、指定した暗号化モードがTRANSPARENTの場合は有効になりません。

  • ENCRYPTION_MODEDUALに設定した場合にENCRYPTION_PASSWORDパラメータを使用するには、Oracle Advanced Securityのデータの透過的な暗号化を有効にする必要があります。データの透過的な暗号化の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • ネットワーク・エクスポートの場合、ENCRYPTION_PASSWORDパラメータとENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLYの併用は、暗号化された列を含むユーザー定義の外部表ではサポートされていません。そのような表はスキップされ、エラー・メッセージが表示されますが、ジョブは続行されます。

  • すべての列に対する暗号化属性は、エクスポートされた表の定義とターゲット表で一致している必要があります。たとえば、EMP表にEMPNOという列があるとします。次のいずれの場合も、ソース表のEMP列の暗号化属性が、ターゲット表のEMP列の暗号化属性と一致していないためエラーになります。

    • EMPNO列を暗号化してEMP表をエクスポートし、表をインポートする前にEMPNO列から暗号化属性を削除する。

    • EMPNO列を暗号化せずにEMP表をエクスポートし、表をインポートする前にEMPNO列の暗号化を有効にする。

次の例では、暗号化パスワード123456がダンプ・ファイルdpcd2be1.dmpに割り当てられています。

expdp hr TABLES=employee_s_encrypt DIRECTORY=dpump_dir1
DUMPFILE=dpcd2be1.dmp ENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY 
ENCRYPTION_PASSWORD=123456

employee_s_encrypt表の暗号化列は、dpcd2be1.dmpダンプ・ファイルにクリア・テキストとして書き込まれません。この例で作成されたdpcd2be1.dmpファイルを後でインポートするには、同じ暗号化パスワードを指定する必要があることに注意してください。(ENCRYPTION_PASSWORDパラメータを使用したインポート操作の例は、「ENCRYPTION_PASSWORD」を参照してください。)

ESTIMATE

デフォルト: BLOCKS

用途

エクスポート・ジョブ内の各表で使用されるディスク領域(バイト単位)を見積もる場合にエクスポートで使用される方法を指定します。見積りはログ・ファイルに出力され、クライアントの標準出力デバイスに表示されます。見積りの対象は、表の行データのみです。メタデータは含まれません。

構文および説明

ESTIMATE=[BLOCKS | STATISTICS]
  • BLOCKS: 見積りは、ソース・オブジェクトで使用されるデータベース・ブロックの数に、適切なブロック・サイズを掛けて計算されます。

  • STATISTICS: 見積りは、表別の統計を使用して計算されます。この方法による見積りをできるかぎり正確にするには、すべての表を新しく分析しておく必要があります。(表の分析は、SQL ANALYZE文またはDBMS_STATS PL/SQLパッケージのいずれかで実行可能です。)

制限事項

  • ESTIMATE=BLOCKSが使用されている場合、圧縮された表がデータ・ポンプのエクスポート・ジョブに含まれていると、その圧縮表に対するデフォルトのサイズ見積りは不正確になります。これは、データが圧縮形式で保存されていたことが、サイズの見積りに反映されないためです。圧縮された表に対するサイズ見積りをより正確に行うには、ESTIMATE=STATISTICSを使用してください。

  • また、QUERYまたはREMAP_DATAパラメータのいずれかが使用されている場合に、見積りが不正確になることがあります。

次の例に、ESTIMATEパラメータの使用例を示します。ここでは、employees表に対する統計を使用して見積りが計算されます。

> expdp hr TABLES=employees ESTIMATE=STATISTICS DIRECTORY=dpump_dir1
 DUMPFILE=estimate_stat.dmp

ESTIMATE_ONLY

デフォルト: NO

用途

エクスポート・ユーティリティで、ジョブが消費する領域を実際のエクスポート操作を行わずに見積もります。

構文および説明

ESTIMATE_ONLY=[YES | NO]

ESTIMATE_ONLY=YESの場合、エクスポート・ユーティリティは、使用される領域の見積りを行いますが、実際にエクスポート操作は実行せずに終了します。

制限事項

  • ESTIMATE_ONLYパラメータは、QUERYパラメータと組み合せて使用することはできません。

次に、ESTIMATE_ONLYパラメータを使用して、HRスキーマが使用するエクスポート領域の大きさを判断する場合の例を示します。

> expdp hr ESTIMATE_ONLY=YES NOLOGFILE=YES SCHEMAS=HR

EXCLUDE

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

エクスポート操作から除外するオブジェクトおよびオブジェクト型を指定して、エクスポートの対象となるメタデータをフィルタ処理できます

構文および説明

EXCLUDE=object_type[:name_clause] [, ...]

object_typeは除外するオブジェクトのタイプを指定します。DATABASE_EXPORT_OBJECTS(全体モードの場合)、SCHEMA_EXPORT_OBJECTS(スキーマ・モードの場合)、TABLE_EXPORT_OBJECTS(表および表領域モードの場合)ビューを問い合せて、object_typeの有効な値の一覧を表示できます。OBJECT_PATH列にリストされる値が有効なオブジェクト・タイプです。

EXCLUDE文に指定したオブジェクト型を除き、実行されるエクスポート・モードに対応するすべてのオブジェクト型が、エクスポート操作の対象になります。オブジェクトが除外されると、そのオブジェクトのすべての依存オブジェクトも除外されます。たとえば、表を除外すると、その表のすべての索引およびトリガーも除外されます。

name_clauseは、オプションです。このオプションを使用すると、あるオブジェクト型のうち、特定のオブジェクトを選択できます。このオプションは、その型のオブジェクト名に対するフィルタとして使用されるSQL式です。SQL演算子および指定した型のオブジェクト名の比較対象となる値で構成されています。このname_clauseは、名前付きのインスタンスを持つオブジェクト型にのみ適用されます(たとえば、TABLEには適用されますが、GRANTには適用されません)。それは、コロンでオブジェクト型と区切り、二重引用符(一重引用符は名前文字列を区切るために必要なため)で囲む必要があります。たとえば、EXCLUDE=INDEX:"LIKE 'EMP%'"と設定した場合、EMPで始まる名前を持つすべての索引を除外できます。

name_clauseに指定する名前は、データベース内の既存のオブジェクトに、大文字と小文字も含めて完全に一致させる必要があります。たとえば、指定するname_clauseEMPLOYEESという表に対するものだった場合は、すべてが大文字のEMPLOYEESという表が存在する必要があります。name_clauseに対してEmployeesemployeesなどを指定した場合、表は検出されません。

name_clauseを指定しない場合、指定した型のすべてのオブジェクトが除外されます。

2つ以上のEXCLUDE文を指定できます。

オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。


参照:


object_typeCONSTRAINTGRANTまたはUSERを指定する場合、次に説明する影響があることに注意してください。

制約の除外

次の制約は明示的に除外できません。

  • NOT NULL制約

  • 表の作成とロードを正常に行うために必要な制約。たとえば、索引構成表の主キー制約、REF列を持つ表のREF SCOPEおよびWITH ROWID制約など

次に、EXCLUDE文の例およびその解釈を示します。

  • EXCLUDE=CONSTRAINTは、NOT NULL制約および表の正常な作成およびロードに必要な制約を除き、すべての制約(非参照)を除外します。

  • EXCLUDE=REF_CONSTRAINTは、参照整合性(外部キー)制約を除外します。

権限とユーザーの除外

EXCLUDE=GRANTを指定すると、すべてのオブジェクト型に対するオブジェクト権限およびシステム権限が除外されます。

EXCLUDE=USERを指定すると、ユーザーの定義のみが除外され、そのユーザーのスキーマ内のオブジェクトは除外されません。

特定のユーザーとそのユーザーのすべてのオブジェクトを除外するには、次のコマンドを指定します(hrは除外するユーザーのスキーマ名です)。

expdp FULL=YES DUMPFILE=expfull.dmp EXCLUDE=SCHEMA:"='HR'"

ここで、エクスポート・モードがFULLに指定されていることに注意してください。モードを指定しなかった場合は、デフォルト・モードのSCHEMASが使用されます。その場合は、スキーマをエクスポートすると同時に除外するようコマンドが指示することになるため、エラーが発生します。

EXCLUDE=USER:"='HR'"のような文を使用してユーザーを除外しようとすると、DDL文CREATE USER hr DDL文内で使用される情報のみが除外され、期待した結果が得られない場合があります。

制限事項

  • EXCLUDEおよびINCLUDEは、相互に排他的なパラメータです。

次に、EXCLUDE文の使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_exclude.dmp EXCLUDE=VIEW,
PACKAGE, FUNCTION

これによって、hrスキーマ全体がエクスポートされるスキーマ・モード・エクスポート(デフォルトのエクスポート・モード)が実行されます。ただし、このスキーマのビュー、パッケージおよびファンクションは除外されます。


参照:


FILESIZE

デフォルト: 0(最大サイズの16TBと同じ)

用途

各ダンプ・ファイルの最大サイズを指定します。ダンプ・ファイル・セット内にあるダンプ・ファイルが最大サイズになると、そのファイルはクローズされ、ファイル指定に置換変数が含まれている場合または追加ダンプ・ファイルがジョブに追加されている場合は、新しいファイルが作成されます。

構文および説明

FILESIZE=integer[B | KB | MB | GB | TB]

integerの後に(スペースを挿入しない)、BKBMBGBまたはTB(それぞれバイト、キロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイトを示す)を指定できます。デフォルトは、B(バイト)です。作成されるファイルの実際のサイズは、ダンプ・ファイル内で使用されている内部ブロックのサイズと一致するように切り捨てられる場合があります。

制限事項

  • ファイルの最小サイズは、デフォルトのデータ・ポンプ・ブロック・サイズの10倍、つまり4KBです。

  • ファイルの最大サイズは16TBです。

次に、サイズが3MBのダンプ・ファイルを設定する例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_3m.dmp FILESIZE=3MB

3MBでもすべてのエクスポート・データを保持するのに十分でなかった場合、次のエラーが表示され、ジョブは中止されます。

ORA-39095: Dump file space has been exhausted: Unable to allocate 217088 bytes

割り当てることができなかった実際のバイト数は、場合によって異なります。また、この数字は、エクスポート操作全体を完了するために必要な容量を表しているわけではありません。この値は、ダンプ・ファイル領域がなくなった時点でエクスポート中だったオブジェクトのサイズのみを示しています。この状況は、中止されたジョブに接続し、ADD_FILEコマンドを使用してファイルを1つ以上追加し、操作をやり直すことで解消できます。

FLASHBACK_SCN

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

エクスポートで使用されるシステム変更番号(SCN)を指定して、フラッシュバック問合せユーティリティを使用可能にします。

構文および説明

FLASHBACK_SCN=scn_value

エクスポート操作は、指定したSCNまでの一貫性のあるデータを使用して実行されます。NETWORK_LINKパラメータが指定されている場合、SCNはソース・データベースのSCNを示します。

制限事項

  • FLASHBACK_SCNおよびFLASHBACK_TIMEは、相互に排他的なパラメータです。

  • FLASHBACK_SCNパラメータは、Oracle Databaseのフラッシュバック問合せ機能にのみ関係します。フラッシュバック・データベース、フラッシュバック削除およびフラッシュバック・データ・アーカイブには適用できません。

次の例では、384632 というSCN値が存在するとします。この例では、hrスキーマをSCN 384632までエクスポートします。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_scn.dmp FLASHBACK_SCN=384632

注意:

ロジカル・スタンバイ・システムにおいてロジカル・スタンバイのプライマリへのアクセスにネットワーク・リンクを使用する場合は、ロジカル・スタンバイによってSCNが選択されるため、FLASHBACK_SCNパラメータは無視されます。ロジカル・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

FLASHBACK_TIME

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

指定された時刻に最も近いSCNを検出し、このSCNを使用してフラッシュバック・ユーティリティを使用可能にします。エクスポート操作は、このSCNまでの一貫性のあるデータを使用して実行されます。

構文および説明

FLASHBACK_TIME="TO_TIMESTAMP(time-value)"

TO_TIMESTAMPの値は引用符で囲まれるため、パラメータ・ファイルに記述することをお薦めします。詳細は、「データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用」を参照してください。

制限事項

  • FLASHBACK_TIMEおよびFLASHBACK_SCNは、相互に排他的なパラメータです。

  • FLASHBACK_TIMEパラメータは、Oracle Databaseのフラッシュバック問合せ機能にのみ関係します。フラッシュバック・データベース、フラッシュバック削除およびフラッシュバック・データ・アーカイブには適用できません。

DBMS_FLASHBACK.ENABLE_AT_TIMEプロシージャで使用可能な形式で時刻を指定できます。たとえば、次の内容のパラメータ・ファイルflashback.parを作成したとします。

DIRECTORY=dpump_dir1
DUMPFILE=hr_time.dmp
FLASHBACK_TIME="TO_TIMESTAMP('25-08-2008 14:35:00', 'DD-MM-YYYY HH24:MI:SS')"

次のコマンドを発行します。

> expdp hr PARFILE=flashback.par

エクスポート操作は、指定した時間に最も近いSCNと整合性のあるデータで実行されます。


注意:

ロジカル・スタンバイ・システムにおいてロジカル・スタンバイのプライマリへのアクセスにネットワーク・リンクを使用する場合は、ロジカル・スタンバイによってSCNが選択されるため、FLASHBACK_SCNパラメータは無視されます。ロジカル・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。


参照:

フラッシュバック問合せの使用方法の詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイド』を参照してください。

FULL

デフォルト: NO

用途

全体データベース・モード・エクスポートの実行を指定します。

構文および説明

FULL=[YES | NO]

FULL=YESと指定すると、すべてのデータおよびメタデータがエクスポートされます。このエクスポート・モードを使用したエクスポート対象を、フィルタ処理によって制限できます。詳細は、「エクスポート操作中のフィルタ処理」を参照してください。

全体エクスポートを実行するには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。


注意:

全体モード・エクスポートによって作成されたダンプ・ファイルを後でインポートする場合、インポート操作はSYSアカウントのパスワードをソース・データベースからコピーしようとすることに注意してください。これは、失敗する場合があります(パスワードが共有パスワード・ファイル内にある場合など)。失敗した場合は、インポートの完了後に、ターゲット・データベース上のSYSアカウントのパスワードを任意のパスワードに設定する必要があります。

制限事項

  • 全体エクスポートでは、Oracleが管理するデータおよびメタデータを含むシステム・スキーマがエクスポートされません。エクスポートされないシステム・スキーマの例としては、SYSORDSYSMDSYSなどがあります。

  • SYSスキーマが所有しているオブジェクトに対する権限はエクスポートされません。

  • レルムにより保護されているデータをエクスポートする場合は、そのレルムに対する権限が必要です。


    参照:

    レルムの構成の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

次に、FULLパラメータの使用例を示します。ダンプ・ファイルexpfull.dmpは、dpump_dir2ディレクトリに書き込まれます。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir2 DUMPFILE=expfull.dmp FULL=YES NOLOGFILE=YES

HELP

デフォルト: NO

用途

エクスポート・ユーティリティのオンライン・ヘルプを表示します。

構文および説明

HELP = [YES | NO]

HELP=YESが指定されている場合は、エクスポート・ユーティリティによって、そのすべてのコマンドライン・パラメータと対話方式コマンドの要約が表示されます。

> expdp HELP = YES

この例では、すべてのエクスポート・パラメータおよびコマンドの簡単な説明が表示されます。

INCLUDE

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

現行のエクスポート・モードにオブジェクトとオブジェクト型を指定して、エクスポート対象のメタデータをフィルタ処理できます。指定したオブジェクトおよびこれらのオブジェクトのすべての依存オブジェクトがエクスポートされます。これらのオブジェクトに対する権限もエクスポートされます。

構文および説明

INCLUDE = object_type[:name_clause] [, ...]

object_typeは含めるオブジェクトのタイプを指定します。DATABASE_EXPORT_OBJECTS(全体モードの場合)、SCHEMA_EXPORT_OBJECTS(スキーマ・モードの場合)、TABLE_EXPORT_OBJECTS(表および表領域モードの場合)ビューを問い合せて、object_typeの有効な値の一覧を表示できます。OBJECT_PATH列にリストされる値が有効なオブジェクト・タイプです。

INCLUDE文で明示的に指定されたオブジェクト型とその依存オブジェクトのみがエクスポートされます。他のオブジェクト型(通常、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールを所有している場合にスキーマ・モード・エクスポートの一部となるスキーマ定義情報など)はエクスポートされません。

name_clauseは、オプションです。これを使用すると、あるオブジェクト型のうち、特定のオブジェクトをファイングレイン選択できます。その型のオブジェクト名に対するフィルタとして使用されるSQL式です。SQL演算子および指定した型のオブジェクト名の比較対象となる値で構成されています。このname_clauseは、名前付きのインスタンスを持つオブジェクト型にのみ適用されます(たとえば、TABLEには適用されますが、GRANTには適用されません)。それは、コロンでオブジェクト型と区切り、二重引用符(一重引用符は名前文字列を区切るために必要なため)で囲む必要があります。

name_clauseに指定する名前は、データベース内の既存のオブジェクトに、大文字と小文字も含めて完全に一致させる必要があります。たとえば、指定するname_clauseEMPLOYEESという表に対するものだった場合は、すべてが大文字のEMPLOYEESという表が存在する必要があります。name_clauseに対してEmployeesemployeesなどを指定した場合、表は検出されません。

オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。詳細は、「データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用」を参照してください。

たとえば、次の内容のパラメータ・ファイルhr.parを作成したとします。

SCHEMAS=HR
DUMPFILE=expinclude.dmp
DIRECTORY=dpump_dir1
LOGFILE=expinclude.log
INCLUDE=TABLE:"IN ('EMPLOYEES', 'DEPARTMENTS')"
INCLUDE=PROCEDURE
INCLUDE=INDEX:"LIKE 'EMP%'"

この場合、コマンドラインで他のパラメータを入力しなくても、hr.parファイルを使用してエクスポート操作を開始できます。EMPLOYEESDEPARTMENTS表、すべてのプロシージャおよびEMP接頭辞を持つすべての索引名が、エクスポートに含まれます。

> expdp hr PARFILE=hr.par

制約の追加

指定したobject_typeCONSTRAINTである場合は、次に説明する影響があることに注意してください。

次の制約を明示的に含めることはできません。

  • NOT NULL制約

  • 表の作成とロードを正常に行うために必要な制約。たとえば、索引構成表の主キー制約、REF列を持つ表のREF SCOPEおよびWITH ROWID制約など

次に、INCLUDE文の例およびその解釈を示します。

  • INCLUDE=CONSTRAINTは、NOT NULL制約および表の正常な作成およびロードに必要な制約を除き、すべての制約(非参照)を含めます。

  • INCLUDE=REF_CONSTRAINTは、参照整合性(外部キー)制約を含めます。

制限事項

  • INCLUDEおよびEXCLUDEは、相互に排他的なパラメータです。

  • SYSスキーマが所有しているオブジェクトに対する権限はエクスポートされません。

次の例では、hrスキーマのすべての表(およびその依存オブジェクト)をエクスポートします。

> expdp hr INCLUDE=TABLE DUMPFILE=dpump_dir1:exp_inc.dmp NOLOGFILE=YES

JOB_NAME

デフォルト: SYS_EXPORT_<mode>_NNという書式のシステム生成による名前

用途

ジョブへの接続にATTACHパラメータを使用したり、DBA_DATAPUMP_JOBSまたはUSER_DATAPUMP_JOBSビューを使用してジョブを指定する場合など、後続処理でエクスポート・ジョブを指定するために使用されます。

構文および説明

JOB_NAME=jobname_string

jobname_stringには、このエクスポート・ジョブの名前を、30バイト以内で指定します。これらのバイトは印字可能文字と空白を表します。空白を含む場合は、一重引用符で囲みます(たとえば、'Thursday Export'とします)。ジョブ名は、エクスポート操作を実行しているユーザーのスキーマによって暗黙的に修飾されます。ジョブ名は、マスター表の名前として使用されます(マスター表はエクスポート・ジョブを制御します)。

デフォルトのジョブ名はSYS_EXPORT_<mode>_NNという形式で、システムによって生成されます。NNは、01から始めて増加する2桁の整数です。デフォルト名は、'SYS_EXPORT_TABLESPACE_02'などです。

次に、ジョブ名exp_jobを割り当てるエクスポート操作の例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=exp_job.dmp JOB_NAME=exp_job
NOLOGFILE=YES

KEEP_MASTER

デフォルト: NO

用途

正常に完了したデータ・ポンプ・ジョブの最後に、マスター表を削除するか、または保持するかを示します。ジョブが正常に完了しなかった場合、マスター表は自動的に保持されます。

構文および説明

KEEP_MASTER=[YES | NO]

制限事項

  • なし

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=expdat.dmp SCHEMAS=hr KEEP_MASTER=YES

LOGFILE

デフォルト: export.log

用途

エクスポート・ジョブのログ・ファイルの名前を指定します。また、オプションで、そのログ・ファイルを格納するディレクトリを指定します。

構文および説明

LOGFILE=[directory_object:]file_name

directory_objectには、DBAによって作成済であるデータベースのディレクトリ・オブジェクトを指定できます(そのオブジェクトへのアクセス権がある場合)。この指定は、DIRECTORYパラメータに指定されたディレクトリ・オブジェクトよりも優先されます。

file_nameには、ログ・ファイル名を指定します。デフォルトでは、DIRECTORYパラメータで指定されたディレクトリ・オブジェクトが示すディレクトリに、export.logというファイルが作成されます。

処理中の作業、完了した作業および発生したエラーに関するすべてのメッセージがログ・ファイルに書き込まれます。(ジョブのリアルタイムの状態を把握するには、対話方式モードでSTATUSコマンドを使用します。)

NOLOGFILEパラメータを指定しないかぎり、エクスポート・ジョブには、常にログ・ファイルが作成されます。ダンプ・ファイル・セットと同様に、ログ・ファイルの基準となるのは、クライアントではなく、サーバーです。

このファイル名と一致する既存のファイルは上書きされます。

制限事項

  • Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を使用してデータ・ポンプ・エクスポートを実行する場合、LOGFILEパラメータは、Oracle ASMの+表記法を使用せずにディレクトリ・オブジェクトを指定する必要があります。つまり、ログ・ファイルはディスク・ファイルに書き込まれ、Oracle ASMの記憶域には書き込まれません。かわりに、NOLOGFILE=YESを指定することもできます。ただし、この場合はログ・ファイルの書込みは行われません。

次の例に、デフォルトの名前を使用しない場合に、ログ・ファイル名を指定する方法を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr.dmp LOGFILE=hr_export.log

注意:

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティは、データベースのキャラクタ・セットを使用してログ・ファイルに書込みを行います。クライアントのNLS_LANG環境設定がデータベースのキャラクタ・セットと異なるキャラクタ・セットの場合は、ログ・ファイル内の表の名前が、クライアントの出力画面に表示される名前と異なることがあります。


参照:


METRICS

デフォルト: NO

用途

ジョブに関する詳細情報をデータ・ポンプ・ログ・ファイルに記録するかどうかを示します。

構文および説明

METRICS=[YES | NO]

METRICS=YESを使用すると、オブジェクト数および経過時間がデータ・ポンプ・ログ・ファイルに記録されます。

制限事項

  • なし

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=expdat.dmp SCHEMAS=hr METRICS=YES

NETWORK_LINK

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

有効なデータベース・リンクによって指定される(ソース)データベースからのエクスポートを使用可能にします。ソース・データベース・インスタンスのデータは、接続されたデータベース・インスタンスのダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。

構文および説明

NETWORK_LINK=source_database_link

NETWORK_LINKパラメータは、データベース・リンクを使用してエクスポートを開始します。つまり、expdpクライアントの接続先となるシステムから、source_database_linkで指定されたソース・データベースに接続し、そこからデータを取り出して、接続されたシステムのダンプ・ファイルに書き込みます。

source_database_linkには、使用可能なデータベースへのデータベース・リンク名を指定する必要があります。対象インスタンスのデータベースにデータベース・リンクが指定されていない場合、ユーザーまたはDBAが、SQL CREATE DATABASE LINK文を使用してデータベース・リンクを作成する必要があります。

ソース・データベースが読取り専用の場合、ソース・データベースのユーザーは、デフォルト一時表領域として割り当てられたローカル管理一時表領域を持つ必要があります。それ以外の場合、ジョブは失敗します。


注意:

暗号化されていないネットワーク・リンクを介してエクスポート操作が行われる場合、すべてのデータはクリア・テキストとしてエクスポートされます。これは、データがデータベースで暗号化されている場合でも同様です。ネットワーク・セキュリティの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。


参照:

  • データベース・リンクの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。

  • CREATE DATABASE LINK文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • ローカル管理表領域の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


制限事項

  • データ・ポンプ・エクスポートでサポートされているデータベース・リンクのタイプは、パブリック、固定ユーザーおよび接続ユーザーのみです。現在のユーザーのデータベース・リンクは、サポートされていません。

  • ネットワーク・エクスポートでは、LONG列がサポートされていません。

  • データ・ポンプ操作がネットワーク・リンクを介して行われる場合、ソース・データベースとターゲット・データベースのバージョンの差違が1バージョン以下である必要があります。たとえば、1つのデータベースがOracle Database 11gの場合、他のデータベースは11gまたは10gのいずれかである必要があります。データ・ポンプがチェックするのはメジャー・バージョン番号のみ(10g、11gなど)で、具体的なリリース番号(10.1、10.2、11.1、11.2など)ではありません。

次に、NETWORK_LINKパラメータの使用例を示します。source_database_linkには、すでに存在する有効なデータベース・リンク名を指定します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 NETWORK_LINK=source_database_link
  DUMPFILE=network_export.dmp LOGFILE=network_export.log

NOLOGFILE

デフォルト: NO

用途

ログ・ファイルを作成するかどうかを指定します。

構文および説明

NOLOGFILE=[YES | NO]

デフォルトでログ・ファイルを作成しないようにするにはNOLOGFILE=YESを指定します。ただし、進捗とエラーに関する情報は、接続されているいずれかのクライアント(元のエクスポート操作を開始したクライアントを含む)の標準出力デバイスに書き込まれます。実行中のジョブに接続されているクライアントが存在しないときにNOLOGFILE=YESを指定すると、重要な進捗情報およびエラー情報が失われる危険性があります。

次に、NOLOGFILEパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr.dmp NOLOGFILE=YES

このコマンドによって、ログ・ファイルの書込みを行わないスキーマ・モード・エクスポート(デフォルト)が実行されます。

PARALLEL

デフォルト: 1

用途

エクスポート・ジョブのために動作するアクティブな実行プロセスの最大数を指定します。この実行セットはワーカー・プロセスおよびパラレルI/Oサーバーの処理の組合せで構成されています。パラレル問合せ操作で問合せコーディネータとして動作するマスター制御プロセスおよびワーカー・プロセスは、この合計数には加算されません。

このパラメータを使用して、リソース消費と経過時間のバランスをとることができます。

構文および説明

PARALLEL=integer

integerに指定する値は、ダンプ・ファイル・セット内のファイル数以下にする必要があります(または、ダンプ・ファイル指定に置換変数を指定する必要があります)。アクティブなワーカー・プロセスまたはI/Oサーバー・プロセスは、1つのファイルに対してそれぞれが同時に排他的に書込みを行うため、ファイル数が不足していると、逆効果になります。ファイルの待機中に、一部のワーカー・プロセスがアイドル状態になるため、そのジョブの全体的なパフォーマンスが低下します。また、パラレルI/Oサーバー・プロセスを共有で実行しているメンバーが出力用ファイルを取得できない場合は、ORA-39095エラーを返してエクスポート操作が停止します。いずれの場合も、データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティを使用してジョブに接続することによって、問題を解決できます。接続後、対話方式モードで、ADD_FILEコマンドを使用してファイルを追加し、ジョブが停止した場合は、ジョブを再開します。

ジョブの実行中にPARALLELの値を増減するには、対話方式コマンド・モードを使用します。並列度を下げても、ジョブに関連付けられたワーカー・プロセスは減少しません。任意の時点で実行されるワーカー・プロセスの数が減少します。また、プロセス数が減少する前に、継続中の処理が適正な完了ポイントに到達する必要があります。そのため、値を小さくした効果の確認に時間がかかる場合があります。アイドル状態のワーカーは、ジョブが終了するまで削除されません。

パラレル実行できる処理が存在する場合、並列度の増加はすぐに反映されます。

Oracle RAC環境でのエクスポートにおけるPARALLELの使用

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境内でPARALLEL=1としてエクスポート操作を実行すると、すべてのデータ・ポンプ・プロセスは、ジョブが開始されたインスタンス上に配置されます。そのため、ディレクトリ・オブジェクトは、そのインスタンスのローカル記憶域を示すことができます。

PARALLELを1より大きな値に設定してエクスポート操作を実行する場合は、ジョブが開始されたインスタンス以外のインスタンスにもデータ・ポンプ・プロセスを置くことができます。そのため、ディレクトリ・オブジェクトは、Oracle RACのすべてのインスタンスからアクセス可能な共有記憶域を示す必要があります。

制限事項

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

  • 表および表パーティションを、パラレルで(PQスレーブを使用して)エクスポートするには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。

次に、PARALLELパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 LOGFILE=parallel_export.log 
JOB_NAME=par4_job DUMPFILE=par_exp%u.dmp PARALLEL=4
 

この例では、hrスキーマのスキーマ・モード・エクスポート(デフォルトのモード)が実行され、ディレクトリ・オブジェクトdpump_dir1に指定されたパスに、最大で4つのファイルが作成されます。

PARFILE

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

エクスポート・パラメータ・ファイルの名前を指定します

構文および説明

PARFILE=[directory_path]file_name

サーバーによって作成され、書き込まれるダンプ・ファイル、ログ・ファイル、SQLファイルとは異なり、パラメータ・ファイルは、expdpクライアントによってオープンされ、読み込まれます。したがって、ディレクトリ・オブジェクトの名前は不要かつ不適切です。デフォルトは、ユーザーの現行のディレクトリです。値の指定に引用符が必要なパラメータを使用する場合は、パラメータ・ファイルを使用することをお薦めします。

制限事項

  • PARFILEパラメータは、パラメータ・ファイル内には指定できません。

パラメータ・ファイルhr.parの内容は、次のとおりです。

SCHEMAS=HR
DUMPFILE=exp.dmp
DIRECTORY=dpump_dir1
LOGFILE=exp.log

このパラメータ・ファイルを指定するには、次のExportコマンドを実行します。

> expdp hr PARFILE=hr.par

QUERY

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

エクスポート対象となるデータをフィルタ処理するために使用する問合せ句を指定できます。

構文および説明

QUERY = [schema.][table_name:] query_clause

通常、query_clauseでは、ファイングレイン行選択のためのSQL WHERE句を使用しますが、任意のSQL句を使用できます。たとえば、ORDER BY句を使用すると、ヒープ構成表から索引構成表への移行を高速化できます。スキーマおよび表名を指定しなかった場合は、エクスポート・ジョブ内のすべての表に問合せが適用されます(この場合、問合せは、これらのすべての表に対して有効である必要があります)。表固有の問合せは、すべての表に適用される問合せより優先されます。

特定の表に問合せを適用する場合は、表名と問合せ句をコロンで区切る必要があります。表固有の問合せは複数指定できますが、1つの表に指定できるのは1つの問合せのみです。

QUERYパラメータと一緒にNETWORK_LINKパラメータを指定する場合、リモート(ソース)ノード上にあるquery_clauseで指定されるすべてのオブジェクトは、NETWORK_LINK値で明示的に修飾する必要があります。それ以外の場合、データ・ポンプではオブジェクトがローカル(ターゲット)ノード上に存在することを前提とし、存在しない場合はエラーが返され、リモート(ソース)システムからの表のインポートは失敗します。

たとえば、NETWORK_LINK=dblink1と指定した場合、QUERYパラメータのquery_clauseは、次の例に示すようにそのリンクを指定する必要があります。

QUERY=(hr.employees:"WHERE last_name IN(SELECT last_name 
FROM hr.employees@dblink1)")

オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。詳細は、「データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用」を参照してください。

表固有の問合せで自分のスキーマ以外のスキーマを指定するには、その特定の表に対するアクセス権限が付与されている必要があります。

制限事項

  • QUERYパラメータは次のパラメータとは併用できません。

    • CONTENT=METADATA_ONLY

    • ESTIMATE_ONLY

    • TRANSPORT_TABLESPACES

  • 表にQUERYパラメータが指定されている場合、データ・ポンプは外部表を使用してターゲット表をアンロードします。外部表は、SQLのCREATE TABLE AS SELECT文を使用します。QUERYパラメータの値は、CREATE TABLE文のSELECT部分にあるWHERE句です。QUERYパラメータにアンロードする表と一致する名前の列がある他の表への参照が含まれていて、これらの列が問合せで使用される場合は、表別名を使用して、アンロードする表内の列と、SELECT文内の同じ名前を持つ列を区別する必要があります。アンロードする表に対してデータ・ポンプで使用される表別名は、KU$です。

    たとえば、sh.customers表にある顧客のクレジットの上限に基づいてsh.sales表のサブセットをエクスポートするとします。次の例では、KU$を使用して、sh.salesをアンロードするためにQUERYパラメータ内のcust_idフィールドを修飾します。この結果、データ・ポンプによって、クレジットの上限が$10,000を超える顧客の行のみがエクスポートされます。

    QUERY='sales:"WHERE EXISTS (SELECT cust_id FROM customers c 
       WHERE cust_credit_limit > 10000 AND ku$.cust_id = c.cust_id)"'
    

    次の問合せのように、表別名としてKU$を使用しないと、すべての行がアンロードされることになります。

    QUERY='sales:"WHERE EXISTS (SELECT cust_id FROM customers c 
       WHERE cust_credit_limit > 10000 AND cust_id = c.cust_id)"'
    
  • QUERYに使用できる文字列の最大長は、引用符を含めて4000バイトです。つまり、許容される実際の最大長は3998バイトです。

次に、QUERYパラメータの使用例を示します。

> expdp hr PARFILE=emp_query.par

emp_query.parファイルの内容は次のとおりです。

QUERY=employees:"WHERE department_id > 10 AND salary > 10000"
NOLOGFILE=YES 
DIRECTORY=dpump_dir1 
DUMPFILE=exp1.dmp 

この例では、hrスキーマのすべての表がアンロードされます。ただし、アンロードされるのは、問合せ式に適合する行のみです。この場合、hrスキーマ内のすべての表(employeesを除く)のすべての行がアンロードされます。employees表に対しては、問合せ基準を満たす行のみがアンロードされます。

REMAP_DATA

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

REMAP_DATAパラメータを使用すると再マップ・ファンクションを指定できます。これにより、指定した列の元の値をソースとして再マップした値を返し、ダンプ・ファイル内の元の値をこの値に置き換えます。このオプションは、一般的に、本番システムからテスト・システムへ移動するときにデータをマスクするために使用されます。たとえば、クレジット・カード番号などの顧客の機密データの列を、REMAP_DATAファンクションで生成された番号に置き換えることができます。これにより、権限のないユーザーに個人データを公開することなく、データで必要な書式と処理特性を保持できます。

同じファンクションを、ダンプされる複数の列に適用できます。これは、参照制約で子と親両方の列を再マップするときに整合性を保つ必要がある場合に役立ちます。

構文および説明

REMAP_DATA=[schema.]tablename.column_name:[schema.]pkg.function

次に、各構文要素の説明を構文で出現する順に示します。

schema: 再マップされる表を含むスキーマ。デフォルトでは、これはエクスポートを実行するユーザーのスキーマです。

tablename: 列の再マップが行われる表。

column_name: データが再マップされる列。単一の表について再マップできる列の最大数は10です。

schema: 再マップ・ファンクションを含むユーザー作成のPL/SQLパッケージを含むスキーマ。デフォルトでは、これはエクスポートを実行するユーザーのスキーマです。

pkg: 再マップ・ファンクションを含むユーザー作成のPL/SQLパッケージの名前。

function: 指定した表の各行で、列表を再マップする場合にコールされるPL/SQL内のファンクションの名前。

制限事項

  • ソース引数および戻り値のデータ型はともに、表内の指定した列のデータ型と一致している必要があります。

  • 再マップ・ファンクションでは、自律型トランザクション以外のコミットまたはロール・バックを実行できません。

  • 単一の表について再マップできる列の最大数は10です。表aの9列と表bの8列などのように再マップできますが、各表での最大値は10です。

  • REMAP_DATAパラメータの値としてのシノニムの使用はサポートされていません。たとえば、hrスキーマ内のregions表にregnのシノニムがある場合は、regnREMPA_DATA仕様の一部として指定した場合にエラーが返されます。

  • リモート表のLOB列データの再マップはサポートされていません。

次の例では、minus10およびplusxという名前のファンクションを格納するremapという名前のパッケージが作成されており、これらのファンクションはemployees表内のemployee_idおよびfirst_nameの値を変更すると想定しています。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=remap1.dmp TABLES=employees
REMAP_DATA=hr.employees.employee_id:hr.remap.minus10 
REMAP_DATA=hr.employees.first_name:hr.remap.plusx 

REUSE_DUMPFILES

デフォルト: NO

用途

すでに存在しているダンプ・ファイルを上書きするかどうかを指定します。

構文および説明

REUSE_DUMPFILES=[YES | NO]

通常、データ・ポンプ・エクスポートは、すでに存在するダンプ・ファイル名を指定するとエラーを返します。REUSE_DUMPFILESパラメータを使用すると、動作を変更してダンプ・ファイル名を再利用できます。たとえば、エクスポートを実行してDUMPFILE=hr.dmpおよびREUSE_DUMPFILES=YESを指定した場合、hr.dmpがすでに存在するときは、このファイルが上書きされます。このファイルの前の内容は消去され、かわりに現行のエクスポートのデータが格納されます。

次のエクスポート操作では、enc1.dmpという名前のダンプ・ファイルが作成されます。これは、この名前の付いたダンプ・ファイルがすでに存在する場合でも同様です。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=enc1.dmp
TABLES=employees REUSE_DUMPFILES=YES

SAMPLE

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

サンプリングしてソース・データベースからアンロードするデータ行の割合を指定できます。

構文および説明

SAMPLE=[[schema_name.]table_name:]sample_percent

このパラメータを使用すると、サンプリングしてエクスポートするデータの割合を指定し、データのサブセットをエクスポートできます。sample_percentは、行がサンプルの一部として選択される可能性を示します。ただし、指定した正確な行数が表から取り出されるわけではありません。sample_percentには、0.000001から100未満の任意の数を指定できます。

sample_percentは特定の表に適用することができます。次の例では、HR.EMPLOYEES表の50%がエクスポートされます。

SAMPLE="HR"."EMPLOYEES":50

スキーマを指定する場合は、表も指定する必要があります。ただし、スキーマを指定せずに表を指定することはできます(その場合は、現在のユーザーが使用されます)。表の指定がない場合は、エクスポート・ジョブ全体にsample_percent値が適用されます。

なお、このパラメータとデータ・ポンプ・インポートのPCTSPACE変換を組み合せて使用すると、記憶域の割当てサイズをサンプリングされたデータ・サブセットに合わせることができます。(詳細は、「TRANSFORM」を参照してください。)

制限事項

  • SAMPLEパラメータは、ネットワークのエクスポートに対して無効です。

次の例では、表の名前が指定されていないため、全体のエクスポート・ジョブにSAMPLE70が適用されます。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=sample.dmp SAMPLE=70

SCHEMAS

デフォルト: 現在のユーザーのスキーマ

用途

スキーマ・モード・エクスポートの実行を指定します。これは、エクスポートのデフォルトのモードです。

構文および説明

SCHEMAS=schema_name [, ...]

DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールがある場合、自分のスキーマ以外の単一のスキーマまたはスキーマ名のリストを指定できます。DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールでは、インポート時にスキーマを再作成できるように、指定した各スキーマのスキーマ・オブジェクト以外の補足情報をエクスポートすることもできます。この補足情報には、ユーザー定義、関連するすべてのシステムおよびロールの権限、ユーザー・パスワードの履歴などが含まれます。スキーマ・モードを使用したエクスポート対象を、フィルタ処理によってより詳細に制限できます(詳細は、「エクスポート操作中のフィルタ処理」を参照してください)。

制限事項

  • DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールを持っていない場合は、自分のスキーマのみ指定できます。

  • SYSスキーマは、エクスポート・ジョブのソース・スキーマとして使用できません。

次に、SCHEMASパラメータの使用例を示します。前述の例でDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールがすでに割り当てられているため、ユーザーhrが複数のスキーマを指定できることに注意してください。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=expdat.dmp SCHEMAS=hr,sh,oe 
 

このコマンドで、スキーマ・モード・エクスポートが実行され、dpump_dir1ディレクトリにあるexpdat.dmpダンプ・ファイルに、スキーマhrshおよびoeが書き込まれます。

SERVICE_NAME

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

CLUSTERパラメータと組み合せて使用するサービス名を指定するために使用します。

構文および説明

SERVICE_NAME=name

SERVICE_NAMEパラメータをCLUSTER=YESパラメータとともに使用して、リソース・グループに属しているOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)インスタンス群(通常は全Oracle RACインスタンスのサブセット)を定義するリソース・グループに関連付けられている、既存のサービスを指定できます。

サービス名は、リソース・グループおよびそのリソース・グループに対して定義されたインスタンスを決定する目的でのみ使用されます。ジョブが開始されたインスタンスは、そのインスタンスがリソース・グループに含まれているかどうかとは関係なく、常に使用されます。

SERVICE_NAMEパラメータは、CLUSTER=NOと同時に指定されると、無視されます。

インスタンスA、B、CおよびDを含むOracle RAC構成があります。インスタンスA、BおよびCのみで構成されるリソース・グループを持つmy_serviceというサービスが存在するとします。そのような場合は、次の内容が成立します。

  • データ・ポンプ・ジョブをインスタンスAで開始し、CLUSTER=YESを指定し(またはデフォルトのYをそのまま使用し)、SERVICE_NAMEパラメータを指定しなかった場合、データ・ポンプは、指定されている並列度に応じて、すべてのインスタンス(A、B、CおよびD)にワーカーを作成します。

  • データ・ポンプ・ジョブをインスタンスAで開始し、CLUSTER=YESおよびSERVICE_NAME=my_serviceを指定した場合、ワーカーは、インスタンスA、BおよびCのみで開始可能です。

  • データ・ポンプ・ジョブをインスタンスDで開始し、CLUSTER=YESおよびSERVICE_NAME=my_serviceを指定した場合、ワーカーは、インスタンスA、B、CおよびDのみで開始可能です。インスタンスDはmy_serviceに存在しませんが、インスタンスDはジョブが開始されたインスタンスであるため含まれています。

  • データ・ポンプ・ジョブをインスタンスAで開始し、CLUSTER=NOを指定した場合、SERVICE_NAMEパラメータを指定しても無視され、すべてのプロセスがインスタンスAで開始されます。


参照:

「CLUSTER」

次に、SERVICE_NAMEパラメータの使用例を示します。

expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_svname2.dmp SERVICE_NAME=sales

この例では、hrスキーマのスキーマ・モード・エクスポート(デフォルト・モード)を実行します。コマンドラインではCLUSTER=YESは指定されていませんが、それはデフォルトの動作なので、ジョブではサービス名salesに関連付けられたリソース・グループのすべてのインスタンスが使用されます。hr_svname2.dmpという名前のダンプ・ファイルが、dpump_dir1ディレクトリ・オブジェクトによって指定された場所に書き込まれます。

SOURCE_EDITION

デフォルト: システム上のデフォルトのデータベース・エディション

用途

オブジェクトのエクスポート元のデータベース・エディションを指定します。

構文および説明

SOURCE_EDITION=edition_name

SOURCE_EDITION=edition_nameを指定すると、そのエディションのオブジェクトがエクスポートされます。データ・ポンプは、変更されずに継承されているすべてのオブジェクトと、変更されているすべての実際のオブジェクトを選択します。

このパラメータが指定されていない場合は、デフォルトのエディションが使用されます。指定されたエディションが存在しない場合や使用できない場合は、エラー・メッセージが返されます。


参照:

  • エディションの作成方法の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • エディション機能(継承されたオブジェクトと実際のオブジェクトも含む)の詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイド』を参照してください。


制限事項

  • このパラメータは、バージョニング可能な同じオブジェクトのバージョンがデータベース内に2つ以上ある場合にのみ有効です。

  • ジョブ・バージョンは、11.2以上である必要があります。詳細は、「VERSION」を参照してください。

次に、SOURCE_EDITIONパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=exp_dat.dmp SOURCE_EDITION=exp_edition EXCLUDE=USER

この例は、オブジェクトのエクスポート元となるexp_editionというエディションがシステム上に存在することを前提としています。エクスポート・モードは指定されていないため、デフォルトのスキーマ・モードが使用されます。EXCLUDE=userパラメータは、ユーザーの定義のみを除外します。ユーザーのスキーマに含まれるオブジェクトは除外されません。

STATUS

デフォルト: 0

用途

ジョブ状態の表示が更新される頻度を指定します。

構文および説明

STATUS=[integer]

integerに値を入力すると、ロギング・モードでジョブの状態を表示する頻度を秒単位で指定できます。値を入力しなかった場合またはデフォルト値の0を使用した場合、各オブジェクト型、表またはパーティションの完了に関する情報のみ表示されます。

この状態情報は、標準出力デバイスのみに書き込まれ、ログ・ファイルには(使用可能な場合でも)書き込まれません。

次に、STATUSパラメータの使用例を示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 SCHEMAS=hr,sh STATUS=300

この例では、hrおよびshスキーマをエクスポートし、エクスポート状態を5分ごと(60秒×5=300秒)に表示します。

TABLES

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

表モード・エクスポートの実行を指定します。

構文および説明

TABLES=[schema_name.]table_name[:partition_name] [, ...]

このモードを使用したエクスポート対象を、フィルタ処理によってより詳細に制限できます(詳細は、「エクスポート操作中のフィルタ処理」を参照してください)。表およびパーティションまたはサブパーティションをカンマで区切ったリストを指定して、エクスポート対象のデータおよびメタデータをフィルタ処理できます。パーティションの名前を指定する場合は、関連表にあるパーティションまたはサブパーティションの名前にする必要があります。指定した表、パーティションおよびそれらの依存オブジェクトのみがアンロードされます。

パーティション表全体をエクスポートすると、パーティション表として全体的にインポートされます。これが当てはまらないのは、インポート時にPARTITION_OPTIONS=DEPARTITIONが指定されている場合のみです。

指定する表名の先頭にスキーマ名を修飾できます。デフォルトのスキーマは、現在のユーザーのスキーマです。自分のスキーマ以外のスキーマを指定するには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。

ワイルドカード文字%を使用して、表名およびパーティション名を指定できます。

表名には次の制限があります。

  • デフォルトでは、表名は大文字でデータベースに格納されます。表名が大文字と小文字または小文字のみで表記され、大/小文字を区別する場合、名前を引用符で囲む必要があります。したがって、表名は、データベースに格納されている表名と完全に一致するように指定する必要があります。

    ただし、オペレーティング・システムによっては、コマンドラインの引用符自体をエスケープする必要がある場合があります。次に、異なるエクスポート・モードで大/小文字の区別を保持する方法を示します。

    • コマンドライン・モード

      TABLES='\"Emp\"'
      
    • パラメータ・ファイル・モード

      TABLES='"Emp"'
      
  • 表名を引用符で囲まないかぎり、コマンドラインで指定する表名にシャープ(#)記号は使用できません。同様に、パラメータ・ファイルでは、表名が引用符で囲まれていないかぎり、表名にシャープ(#)記号を使用すると、エクスポート・ユーティリティではシャープ(#)記号より右側の文字がコメントとして解釈されます。

    たとえば、パラメータ・ファイルに次のコマンドラインが記述されている場合、エクスポート・ユーティリティではemp#の右側がすべてコメントとして解釈されるため、表deptおよびmydataはエクスポートされません。

    TABLES=(emp#, dept, mydata)
    

    ただし、パラメータ・ファイルに次の行が含まれる場合は、emp#が引用符で囲まれているため、エクスポート・ユーティリティは3つの表をすべてエクスポートします。

    TABLES=('"emp#"', dept, mydata)
    

    注意:

    オペレーティング・システムによっては、一重引用符を使用する必要がある場合と、二重引用符を使用する必要がある場合があります。ご使用のオペレーティング・システム固有のドキュメントで確認してください。表のネーミング方法に制限があるオペレーティング・システムもあります。

    たとえば、UNIXのCシェルではドル記号($)やシャープ(#)(またはその他の特殊文字)には特別な意味があります。これらの文字をシェルを介してエクスポートするには、エスケープ文字を使用する必要があります。


表モード・エクスポート中のトランスポータブル・オプションの使用

表モード・エクスポート中にトランスポータブル・オプションを使用するには、TRANSPORTABLE=ALWAYSパラメータとTABLESパラメータを組み合せて指定します。指定した表、パーティションまたはサブパーティションのメタデータはダンプ・ファイルにエクスポートされます。実際のデータを移動するには、データ・ファイルをターゲット・データベースにコピーします。

表のパーティションの一部のみをエクスポートし、TRANSPORTABLE=ALWAYSパラメータを使用すると、インポート時にそれぞれのパーティションが非パーティション表になります。

制限事項

  • 相互スキーマ参照はエクスポートされません。たとえば、指定されたいずれかのスキーマ内の表にトリガーが定義されていても、そのトリガーが、明示的に指定されていないスキーマ内に常駐している場合はエクスポートされません。

  • 表で使用される型は、表モードではエクスポートされません。後でダンプ・ファイルをインポートするときにインポート先のデータベースに型が存在しない場合、表の作成は正常に実行されません。

  • TABLESパラメータの値としてのシノニムの使用はサポートされていません。たとえば、hrスキーマのregions表にregnのシノニムが存在する場合、TABLES=regnを使用すると無効になります。この場合、エラーが返されます。

  • 表名にワイルド・カード文字%を含む表のエクスポートは、表がパーティションの場合はサポートされません。

  • TABLESパラメータに指定する表名のリストの長さは、最大4MBに制限されます。ただし、NETWORK_LINKパラメータで10.2.0.3以前のOracle Databaseまたは読取り専用のデータベースが設定されている場合は異なります。この場合の上限は4KBです。

  • エクスポートに対してTRANSPORTABLE=ALWAYSも設定されている場合、1つの表からのパーティションのみを指定できます。

次の例に、hrスキーマにある3つ表employeesjobsおよびdepartmentsをエクスポートするためにTABLESパラメータを使用する簡単な例を示します。ユーザーhrは、hrスキーマ内の表をエクスポートしているため、表名の前にスキーマ名を指定する必要はありません。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tables.dmp
TABLES=employees,jobs,departments

次の例では、ユーザーhrDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが付与されていることを前提としています。ここでは、TABLESパラメータを使用したパーティションのエクスポートを示します。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tables_part.dmp
TABLES=sh.sales:sales_Q1_2008,sh.sales:sales_Q2_2008

この例では、shスキーマのsales表から、パーティションsales_Q1_2008およびsales_Q2_2008をエクスポートします。

TABLESPACES

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

表領域モードでエクスポートされる表領域名のリストを指定します。

構文および説明

TABLESPACES=tablespace_name [, ...]

表領域モードでは、指定した表領域内に存在する表のみがアンロードされます。表がアンロードされると、その表の依存オブジェクトもアンロードされます。オブジェクトのメタデータとデータは、両方ともアンロードされます。指定した表領域内に表の一部が存在する場合、その表とその表のすべての依存オブジェクトがエクスポートされます。特権ユーザーは、すべての表を取得します。権限のないユーザーは、自分のスキーマ内の表のみを取得します。

このモードを使用したエクスポート対象を、フィルタ処理によってより詳細に制限できます(詳細は、「エクスポート操作中のフィルタ処理」を参照してください)。

制限事項

  • TABLESPACESパラメータに指定する表領域名のリストの長さは、最大4MBに制限されます。ただし、NETWORK_LINKで10.2.0.3以前のOracle Databaseまたは読取り専用のデータベースが設定されている場合は異なります。この場合の上限は4KBです。

次に、TABLESPACESパラメータの使用例を示します。この例では、表領域tbs_4tbs_5およびtbs_6がすでに存在するとします。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tbs.dmp 
TABLESPACES=tbs_4, tbs_5, tbs_6

このコマンドによって、表領域エクスポートが実行され、指定した表領域(tbs_4tbs_5およびtbs_6)から表(および表の依存オブジェクト)がアンロードされます。

TRANSPORT_FULL_CHECK

デフォルト: NO

用途

トランスポータブル・セット内部のオブジェクトと外部のオブジェクト間の依存性をチェックするかどうかを指定します。このパラメータは、トランスポータブル表領域モード・エクスポートでのみ使用可能です。

構文および説明

TRANSPORT_FULL_CHECK=[YES | NO]

TRANSPORT_FULL_CHECK=YESを指定すると、エクスポート・ユーティリティによって、トランスポータブル・セット内のオブジェクトとトランスポータブル・セット外のオブジェクトの間に依存性が存在しないことが確認されます。ここでは、双方向の依存性がチェックされます。たとえば、トランスポータブル・セット内に表は存在するが、その表の索引は存在しない場合は、エラーが返され、エクスポート操作が終了します。同様に、トランスポータブル・セット内に索引は存在するが表は存在しない場合も、エラーが返されます。

TRANSPORT_FULL_CHECK=NOを指定すると、エクスポート・ユーティリティによって、トランスポータブル・セット外のオブジェクトに依存するオブジェクトが、トランスポータブル・セット内に存在しないことのみ確認されます。ここでは、一方向の依存性がチェックされます。たとえば、表は索引に依存しませんが、索引は表に依存します。これは、索引は表なしでは意味を持たないためです。そのため、トランスポータブル・セット内に表は存在するが、表の索引は存在しない場合、このチェックは正常に終了します。ただし、トランスポータブル・セット内に索引は存在するが表は存在しない場合は、エクスポート操作が終了します。

他のチェックも実行されます。たとえば、エクスポートでは、常に、TRANSPORT_TABLESPACESで指定された表領域セット内に定義されているすべての表(およびその索引)のすべての記憶域セグメントが、表領域セット内に実際に含まれていることが確認されます。

次に、TRANSPORT_FULL_CHECKパラメータの使用例を示します。ここでは、表領域tbs_1が存在するとします。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tts.dmp 
TRANSPORT_TABLESPACES=tbs_1 TRANSPORT_FULL_CHECK=YES LOGFILE=tts.log 

TRANSPORT_TABLESPACES

デフォルト: デフォルト値は設定されていません。

用途

トランスポータブル表領域モードでのエクスポート実行を指定します。

構文および説明

TRANSPORT_TABLESPACES=tablespace_name [, ...]

TRANSPORT_TABLESPACESパラメータは、ソース・データベースからターゲット・データベースにオブジェクト・メタデータがエクスポートされる表領域名のリストを指定するために使用します。

エクスポートのログ・ファイルには、トランスポータブル・セットで使用されているデータ・ファイル、ダンプ・ファイルおよび制約違反が一覧表示されます。

TRANSPORT_TABLESPACESパラメータを使用すると、指定した表領域内のすべてのオブジェクトのメタデータがエクスポートされます。特定の表、パーティションまたはサブパーティションのみのトランスポータブル・エクスポートを実行する場合は、TABLESパラメータとTRANSPORTABLE=ALWAYSパラメータを併用する必要があります。


注意:

トランスポータブル表領域をエクスポートした後、それよりも古いリリース・レベルのデータベースにインポートすることはできません。ターゲット・データベースのリリース・レベルは、ソース・データベース以上である必要があります。

制限事項

  • トランスポータブル・ジョブは、再開できません。

  • トランスポータブル・ジョブは、並列度1に制限されます。

  • トランスポータブル表領域モードでは、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールが必要です。

  • トランスポータブル・モードは、暗号化された列をサポートしていません。

  • エクスポートを実行するユーザーのデフォルトの表領域を、転送対象となっている表領域のいずれかに設定することはできません。

  • SYSおよびSYSAUX表領域は転送できません。

  • トランスポータブル・セット内のすべての表領域は、読取り専用に設定する必要があります。

  • データ・ポンプ・エクスポートのVERSIONパラメータとTRANSPORT_TABLESPACESパラメータと一緒に指定する場合、バージョンはOracle Database COMPATIBLE初期化パラメータ以上である必要があります。

  • TRANSPORT_TABLESPACESパラメータは、QUERYパラメータと組み合せて使用することはできません。

  • トランスポータブル表領域のジョブでは、Data Pump ExportのACCESS_METHODパラメータはサポートされません。

例1

次に、TRANSPORT_TABLESPACESパラメータを(ネットワークベースではなく)ファイル・ベースのジョブに使用した例を示します。表領域tbs_1は、移動する表領域です。この例では、表領域tbs_1がすでに存在し、読取り専用に設定されていると仮定しています。また、この例では、このエクスポート・コマンドの実行前にデフォルトの表領域が変更されていると仮定しています。

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tts.dmp
TRANSPORT_TABLESPACES=tbs_1 TRANSPORT_FULL_CHECK=YES LOGFILE=tts.log

TRANSPORTABLE

デフォルト: NEVER

用途

特定の表、パーティションおよびサブパーティションのメタデータをエクスポートするために、表モードのエクスポート(TABLESパラメータで指定)中にトランスポータブル・オプションを使用する必要があるかどうかを指定します。

構文および説明

TRANSPORTABLE = [ALWAYS | NEVER]

使用可能な値の定義は、次のとおりです。

ALWAYS - エクスポート・ジョブでトランスポータブル・オプションを使用するように指定します。トランスポータブルが使用できない場合、ジョブは失敗します。トランスポータブル・オプションを使用すると、TABLESパラメータで指定した表、パーティションまたはサブパーティションのメタデータのみがエクスポートされます。実際のデータ・ファイルをターゲット・データベースにコピーする必要があります。詳細は、「データ・ファイル・コピーを使用したデータ移動」を参照してください。

NEVER: エクスポート・ジョブでトランスポータブル・オプションではなくダイレクト・パスまたは外部表による方法を使用してデータをアンロードするように指定します。これがデフォルトです。


注意:

トランスポータブル・モードで表領域全体をエクスポートする場合は、TRANSPORT_TABLESPACESパラメータを使用します。

  • 表のパーティションの一部のみをエクスポートし、TRANSPORTABLE=ALWAYSパラメータを使用すると、インポート時にそれぞれのパーティションが非パーティション表になります。

  • 表のパーティションのサブセットのみをエクスポートし、TRANSPORTABLEパラメータを使用しない場合、またはそのパラメータがNEVERに設定されている場合(デフォルト)は、インポート時に次のようになります。

    • PARTITION_OPTIONS=DEPARTITIONを使用している場合は、ダンプ・ファイル・セットに含まれるそれぞれのパーティションが、非パーティション表として作成されます。

    • PARTITION_OPTIONS使用していない場合は、完全な表が作成されます。つまり、完全な表内のすべてのメタデータが、ソース上での表定義と同じになるようにターゲット・システム上に存在します。ただし、指定されたパーティション用にエクスポートされたデータのみが表に挿入されます。

制限事項

  • TRANSPORTABLEパラメータは、表モードのエクスポートでのみ有効です。

  • トランスポータブル・エクスポートを実行するユーザーには、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE権限が必要です。

  • 表、パーティションおよびサブパーティションに関連付けられている表領域は読取り専用である必要があります。

  • トランスポータブル・モードではデータはエクスポートされません。データは、表領域データ・ファイルをソース・システムからターゲット・システムにコピーする際にコピーされます。コピーする必要のある表領域は、エクスポート操作のログ・ファイルの最後に表示されます。

  • TRANSPORTABLEパラメータを使用するには、COMPATIBLE初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。

  • エクスポートを実行するユーザーのデフォルトの表領域を、転送対象となっている表領域のいずれかに設定することはできません。

次の例では、shユーザーがDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASEロールを持ち、表sales2がパーティション化されて表領域tbs2内に格納されているとします。(tbs2表領域はソース・データベースで読取り専用に設定する必要があります。)

> expdp sh DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tto1.dmp
TABLES=sh.sales2 TRANSPORTABLE=ALWAYS 

エクスポートが正常に完了した後は、データ・ファイルをターゲット・データベース領域にコピーする必要があります。次に、PARTITION_OPTIONSREMAP_SCHEMAの各パラメータを使用してインポート操作を実行し、sales2の各パーティションを固有の表にします。

> impdp system PARTITION_OPTIONS=DEPARTITION 
TRANSPORT_DATAFILES=oracle/dbs/tbs2 DIRECTORY=dpump_dir1 
DUMPFILE=tto1.dmp REMAP_SCHEMA=sh:dp

VERSION

デフォルト: COMPATIBLE

用途

エクスポートするデータベース・オブジェクトのバージョンを指定します(つまり、指定されたリリースと互換性のあるデータベース・オブジェクトおよび属性のみがエクスポートされます)。このパラメータは、以前のリリースのOracle Databaseと互換性のあるダンプ・ファイル・セットの作成に使用できます。このことは、データ・ポンプ・エクスポートがOracle Database 10gリリース1(10.1)以前のOracle Databaseと一緒に使用できるという意味ではありません。データ・ポンプ・エクスポートは、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以降でのみ動作します。VERSIONパラメータを使用して可能になるのは、エクスポートするオブジェクトのバージョンの識別のみです。

構文および説明

VERSION=[COMPATIBLE | LATEST | version_string]

VERSIONパラメータで使用可能な値は、次のとおりです。

  • COMPATIBLE - デフォルト値。メタデータのバージョンは、データベースの互換性レベルに対応します。データベースの互換性は、9.2以上に設定する必要があります。

  • LATEST: メタデータのバージョンは、データベースのリリースに対応します。

  • version_string - 特定のデータベース・リリース(11.2.0など)。Oracle Database 11gの場合、9.2未満の値は指定できません。

指定したリリースと互換性のないデータベース・オブジェクトまたは属性は、エクスポートされません。たとえば、指定したリリースではサポートされていない新しいデータ型を含む表はエクスポートされません。

制限事項

  • アーカイブされたLOBがある表を、リリース11.2よりも前のデータベースにエクスポートすることはできません。

  • データ・ポンプ・エクスポートのVERSIONパラメータをTRANSPORT_TABLESPACESパラメータと一緒に指定した場合、値はOracle Database COMPATIBLE初期化パラメータ以上である必要があります。

次の例は、メタデータのバージョンがデータベースのリリースに対応している場合のエクスポートの例を示します。

> expdp hr TABLES=hr.employees VERSION=LATEST DIRECTORY=dpump_dir1
DUMPFILE=emp.dmp NOLOGFILE=YES

エクスポート・ユーティリティの対話方式コマンド・モードで使用可能なコマンド

対話方式コマンド・モードでは、現行のジョブは継続して続行されますが、端末へのロギングは一時停止され、エクスポート・プロンプト(Export>)が表示されます。

対話方式コマンド・モードを開始するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • 接続されたクライアントから、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。

  • ジョブを実行している端末以外の端末から、expdpコマンドでATTACHパラメータを指定してジョブに接続します。この機能は、ある場所で開始したジョブを、後で別の場所から確認する場合に有効です。

表2-1に、現行のジョブに対して対話方式コマンド・モードでデータ・ポンプ・エクスポート・プロンプトから実行できる操作を示します。

表2-1 データ・ポンプ・エクスポートの対話方式コマンド・モードでサポートされているコマンド

操作 使用するコマンド

追加ダンプ・ファイルを追加する。

ADD_FILE


対話方式モードを終了し、ロギング・モードに切り替える。

CONTINUE_CLIENT


ジョブは続行したままエクスポート・クライアント・セッションを停止する。

EXIT_CLIENT


ダンプ・ファイルのデフォルト・サイズを再定義して、その後のすべてのダンプ・ファイルに適用する。

FILESIZE


使用可能なコマンドの概要を表示する。

HELP


現在接続中のすべてのクライアント・セッションを切断し、現行のジョブを停止する。

KILL_JOB


現行のジョブに対するアクティブなワーカー・プロセスの数を増減する。このコマンドは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効。

PARALLEL


接続している停止ジョブを再開する。

START_JOB


現行のジョブの詳細な状態を表示したり、状態の表示周期を設定する。

STATUS


後で再開するために、現行のジョブを停止する。

STOP_JOB



次の項では、データ・ポンプ・エクスポートの対話方式コマンド・モードで使用可能なコマンドについて説明します。

ADD_FILE

用途

エクスポート・ダンプ・ファイル・セットに、追加ファイルまたは置換変数を追加します。

構文および説明

ADD_FILE=[directory_object:]file_name [,...]

各ファイル名に、異なるディレクトリ・オブジェクトを指定できます。ディレクトリ・オブジェクトを指定しない場合は、デフォルトが使用されます。

file_nameに、ディレクトリ・パスの情報を含めないでください。ただし、置換変数(%U)を含めることはできます。この置換変数は、指定されたファイル名をテンプレートとして使用し、複数のファイルが生成できることを示します。

追加されるファイルのサイズは、FILESIZEパラメータの設定によって決定されます。


参照:

置換変数を指定した場合の効果の詳細は、「ファイルの割当て」を参照してください。

次の例では、2つのダンプ・ファイルをダンプ・ファイル・セットに追加します。ダンプ・ファイルhr2.dmpに、ディレクトリ・オブジェクトが指定されていないため、ジョブに対するデフォルトのディレクトリ・オブジェクトを使用するとします。別のディレクトリ・オブジェクトdpump_dir2が、ダンプ・ファイルhr3.dmpに指定されています。

Export> ADD_FILE=hr2.dmp, dpump_dir2:hr3.dmp

CONTINUE_CLIENT

用途

エクスポート・モードを、対話方式コマンド・モードからロギング・モードに変更します。

構文および説明

CONTINUE_CLIENT

ロギング・モードでは、状態が端末に継続的に出力されます。ジョブが現在停止している場合、CONTINUE_CLIENTを指定すると、クライアントがジョブの開始を試みます。

Export> CONTINUE_CLIENT

EXIT_CLIENT

用途

エクスポート・クライアント・セッションを停止し、エクスポート・ユーティリティを終了して、端末へのロギングを中断します。ただし、現行のジョブの実行は続行します。

構文および説明

EXIT_CLIENT

EXIT_CLIENTでは、ジョブが実行されたままになるため、後でこのジョブに接続できます。ジョブの状態を確認するには、ジョブのログ・ファイルを監視するか、USER_DATAPUMP_JOBSビューまたはV$SESSION_LONGOPSビューを問い合せることができます。

Export> EXIT_CLIENT

FILESIZE

用途

後のダンプ・ファイルの最大サイズを再定義します。ダンプ・ファイル・セット内にあるダンプ・ファイルが最大サイズになると、そのファイルはクローズされ、ファイル指定に置換変数が含まれている場合または追加ダンプ・ファイルがジョブに追加されている場合は、新しいファイルが作成されます。

構文および説明

FILESIZE=integer[B | KB | MB | GB | TB]

integerの後に(スペースを挿入しない)、BKBMBGBまたはTB(それぞれバイト、キロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイトを示す)を指定できます。デフォルトは、B(バイト)です。作成されるファイルの実際のサイズは、ダンプ・ファイル内で使用されている内部ブロックのサイズと一致するように切り捨てられる場合があります。

ファイル・サイズ0は最大ファイル・サイズの16TBと同じです。

制限事項

  • ファイルの最小サイズは、デフォルトのデータ・ポンプ・ブロック・サイズの10倍、つまり4KBです。

  • ファイルの最大サイズは16TBです。

Export> FILESIZE=100MB

HELP

用途

対話方式コマンド・モードで使用可能なデータ・ポンプ・エクスポート・コマンドの情報を表示します。

構文および説明

HELP

対話方式コマンド・モードで使用可能なコマンドの情報を表示します。

Export> HELP

KILL_JOB

用途

現在接続中のすべてのクライアント・セッションを切断してから、現行のジョブを停止します。エクスポート・ユーティリティを終了し、端末プロンプトに戻します。

構文および説明

KILL_JOB

KILL_JOBを使用して中断されたジョブは、再開できません。接続中のすべてのクライアント(KILL_JOBコマンドを発行しているクライアントを含む)は、現在のユーザーがジョブを停止しているという警告を受け取った後、切断されます。すべてのクライアントが切断されると、ジョブのプロセス構造が即時に停止し、マスター表およびダンプ・ファイルが削除されます。ログ・ファイルは、削除されません。

Export> KILL_JOB

PARALLEL

用途

現行のジョブに対してアクティブなプロセス(ワーカーおよびパラレル・スレーブ)の数を増減できます。

構文および説明

PARALLEL=integer

PARALLELは、コマンドライン・パラメータおよび対話方式コマンド・モードのパラメータとして使用可能です。必要な数のパラレル・プロセス(ワーカーおよびパラレル・スレーブ)を設定できます。増加処理は、ファイルとリソースが十分にある場合は即時に実行されます。減少処理は、既存のプロセスが現行のタスクを終了してから実行されます。値を小さくすると、ワーカーはアイドル状態になりますが、ジョブが終了するまで削除はされません。


参照:

並列度の詳細は、「PARALLEL」を参照してください。

制限事項

  • このパラメータは、Oracle Database 11gのEnterprise Editionでのみ有効です。

Export> PARALLEL=10

START_JOB

用途

接続している現行のジョブを開始します。

構文および説明

START_JOB

START_JOBコマンドは、ジョブが現在実行中の場合を除き、接続している現行のジョブを開始します。ダンプ・ファイル・セットおよびマスター表が元のまま変更されていない場合は、予期しない障害またはSTOP_JOBコマンドの発行後に、データの損失や破損なしにジョブが再開されます。

トランスポータブル表領域モードで実行されたエクスポートは、再開できません。

Export> START_JOB

STATUS

用途

ジョブの累積的な状態、現行の操作の説明および推定完了率を表示します。ロギング・モードの状態を表示する間隔を再設定することもできます。

構文および説明

STATUS[=integer]

ロギング・モードでのこの状態の表示頻度を秒単位で指定できるオプションがあります。値を入力しなかった場合またはデフォルト値の0を使用した場合は、状態の定期表示はオフになり、状態は1回のみ表示されます。

この状態情報は、標準出力デバイスのみに書き込まれ、ログ・ファイルには(使用可能な場合でも)書き込まれません。

次に、現行のジョブの状態を表示し、ロギング・モードの表示間隔を5分(300秒)に変更する例を示します。

Export> STATUS=300

STOP_JOB

用途

現行のジョブを即時にまたは手順に従って停止し、エクスポート・ユーティリティを終了します。

構文および説明

STOP_JOB[=IMMEDIATE]

STOP_JOBコマンド発行時または発行後にマスター表およびダンプ・ファイル・セットに障害が発生していない場合は、そのジョブに接続し、START_JOBコマンドを使用して再開できます。

手順に従って停止する場合は、関連する値を指定しないでSTOP_JOBを使用します。確認を要求する警告が発行されます。手順に従った停止では、ワーカー・プロセスで現行のタスクが終了した後、ジョブが停止されます。

即時に停止するには、STOP_JOB=IMMEDIATEを指定します。確認を要求する警告が発行されます。接続中のすべてのクライアント(STOP_JOBコマンドを発行しているクライアントを含む)は、現在のユーザーがジョブを停止および切断中であるという警告を受け取ります。すべてのクライアントが切断されると、ジョブのプロセス構造が即時に停止されます。マスター・プロセスは、ワーカー・プロセスで現行のタスクが終了するまで待機はしません。STOP_JOB=IMMEDIATEを指定した場合、データ破損やデータ損失の危険性はありません。ただし、停止時に完了しなかった一部のタスクは、再開時に再実行する必要があります。

Export> STOP_JOB=IMMEDIATE

データ・ポンプ・エクスポートの使用例

この項では、データ・ポンプ・エクスポートの使用例を示します。

これらの例を正しく使用するために役立つ情報については、「エクスポート・パラメータの使用例」を参照してください。

表モード・エクスポートの実行

例2-1に、TABLESパラメータを使用して、表モード・エクスポートを指定する例を示します。人事管理(hr)スキーマから、表employeesおよびjobsの表エクスポートを実行するには、次のデータ・ポンプ・エクスポート・コマンドを発行します。

例2-1 表モード・エクスポートの実行

expdp hr TABLES=employees,jobs DUMPFILE=dpump_dir1:table.dmp NOLOGFILE=YES

ユーザーhrは、自分のスキーマ内の表をエクスポートしているため、表名の前にスキーマ名を指定する必要はありません。NOLOGFILE=YESパラメータは、その操作のエクスポート・ログ・ファイルが生成されないことを示します。

選択した表および行のデータのみのアンロード

例2-2に、人事管理(hr)スキーマから、表countriesおよびregionsを除くすべての表のデータのみをアンロードするために使用するパラメータ・ファイル(exp.par)の内容を示します。employees表から、department_idが50以外の行がアンロードされます。行は、employee_id順にソートされます。

例2-2 選択した表および行のデータのみのアンロード

DIRECTORY=dpump_dir1
DUMPFILE=dataonly.dmp
CONTENT=DATA_ONLY
EXCLUDE=TABLE:"IN ('COUNTRIES', 'REGIONS')"
QUERY=employees:"WHERE department_id !=50 ORDER BY employee_id"

次のコマンドを使用して、exp.parパラメータ・ファイルを実行できます。

> expdp hr PARFILE=exp.par

スキーマ・モード・エクスポート(デフォルト・モード)が実行されますが、CONTENTパラメータによって、エクスポートが表のデータのみのアンロードに効果的に制限されます。ディレクトリ・オブジェクトdpump_dir1は、DBAによってすでに作成されています。このオブジェクトは、エクスポート・ダンプ・ファイルに対する読取りおよび書込み権限がユーザーhrに付与されているサーバー上のディレクトリを示しています。ダンプ・ファイルdataonly.dmpは、dpump_dir1に作成されます。

表モード・エクスポートに必要なディスク領域の見積り

例2-3に、表モード・エクスポートで使用される領域を、ESTIMATE_ONLYパラメータを使用して、実際のエクスポート操作を実行しないで見積もる場合の例を示します。次のコマンドを実行し、BLOCKSメソッドを使用して、人事管理(hr)スキーマの3つの表employeesdepartmentsおよびlocationsのデータのエクスポートに必要なバイト数を見積もります。

例2-3 表モード・エクスポートに必要なディスク領域の見積り

> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 ESTIMATE_ONLY=YES TABLES=employees, 
departments, locations LOGFILE=estimate.log

見積りはログ・ファイルに出力され、クライアントの標準出力デバイスに表示されます。見積りの対象は、表の行データのみです。メタデータは含まれません。

スキーマ・モード・エクスポートの実行

例2-4に、hrスキーマのスキーマ・モード・エクスポートを示します。スキーマ・モード・エクスポートでは、対応するスキーマに属するオブジェクトのみがアンロードされます。スキーマ・モードは、デフォルトのモードであるため、複数のスキーマや自分のスキーマ以外を指定する場合以外、コマンドラインでSCHEMASパラメータを指定する必要はありません。

例2-4 スキーマ・モード・エクスポートの実行

> expdp hr DUMPFILE=dpump_dir1:expschema.dmp LOGFILE=dpump_dir1:expschema.log

パラレル全データベース・エクスポートの実行

例2-5に、最大3つのパラレル・プロセス(ワーカーまたはPQスレーブ)を持つ全データベース・エクスポートを示します。

例2-5 パラレル全体エクスポート

> expdp hr FULL=YES DUMPFILE=dpump_dir1:full1%U.dmp, dpump_dir2:full2%U.dmp
FILESIZE=2G PARALLEL=3 LOGFILE=dpump_dir1:expfull.log JOB_NAME=expfull

これは、全データベース・エクスポートであるため、データベースのすべてのデータおよびメタデータがエクスポートされます。full101.dmpfull201.dmpfull102.dmpなどのダンプ・ファイルが、dpump_dir1およびdpump_dir2ディレクトリ・オブジェクトで示されたディレクトリに、ラウンドロビン法で作成されます。最適なパフォーマンスを得るには、これらのファイルを個別のI/Oチャネルに配置する必要があります。各ファイルのサイズは、必要に応じて2GBまで拡張されます。最初に、最大3つのファイルが作成されます。必要に応じて、追加のファイルが作成されます。ジョブおよびマスター表は、expfullという名前になります。ログ・ファイルは、dpump_dir1ディレクトリのexpfull.logに書き込まれます。

対話方式モードを使用したジョブの停止および再接続

この例を試す前に、例2-5のパラレル全体エクスポートを再実行します。エクスポートの実行中、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。これによって、データ・ポンプ・エクスポートの対話方式コマンド・インタフェースを起動します。対話方式インタフェースでは、端末へのロギングは停止され、データ・ポンプ・エクスポートのプロンプトが表示されます。

例2-6 ジョブの停止と再接続

エクスポート・プロンプトで、次のコマンドを実行してジョブを停止します。

Export> STOP_JOB=IMMEDIATE
Are you sure you wish to stop this job ([y]/n): y

このジョブは停止状態でクライアントを終了します。

停止したジョブに再接続するには、次のコマンドを入力します。

> expdp hr ATTACH=EXPFULL

ジョブの状態が表示された後、CONTINUE_CLIENT コマンドを実行して、ロギング・モードを再開し、expfullジョブを再起動できます。

Export> CONTINUE_CLIENT

ジョブが再オープンされたことを示すメッセージが表示され、処理の状態がクライアントに出力されます。

データ・ポンプ・エクスポートの構文図

この項では、データ・ポンプ・エクスポートの構文図を示します。これらの構文図では、標準SQL構文の表記法を使用します。SQL構文の表記法の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

ExpInit

expinit.gifの説明が続きます。
図expinit.gifの説明

ExpStart

expstart.gifの説明が続きます。
図expstart.gifの説明

ExpModes

expmodes.gifの説明が続きます。
図expmodes.gifの説明

ExpOpts

expopts.gifの説明が続きます。
図expopts.gifの説明

ExpEncrypt

expencrypt.gifの説明が続きます。
図expencrypt.gifの説明

ExpFilter

expfilter.gifの説明が続きます。
図expfilter.gifの説明

ExpRacOpt

expracopt.gifの説明が続きます。
図expracopt.gifの説明

ExpRemap

expremap.gifの説明が続きます。
図expremap.gifの説明

ExpFileOpts

expfileopts.gifの説明が続きます。
図expfileopts.gifの説明

ExpDynOpts

expdynopts.gifの説明が続きます。
図expdynopts.gifの説明

ExpDiagnostics

expdiagnostics.gifの説明が続きます。
図expdiagnostics.gifの説明