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Oracle® Databaseリファレンス
11gリリース2 (11.2)
B56311-12
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F バックグラウンド・プロセス

表F-1に、Oracle Databaseのバックグラウンド・プロセスを示します。ここでは、V$PROCESSでリストされるプロセスのうち、pname列の値がNULLではないものをすべて、バックグラウンド・プロセスと定義しています。

この表の外部プロパティ列には、プロセスが実行されるインスタンスのタイプのリストを示します。プロセスが特定の機能専用の場合には、その機能名が外部プロパティ列に示されます。

表F-1 バックグラウンド・プロセス

名前 正式名 概略 詳細 外部プロパティ

ABMR

自動BMRバックグラウンド・プロセス

重複するブロック・メディア・リカバリ要求のフィルタリング、フラッド制御など、タスクの実行を調整する

プロセスがABMRにブロック・メディア・リカバリ要求を発行すると、ABMRはスレーブ・プロセス(BMRn)を動的に起動してリカバリを実行する。ABMRとBMRnは、アイドル状態が長時間続くと終了する。

関連項目: 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

データベース・インスタンス

ACFS

ASMクラスタ・ファイル・システムCSSプロセス

CSS内のクラスタ・メンバーシップを追跡して、ファイル・システム・ドライバにメンバーシップの変更を通知する

ACFSはCSSメンバーシップの変更をOracle Cluster File Systemに転送する。このようなメンバーシップの変更は、ファイル・システムがクラスタ内のファイル・システムの一貫性を保持するために必要である。

ASMインスタンス、Oracle RAC

ACMS

メモリー・サービスへのアトミック制御ファイル・プロセス

Oracle RAC環境内のすべてのインスタンス上の対応するSGAと、制御ファイル・リソースへの更新の一貫性が保持されるように調整する

ACMSプロセスは調整しているコール元と連携して、障害状況でもOracle RAC内のすべてのインスタンスで確実に操作が実行されるようにする。ACMSプロセスでは、分散操作がコールされる。その結果、このプロセスは様々な動作をする可能性がある。通常、ACMSの動作は、インスタンス間の一部の操作に対応する、小規模な非ブロック化状態変更に限定されている。

データベース・インスタンス、Oracle RAC

APnn

ロジカル・スタンバイ/ストリーム適用プロセス・コーディネータ・プロセス

リーダー・サーバーからトランザクションを取得して適用サーバーに渡す

コーディネータ・プロセス名はAPnn(nnには文字および数字が含まれる)。

関連項目: 『Oracle Streams概要および管理』

データベース・インスタンス、Data Guard、Oracle Streams

ARBn

ASMリバランス・プロセス

ASMディスク・グループ内のデータ・エクステントのリバランスを行う

可能なプロセスは、ARB0からARB9およびARBA。

ASMインスタンス

ARCn

アーカイバ・プロセス

REDOログ・ファイルが一杯になるか、オンラインREDOログの切替えが発生した場合に、REDOログ・ファイルをアーカイブ記憶領域にコピーする

ARCnプロセスは、データベースがARCHIVELOGモードに設定され、自動アーカイブが使用可能になっている場合にのみ存在し、存在する場合、ARCnオンラインREDOログ・ファイルをアーカイブする。オンラインREDOログ・グループがアーカイブされるまで、LGWRはそれを再利用して上書きできない。

一杯になったオンラインREDOログが遅延なく確実にアーカイブされるように、データベースは必要に応じて複数のアーカイバ・プロセスを起動する。可能なプロセスは、ARC0からARC9およびARCaからARCt。

LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES初期化パラメータには、データベースが最初に起動するARCnプロセスの数を指定する。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』

データベース・インスタンス

ASMB

ASMバックグラウンド・プロセス

ASMインスタンスと通信して、記憶域の管理と統計情報の提供を行う

サーバー・パラメータ・ファイルがASMに格納されている場合、ASMBは、ASMCMD cpコマンドの実行時またはデータベース・インスタンスの最初の起動時に、ASMインスタンスで実行される。ASMBはASM上のOracle Cluster Registryとも連携する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

ASnn

ロジカル・スタンバイ/ストリーム適用プロセス・リーダー・サーバーまたは適用サーバー

  • 論理変更レコード(LCR)間の依存性を計算して、メッセージをトランザクションにアセンブルする(リーダー・サーバー)

  • LCRをデータベース・オブジェクトに適用するか、またはLCRとユーザー・メッセージを適切な適用ハンドラに渡す(適用サーバー)

リーダー・サーバーは、LCR間の依存性を計算してトランザクションにアセンブルすると、そのトランザクションをコーディネータ・プロセスに戻す。リーダー・サーバーのバックグラウンド・プロセスの詳細は、V$STREAMS_APPLY_READERビューで参照。

適用サーバーはコーディネータ・バックグラウンド・プロセスからトランザクションを受信すると、LCRにデータベースの変更を適用するか、適用ハンドラにLCRまたはメッセージを送信する。適用サーバーはキューをエンキューすることもできる。エラーが発生すると、適用サーバーはユーザー指定の競合ハンドラまたはエラー・ハンドラを使用してエラーの解決を試みる。エラーを解決できない場合は、トランザクションをロールバックして、すべてのメッセージを含めトランザクション全体をエラー・キューに配置する。適用サーバーが完了済トランザクションをコミットした場合、そのトランザクションは適用される。トランザクションをエラー・キューに配置してコミットした場合にも、トランザクションは適用される。適用サーバーのバックグラウンド・プロセスの詳細は、V$STREAMS_APPLY_SERVERビューで参照。

コーディネータ・プロセス名はASnn(nnには文字および数字が含まれる)。

データベース・インスタンス

BMRn

自動ブロック・メディア・リカバリ・スレーブ・プール・プロセス

リアルタイムで読取り可能なスタンバイ・データベースからブロックをフェッチする

プロセスがABMRにブロック・メディア・リカバリ要求を発行すると、ABMRはスレーブ・プロセス(BMRn)を動的に起動してリカバリを実行する。BMRnプロセスは、リアルタイムで読取り可能なスタンバイ・データベースからブロックをフェッチする。ABMRとBMRnは、アイドル状態が長時間続くと終了する。

関連項目: 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

データベース・インスタンス

Bnnn

GMON用ASMブロッキング・スレーブ・プロセス

ASMディスク・グループでメンテナンス・アクションを実行する

Bnnnは、GMONにかわって、リソースを待機する必要のあるアクションを実行する。GMONは高い可用性を保つ必要があるため、待機できない。

Bnnnスレーブは、ASMディスク・グループで1つのディスクがオフラインなると起動される。このスレーブでは、オフライン・タイマー処理とディスクの削除が実行される。負荷に応じて、最大5つのプロセス(B000からB004)が存在できる。

ASMインスタンス

CJQ0

ジョブ・キュー・コーディネータ・プロセス

データ・ディクショナリから実行する必要のあるジョブを選択し、ジョブを実行するジョブ・キュー・スレーブ・プロセス(Jnnn)を起動する

CJQ0は、必要に応じてOracle Schedulerにより自動的に起動および停止される。

JOB_QUEUE_PROCESSES初期化パラメータには、ジョブの実行に対して作成可能なプロセスの最大数を指定する。CJQ0は、実行するジョブ数と使用可能なリソースに応じた数のジョブ・キュー・プロセスのみを起動する。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』

データベース・インスタンス

CKPT

チェックポイント・プロセス

チェックポイントでDBWnにシグナルを送り、データベースのすべてのデータ・ファイルと制御ファイルを更新して、最新のチェックポイントを示す

特定の時刻に、CKPTは使用済バッファの書込みを開始するようDBWnにメッセージを送って、チェックポイント要求を開始する。個々のチェックポイント要求の完了時に、CKPTはデータ・ファイル・ヘッダーおよび制御ファイルを更新して最新のチェックポイントを記録する。

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

CPnn

ストリーム取得プロセス

LogMinerのインフラストラクチャを使用して、REDOログからデータベースの変更を取得する

取得プロセス名はCPnn(nnには文字と数字が含まれる)。基になるLogMinerプロセス名はMSnn(nnには文字と数字が含まれる)。取得プロセスには、1つのリーダー・サーバー(REDOログを読み取ってリージョンに分割する)、1つ以上のプリペアラ・サーバー(REDOログをスキャンする)、1つのビルダー・サーバー(プリペアラ・サーバーからREDOレコードをマージする)が含まれる。リーダー・サーバー、プリペアラ・サーバーおよびビルダー・サーバーはそれぞれが1つのプロセスである。このバックグラウンド・プロセスの詳細は、V$STREAMS_CAPTUREビューで参照。

関連項目: 『Oracle Streams概要および管理』

データベース・インスタンス、Oracle Streams

CSnn

I/O測定プロセス

記憶域測定の一部として記憶域にI/Oを発行する。

CSnnスレーブ・プロセスは、DBMS_RESOURCE_MANAGER.CALIBRATE_IO()プロシージャの実行時に起動される。データベースの各ノードのCPUごとに1つのスレーブ・プロセスがある。

データベース・インスタンス、Oracle RAC

CTWR

変更トラッキング書込みプロセス

Recovery Managerのブロック・チェンジ・トラッキング機能の一部として、変更されたデータ・ブロックを追跡する

CTWRは、プライマリ・データベースでのREDOの生成時およびスタンバイ・データベースでのREDOの適用時に、変更されたブロックを追跡する。プロセスはデータベースのタイプに応じて多少異なる。

関連項目: 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

データベース・インスタンス

CXnn

ストリーム伝播送信者プロセス

LCRを伝播の受信者に送信する

伝播送信者プロセス名はCXnn(nnには文字と数字が含まれる)。Oracle Streamsの取得と適用の複合による最適化では、伝播送信者は伝播受信者にLCRを直接送信して、パフォーマンスを向上させる。伝播受信者は適用プロセスにLCRを渡す。伝播送信者の詳細は、V$PROPAGATION_SENDERビューで参照。

データベース・インスタンス、Oracle Streams

DBRM

データベース・リソース・マネージャ・プロセス

リソース・プランを設定して、データベース・リソース・マネージャに関連するその他のタスクを実行する

リソース・プランが有効でない場合、このプロセスはアイドル状態になる。

関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』

データベース・インスタンス

DBWn

データベース・ライター・プロセス

変更されたブロックをデータベース・バッファ・キャッシュからデータ・ファイルに書き込む。

DBWnの主な役割は、データ・ブロックをディスクに書き込むことである。また、DBWnは、チェックポイント、ファイル・オープンの同期化、ブロック書込み記録のロギングも処理する。

通常、DBWnが書き込むブロックはディスク全体に散乱する。そのため、その書込みはLGWRによる順次書込みよりも遅くなる傾向がある。可能な場合、DBWnは、効率を向上させるためにマルチブロック書込みを実行する。マルチブロック書込みで書き込まれるブロックの数は、オペレーティング・システムに応じて異なる。

DB_WRITER_PROCESSES初期化パラメータには、DBWnプロセス(DBW0からDBW9とDBWaからDBWz)の数を指定する。データベースはこのパラメータに対して適切なデフォルト設定を選択するか、またはユーザー指定の設定をCPUとプロセッサ・グループの数に基づいて調整する。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』

データベース・インスタンス

DIA0

診断プロセス


ハングおよびデッドロックを検出して解決する

ASMインスタンスおよびデータベース・インスタンス

DIAG

診断取得プロセス


診断ダンプを実行する

DIAGは他のプロセスから要求された診断ダンプおよびプロセスまたはインスタンスの終了によってトリガーされるダンプを実行する。Oracle RACでは、DIAGはリモート・インスタンスから要求されたグローバル診断ダンプを実行する。

ASMインスタンスおよびデータベース・インスタンス

DMnn

データ・ポンプ・マスター・プロセス

データ・ポンプのワーカー・プロセスによって実行されるデータ・ポンプ・ジョブ・タスクを調整し、クライアント間の相互作用を処理する。

データ・ポンプ・マスター(制御)プロセスはジョブ作成時に起動され、データ・ポンプ・ジョブによって実行されるすべてのタスクを調整する。これは、クライアント間の相互作用と通信をすべて処理し、すべてのジョブ・コンテキストを確立し、ジョブにかわってすべてのワーカー・プロセスのアクティビティを調整する。

データベース・インスタンス、データ・ポンプ

DMON

Data Guard Brokerモニター・プロセス

Data Guard Broker構成に属するデータベースを管理および監視する

Data Guard Brokerを起動すると、DMONプロセスが作成される。DMONは、ブローカが管理するすべてのデータベース・インスタンスに対して実行される。DMONはローカル・データベースとやり取りするとともに、他のデータベースのDMONプロセスともやり取りして、要求された機能を実行する。また、DMONはブローカ構成の状態を監視して、すべてのデータベース間で構成の記述の一貫性を確保する。

DMONは、ブローカ構成内のすべてのデータベース・オブジェクトに関するプロファイルをバイナリ構成ファイル内で保持する。このファイルのコピーは、ブローカ構成に属する各データベースのDMONプロセスによって保持される。DG_BROKER_START初期化パラメータにtrueを設定すると、このプロセスが作成される。

関連項目: 『Oracle Data Guard Broker』

データベース・インスタンス、Data Guard

Dnnn

ディスパッチャ・プロセス

共有サーバー・アーキテクチャでネットワーク通信を実行する

共有サーバー・アーキテクチャでは、クライアントはディスパッチャ・プロセスに接続する。これによって、各接続に対してバーチャル・サーキットが形成される。クライアントがサーバーにデータを送信すると、ディスパッチャはバーチャル・サーキットにデータを受信し、アイドル状態の共有サーバーによって取得される共通キューにアクティブ・サーキットを配置する。共有サーバーはバーチャル・サーキットからデータを読み取り、要求の完了に必要なデータベース作業を実行する。共有サーバーがクライアントにデータを送信する必要がある場合、共有サーバーはデータをバーチャル・サーキットに書き戻し、ディスパッチャがそのデータをクライアントに送信する。クライアント要求の完了後、共有サーバーはバーチャル・サーキットを解放してディスパッチャに戻し、他のクライアントに対応できる状態になる。

いくつかの初期化パラメータは共有サーバーに関連している。主なパラメータは、DISPATCHERSSHARED_SERVERSMAX_SHARED_SERVERSLOCAL_LISTENERREMOTE_LISTENER

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンス、共有サーバー

DRnn

ASMディスク再同期化スレーブ・プロセス

オフライン・ディスクの内容を再同期化する

1つ以上のオフラインのディスクでディスク・オンラインSQLコマンドが発行されると、ASMはDRnnを起動する。負荷に応じて、複数のスレーブが起動される場合もある。

ASMインスタンス

DSKM

スレーブDiskmonプロセス

データベース間のパイプ、ASMインスタンスおよびマスターDiskmonデーモンとして動作し、Exadataストレージに情報を伝達する

このプロセスは、Exadataストレージが使用される場合にのみアクティブになる。DSKMは、Exadata I/OフェンシングおよびExadataセル障害処理に関連する操作を実行する。

ASMインスタンス、Exadata

DWnn

データ・ポンプ・ワーカー・プロセス

データ・ポンプ・マスター・プロセスにより割り当てられたデータ・ポンプ・タスクを実行する

データ・ポンプ・ワーカー・プロセスは、データ・ポンプ・マスター・プロセスにより割り当てられたタスクを実行する(メタデータおよびデータのロード、アンロードなど)。

データベース・インスタンス

EMNC

EMONコーディネータ・プロセス

データベース・イベントの管理および通知を調整する

EMNCは、データベースでのイベントの管理および通知アクティビティ(Streamsでのイベント通知、連続問合せ通知、高速アプリケーション通知など)を調整する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

Ennn

EMONスレーブ・プロセス

データベース・イベントの管理および通知を実行する

データベース・イベントの管理や通知に関する負荷は、EMONスレーブ・プロセス間に分散される。これらのプロセスは並行してシステム通知作業を行うことによって、より大量の通知処理、応答時間の短縮、ステージング通知の共有メモリー使用量の削減を実現する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

FBDA

フラッシュバック・データ・アーカイバ・プロセス

フラッシュバック・データ・アーカイブに追跡対象の表の履歴行をアーカイブし、アーカイブの領域、編成、保存を管理する

追跡対象の表を変更するトランザクションがコミットされると、FBDAはその行の事前イメージをアーカイブに格納する。FDBAは、現在の行にメタデータを保持し、アーカイブされたデータの量を追跡する。

FBDAは、フラッシュバック・データ・アーカイブの領域、編成(表領域のパーティション化)、保存についても自動的に管理する。また、FBDAは追跡対象のトランザクションのアーカイブの進捗状況も記録する。

関連項目: 『Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイド』

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

FDnn

Oracle ASM失効FDクリーンアップ・スレーブ・プロセス

フォアグラウンド・プロセスでOracle ASMの失効したファイル記述子をクリーンアップする

このプロセスは、Oracle ASMディスクがグローバルにクローズされた場合に、Oracle ASM失効ファイル記述子をフォアグラウンド・プロセスでクリーンアップする。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

FMON

ファイル・マッピング・モニター・プロセス

Oracle Databaseファイル・マッピング・インタフェース用のマッピング情報を管理する

DBMS_STORAGE_MAPパッケージによってマッピング操作を制御できる。ユーザーの指示があると、FMONはマッピング情報を作成してSGAに格納し、変更の発生時にその情報をリフレッシュし、データ・ディクショナリに保存して、インスタンス起動時にその情報をSGAにリストアする。

FILE_MAPPING初期化パラメータにtrueを設定すると、FMONはデータベースによって起動される。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

FSFP

Data Guard Brokerファスト・スタート・フェイルオーバーPingerプロセス

プライマリとターゲット・スタンバイ・データベース間のファスト・スタート・フェイルオーバー状態を保持する

FSFPはファスト・スタート・フェイルオーバーが有効な場合に作成される。

データベース・インスタンス、Data Guard

GCRn脚注 1 

グローバル競合解消スレーブ・プロセス

LMHBにかわって、同期タスクを実行する

GCRnプロセスは、LMHBが同期タスクまたはリソース集中タスクを実行するために必要に応じて開始および停止する一時スレーブのことです。

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

GEN0

一般タスク実行プロセス

SQLとDMLを含む要求されたタスクを実行する

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

GMON

ASMディスク・グループ・モニター・プロセス

マウントされているすべてのASMディスク・グループを監視する

GMONは、ASMインスタンスにマウントされているすべてのディスク・グループを監視し、ディスクのメンバーシップと状態に関する情報の一貫性を保持する。メンバーシップはディスクの追加および削除によって変更され、ディスクの状態はディスクのオフライン化またはオンライン化によって変更される。

ASMインスタンス

GTXn

グローバル・トランザクション・プロセス

Oracle RAC環境でXAグローバル・トランザクションを透過的にサポートする

このプロセスは、クラスタ全体のXAグローバル・トランザクションに関するグローバル情報の保持に役立つ。また、クラスタ内の任意の場所でグローバル・トランザクションに対して2フェーズ・コミットを実行する場合にも役立ち、Oracle RACデータベースは、外部で調整された分散トランザクションに対して単一システムとして動作することができる。

GLOBAL_TXN_PROCESSES初期化パラメータには、GTXnプロセスの数を指定する(nは、0から9またはaからj)。データベースは、XAグローバル・トランザクションのワークロードに基づいてこれらのプロセスの数を自動的に調整する。パラメータに0を設定すると、これらのプロセスを無効にできる。ただし、これらのプロセスを無効にした状態でXAグローバル・トランザクションの実行を試みた場合は、エラーが返される。

関連項目: 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

データベース・インスタンス、Oracle RAC

Innn

ディスクおよびテープI/Oスレーブ・プロセス

DBWR、LGWRまたはRMANバックアップ・セッションのかわりに起動され、I/Oスレーブ・プロセスとして機能する

I/Oスレーブ・プロセスは、非同期I/Oサポートを利用できないプラットフォーム上で構成できる。これらのスレーブを起動するには、サーバー・パラメータ・ファイルで対応するスレーブを有効にするパラメータを設定する。I/Oスレーブは、基になるプラットフォームが非同期I/Oをネイティブ・サポートしていない場合に、非同期I/Oの動作をシミュレートする。

データベース・インスタンス

INSV

Data Guard Brokerインスタンス・スレーブ・プロセス

Oracle RAC環境内のインスタンス間でData Guard Brokerの通信を実行する

DG_BROKER_START初期化パラメータにtrueを設定すると、INSVが作成される。

データベース・インスタンス、Data Guard

Jnnn

ジョブ・キュー・スレーブ・プロセス

ジョブ・コーディネータから割り当てられたジョブを実行する

ジョブ・スレーブ・プロセスは、ジョブが実行される時間にジョブ・コーディネータによって作成または起動される。

ジョブ・スレーブは、ジョブの実行に必要なすべてのメタデータをデータ・ディクショナリから収集する。スレーブ・プロセスはジョブの所有者としてデータベース・セッションを開始し、トリガーを実行し、ジョブを実行する。ジョブが完了すると、スレーブ・プロセスはコミットし、適切なトリガーを実行してセッションをクローズする。他のジョブの実行が必要な場合、スレーブはこの操作を繰り返すことができる。

データベース・インスタンス

LCK0

インスタンス・エンキュー・バックグラウンド・プロセス

グローバル・エンキュー要求とインスタンス間ブロードキャストを管理する

このプロセスは、データ・ブロック以外のリソースに対するすべての要求を処理する。たとえば、LCK0はライブラリ・キャッシュ要求および行キャッシュ要求を管理する。

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

LGWR

ログ・ライター・プロセス

オンラインREDOログにREDOエントリを書き込む

REDOログ・エントリは、システム・グローバル領域(SGA)のREDOログ・バッファに生成される。LGWRは、REDOログ・ファイルにREDOログ・エントリを順番に書き込む。データベースに多重化されたREDOログがある場合、LGWRはREDOログ・ファイルのグループにREDOログ・エントリを書き込む。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

LMD0

グローバル・エンキュー・サービス・デーモン0プロセス

他のインスタンスから受信するリモート・リソース要求を管理する

LMD0プロセスは、グローバル・エンキュー・サービスによって管理されるエンキュー・リソースを処理する。特に、LMD0プロセスは、受信したエンキュー要求メッセージを処理して、グローバル・エンキューへのアクセスを制御する。また、分散デッドロックの検出も行う。

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

LMHB

グローバル・キャッシュ/エンキュー・サービス・ハートビート・モニター

LMON、LMDおよびLMSnプロセスのハートビートを監視する

LMHBは、LMON、LMDおよびLMSnプロセスを監視して、それらがブロッキングまたはスピンなしに正常に実行されるようにする。

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

LMON

グローバル・エンキュー・サービス・モニター・プロセス

Oracle RACクラスタを監視して、グローバル・リソースを管理する

LMONはOracle RAC内のインスタンス・メンバーシップを保守する。また、インスタンス・トランザクションを検出して、GESリソースとGCSリソースを再構成する。

関連項目: 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

LMSn

グローバル・キャッシュ・サービス・プロセス

リソースを管理して、Oracle RACインスタンス間のリソースを制御する

LMSはグローバル・キャッシュ・サービス(GCS)用ロック・データベースとバッファ・キャッシュ・リソースを保持する(nは、0から9またはaからz)。また、GCS要求、ブロック転送およびその他のGCS関連メッセージを受信し、処理し、送信する。

関連項目: 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

LSP0

ロジカル・スタンバイ・コーディネータ・プロセス

Data Guard SQL Applyに対してトランザクションのスケジュールを設定する

LSP0は、Data Guard SQL Applyの起動時に作成される初期プロセスである。LogMinerプロセスとApplyプロセスの管理に加え、LSP0はトランザクション間の依存性を保守し、適用元プロセスとのトランザクションを適切にスケジュール設定する。また、LSP0は、SQL Apply製品全体のランタイム・パラメータの変更を検出し、変更を有効にする。

データベース・インスタンス、Data Guard

LSP1

ロジカル・スタンバイ・ディクショナリ作成プロセス

プライマリ・データベースでロジカル・スタンバイ・ディクショナリの作成を実行する

LSP1プロセスは、新しくプライマリ・データベースになる予定のロジカル・スタンバイ・データベースで起動される。ロジカル・スタンバイ・データベースはスイッチオーバーまたはフェイルオーバーによってプライマリ・データベースになる。ディクショナリは、ロジカル・スタンバイ・データベースが新しいプライマリ・データベースのREDOを解釈するために必要である。

データベース・インスタンス、Data Guard

LSP2

ロジカル・スタンバイ・ガード設定プロセス

データベース・ガードによって保護するデータベース・オブジェクトを決定する

LSP2プロセスは、データベース・ガードによって保護されるオブジェクトのリストを更新するために、SQL Applyの起動時に必要に応じて作成される。

データベース・インスタンス、Data Guard

Lnnn

プール・サーバー・プロセス

データベース常駐接続プーリングでクライアント要求を処理する

データベース常駐接続プーリングでは、クライアントは接続ブローカ・プロセスに接続する。接続がアクティブになると、接続ブローカは互換性のあるプール・サーバー・プロセスに接続を渡す。プール・サーバー・プロセスは、クライアント接続で直接ネットワーク通信を行い、クライアントがサーバーを解放するまで要求を処理する。解放後、接続は監視のためにブローカに戻され、サーバーは他のクライアントに自由に対応できる状態になる。

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンス、データベース常駐接続プーリング

MARK

再同期化用AUマーキング・コーディネータ・プロセス

オフライン・ディスクに対して欠落している書込みを追跡し、ASM割当て単位を失効としてマーキングする

基本的にMARKは、オフライン・ディスクに対して再同期化が必要な程度を追跡する。このプロセスはデータベース・インスタンスで実行され、データベース・インスタンスが最初にASMインスタンスの使用を開始したときに起動される。必要な場合は、ASM冗長性ディスク・グループでディスクがオフラインになったときに、オンデマンドでMARKを起動することもできる。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

MMAN

メモリー・マネージャ・プロセス

インスタンスのメモリー・マネージャとして機能する

このプロセスは、インスタンスのメモリー・コンポーネントのサイズ変更を実行する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

MMNL

管理性モニター・ライト・プロセス

アクティブ・セッション履歴のサンプリング、メトリック計算など、管理性に関するタスクを実行する

MMNLは、セッション履歴の取得、メトリック計算など、管理性に関する多数のタスクを実行する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

MMON

管理性モニター・プロセス

管理性に関する多数のタスクを実行したり、そのスケジュールを設定する

MMONは、Automatic Workload Repositoryのスナップショットの取得、Automatic Database Diagnostic Monitor分析の実行など、管理性に関するタスクを実行する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

Mnnn

MMONスレーブ・プロセス

MMONにかわって、管理性に関するタスクを実行する

Mnnnは、MMONからディスパッチされた管理性に関するタスクを実行する。タスクには、自動ワークロード・リポジトリのスナップショットの取得、Automatic Database Diagnostic Monitor分析の実行などが含まれる。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

MRP0

管理スタンバイ・リカバリ・プロセス

フィジカル・スタンバイ・データベースでのREDOの適用を調整する

MRP0は、フィジカル・スタンバイ・データベースでのREDO適用の開始時に起動される。このプロセスは、REDOの抽出を処理し、フィジカル・スタンバイ・データベースでのREDOの適用を調整する。

関連項目: 『Oracle Data Guard概要および管理』

データベース・インスタンス、Data Guard

MSnn

LogMinerワーカー・プロセス

REDOログ・ファイルを読み取って翻訳し、トランザクションにアセンブルする

複数のMSnnプロセスが存在できる(nは、0から9またはaからZ)。3つ以上のMSnnプロセスがグループとして動作し、LogMinerクライアント(ロジカル・スタンバイ・データベースなど)にトランザクションを提供する。複数のグループ(Downstream Captureセッションなど)が存在する場合もある。

データベース・インスタンス、ロジカル・スタンバイ、Oracle Streams

Nnnn

接続ブローカ・プロセス

データベース常駐接続プーリングでアイドル状態の接続を監視し、アクティブな接続を渡す

データベース常駐接続プーリングでは、クライアントは接続ブローカ・プロセスに接続する。接続がアクティブになると、接続ブローカは互換性のあるプール・サーバー・プロセスに接続を渡す。プール・サーバー・プロセスは、クライアント接続で直接ネットワーク通信を行い、クライアントがサーバーを解放するまで要求を処理する。解放後、接続は監視のためにブローカに戻され、サーバーは他のクライアントに自由に対応できる状態になる。

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンス、データベース常駐接続プーリング

NSAn

REDO転送NSA1プロセス

ASYNC転送用に構成されたリモート・スタンバイ・データベース宛先に、現在のオンラインREDOログからREDOを送る

NSAnは複数プロセスとして実行できる(nは、1から9またはAからV)。

関連項目: 『Oracle Data Guard概要および管理』

データベース・インスタンス、Data Guard

NSSn

REDO転送NSS1プロセス

リモート・スタンバイ・データベース宛先に対してSYNC転送が構成されている場合に、LGWRのスレーブとして動作する

NSSnは複数プロセスとして実行できる(nは、1から9またはAからV)。

関連項目: 『Oracle Data Guard概要および管理』

データベース・インスタンス、Data Guard

NSVn

Data Guard Broker NetSlaveプロセス

Data Guard環境のデータベース間でブローカ・ネットワーク通信を実行する

NSVnは、Data Guard Broker構成が有効な場合に作成される。Data Guard Broker構成内のデータベースと同数のNSVnプロセスを作成できる(nは、0から9およびAからU)。

データベース・インスタンス、Data Guard

OCFn

ASM CF接続プール・プロセス

メタデータ操作用にASMインスタンスへの接続を保持する

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

Onnn

ASM接続プール・プロセス

メタデータ操作用にASMインスタンスへの接続を保持する

Onnnスレーブ・プロセスはオンデマンドで起動される。このプロセスはASMインスタンスと通信する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

PING

インターコネクト待機時間測定プロセス

クラスタ・インスタンス・ペアごとに通信に伴う待機時間を評価する

数秒ごとに、1つのインスタンス内のプロセスから各インスタンスにメッセージが送信される。メッセージは、ターゲット・インスタンス上のPINGにより受信される。ラウンド・トリップにかかる時間が測定および収集される。

データベース・インスタンス、ASMインスタンス、Oracle RAC

PMON

プロセス・モニター

他のバックグラウンド・プロセスを監視し、サーバー・プロセスまたはディスパッチャ・プロセスが異常終了した場合にプロセスのリカバリを実行する

PMONは定期的に次のものをすべてクリーンアップする。

  • 異常終了したプロセス

  • 強制終了されたセッション

  • アイドル・タイムアウトを超過した、連結解除されたトランザクション

  • アイドル・タイムアウトを超過した、連結解除されたネットワーク接続

さらに、PMONは必要に応じて次のプロセスを監視、起動、停止する。

  • ディスパッチャ・プロセスおよび共有サーバー・プロセス

  • ジョブ・キュー・プロセス

  • データベース常駐接続プーリングに対するプール・サーバー・プロセス

  • 再起動可能なバックグラウンド・プロセス

また、PMONは、インスタンスおよびディスパッチャ・プロセスに関する情報をネットワーク・リスナーに登録する役割も果たす。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database Net Services管理者ガイド』

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

Pnnn

パラレル問合せスレーブ・プロセス

SQL文(問合せ、DMLまたはDDL)をパラレル実行する

パラレル問合せには、問合せコーディネータとして動作するフォアグラウンド・プロセス、およびバックグラウンド・プロセスである一連のパラレル・スレーブ(Pnnn)の、2つのコンポーネントがある。バックグラウンド・プロセスは、パラレル文の開始時に起動または再利用される。これらのプロセスは、問合せコーディネータから送信された作業単位を受信して実行する。

Pnnnプロセスの最大数は、初期化パラメータPARALLEL_MAX_SERVERSによって制御される。スレーブ・プロセスには、0からPARALLEL_MAX_SERVERSに設定した値までの番号が付けられる。問合せがGV$の場合、バックグラウンド・プロセスにはPZ99から始まる番号が逆順に付けられる。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

PRnn

パラレル・リカバリ・プロセス

パラレル・リカバリを実行しているコーディネータ・プロセスから割り当てられたタスクを実行する

PRnnは、パラレル・メディア・リカバリを実行しているコーディネータ・プロセスのスレーブ・プロセスとして機能し、コーディネータにより割り当てられたタスクを実行する。このプロセスのデフォルトの数は、CPUの数に基づいている。

データベース・インスタンス

PSP0

プロセス・スポーナ・プロセス

初期のインスタンス起動後にOracleバックグラウンド・プロセスを起動する

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

QMNC

AQコーディネータ・プロセス

AQを監視する

QMNCは、AQおよびOracle Streamsに必要な各種バックグラウンド・アクティビティを容易にする(メッセージの時間管理、非永続キューの管理、リソースのクリーンアップなど)。QMNCは、必要に応じて、これらのタスクを実行するためにQnnnプロセスを動的に起動する。

AQ_TM_PROCESSES初期化パラメータに0が設定されていると、このプロセスは起動しない。データベースによって「警告: AQ_TM_PROCESSESが0に設定されています。システムに悪影響を与える可能性があります。」というメッセージがアラート・ログに書き込まれる。

データベース・インスタンス、アドバンスト・キューイング

Qnnn

AQサーバー・クラス・プロセス

QMNCのために様々なAQ関連のバックグラウンド・タスクを実行する

QnnnはQMNCのスレーブ・プロセスとして動作し、QMNCから割り当てられたタスクを実行する。このプロセスの数は、負荷に基づいてQMNCによって動的に管理される。

データベース・インスタンス

RBAL

ASMリバランス・マスター・プロセス

リバランス・アクティビティを調整する

ASMインスタンスでは、ディスク・グループのリバランス・アクティビティを調整する。データベース・インスタンスでは、ASMディスク・グループを管理する。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

RCBG

結果キャッシュ・バックグラウンド・プロセス

結果キャッシュ・メッセージを処理する

このプロセスは、Oracle RAC内の他のインスタンスに接続しているサーバー・プロセスによって生成された、無効化などのメッセージの処理に使用される。

データベース・インスタンス、Oracle RAC

RECO

リカバリ・プロセス

分散データベースでのネットワークまたはシステムの障害によって保留にされている分散トランザクションを解決する

RECOは保留中のトランザクション表の情報を使用して、インダウト・トランザクションの状態を解決する。ローカルRECOは一定周期でリモート・データベースへの接続を試み、保留中の分散トランザクションのローカル部分のコミットまたはロールバックを自動的に完了させる。RECOによって自動解決されたトランザクションはすべて、保留中のトランザクション表から削除される。

関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database Net Services管理者ガイド』

データベース・インスタンス

RMSn

Oracle RAC管理プロセス

Oracle RACの管理性タスクを実行する

RMSnは様々なタスクを実行する(クラスタに新しいインスタンスが追加された時に、Oracle RACに関連するリソースを作成することなど)。

関連項目: 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

データベース・インスタンス、Oracle RAC

Rnnn

ASMブロック再マッピング・スレーブ・プロセス

読取りエラーのあるブロックを再マッピングする

データベース・インスタンスがASMディスク・グループからの読取り中に、エラーが発生する場合がある。可能な場合、ASMは非同期的にRnnnスレーブ・プロセスをスケジュールして、ミラー・コピーからこの不良ブロックを再マッピングする。

ASMインスタンス

RPnn

取得処理ワーカー・プロセス

一連のワークロード取得ファイルを処理する

RPnnは、DBMS_WORKLOAD_REPLAY.PROCESS_CAPTURE(capture_dir,parallel_level)をコールして起動されるワーカー・プロセスである。各ワーカー・プロセスには処理する一連のワークロード取得ファイルが割り当てられる。

ワーカー・プロセスはパラレル実行され、相互に通信する必要がない。各プロセスは割り当てられたファイルの処理を完了すると、終了して親プロセスに通知する。

ワーカー・プロセスの数は、DBMS_WORKLOAD_REPLAY.PROCESS_CAPTUREparallel_levelパラメータで制御される。デフォルトでは、parallel_levelはNULLに設定されている。ワーカー・プロセスの数は次のように計算される。

SELECT VALUE 
FROM   V$PARAMETER 
WHERE  NAME='cpu_count';

parallel_level1の場合、ワーカー・プロセスは起動されない。

データベース・インスタンス

RSM0

Data Guard Brokerワーカー・プロセス

DMONにかわって、Data Guardに関連する管理タスクの監視を実行する

このプロセスはData Guard Broker構成が有効な場合に作成される。

データベース・インスタンス、Data Guard

RSMN

リモート・スレーブ・モニター・プロセス

Oracle RAC内のリモート・インスタンスで、バックグラウンド・スレーブ・プロセスの作成および通信を管理する

このバックグラウンド・プロセスは、スレーブ・プロセスの作成を管理し、スレーブ・プロセスのコーディネータおよびピアとの通信を管理する。このバックグラウンド・スレーブ・プロセスは、他のクラスタ・インスタンスで実行されている調整プロセスにかわってタスクを実行する。

データベース・インスタンス、Oracle RAC

RVWR

リカバリ・ライター・プロセス

フラッシュバック・データを高速リカバリ領域のフラッシュバック・ログに書き込む

RVWRは、SGA内のフラッシュバック・バッファからフラッシュバック・データをフラッシュバック・ログに書き込む。また、RVWRはフラッシュバック・ログを作成して、フラッシュバック・ログ自動管理用の一部のタスクを実行する。

データベース・インスタンス、フラッシュバック・データベース

SMCO

領域管理コーディネータ・プロセス

様々な領域管理タスクの実行を調整する

このバックグラウンド・プロセスは、様々な領域管理タスクの実行を調整する(事前の領域割当て、領域の再利用など)。SMCOは、これらのタスクを実現するためにスレーブ・プロセス(Wnnn)を動的に起動する。

データベース・インスタンス

SMON

システム・モニター・プロセス

重要なタスク(インスタンス・リカバリ、無効になったトランザクションのリカバリなど)およびメンテナンス・タスク(一時領域の再利用、データ・ディクショナリのクリーンアップ、UNDO表領域の管理など)を実行する。

SMONは、次のタスクを含め、多数のデータベース・メンテナンス・タスクを実行する。

  • 一時表領域のメタデータを作成および管理する

  • 孤立した一時セグメントが使用する領域を再利用する

  • UNDO領域使用統計に基づいてUNDOセグメントをオンライン化、オフライン化または縮小して、UNDO表領域を保持する

  • データ・ディクショナリが一時的で一貫性のない状態である場合にそれをクリーンアップする

  • Oracle Flashback機能のサポートに使用されるSCNと時刻のマッピング表を保持する

Oracle RACデータベースでは、インスタンスのSMONプロセスは、障害が発生した他のインスタンスに対してインスタンス・リカバリを実行できる。

SMONには、バックグラウンド・アクティビティ中に発生した内部および外部のエラーに対するリジリエンスがある。

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンス

Snnn

共有サーバー・プロセス

共有サーバー・アーキテクチャでクライアント要求を処理する

共有サーバー・アーキテクチャでは、クライアントはディスパッチャ・プロセスに接続する。これによって、各接続に対してバーチャル・サーキットが形成される。クライアントがサーバーにデータを送信すると、ディスパッチャはバーチャル・サーキットにデータを受信し、アイドル状態の共有サーバーによって取得される共通キューにアクティブ・サーキットを配置する。共有サーバーはバーチャル・サーキットからデータを読み取り、要求の完了に必要なデータベース作業を実行する。共有サーバーがクライアントにデータを送信する必要がある場合、共有サーバーはデータをバーチャル・サーキットに書き戻し、ディスパッチャがそのデータをクライアントに送信する。クライアント要求の完了後、共有サーバーはバーチャル・サーキットを解放してディスパッチャに戻し、他のクライアントに対応できる状態になる。

いくつかの初期化パラメータは共有サーバーに関連している。主なパラメータは、DISPATCHERSSHARED_SERVERSMAX_SHARED_SERVERSLOCAL_LISTENERREMOTE_LISTENER

関連項目: 『Oracle Database概要』

データベース・インスタンス、共有サーバー

TEMn

ASMディスク・テスト・エラー・エミュレーション・プロセス

指定されたイベントについて、ASMディスク上でのI/Oエラーをエミュレートする

指定されたイベントについて、ASMディスクI/OでのI/Oエラーをエミュレートできる。その対象範囲にはプロセス、インスタンス、さらにクラスタも含まれる。オプションとして、エラー・エミュレーションに一連のAUを選択できる。

ASMインスタンス

VBGn

ボリューム・バックグラウンド・プロセス

ASMインスタンスとオペレーティング・システムのボリューム・ドライバ間で通信する

VBGnは、オペレーティング・システムのボリューム・ドライバから生成されたメッセージを処理し、それをASMインスタンスに送信する。

VBGnは複数プロセスとして実行できる(nは、0から9)。

ASMインスタンス

VDBG

ボリューム・ドライバ・プロセス

ASM要求を転送して、様々なボリューム関連のタスクを実行する

VDBGは、リバランスのためのエクステントのロックまたはアンロック、ボリューム・サイズの変更、ディスクのオフライン化、ディスクの追加または削除、動的ボリューム・マネージャ・ドライバに対するディスク・グループの強制およびディスマウントの各要求を処理する。

ASMインスタンス

VKRM

リソース・マネージャ・プロセス用バーチャル・スケジューラ

リソース・マネージャのアクティビティの集中スケジューラとして機能する

VKRMは、管理対象のすべてのOracleプロセスのCPUスケジュールを管理する。アクティブ・リソース・プランに従って、管理対象のプロセスをスケジュールする。

データベース・インスタンス

VKTM

時間の仮想キーパー・プロセス

時間間隔の測定のために実時間と参照時間を提供する

VKTMは、Oracleインスタンスに対して時間パブリッシャとして機能する。VKTMは時間間隔の測定のために、実時間(秒単位)と、より高度な分解時間(実時間ではない)の2種類の時間を発行する。VKTMタイマー・サービスは時間追跡を集中化して、他のクライアントからの複数のタイマー・コールをオフロードする。

データベース・インスタンスおよびASMインスタンス

VMB0

ボリューム・メンバーシップ・プロセス

ASMボリューム・ドライバにかわってクラスタ・メンバーシップを維持する

ASMボリューム・ドライバにかわって、I/O対応クライアントとしてクラスタ内のメンバーシップを処理する。

ASMインスタンス

Vnnn

ASMボリュームI/Oスレーブ・プロセス

作成中のASMボリュームの内容を初期化する

作成中のASMボリュームの初期化を行う。

ASMインスタンス

Wnnn

領域管理スレーブ・プロセス

様々なバックグラウンド領域管理タスクを実行する(事前の領域割当て、領域の再利用など)

Wnnnプロセスは、バックグラウンドで領域管理タスクを実行するためにスレーブ・プロセスとしてSMCOによって動的に起動される。領域管理タスクには、領域使用率の増加分析に基づいてローカル管理表領域とSecureFilesセグメントに領域を事前割当てすることや、削除されたセグメントの領域を再利用することなどが含まれる。1つのデータベース・インスタンスで、最大10個のWnnnスレーブを実行できる。スレーブは起動されると、自律型エージェントして動作する。タスクの実行が終了すると、スレーブはキューから別のタスクを自動的に取得する。このプロセスは、アイドル状態が長時間続くと終了する。

データベース・インスタンス

XDMG

Exadata自動化マネージャ

Exadataストレージの管理に関連する自動化タスクを開始する

XDMGでは、構成されたすべてのExadataセルで、不良ディスクの交換などの状態変化がないかを監視して、そのようなイベントに必要なタスクを実行します。その主なタスクは、アクセス不可能なディスクおよびセルがないかや、それらが再度アクセス可能になったタイミングを監視すること、およびASM ONLINE操作を開始することです。ONLINE操作は、XDWKによって処理されます。

ASMインスタンス、Exadata

XDWK

Exadata自動化マネージャ

XDMGによって要求される自動化タスクを実行する

ASMディスクのONLINE、DROPおよびADDなどの非同期アクションがXDMGによって要求されると、XDWKが開始されます。非アクティブな状態が5分間続くと、このプロセスは自動的に停止します。

ASMインスタンス、Exadata

Xnnn

ASMディスク除外スレーブ・プロセス

ASMリバランス後のアクティビティを実行する

ASMリバランスの最終段階で、削除されたディスクを除外する。

ASMインスタンス


脚注 1 このバックグラウンド・プロセスは、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)から使用可能です。