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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B61035-04
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レプリケーション用のOracle ACFSコマンドライン・ツール

表13-29に、Oracle ACFSレプリケーション用コマンドの概要を示します。

すべてのプラットフォームでacfsutil helpを実行して、ヘルプ・テキストを表示できます。すべてのプラットフォームでacfsutil versionを実行して、Oracle ACFSのバージョンを表示できます。

Windowsプラットフォームでコマンドにオプションを付けて入力するときには、オプションとともに-のかわりに/を使用します。たとえば、acfsutil -hを使用してLinuxプラットフォームでacfsutilのヘルプを表示できます。Windowsプラットフォームでは、acfsutil /hを使用します。

Windowsオペレーティング・システムでのマウント・ポイントはドライブ文字またはドライブ文字を含むディレクトリのいずれでもよいことに注意してください。

Windowsプラットフォームでドライブ文字マウントポイントをレプリケーション・コマンドで指定するときには、後続のバックスラッシュを使用する必要があります。たとえば、ドライブ文字マウントポイントにp:\ (not p:)を使用します。後続のバックスラッシュを省略する場合、ドライブ文字をそのドライブで最後にアクセスしたパスと置き換えるWindowsパス置換機能がトリガーされます。

表13-29 Oracle ACFSレプリケーション用のコマンドの概要

コマンド 説明

acfsutil repl bg


Oracle ACFSレプリケーション・バックグラウンド・プロセスを開始、停止、または情報を表示します。

acfsutil repl compare


Oracle ACFSファイルシステム上でファイルがレプリケートされていることを確認します。

acfsutil repl info


Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーション・プロセスに関する情報を表示します。

acfsutil repl init


Oracle ACFSファイルシステムのファイルのレプリケーションを開始します。

acfsutil repl pause


Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーションを一時停止します。

acfsutil repl resume


Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーションを再開します。

acfsutil repl sync


プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムを同期します。

acfsutil repl terminate


Oracle ACFSファイルシステムのファイルのすべてのレプリケーション・アクティビティを停止します。

acfsutil repl trace


レプリケーション情報のトレース・レベルを指定します。

acfsutil repl update


レプリケーションの実行中にレプリケーション情報を更新します。


acfsutil repl bg

用途

Oracle ACFSレプリケーション・バックグラウンド・プロセスを開始、停止、または情報を表示します。

構文および説明


acfsutil repl bg -h
acfsutil repl bg {start |stop|info} mount_point

acfsutil repl bg -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-30に、acfsutil repl bgコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-30 acfsutil repl bgコマンドのオプション

オプション 説明

start

レプリケーション・バックグラウンド・プロセスを開始します。

stop

レプリケーション・バックグラウンド・プロセスを停止します。

info

レプリケーション・バックグラウンド・プロセスの情報を表示します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


Oracle ACFSレプリケーションはバックグラウンド・プロセスを使用してファイルシステムの変更を転送し、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムをホストするサイト間で通信し、レプリケーションの処理状況を監視し、ファイルシステムの変更をスタンバイ・ファイルシステムに適用します。これらのバックグラウンド・プロセスはレプリケーションが機能するために実行する必要があります。

レプリケーションがacfsutil repl initコマンドで開始するときに、これらのバックグラウンド・プロセスが開始され、再起動またはシステム・クラッシュ後に自動的に再開するように、Oracle Clusterwareに登録されます。ファイルシステムのマウントおよびアンマウント、またはレプリケーションの初期化後のノード・メンバーシップの変更の際に、Oracle Clusterwareはバックグラウンド・プロセスを自動的に開始および停止するため、通常、acfsutil repl bgコマンドを実行する必要はありません。しかし、いずれかのデーモンが実行していない場合には、レプリケーションは進行できません。この場合、repl bg stop、次にrepl bg startを実行することで、すべてのデーモンが実行しているようになります。

acfsutil bg startにより、レプリケーションに必要なすべてのデーモンが実行しているようになります。デーモンは異なるクラスタ・ノードで実行することができます。acfsutil bg stopにより、ローカル・ノードで実行しているファイルシステム用のデーモンがないようにし、可能な場合はデーモンを別のノードに再配置します。

acfsutil repl bg startまたはacfsutil repl bg stopコマンドを実行するには、システム管理者権限が必要です。acfsutil repl bg infoコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-24に、acfsutil repl bgコマンドの使用を示します。

例13-24 acfsutil repl bgコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl bg start /u01/app/acfsmounts/myacfs

$ /sbin/acfsutil repl bg stop /u01/app/acfsmounts/myacfs

$ /sbin/acfsutil repl bg info /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl compare

用途

Oracle ACFSファイルシステム上でファイルがレプリケートされていることを確認します。

構文および説明


acfsutil repl compare -h
acfsutil repl compare [-a] [-t { all | tagname, ...}]
         primary_mount_point standby_mount_point

acfsutil repl compare -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-31に、acfsutil repl compareコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-31 acfsutil repl compareコマンドのオプション

オプション 説明

-a

すべてのファイルとその拡張された属性名を比較します。

-t { all | tagname, ... }

acfsutil repl init操作で指定されたすべてのファイルまたはタグ名のいくつかを比較します。acfsutil repl init操作で指定されたすべてのタグ名を指定するallオプションタグ名のコンマ区切りのリストは、acfsutil repl init操作中に指定されたタグ名のみに使用できます。

primary_mount_point

プライマリ・ファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。

standby_mount_point

このスタンバイ・ファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl compareコマンドは、プライマリ・マウントポイントのすべてまたは一部がスタンバイ・マウントポイントにレプリケートされたことを確認します。スタンバイ・マウントポイントは、比較のためにローカルにマウントされる必要があります。最適な結果は、プライマリ・ファイルシステムの変更が最小限のときに得られます。

通常、acfsutil repl init操作中に指定されたタグ名がない場合に-aオプションが使用されます。-aオプションは、プライマリ・ファイルシステム上のすべてのファイルをスタンバイ・ファイルシステム上のファイルと比較します。-aオプションも、プライマリには存在しないスタンバイ・ファイルシステム上のその他のファイルをテストします。

acfsutil repl init操作中にタグが指定された場合に-tオプションが使用されます。-t操作では、指定されたタグ名を持つ、プライマリ・ファイルシステム上のすべてのファイル名を配置してスタンバイ上の対応するファイルと比較します。-tオプションは、引数としてallオプションかまたはタグ名のコンマ区切りリストのどちらかをとります。-tオプションがallで使用される場合、acfsutil repl init操作中に指定されたすべてのタグ名が選択されます。そうでない場合、指定されたタグ名は、acfsutil repl init操作中に指定されたタグ名と正確に一致する必要があります。-tオプションも同様に、acfsutil repl init操作中に指定された関連するタグ名を持たないスタンバイ・ファイルシステムのその他のファイルをテストします。acfsutil repl info -cオプションは、acfsutil repl init操作中に指定されるタグを特定するために使用されます。

-aまたは-tのオプションのどちらも提供されない場合、プライマリからスタンバイへのファイル比較はタグ名または拡張属性のテストを行わずに実行されます。

NFSを使用してスタンバイ・ファイルシステムをローカルにマウントする場合、スタンバイは、NFSプロトコル制限のためタグ名と拡張属性の一致をチェックされません。

例13-25に、acfsutil repl compareコマンドの使用を示します。

例13-25 acfsutil repl compareコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl compare /u01/app/acfsmounts/myacfs /nfs_mounted_standby

acfsutil repl info

用途

Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーション・プロセスに関する情報を表示します。

構文および説明


acfsutil repl info -h
acfsutil repl info -c [-v] mount_point
acfsutil repl info -s [-v][-l] [-n number{m|h|d|w|y}]
         [-r start_time[#stop_time]] [-f eventlog] mount_point
acfsutil repl info [-a|-e|-t] [-v][-l]
         [-r start_time[#stop_time]] [-f eventlog] mount_point

acfsutil repl info -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-32に、acfsutil repl infoコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-32 acfsutil repl infoコマンドのオプション

オプション 説明

-a

レプリケーション・イベント・ログから適用レコードのみを表示します。適用レコードには、ファイルシステムの変更のセットがプライマリ・ファイルシステムで取得された日付と時間と、それらがスタンバイ・ファイルシステムで適用された日付と時間が含まれます。

-c

構成情報を表示します。

-e

レプリケーション・イベント・ログからエラー・レコードのみを表示します。

-f eventlog

情報のソースとして使用されるレプリケーション・イベント・ログへのパスを指定します。デフォルトの場所は、mount_point/.ACFS/repl/logs/ReplicationEventsLogです。

-h

ヘルプ・テキストを表示します。

-l

最後のイベントのみを表示します。

-n number{m|h|d|w|y}

情報を表示する間隔を指定します。numberには、分(m)、時間(h)、日(d)、週(w)または年(y)を指定します。たとえば、-n 5dです。

統計は指定した時間単位でまとめられます。

-r start_time[#stop_time]

情報の表示を開始および終了する時間を指定します。時間の形式はyyyy-nn-ddThh:mm:ssです。


yyyy - year
nn - month (01..12)
dd - day (01..31)
hh - hour (00..23)
mm - minute (00..59)
ss - second (00..59)

次に例を示します。

-r 2010-05-05T08:30:00#2010-05-05T15:30:00

-s

統計情報を表示します。このオプションはプライマリ・ファイルシステムで実行するときのみ有効です。統計を意味のあるものにするために、プライマリおよびスタンバイ・ノードがネットワーク・タイム・サービスを実行していることが重要です。

-t

レプリケーション・イベント・ログから転送レコードのみを表示します。

-v

verbose出力を表示します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


レプリケーション構成の情報を表示するには、-cオプションを指定したacfsutil repl infoを使用します。レプリケーション統計の情報を表示するには、-sオプションを指定したacfsutil repl infoを使用します。レプリケーション・イベントの情報を表示するには、-a-eまたは-tオプションを指定したacfsutil repl infoを使用します。

このコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-26に、acfsutil repl infoコマンドの使用を示します。

例13-26 acfsutil repl infoコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl info -c /u01/app/acfsmounts/myacfs

$ /sbin/acfsutil repl info -s -n 5d /u01/app/acfsmounts/myacfs

$ /sbin/acfsutil repl info -a -v /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl init

用途

Oracle ACFSファイルシステムのすべてのファイルまたは指定したタグのリストを持つファイルのみでレプリケーションを開始します。

構文および説明


acfsutil repl init -h

acfsutil repl init primary -s standby_connect_string [tagname...]
     [-m standby_mount_point] [-c primary_service]
     [-d trace_level] [-z {on|off}] mount_point

acfsutil repl init standby -p primary_connect_string
     [-c standby_service] [-d trace_level] mount_point

acfsutil repl init -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-33に、acfsutil repl initコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-33 acfsutil repl initコマンドのオプション

オプション 説明

primary

プライマリ・ファイルシステムのレプリケーションを指定します。

standby

スタンバイ・ファイルシステムのレプリケーションを指定します。

-s standby_conncect_string

スタンバイ・ファイルシステムをホストしているサイトの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。

-p primary_conncect_string

プライマリ・ファイルシステムをホストしているサイトの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。

tagname

レプリケートするファイルのタグ名を指定します。

-m standby_mount_point

スタンバイ・ファイルシステムがマウントされているディレクトリがプライマリ・ファイルシステムと異なる場合にそのディレクトリを指定します。これはプライマリ・ファイルシステムの初期化にのみ有効です。

-c primary_service

プライマリ・ファイルシステムのサービス名を指定します。プライマリ・ファイルシステムがスタンバイ・ファイルシステムとは異なるサービス名を使用している場合に必須です。

-c standby_service

スタンバイ・ファイルシステムのサービス名を指定します。スタンバイ・ファイルシステムがプライマリ・ファイルシステムとは異なるサービス名を使用している場合に必須です。

-d trace_level

レプリケーション・ログのトレース・レベル設定(0..6)を指定します。

-z on|off

レプリケーション・ログの圧縮をオンまたはオフにします。デフォルトでは圧縮はオフです。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。repl init primaryでは、mount_pointはプライマリ・ファイルシステムを指定します。repl init standbyでは、mount_pointはスタンバイ・ファイルシステムを指定します。


acfsutil repl init primaryコマンドが正常に完了すると、指定したすべてのファイルの最初のコピーをスタンバイ・ファイルシステムにレプリケートする処理が開始します。さらに、これらのファイルへの変更や、プライマリ・ファイルシステム上のファイルシステムでその後作成された新しいファイルが取得され、スタンバイ・ファイルシステムに転送されます。しかし、コマンドが正常に完了しても、指定したファイルがスタンバイ・ファイルシステムに完全にコピーされたことは示されません。指定したすべてのファイルのスタンバイ・ファイルシステムへの最初のレプリケーションの進行を監視するには、ユーザーがacfsutil repl info -cコマンドを実行します。

最初のレプリケーション・コピー・プロセスの最初のフェーズは、ファイルシステムのディレクトリ・ツリー構造のスタンバイ・ファイルシステムへの完全なコピーから開始されます。ディレクトリ・ツリー内のファイルはコピーされません。この間、ディレクトリの名前を変更しようとすると失敗することがあります。ディレクトリ・ツリー構造がスタンバイ・ファイルシステムに正常にコピーされた後、レプリケーションの初期化は最初のコピー・プロセスの2番目のフェーズである、レプリケートするすべてのファイルのスタンバイ・ファイルシステムへのコピーを開始します。この最初のレプリケーション・フェーズの間にファイルはスタンバイ・ファイルシステムにコピーされ、そのファイルへの書込みおよび切捨てはブロックされます。

シンボリック・リンク・ファイルはそのままレプリケートされます。シンボリック・リンクが絶対パス名に解決され、そのパス名がスタンバイ・ファイルシステムに存在しない場合、シンボリック・リンクの参照はエラーになります。

新しいサービス名がレプリケーション用に作成される必要があります。+ASMサービス名は使用できません。複数のレプリケートされたファイルシステムがノードまたはクラスタ上にある場合、レプリケートする各ファイルシステムに対して一意のサービス名を指定する必要があります。

レプリケートされているファイルシステムはプライマリまたはスタンバイ・ファイルシステムの1つのパスにのみマウントできます。そうでない場合、複数のパスにマウントされているノード上のいずれかのパスをディスマウントすると、レプリケーション・バックグラウンド・スレッドが停止します。

レプリケートされたOracle ACFSファイルシステムはクラスタ内の同じディレクトリにマウントされる必要があります。ファイルシステムは1つのクラスタ内のすべてのノードにマウントされる必要はありませんが、マウントされる場合は、acfsutil repl initコマンドで指定したディレクトリにマウントする必要があります。さらに、他のノードのそのディレクトリには他のファイルシステムはマウントできません。

1つのOracle ACFSファイルシステムは、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの両方として構成できません。レプリケーションを同じホストまたは同じクラスタ内で構成する場合、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムは同じ名前のマウント・ポイントを使用できません。

プライマリ・ファイルシステムには、ファイルシステムをマウントする各ノードにつき最低4 GB必要です。スタンバイ・ファイルシステムには最低4GB必要です。これは、レプリケートされているデータ量およびプライマリ・ファイルシステムから送信されたレプリケーション・ログに必要なスペースには適切なサイズです。

プライマリとスタンバイ・ファイルシステムにホストしているサイトでは、同じオペレーティング・システムが実行し、同じマシン・アーキテクチャである必要があります。

Oracleウォレットもセキュリティ資格証明を管理するのに使用できます。


関連項目:

  • Oracleウォレットの詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』を参照してください。

  • ウォレットの管理の詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

  • SQLNET.ORAファイルのウォレット・パラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。


このコマンドを実行するには、システム管理者権限が必要です。

例13-27に、acfsutil repl initコマンドの使用を示します。

例13-27 acfsutil repl initコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl init primary 
     -s standby_admin/standby_passwd@standby_repl_site
     -m /standby/repl_data -c primary_repl_service 
     /acfsmounts/repl_data

$ /sbin/acfsutil repl init standby 
    -p primary_admin/primary_passwd@primary_repl_site
    -c standby_repl_service /standby/repl_data

acfsutil repl pause

用途

Oracle ACFSファイルシステムのレプリケーションを一時停止します。

構文および説明


acfsutil repl pause -h
acfsutil repl pause mount_point

acfsutil repl pause -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-34に、acfsutil repl pauseコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-34 acfsutil repl pauseコマンドのオプション

オプション 説明

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl pauseコマンドは、acfsutil repl resumeコマンドが実行されるまで、レプリケーション・プロセスを一時的に停止します。このコマンドはプライマリまたはスタンバイ・ファイルシステムをホストしているサイトのどちらでも実行できます。acfsutil repl pauseの実行後すぐにacfsutil repl resumeを実行して、レプリケーションを再開する必要があります。

acfsutil repl pauseコマンドは、レプリケーション・ログのプライマリ・ファイルシステムからスタンバイ・ファイルシステムへの転送を一時的に停止するのに使用できますが、ログはプライマリ・ファイルシステムで生成され続けます。ログはスタンバイ・ファイルシステムに転送されて適用されるまで、削除されないことに注意してください。

acfsutil repl pauseコマンドは、レプリケーション・ログのスタンバイ・ファイルシステムへの適用を一時的に停止するのに使用できますが、このコマンドはログのスタンバイ・ファイルシステムへの転送は停止しません。ログはファイルシステムに適用されるまで、スタンバイ・ファイルシステムから削除されないことに注意してください。

レプリケーションがプライマリまたはスタンバイ・ファイルシステムをホストしているいずれかのサイトで一時停止しているときも、レプリケーション・ログはスタンバイおよびプライマリ・ファイルシステムで累積され続けます。これらのログはファイルシステム内で使用可能なストレージ容量のすべてを消費する可能性があるので、レプリケーションを一時停止した場合は、ファイルシステムをホストしているサイトの使用可能なストレージを確認する必要があります。累積されたレプリケーション・ログがファイルシステム内の使用可能な容量をすべて消費する前に、acfsutil repl resumeを確実に実行してください。

このコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-28に、acfsutil repl pauseコマンドの使用を示します。

例13-28 acfsutil repl pauseコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl pause /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl resume

用途

一時停止されたOracle ACFSファイルシステムのレプリケーションを再開します。

構文および説明


acfsutil repl resume -h
acfsutil repl resume mount_point

acfsutil repl resume -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-35に、acfsutil repl resumeコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-35 acfsutil repl resumeコマンドのオプション

オプション 説明

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl pauseコマンドの実行後、このコマンドはレプリケーション・プロセスを再開します。acfsutil repl pauseコマンドでレプリケーションを一時停止した後、すぐにこのコマンドを実行する必要があります。

このコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-29に、acfsutil repl resumeコマンドの使用を示します。

例13-29 acfsutil repl resumeコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl resume /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl sync

用途

プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムを同期します。

構文および説明


acfsutil repl sync -h
acfsutil repl sync [apply] mount_point

acfsutil repl sync -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-36に、acfsutil repl syncコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-36 acfsutil repl syncコマンドのオプション

オプション 説明

apply

すべての変更をスタンバイ・ファイルシステムに適用するように指定します。

mount_point

プライマリ・ファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl syncコマンドは、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの状態を同期するのに使用できます。このコマンドは、プライマリ・ファイルシステムをホストしているサイト上でのみ実行できます。

同期された状態がユーザーにわかり、意味のあるものにするためには、最初にアプリケーションを停止してsync(1)コールを実行する必要があります。acfsutil repl syncコマンドにより、すべての未処理のレプリケーション・データがプライマリ・ファイルシステムからスタンバイ・ファイルシステムに送信されます。

この転送が完了するか、またはapplyパラメータを指定した場合はすべての変更がスタンバイ・ファイルシステムに正常に適用されると、acfsutil repl syncコマンドは成功を戻します。この時点で、プライマリ・サイト・クラスタ上の最後のノードがアンマウントされようとしていないかぎり、アプリケーションは再開できます。acfsutil repl syncを使用して、最後のノードのファイルシステムのディスマウントの前に、確実にすべての変更をスタンバイ・ファイルシステムに送信させることができます。

acfsutil repl info -cInitializing状態のプライマリ・ファイルシステムを報告した場合、acfsutil repl syncコマンドは、ファイルシステムでレプリケートされるすべてのファイルがスタンバイ・ファイルシステムに送信されたことを保証しません。acfsutil repl initコマンドの実行前にファイルシステムに存在するファイルは、バックグラウンドでスタンバイ・ファイルシステムに送信されます。

このコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-30に、acfsutil repl syncコマンドの使用を示します。

例13-30 acfsutil repl syncコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl sync /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl terminate

用途

コマンドを実行するサイトで、Oracle ACFSファイルシステムのファイルのすべてのレプリケーション・アクティビティを停止します。

構文および説明


acfsutil repl terminate -h
acfsutil repl terminate primary mount_point
acfsutil repl terminate standby [immediate] mount_point

acfsutil repl terminate -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-37に、acfsutil repl terminateコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-37 acfsutil repl terminateコマンドのオプション

オプション 説明

primary

プライマリ・ファイルシステムのレプリケーションを停止します。

standby

スタンバイ・ファイルシステムのレプリケーションを停止します。

immediate

スタンバイ・ファイルシステムのレプリケーション処理を即時停止します。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl terminateコマンドは、すべてのレプリケーション処理を停止します。レプリケーションを停止する場合、先にプライマリ・ファイルシステム、次にスタンバイ・ファイルシステムのレプリケーションを停止する必要があります。プライマリ・サイトを停止する前にすべての変更がスタンバイ・ファイルシステムに送信されたことを確認する場合は、すべてのアプリケーションを停止し、acfsutil repl syncコマンドを実行します。ファイルシステムをホストしている両方のサイトが利用可能な場合は、両方のサイトでterminateコマンドを実行する必要があります。

acfsutil repl terminate standbyの実行後は、スタンバイ・ファイルシステムを読取り/書込みモードで使用できます。acfsutil repl terminateがプライマリ・ファイルシステムまたはスタンバイ・ファイルシステムのいずれかで実行された後、acfsutil repl initコマンドを使用して最初からレプリケーションを開始する必要があります。

repl terminate standbyコマンドは、スタンバイ・ファイルシステムのレプリケーション・データが適用されるまで待機します。すべてのレプリケーション・データを適用せずにレプリケーションを即時停止する場合は、immediateオプションを使用します。しかし、このオプションではスタンバイ・ファイルシステムに不確定な状態のファイルが残されることがあります。

Oracle ACFSレプリケーションを一時的に停止するには、acfsutil repl pauseコマンド、その後すぐにacfsutil repl resumeコマンドを使用できます。

このコマンドを実行するには、システム管理者権限が必要です。

例13-31に、acfsutil repl terminateコマンドの使用を示します。

例13-31 acfsutil repl terminateコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl terminate /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl trace

用途

Oracle ACFSファイルシステムのトレース情報の収集のレプリケーション・トレース・レベルを設定します。

構文および説明


acfsutil repl trace -h
acfsutil repl trace level mount_point

acfsutil repl trace -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-39に、acfsutil repl traceコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-38 acfsutil repl traceコマンドのオプション

オプション 説明

level

トレース・レベル設定(0..6)を指定します。デフォルトのレベルは2です。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


トレース・レベルを上げると、パフォーマンスに影響する場合があるので、Oracleサポート・サービスの推奨に従い実行する必要があります。

Oracle ACFSレプリケーションのトレース・ファイルは次の場所に保存されます。

GRID_HOME/log/host_name/acfsrepl*
GRID_HOME/log/host_name/client/acfsutil.log

このコマンドを実行するには、システム管理者またはOracle ASM管理者権限が必要です。

例13-32に、acfsutil repl traceコマンドの使用を示します。

例13-32 acfsutil repl traceコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl trace 5 /u01/app/acfsmounts/myacfs

acfsutil repl update

用途

レプリケーションがOracle ACFSファイルシステムで実行している間にレプリケーション情報を更新します。

構文および説明


acfsutil repl update -h
acfsutil repl update
     [-p primary_connect_string ] [-s standby_connect_string] [-z {on|off}]
     mount_point

acfsutil repl update -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表13-39に、acfsutil repl updateコマンドで使用可能なオプションを示します。

表13-39 acfsutil repl updateコマンドのオプション

オプション 説明

-p primary_connect_string

プライマリ・ファイルシステムの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。

-s standby_connect_string

スタンバイ・ファイルシステムの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。

-z on|off

レプリケーション・ログの圧縮をオンまたはオフにします。デフォルトでは圧縮はオフです。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。


acfsutil repl updateコマンドを実行して、レプリケーションの開始後にレプリケーション情報を更新します。このコマンドは、プライマリ・ファイルシステムをホストしているサイト上でのみ実行できます。プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの接続文字列は変更できます。

-p-s、および-zオプションの組合せを指定できますが、少なくとも1つのオプションを指定する必要があります。

レプリケーションの実行中に、-zオプションを使用して圧縮をオンまたはオフにできます。

このコマンドを実行するには、システム管理者権限が必要です。

例13-33に、acfsutil repl updateコマンドの使用を示します。

例13-33 acfsutil repl updateコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl update -s mystandby@oracle.com /u01/app/acfsmounts/myacfs