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Oracle Application Server Adapters for VSAMユーザーズ・ガイド
10g リリース3(10.1.3.4)
B53278-01
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1 概要

Oracle Application Serverは、Oracle Application Server Adapter for VSAM(OracleAS Adapter for VSAM)を介して仮想記憶アクセス方式(VSAM: Virtual Storage Access Method)システムに接続します。OracleAS Adapter for VSAMは接続性を提供し、VSAMシステム上で相互作用を実行します。この項では、OracleAS Adapter for VSAMの機能とアーキテクチャの概要について説明します。

この項の構成は、次のとおりです。

OracleAS Adapter for VSAMの概要

OracleAS Adapter for VSAMは、VSAMを単純なデータベースとSQLフロント・エンドとしてモデル化します。このアダプタは、データソースおよびIBM OS/390またはz/OSシステムに固有です。ダイレクト・アクセスを提供するため、パフォーマンスが向上します。

OracleAS Adapter for VSAMには、次の機能が含まれています。

VSAMデータ

VSAMは、S/370およびVS(Virtual Storage)で最初に使用されたIBM社のディスクのファイル記憶体系です。VSAMは、次の3種類のアクセス方法で構成されます。

  • キー順データ・セット(KSDS: Keyed Sequential Data Set)索引付きファイル

  • 相対レコード・データ・セット(RRDS: Relative Record Data Set)相対ファイル

  • 入力順データ・セット(ESDS: Entry Sequenced Data Set)順次ファイル

これらのVSAMアクセス方法は、アダプタによってサポートされます。

VSAMには、その種類(KSDS、RRDS、ESDS)と索引定義(KSDSのみ)に関する情報は含まれていますが、組込みメタデータ・スキーマはありません。VSAMは、COBOLプログラムによって、スタンドアロン(バッチ・プラグラムとも呼ばれます)またはCICSトランザクションで使用されます。VSAMレコード定義は、通常、COBOLコード内にCOBOLコピーブックとして保持されます。

VSAMデータへのアクセス

OracleAS Adapter for VSAMでは、CICS管理のVSAMデータにアクセス、またはVSAMデータに直接アクセスできます。VSAMクラスタがCICSで管理されている場合、VSAMデータがCICSで管理されていても、パフォーマンスを改善するためにVSAMデータに直接アクセスできますが、VSAMデータへのアクセスは読取り専用になります。したがって、読取り実行中にCICSによって変更内容がバッファリングされるリスクはありません。

OracleAS Adapter for VSAMのアーキテクチャ

OracleAS Adapter for VSAMには、次のコンポーネントが含まれています。

次の図は、OracleAS Adapter for VSAMのコンポーネントを示しています。

図1-1 アダプタのアーキテクチャ

CICS用のOracle Application Serverアダプタのアーキテクチャ
「図1-1 アダプタのアーキテクチャ」の説明

Oracle Application Serverからレガシー・アプリケーションへの統合の流れ

J2CA 1.5 VSAMアダプタは、Oracle Application Serverから受け取ったJ2CA相互作用の起動をXMLフォーマットに変換し、XMLフォーマットをレガシー・サーバー上のOracle Connectに渡します。デーモンは、J2CA 1.5 VSAMアダプタ・クライアントから着信するリクエストをリスニングし、リクエストを処理するためにサーバー・プロセスに割り当てます。接続プーリングの要件など、サーバー・プロセスのプロパティは、デーモン内のワークスペース定義によって設定されます。サーバー・プロセスにはアプリケーション・エンジンのインスタンスが含まれています。このインスタンスがXMLフォーマットをVSAMで理解できる固有の構造に変換し、バックエンド・アダプタに渡します。バックエンド・アダプタは、リポジトリに格納されているバックエンド・アダプタのメタデータとXMLから変換された着信データに基づいて相互作用を作成し、その相互作用をレガシー・アプリケーションに渡します。この実行の結果は、バックエンド・アダプタを使用してアプリケーション・エンジンに戻されます。結果は、XMLに変換され、クライアントに渡されます。