この章では、Simple Network Management Protocol(SNMP)エージェントをインストールする方法について説明します。SNMPエージェントによって、ネットワーク上の様々なコンポーネントのアクティビティを監視できます。次を参照してください。
Oracle Access ManagerはSNMPおよびネットワーク管理システム(NMS)で使用できるデータを提供し、これによりアイデンティティ・サーバーおよびアクセス・サーバーのステータスおよびアクティビティを監視できます。
SNMPエージェントはオプションのコンポーネントです。インストールした場合、SNMPエージェントは、エージェントがインストールされたものと同じサーバー・ホスト上のアイデンティティ・サーバーまたはアクセス・サーバーに関する情報にアクセスします。SNMPエージェントのインストール・プロセスは、他のOracle Access Managerコンポーネントの場合と類似しています。インストール・ディレクトリは次のとおりです。
Windowsのデフォルト: \Program Files\NetPoint_SnmpAgent\snmp
UNIXのデフォルト: /opt/netpoint_snmpagent\snmp
このマニュアルの場合: \SNMP_install_dir\snmp
インストール後のSNMPエージェントの構成の詳細は、『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』を参照してください。
SNMPエージェントは、サービスを実行するOracle Access Managerサーバー、つまりアイデンティティ・サーバーまたはアクセス・サーバーと同じコンピュータにインストールする必要があります。Oracle Access Manager SNMPエージェントは、アイデンティティ・サーバーまたはアクセス・サーバーと同じユーザーとして実行する必要があります。
ネットワーク管理ステーション(NMS)ホストのSNMPデータにはコミュニティ名が必要です。NMSホストのOracle Access Manager SNMPトラップに対しても、トラップ先を構成する必要があります。
SNMPエージェントは専用ユーザーが所有する必要があります。UNIXでは、rootユーザーまたは専用ユーザーのみがエージェント・サービスを起動できます。ほとんどの場合、サーバーはrootまたはnobodyとして実行されます。UNIXでは、ユーザーが属するグループも入力します。
表11-1は、Oracle Access ManagerでSNMPエージェントをインストールする前に満たす必要がある項目のチェックリストです。
表11-1 SNMPの前提条件チェックリスト
チェックリスト | SNMP前提条件 |
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第I部「インストールの計画と前提条件」で説明されている、ユーザーの環境に適用される前提条件および要件がすべて満たされていることを確認する。 |
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第II部「アイデンティティ・システムのインストールおよび設定」のアクティビティをすべて完了する。 |
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第III部「アクセス・システムのインストールおよび設定」のアクティビティをすべて完了する。 |
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ネットワーク管理ステーション(NMS)ホストのSNMPデータにコミュニティ名を作成する。 |
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NMSホストにSNMPトラップのトラップ先を構成する。 |
SNMPエージェントをインストールする方法を次に説明します。
SNMPエージェントのインストールに含まれる手順
SNMPエージェントに固有の点を除き、インストールは、他のOracle Access Managerコンポーネントの場合と類似しています。
管理者権限を持つユーザーとしてログインします。
ソフトウェアのダウンロード時に作成した一時ディレクトリで、コンポーネントのインストーラを検索して起動します。
次に例を示します。
GUIモード
Windows: Oracle_Access_Manager10_1_4_3_0_win32_Snmp_Agent.exe
コンソール・モード
UNIX: ./ Oracle_Access_Manager10_1_4_3_0_sparc-s2_Snmp_Agent
「ようこそ」ダイアログが表示されます。
「次へ」をクリックして「ようこそ」画面を閉じます。
プラットフォームに基づいて管理者権限に関する質問に応答します。
インストール・ディレクトリを指定してから、「次へ」をクリックします。次に例を示します。
\OAM_SnmpAgent
インストール・ディレクトリのサマリーと必要なディスク領域が表示されます。
インストール・ディレクトリを記録して、「次へ」をクリックします。
数秒後、SNMPエージェントがインストールされます。Windowsシステムの場合、Microsoft管理インタフェースが構成されるという通知が表示されます。
Windows: 次の情報を入力してWindowsの「サービス」ウィンドウでこのSNMPエージェントを特定してから、「次へ」をクリックします。次に例を示します。
Windowsサービス名: このSNMPエージェントに一意の名前。
たとえば、SNMP1014という名前を付けた場合、「サービス」ウィンドウに表示される名前はOracle Access Manager SNMP Agent (SNMP1014)となります。
アカウント名: このSNMPエージェントのDomainName\UserName(デフォルトはLocalSystemです)。
パスワード: このアカウントのパスワード。
次に、このSNMPエージェントに固有の詳細を定義するよう求められます。
ここでは、このSNMPエージェントのポート情報およびコミュニティ情報を入力します。
Oracle Access ManagerでSNMP統計の公開に使用するSNMPエージェントTCPポートを入力します。次に例を示します。
6012
これは、特定のアイデンティティ・サーバーまたはアクセス・サーバーでSNMPエージェントを有効化するときに指定するポート番号と同じです。Oracle Access Managerコンポーネントはこのポートと通信してマネージャ・ステーションに統計を公開します。
次に、SNMPエージェントの問合せに使用するネットワーク管理システムで定義されているUDPポートおよびコミュニティ名の指定を求められます。これらはネットワーク・マネージャ・ステーションでこのSNMPエージェントを問い合せるときに使用するものと同じである必要があります。
SNMPエージェントUDPポートおよびコミュニティ名を入力してから、「次へ」をクリックします。
次に例を示します。
次の情報を入力してから、「次へ」をクリックします。
次に例を示します。
マネージャ・ステーション名: ユーザーのステーション名
トラップ・ポート: 162
ここで、このSNMPエージェントに他のマネージャ・ステーションを構成するかどうかを指定する必要があります。
他のマネージャ・ステーションを構成することを示す場合は「はい」(構成しない場合は「いいえ」)をクリックしてから、「次へ」をクリックします。
「はい」の場合、新しいステーションに対して手順3を繰り返し、他のステーションを構成するかどうかの指定を求められます。
「いいえ」の場合、SNMP_install_dir\snmp\tools\setup\setup_agentのツールを後で使用して他のマネージャ・ステーションを手動で構成することもできます。
確認ダイアログが表示されます。
その他のコンポーネントのインストールと同様に、インストールが終了します。
注意: インストール後、最新のパッチ・セットをインストールすることをお薦めします。詳細は、最新のリリース・ノートを参照してください。 |
READMEの情報を確認してから、「次へ」をクリックします。
サマリー画面が表示されます。
このインストールの詳細をまだ準備ワークシートに書き込んでいない場合はここで書き込んでから、「次へ」をクリックしてインストールを終了します。
『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』で説明されているように、SNMPエージェントの構成の準備が整いました。
この章で説明したSNMP監視を使用する以外に、Oracle Enterprise Manager 10g Identity Managementパックでは、すぐに使用できるOracle Access Managerのシステム・モデリングが提供されます。
Oracle Enterprise Managerは、それぞれのコンピューティング環境を管理するための、Oracleと統合された管理ソリューションです。Oracle Enterprise Manager 10g Identity Managementパックを使用すると、1つの手順でOracle Access Managerおよびその他のOracle Identity Managementを検出でき、監視環境をすばやく設定できます。
詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』および『Oracle Enterprise Managerアドバンスト構成』を参照してください。オンライン・ヘルプはOracle Enterprise Managerで使用できます。