ヘッダーをスキップ
Oracle® Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61019-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

C オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成要件

この付録では、作成する必要のあるオペレーティング・システム・グループおよびユーザー、ならびにその作成方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザー

すべてのインストール・タイプには、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

システム上のOracleソフトウェアのすべてのインストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。Oracleソフトウェアを最初にインストールした後は、そのシステムにおける後続のすべてのOracleソフトウェア・インストールに対して同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、個々のインストールに対して異なるOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成することもできます。インストールごとに異なるグループを使用すると、これらの異なるグループのメンバーは、システムのすべてのデータベースではなく関連するデータベースのみを対象とするDBA権限を持ちます。

オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成方法

次の項では、必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。


注意:

ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、ネットワーク情報サービス(NIS)などのディレクトリ・サービスで適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法の詳細は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループがまだ存在しない場合、作成する必要があります。次の項では、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を確認する方法と、必要に応じてOracleインベントリ・グループを作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認

システムに最初にOracleソフトウェアをインストールすると、oraInst.locファイルが作成されます。このファイルにより、Oracleインベントリ・グループの名前とOracleインベントリ・ディレクトリへのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# more /etc/oraInst.loc

このコマンドの出力としてoinstallグループの名前が表示された場合、そのグループはすでに存在します。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループの名前(oinstall)を示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合、次のコマンドを使用してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次の場合、OSDBAグループを作成する必要があります。

  • Oracle Databaseがまだシステムにインストールされていないなど、OSDBAグループが存在しない場合。

  • OSDBAグループは存在するが、新しいOracleインストール環境でオペレーティング・システム・ユーザーの異なるグループにデータベース管理権限を付与する場合。

OSDBAグループが存在しないか、OSDBAグループが新規に必要な場合、次のようにして作成します。dbaという名前のグループがまだ存在していなければ、次のコマンドではそのグループ名を使用します。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(オプション)

データベース管理権限の制限されたセット(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを指定する場合にのみ、OSOPERグループを作成します。ほとんどのインストール環境では、OSDBAグループのみを作成すれば十分です。OSOPERグループを使用する場合、次の環境において作成する必要があります。

  • システムに対するOracle Databaseソフトウェアの最初のインストールであるなど、OSOPERグループが存在しない場合

  • OSOPERグループは存在するが、新しいOracleインストール環境でオペレーティング・システム・ユーザーの異なるグループにデータベース・オペレータ権限を付与する場合

OSOPERグループが新規に必要な場合、次のようにして作成します。operという名前のグループがまだ存在していなければ、次のコマンドでそのグループ名を使用します。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • システムに対するOracleソフトウェアの最初のインストールであるなど、Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、異なるグループ・メンバーシップを持つ異なるオペレーティング・システム・ユーザーを使用するために、新しいOracle Databaseインストール環境でそれらのグループにデータベース管理権限を付与する場合

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの確認

oracleというOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、別のoracleユーザーを作成するかを決定します。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーを使用または変更する前にシステム管理者に連絡してください。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しないか、Oracleソフトウェア所有者ユーザーが新規に必要な場合、次の手順を使用して作成します。oracleという名前のユーザーがまだ存在していなければ、次の手順でそのユーザー名を使用します。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    

    このコマンドのオプションは次のとおりです。

    • -gオプションでは、プライマリ・グループを指定します。このグループは、Oracleインベントリ・グループ(oinstallなど)である必要があります。

    • -Gオプションでは、セカンダリ・グループを指定します。このグループには、OSDBAグループと(必要に応じて)OSOPERグループを含める必要があります。たとえば、dbaまたはdba,operと指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

注意:

特に共有ファイル・システム・ローダーおよびソフトウェア・ライブラリを使用している場合は、すべてのOMSで同じUIDを使用することをお薦めします。UIDが異なる場合、あるOMSで作成されたファイルは、別のOMSで変更できません。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallではない場合、またはそのユーザーが適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーではない場合、次のようなコマンドを入力して設定を変更します。プライマリ・グループを指定するには-gオプションを使用し、必要なセカンダリ・グループを指定するには-Gオプションを使用します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

ユーザーnobodyが存在することの確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順を使用してnobodyユーザーがシステムに存在することを確認します。

  1. ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    

    このコマンドでnobodyユーザーに関する情報が表示された場合、このユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody