Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1.0.1.0) B61023-01 |
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この章では、Enterprise Manager Grid Controlの主要な概念を示し、操作を進める前に知っておく必要のあるインストールおよびアップグレードの重要な側面について説明します。
特に、次の内容について説明します。
注意: この章で説明している主要な概念の他にも、My Oracle Supportノート1073184.1に、インストールとアップグレードの概念およびその他の関連側面についての説明があります。 |
Enterprise Manager Grid Controlソフトウェアは、製品DVDまたはOracle Technology Network(OTN)Webサイトから入手できます。この項では、これらのソースについて説明します。
特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager Grid Controlソフトウェアは、オラクル社のサービス統括責任者または販売代理店を通して入手可能な製品DVDから取得できます。このソフトウェアは、オペレーティング・システムに応じて1枚または複数のDVDに収録されています。
この項では、次の項目について説明します。
ソフトウェアが1枚のDVDに収録されている場合は、DVDをDVDドライブに挿入し、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを手動で実行します(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstaller
を起動し、Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合はsetup.exe
を起動します)。
注意: . Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードの詳細は、「Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードとは」を参照してください。 |
ソフトウェアが複数のDVDに収録されている場合は、次の手順を実行します。
1枚目のDVDをDVDドライブに挿入します。
DVDからZIPファイルをローカル・ディスク上の場所にコピーします。
2枚目のDVDをDVDドライブに挿入します。
DVDからZIPファイルをローカル・ディスク上の同じ場所にコピーします。
両方のZIPファイルの内容を同じ場所に抽出します。
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを実行します(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstaller
を起動し、Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合はsetup.exe
を起動します)。
共有DVDドライブからDVDにアクセスする場合、DVDドライブのマウント・ポイントを設定します。
ほとんどのLinuxオペレーティング・システムでは、DVDをDVDドライブに挿入するとディスクが自動的にマウントされます。ただし、一部のLinuxオペレーティング・システムでは、ディスクを手動でマウントする必要があることがあります。ディスクが自動的にマウントされるかどうかを確認し、自動的にマウントされない場合はディスクを手動でマウントするには、次の手順を実行します。
DVDをディスク・ドライブに挿入します。
ディスクが自動的にマウントされるかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
Red Hat Enterprise Linuxの場合:
# ls /mnt/cdrom
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# ls /media/cdrom
手順(2)のコマンドによりディスクの内容が表示されない場合は、次のコマンドを実行します。
Red Hat Enterprise Linuxの場合:
# mount -t nfs <host name>:/mnt/<full path to the dvdrom>
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# mount -t nfs <host name>:/media/<full path to the dvdrom>
ほとんどのAIXオペレーティング・システムでは、DVDをDVDドライブに挿入するとディスクが自動的にマウントされます。ただし、一部のAIXオペレーティング・システムでは、ディスクを手動でマウントする必要があることがあります。ディスクが自動的にマウントされるかどうかを確認し、自動的にマウントされない場合はディスクを手動でマウントするには、次の手順を実行します。
次のコマンドを実行して、ユーザーをrootユーザーに切り替えます。
$ su -root
ディスクをドライブに挿入します。
注意: 必要に応じて、次のコマンドを入力して、現在マウントされているディスクを取り出し、ドライブから取り除きます。
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次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/mount -rv cdrfs /dev/cd0 /SD_DVD
このコマンド例の/SD_DVD
はディスク・マウント・ポイント・ディレクトリで、/dev/cd0
はディスク・デバイスのデバイス名です。
ディスクの場所を指定するように要求されたら、ディスク・マウント・ポイント・ディレクトリのパスを指定します。たとえば、/SD_DVD
のように指定します。
Enterprise Manager Grid Controlソフトウェアは、OTNから入手できます。OTNで入手可能なソフトウェアは、Info-ZIPの移植性の高いZIPユーティリティを使用してアーカイブされています。このソフトウェアは、オペレーティング・システムに応じて1つまたは複数のZIPファイルに収録されています。ソフトウェアをダウンロードした後、ファイルを抽出するためにUNZIPユーティリティが必要になります。
この項では、次の項目について説明します。
OTNからEnterprise Manager Grid Controlソフトウェアをダウンロードするには、次のURLにアクセスします。
http://www.oracle.com/technology/software/products/oem/index.html
このソフトウェアは、オペレーティング・システムに応じて1つまたは複数のZIPファイルに収録されています。ZIPファイルをローカル・ディスク上の共通の場所にダウンロードします。
ZIPファイルをダウンロードした後、cksum
コマンドをファイルに対して実行し、ダウンロードしたソフトウェアのファイル・チェックサムが、OTNで表示されているファイル・チェックサムと同じであるかどうかを確認します。
ZIPファイルの形式は次のとおりです。
GridControl_11.1.0.0_<platform>.zip (<value> bytes) (cksum - <value>)
(cksum - <value>)の値が、確認する必要のあるファイル・チェックサムです。
ファイル・チェックサムを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ cksum GridControl_11.1.0.1.0_<platform>.zip
注意: ソフトウェアが複数のZIPファイルに収録されている場合は、GridControl_11.1.0.1.0_<platform>_<n>of<n>.zip (<value> bytes) (cksum - <value>)という形式になります。最初の<n>はZIPファイル番号を示し、2番目のnは<n>はダウンロードに使用可能な合計のZIPファイル数を示します。この場合は、ZIPファイルごとにファイル・チェックサムを確認する必要があります。 |
アーカイブは適切なプラットフォーム上で解凍する必要があります。たとえば、Linux x86オペレーティング・システム用のソフトウェアをダウンロードする場合は、Linux x86オペレーティング・システムでファイルを解凍する必要があります。Microsoft Windowsコンピュータでファイルを解凍してから、ステージ領域をLinuxコンピュータに移動すると、ステージング領域のファイルが破損します。これは、Linuxファイル名の大/小文字の区別または許可ビットがMicrosoft Windowsでは保持されないためです。
1つのZIPファイルをダウンロードした場合は、その内容を抽出し、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを手動で実行します(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstaller
を起動し、Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合はsetup.exe
を起動します)。
注意: Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードの詳細は、「Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードとは」を参照してください。 |
複数のZIPファイルを共通の場所にダウンロードした場合は、すべてのZIPファイルの内容を同じ場所に抽出してから、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを手動で実行します(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstaller
を起動し、Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合はsetup.exe
を起動します)。
ヒント: ファイルをDVDに格納する場合は、まずZIPファイルの内容を抽出してから、これらの抽出済ファイルをDVDにコピーします。ZIPファイルそのものをコピーしないでください。インストールの実行には、ZIPファイルの解凍済の内容が必要になります。 |
ZIPファイルの内容を抽出した後、次のファイルにアクセスして、プラットフォーム情報を確認します。ここで、<Software_Location>
は、DVDマウント・ポイントか、またはZIPファイルの内容を抽出したローカル・ディスク上の場所です。
<Software_Location>/stage/shiphomeproperties.xml
32ビットEnterprise Manager Grid Controlソフトウェア(Enterprise Manager Grid ControlとOracle Management Agentの両方)は、32ビット・ハードウェア上で実行されている32ビット・オペレーティング・システムにのみインストールできます。同様に、64ビットEnterprise Managerソフトウェアは、64ビット・ハードウェア上で実行されている64ビット・オペレーティング・システムにのみインストールできます。
32ビット・ソフトウェアを64ビット・プラットフォームにインストールしたり、64ビット・ソフトウェアを32ビット・プラットフォームにインストールしたりしないでください。インストールは続行できますが、最終的には失敗します。このため、適切なプラットフォーム用にダウンロードした正しいソフトウェア・ダウンロードを使用していることを確認してください。
shiphomeproperties.xml
ファイルには、次のようなプラットフォーム情報が含まれます。
<?xml version="1.0" standalone="yes" ?> <ORACLEHOME_INFO> <ARU_PLATFORM_INFO> <ARU_ID>46</ARU_ID> <ARU_ID_DESCRIPTION>Linux x86</ARU_ID_DESCRIPTION> </ARU_PLATFORM_INFO> </ORACLEHOME_INFO>
プラットフォーム情報は、<ARU_ID_DESCRIPTION>
構文で表示されています。表2-1に、この構文で指定されるプラットフォーム名を一覧表示し、その名前が32ビット・ソフトウェアか64ビット・ソフトウェアのどちらを表すかを示します。
表2-1 プラットフォーム情報の確認
プラットフォーム名 | ARU_ID_DESCRIPTIONで指定されたプラットフォーム | 32ビット/64ビット |
---|---|---|
Linux x86 |
Linux x86 |
32ビット |
Microsoft Windows(32ビット) |
Win 32 |
32ビット |
Microsoft Windows(64ビットAMD64) |
win 64 |
64ビット |
Microsoft Windows(64ビットIA) |
Windows Itanium |
64ビット |
Solaris Operating System(SPARC 64ビット) |
Solaris |
64ビット |
HPUX PA-RISC(64ビット) |
HPUNIX |
64ビット |
AIX |
AIX |
64ビット |
HP_IA64 |
HPI |
64ビット |
Linux x86-64 |
Linux AMD |
64ビット |
linux_ia64 |
Linux Itanium |
64ビット |
IBM PowerベースのLinux |
Linux PPC |
64ビット |
linux_zseries64 |
zLinux |
64ビット |
HP Tru64 UNIX |
Decunix |
64ビット |
Solaris Operating System(x86-64) |
Solaris AMD64 |
64ビット |
Solaris Operating System(x86) |
Solaris AMD32 |
32ビット |
Oracle Management Agent(管理エージェント)は、Enterprise Manager Grid Controlのコア・コンポーネントの1つであるため、そのソフトウェアはEnterprise Manager Grid Controlソフトウェアの一部です。Enterprise Manager Grid Controlまたは追加のOracle Management Service(OMS)をインストールすると、インストール・ウィザードにより自動的に管理エージェントがインストールされます。
Enterprise Manager Grid Controlコンソールでは、OMSのOracleホームにすでに存在する管理エージェント・ソフトウェアを使用して追加の管理エージェントをインストールできます。
ただし、OMSのOracleホームにすでに存在する管理エージェント・ソフトウェアは常に、OMSが実行されているバージョンおよびプラットフォーム用のものです。たとえば、OMSがOracle Management Service 11gリリース1であり、Linuxプラットフォーム上で実行されている場合、この場所に存在する管理エージェント・ソフトウェアもLinuxプラットフォーム用のものです。
Oracle Management Service 11gリリース1が実行されているプラットフォームとは別のプラットフォーム用のOracle Management Agent 10gまたはOracle Management Agent 11gリリース1をインストールする場合は、必ず、そのソフトウェアをEnterprise Manager Grid Controlで使用可能なエージェントのダウンロード・アプリケーションで自動的にダウンロードするか、またはOracle Technology Network(OTN)から手動でダウンロードします。
この項では、管理エージェント・ソフトウェアを入手する方法について説明します。特に、次の内容について説明します。
この項では、Enterprise Manager Grid Controlで使用可能な「エージェント・ソフトウェアのダウンロード」アプリケーションを使用して管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。
エージェントのダウンロード・アプリケーションには、Enterprise Manager Grid Controlコンソールを使用してアクセスできます。このアプリケーションを使用して、My Oracle Support Webサイトから管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードできます。
My Oracle Supportの管理エージェント・ソフトウェアは、ZIPファイルの形式で提供されています。デフォルトの場所(OMSのOracleホーム)またはカスタムの場所にダウンロードするように選択できます。
管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
My Oracle Supportの資格証明を設定します。これを行うには、Enterprise Manager Grid Controlで「設定」をクリックします。「設定の概要」ページで、左側にあるメニュー・バーから「パッチ適用設定」をクリックします。詳細は、そのページの「ヘルプ」をクリックしてください。
環境にプロキシ・サーバーがある場合は、プロキシ設定を行います。これを行うには、Enterprise Manager Grid Controlで「設定」をクリックします。「設定の概要」ページで、左側にあるメニュー・バーから「パッチ適用設定」をクリックし、「プロキシと接続の設定」をクリックします。詳細は、そのページの「ヘルプ」をクリックしてください。
ダウンロードの場所(ソフトウェアをダウンロードするディレクトリ)が書込み可能であることを確認します。
Enterprise Manager Grid Controlコンソールを使用して管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードするには、次の手順を実行します。
Enterprise Manager Grid Controlで、「デプロイ」をクリックします。
「デプロイ」ページで、「エージェント・インストール」セクションから「エージェント・ソフトウェアのダウンロード」をクリックします。
「エージェント・ソフトウェアのダウンロード」ページで、「使用可能なエージェント・ソフトウェア」セクションから、ダウンロードする管理エージェント・ソフトウェアを選択します。アプリケーションによってソフトウェアZIPファイルがダウンロードされ、その内容が抽出されてから、ZIPファイルが削除されます。
「プラットフォーム」列は、管理エージェントがサポートされているプラットフォームを示しています。たとえば、Linux x86、Microsoft Windows(32ビット)などです。
プラットフォーム名の最初の部分は、サポートされているオペレーティング・システムの名前を表しています。括弧で囲まれた2番目の部分は、オペレーティング・システムのタイプ(32ビットまたは64ビット)を表しています。
32ビット・ソフトウェアは、32ビット・ハードウェア上で実行されている32ビット・オペレーティング・システムにのみインストールできます。同様に、64ビット・ソフトウェアは、64ビット・ハードウェア上で実行されている64ビット・オペレーティング・システムにのみインストールできます。32ビット・ソフトウェアを64ビット・プラットフォームにインストールしたり、64ビット・ソフトウェアを32ビット・プラットフォームにインストールしたりしないでください。インストールは続行できますが、最終的には失敗します。このため、必ず適切なプラットフォーム用の正しいソフトウェアをダウンロードしてください。
オペレーティング・システムのタイプを判別するには、My Oracle Supportノート421453.1を参照してください。
「バージョン」列は、ダウンロードできる管理エージェントのリリースまたはバージョンを示しています。たとえば、11.1.0.1.0などです。
「このOMSで使用可能」列は、Enterprise Manager Grid ControlにアクセスするOMSのデフォルトの場所に管理エージェント・ソフトウェアがすでに存在しているかどうかを示しています。複数OMSの環境の場合、このOMSは、ページの一番上の「OMS」フィールドに示されているOMSです。
注意: この列は、OMSのデフォルトの場所にソフトウェアが存在しているかどうかのみを示します。デフォルト以外の場所または共有場所にダウンロードされたソフトウェアがあるかどうかを示すものではありません。 |
値はTRUE
かFALSE
のいずれかです。TRUEは、OMSですでにソフトウェアが使用可能であることを示します。再びソフトウェアをダウンロードする必要はありません。FALSEは、OMSでソフトウェアが使用可能でないことを示します。必要に応じてソフトウェアをダウンロードしてください。
サイズ(MB)列は、ダウンロードできるソフトウェアZIPファイルのサイズ(MB)を示しています。
注意: Enterprise Manager Grid Controlによって、実際にZIPファイルがステージング場所にダウンロードされ、その内容が同じ場所に抽出されます。抽出されたすべてのファイルの合計サイズが、ここに示されたサイズより大きくなることがあります。このため、ステージング場所の領域は、ここに示されたサイズの2倍以上は必要です。 |
「ステージングの場所」セクションで、管理エージェント・ソフトウェアをステージングする場所を選択します。
管理エージェント・ソフトウェアをデフォルトの場所(OMSのOracleホーム)にダウンロードする場合は、「デフォルトのロケーション」を選択します。これは、画面の一番上にOracle Management Serviceフィールドに対して表示されています。OMSのデフォルトのダウンロード場所は、<OMS_HOME>/sysman/agent_download/<version>
です。
単一OMSの環境の場合は、Enterprise Manager Grid ControlによってソフトウェアZIPファイルがデフォルトの場所にダウンロードされ、ファイルが同じ場所に抽出されます。続いてZIPファイルが削除され、抽出されたファイルのみが残ります。複数OMSの環境の場合、Enterprise Manager Grid ControlによってソフトウェアZIPファイルがダウンロードされ、ファイルが最初のOMS(画面の一番上の「OMS」フィールドに示されたOMS)に抽出されます。続いてZIPファイルが次のOMSホームにコピーされ、ファイルが同様にその場所に抽出されます。すべてのOMSホームにソフトウェアが格納されると、Grid Controlによって各OMSホームからZIPファイルが削除され、抽出されたファイルのみが残ります。
複数OMSの環境では、環境内のOMSのOracleホーム・ディレクトリにアクセスするための資格証明を指定する必要があります。
管理リポジトリに格納されている優先資格証明を使用する場合は、「Oracleホーム優先資格証明の使用」を選択します。
新しい資格証明セットで優先資格証明を上書きする場合は、「Oracleホーム優先資格証明の上書き」を選択します。このオプションを選択した場合、構成に応じて同じ資格証明または別の資格証明を指定して、環境内のOMSにアクセスできます。
管理エージェント・ソフトウェアをカスタムの場所にダウンロードする場合は、「カスタムの場所」を選択し、目的の場所を指定します。カスタムの場所は、すべてのリモート・ホストおよびOMSからアクセス可能である必要があり、書込み権限が必要です。
この方法は、次のような場合に適しています。
どのOMSでも認識できるマウント済の共有場所がある場合。共有場所は、企業構成内のどこにでも設定できます。
Enterprise Manager Grid ControlによりソフトウェアのダウンロードおよびすべてのOMSでのファイル抽出を自動的に行わない場合。この方法を使用すると、ソフトウェアを特定の場所にダウンロードし、必要に応じて他のOMSにファイルを手動でコピーできます。
カスタムの場所がすでに存在する場合(つまり、手動ですでに作成した場合)、Enterprise Manager Grid ControlによってソフトウェアZIPファイルがその場所にダウンロードされます。しかし、カスタムの場所が存在しない場合は、自動的にディレクトリが作成され、そのディレクトリにソフトウェアがダウンロードされます。デフォルトの場所にソフトウェアのコピーがすでに存在する場合は、ダウンロード用に選択したバージョンでそのコピーが上書きされます。
Enterprise Manager Grid Controlによって、ソフトウェアZIPファイルがカスタムの場所にダウンロードされ、ファイルが同じ場所に抽出されてから、ZIPファイルが削除されます。複数のOMSがある場合は、抽出されたファイルを手動で他のOMSにコピーする必要があります。
「ダウンロード」をクリックして、管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードします。
OTNから管理エージェント・ソフトウェアを手動でダウンロードするには、次のURLにアクセスします。
http://www.oracle.com/technology/software/products/oem/htdocs/agentsoft.html
この項では、インストール・プロセスの基本的な側面について説明します。特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントは、インタラクティブなグラフィック・モードまたはサイレント・モードのいずれかでインストールできます。
このいずれのモードでも、ソフトウェアのみのインストールを実行できます。ソフトウェアのみのインストールは、インストールを構成せずにEnterprise Manager Grid ControlまたはOMSのソフトウェア・バイナリのみをインストールする方式です。この方法は、ソフトウェアをインストールして構成は後で行う場合に適しています。
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードは、Enterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントをグラフィック・モードでインストールまたはアップグレードする際に役立つJavaベースのウィザードです。初めてEnterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントをインストールする場合は、このインストール・ウィザードを使用することを強くお薦めします。
図2-1は、インストール・ウィザードの主要な要素を示しています。
表2-2に、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプを示します。
注意: Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプの手順については、次のURLで入手できる『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。 |
表2-2 Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプ
インストール・タイプ | 説明 | インストールと構成、またはアップグレードが行われるコア・コンポーネント | 参照リンク |
---|---|---|---|
新しいEnterprise Managerシステムのインストール |
管理リポジトリが存在しない動作保証済の既存のOracle Databaseを使用して、Enterprise Manager Grid Controlがインストールされます。 |
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グラフィック・モード 『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』 サイレント・モード |
追加管理サービスの追加 |
既存のEnterprise Manager Grid Control環境に追加のOMSがインストールされます。 |
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グラフィック・モード 『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』 サイレント・モード |
Enterprise Manager 11gへのアップグレード |
次のアップグレードが行われます。
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自動的にOracleホームが検出されて、11gリリース1(11.1.0.1.0)にアップグレードされます。 |
グラフィック・モード 『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』 サイレント・モード |
この項では、Enterprise Manager Grid Controlのインストール時に使用されるデフォルト・ポートについて説明します。特に、次の内容について説明します。
インストールに使用されるデフォルト・ポートを次に示します。
Enterprise Manager Grid Control
Oracle Management Agent
管理エージェント用のデフォルトのアップロード・ポートは、3872です。HTTPとHTTPSの両方に同じポートが使用されます。3872が使用できない場合、1830〜1849の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理サーバー
管理サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7101です。7101が使用できない場合、7101〜7200の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
ノード・マネージャ
ノード・マネージャ用のデフォルトのHTTPSポートは、7401です。7401が使用できない場合、7401〜7500の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理対象サーバー
管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPポートは、7201です。7201が使用できない場合、7201〜7300の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7301です。7310が使用できない場合、7301〜7400の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
Enterprise Manager Grid Controlには、デフォルト・ポートのかわりにカスタム・ポートを使用できる柔軟性が備わっています。
グラフィック・モードでEnterprise Manager Grid Controlをインストールする場合、つまりEnterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを使用する場合は、「ポートのカスタマイズ」画面を使用してカスタム・ポートを指定できます。
サイレント・モードでEnterprise Manager Grid Controlをインストールする場合、つまり第III部「Oracle Management Agentのインストール」に示されているインストール手順を使用する場合は、適切なカスタム・ポートを指定してstaticports.ini
ファイルを更新します。
staticports.ini
ファイルは、インストールDVDの次の場所にあります。
<DVD>/response/staticports.ini
staticports.ini
ファイル内にエラーがあると、インストール・ウィザードで警告が表示されずにデフォルト・ポートが使用されるため、このファイルを更新するときは細心の注意を払ってください。したがって、staticports.ini
ファイルの更新前に、次の点を確認してください。
ポートがコンポーネントまたは他のアプリケーションによってすでに使用されている場合は、staticports.ini
ファイル内にそのポート(使用中のポート)を指定しないでください。すでに使用されているポートを指定すると、関連するコンフィギュレーション・アシスタントも失敗します。
複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合、インストールでは前提条件チェック・フェーズの後にエラーが表示されます。インストールを続行する前に、このエラーを修正する必要があります。
staticports.ini
ファイル内に構文エラーがある場合(等記号(=)文字が欠落している行がある場合)、インストール・ウィザードではその行が無視されます。このような行で指定されたコンポーネントには、インストーラによってデフォルト・ポートが割り当てられます。インストール・ウィザードでは、構文エラーのある行に対する警告は表示されません。
コンポーネント名のスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードではそのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。ファイル内のコンポーネントの名前の大文字/小文字は区別されます。インストール・ウィザードでは、認識されない名前を含む行に対する警告は表示されません。
ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストール・ウィザードではその行が無視され、コンポーネントにデフォルトのポート番号が割り当てられます。このとき、警告は表示されません。
コマンドラインでパラメータのスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードで警告は表示されません。インストールは続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。
コマンドラインでstaticports.ini
ファイルの相対パス(たとえば、./staticports.ini
)を指定した場合、インストール・ウィザードはファイルを見つけられません。警告が表示されずにインストールが続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。staticports.ini
ファイルのフルパスを指定する必要があります。
コマンドラインで指定したパラメータが、実行するインストール・タイプと一致しない場合(たとえば、インフラストラクチャをインストールするのに中間層のパラメータを指定した場合)、インストール・ウィザードで警告は表示されません。インストールは続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。
ポート番号をカスタマイズする際は、次のことに注意してください。
ポート番号は65536以下にする必要があります。
コンポーネントに1024未満のポート番号を使用する場合は、rootユーザーとしてそのコンポーネントを実行する必要があります。
コンポーネントに1024未満のポート番号を使用すると、インストールの終了時にコンポーネントを起動できません。コンポーネントを起動する前に、そのコンポーネントを構成しておく必要があることがあります。
デフォルトでは、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより、英語でEnterprise Manager Grid Controlコンソールがインストールされます。他の言語で表示するには、インストール・ウィザードの「言語の選択」画面で目的の言語を選択します。
注意: ここで選択した言語は、Enterprise Manager Grid Controlコンソールの画面で使用される言語のみを変更します。インストール・ウィザードの画面で使用される言語は変更されません。インストール・ウィザードの画面の言語は、オペレーティング・システムの言語に基づいています。 |
インストールする追加の言語を選択すると、インストール・ウィザードによって、その言語を表示するために必要なフォントもインストールされます。
一部のコンポーネントでは、言語はインストール時に選択した場合にのみインストールされます。この場合、使用可能でない言語でアプリケーションにアクセスすると、ローカル言語に戻ります。
インストール時に選択した言語に関係なく使用可能な言語がインストールされるコンポーネントもあります。ただしこの場合、フォントは、明示的に選択した言語に対してのみインストールされます。アプリケーションにアクセスすると、インストールされた言語でのテキストが使用されます。ただし、テキストを表示するための適切なフォントがない場合、テキストは正方形で表示されます。これは通常、中国語、日本語および韓国語に適用されます。
Oracle Management Repositoryの構成中に作成されるデータ・ファイルを次に示します。
データ・ファイルを削除するには、SYSMAN/MDSスキーマを削除する必要があります。これを行うには、OMSのOracleホームから次のコマンドを実行します。
$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -action dropall -dbUser <repository_database_user> -dbPassword <repository_database_password> -dbRole <repository_database_user_role> -mwHome <middleware_home> -mwOraHome <oms_oracle_home> -oracleHome <oms_oracle_home>
注意:
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スキーマを削除した後、データベース・ファイルmgmt.dbf
およびmgmt_ecm_depot1.dbf
を手動で削除します。
これらのファイルを見つけるには、SYSとして次のコマンドを実行します。
SELECT FILE_NAME FROM DBA_DATA_FILES WHERE UPPER (TABLESPACE_NAME) LIKE 'MGMT%';
Enterprise Manager Grid Controlをインストールするには、前提条件としてOracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)が必要です。この項では、Enterprise Manager Grid Controlをインストールする前に知っておく必要のある、Oracle WebLogic Serverに関連する重要な側面について説明します。特に、次の内容について説明します。
Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、My Oracle Supportノート1063762.1を参照してください。
詳細、ダウンロードおよびデモについては、次のURLにアクセスしてください。
http://www.oracle.com/technology/products/weblogic/index.html
Enterprise Manager Grid Controlをインストールするには、前提条件としてOracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)が必要です。
Oracle WebLogic Serverがインストールされているかどうかを確認するには、Oracle WebLogic ServerのOracleホームにある次のファイルを確認します。
$<ORACL_HOME>/logs/log.txt
log.txtファイルの出力例を次に示します。
release 10.3.2.0 [Added] |_____Common Infrastructure Engineering 6.8.0.0 [Added] | |_____Uninstall [Added] | |_____Patch Client [Added] | |_____Patch Attachment Facility [Added] | |_____Clone Facility [Added] |_____WebLogic Server 10.3.2.0 [Added] | |_____Core Application Server [Added] | |_____Administration Console [Added] | |_____Configuration Wizard and Upgrade Framework [Added] . . . .
Oracle WebLogic Serverクラスタは複数のOracle WebLogic Serverで構成され、それぞれが同時に実行されて互いに連携して動作することで、スケーラビリティと信頼性を高めています。1つのクラスタは、1つのOracle WebLogic Serverインスタンスと考えられます。クラスタを構成する各サーバー・インスタンスは同じホスト上で実行することも、別々のホストに配置することもできます。
Enterprise Manager Grid ControlはOracle WebLogic Serverクラスタにインストールできますが、クラスタ構成を利用することはできません。
Enterprise Manager Grid Controlをインストールするとき、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードでは、既存のOracle WebLogic Serverのソフトウェア・バイナリは使用されますが、使用可能な既存の管理サーバーは使用されません。Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードでは、新しい管理サーバーが作成され、Enterprise Manager Grid Controlソフトウェアがその管理サーバーにデプロイされます。
Enterprise Manager Grid Controlをインストールまたはアップグレードするときと、追加OMSをアップグレードするときには、Oracle WebLogic Serverの資格証明(ユーザー名とパスワード)を指定するように要求されます。資格証明は、Oracle WebLogicドメインおよびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャなど)を作成するために使用されます。
WebLogicユーザー名は、WebLogicドメイン用の管理ユーザーとして使用されるデフォルト・ユーザー名です。デフォルトのユーザー名は、weblogic
です。また、WebLogicパスワードは、このデフォルトの管理ユーザー・アカウントのパスワードです。
Enterprise Manager Grid Controlをインストールまたはアップグレードするときと、追加OMSをアップグレードするときには、デフォルトのノード・マネージャ・ユーザー・アカウントのノード・マネージャ・パスワード(nodemanager
)を指定するように要求されます。このパスワードは、ノード・マネージャを構成するために使用されます。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスをリモートで起動、停止または再起動できます。高可用性の要件のあるアプリケーションには、ノード・マネージャを使用することをお薦めします。
追加のOMSをインストールするには、最初のOMSで使用されている管理サーバーのポートを調べる必要があることがあります。このポートを調べるには、emgc.properties
ファイル内のAS_HTTPS_PORT
パラメータに設定されている値を確認します。このファイルは、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所にあります。
次に例を示します。
/u01/app/Oracle/gc_inst/user_projects/domains/EMGC_DOMAIN/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
追加のOMSをインストールするには、最初のOMSで使用されている管理サーバーが実行されている必要があります。管理サーバーが実行されているかどうかを確認するには、次のURLを使用して管理サーバー・コンソールにアクセスします。
http://host:port/console
ここで、hostはemgc.propertiesファイル内のEM_INSTANCE_HOSTパラメータに指定されている値で、portはAS_HTTPS_PORTパラメータに指定されている値です。このプロパティ・ファイルは次の場所にあります。これは、最初にインストールされたOMS(最初のOMS)のOracleホームです。
<ORACLE_HOME>/gc_inst/user_projects/domains/EMGC_DOMAIN/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
追加のOMSをインストールするには、最初のOMSで使用されている管理サーバーが実行されている必要があります。この管理サーバーが実行されていない場合、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド 11gリリース1(11.1.1)』に示されている手順を使用して管理サーバーを起動してください。
あるいは、次のコマンドを実行して管理サーバーを起動することもできます。このコマンドは基本的にはOMSを起動するために使用するものですが、そのOMSが実行されている管理サーバーも起動します。このため、OMSがすでに実行されていることがわかっていても、このコマンドを実行してください。
emctl start oms
この項では、Enterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントのインストール時に指定する必要のあるインストール・ディレクトリについて説明します。特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager Grid Controlが、インストールする初めてのOracle製品である場合、Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードで、インベントリ・ディレクトリ(oraInventoryディレクトリとも呼ばれる)を指定するように要求されます。
インストール・ウィザードにより、このインベントリ・ディレクトリを使用して、ホスト上にすべてのインストーラ・ファイルおよびディレクトリが配置されます。インベントリ・データを格納するためのサブディレクトリがOracle製品ごとに自動的に設定されます。
OraInventoryディレクトリは、次の2つの方法で指定できます。
インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Grid Controlをインストールするときに、「Oracleインベントリ」画面でOraInventoryディレクトリを指定できます。この画面でディレクトリを指定するときは、OraInventoryディレクトリを所有する適切なオペレーティング・システム・グループ名も選択する必要があります。OraInventoryディレクトリに対する書込み権限があるグループを選択する必要があります。
インストール・ウィザードを使用せずにサイレント・モードでEnterprise Manager Grid Controlをインストールするときに、-invPtrLoc
パラメータを使用してOraInventoryディレクトリを指定できます。このパラメータでは、インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc
)のある場所のパスが考慮されます。たとえば、./runInstaller -invPtrLoc /scratch/OracleHomes/oraInst.loc
などです。
ホストにOracle製品がすでにインストールされている場合、インストーラは、そのOracle製品のインストール中に作成された既存のOraInventoryディレクトリを使用します。そのディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。これを行うには、他のOracle製品をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーと同じユーザーとしてインストーラを実行します。
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Grid Controlまたは追加OMSをインストールするときに、Oracleミドルウェア・ホームの場所を指定する必要があります。
Oracleミドルウェア・ホームは、Oracle WebLogic Serverホーム、Web層インスタンス・ファイル、およびオプションで1つ以上のOracleホームが含まれる親ディレクトリです。OMSおよび管理エージェントは、このディレクトリにデプロイされます。
インストール・ウィザードでは、組込みアルゴリズムを使用してこの場所が特定され、ユーザーが検証できるようにその場所が表示されます。デフォルトのOracleミドルウェア・ホームの場所は、次のとおりです。
/u01/app/Oracle/Middleware
デフォルトの場所を受け入れるか、または書込み権限のある別の場所を選択できます。
注意: Oracleミドルウェア・ディレクトリは、OMSまたはOracle Management AgentのOracleホームとは異なります。Oracleホームの詳細は、「Oracleホームとは」を参照してください。 |
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Grid Controlまたは追加OMSをインストールするときに、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所を指定する必要があります。
Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所は、Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリの下にある、OMSの構成ファイルが格納されるディレクトリです。Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリに書込み権限がない場合は、Oracleミドルウェア・ホーム自体にOracle Management Serviceインスタンス・ベースが作成されます。
インストール・ウィザードでは、組込みアルゴリズムを使用してこの場所が特定され、ユーザーが検証できるようにその場所が表示されます。Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middleware/
であれば、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所はデフォルトで次のようになります。
/u01/app/Oracle/gc_inst
デフォルトの場所を受け入れるか、または書込み権限のある別の場所を指定できます。
Oracleホームは、OMSおよび管理エージェントがインストールされるディレクトリです。デフォルトでは、OMSのOracleホームはoms11g
であり、管理エージェントのOracleホームはagent11g
です。これらのOracleホームはいずれも、Oracleミドルウェア・ホーム内に作成されます。
たとえば、Oracleミドルウェア・ホームとして/u01/app/Oracle/Middleware
を指定した場合、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11g
として作成され、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11g
として作成されます。
注意: Oracleホームは、OraInventoryおよびOracle Management Agentホームとは異なります。OraInventoryディレクトリの詳細は、「Oracleインベントリ・ディレクトリとは」を参照してください。 |
エージェント・デプロイ・ウィザードを使用して管理エージェントをインストールするときに、インストール・ベース・ディレクトリを指定する必要があります。
インストール・ベース・ディレクトリは、管理エージェントのOracleホームが作成されるリモート・ホスト上の親ディレクトリです。
たとえば、インストール・ベース・ディレクトリを/john/oracle/
として指定した場合、管理エージェントのOracleホームは/john/oracle/agent11g
として作成されます。
共有エージェント・デプロイ・ウィザードを使用して管理エージェントをインストールするときに、EMSTATE
ディレクトリを指定する必要があります。
EMSTATEディレクトリは、各リモート・ホスト上に作成されるディレクトリであり、emd.properties
、targets.xml
、ログ・ファイル
などの構成ファイルを格納するために使用されます。
管理エージェント・バイナリを共有する各ホストは、それぞれのEMSTATE
ディレクトリを持ちます。ディレクトリには任意の名前を指定できます。たとえば、emstatedir_11_1
という名前のEMSTATE
ディレクトリを指定できます。
EMSTATEディレクトリの場所は、次の条件を満たしている必要があります。
セキュリティ上の理由から、別々のホスト上のエージェントのEMSTATE
ディレクトリは、マウントされたドライブに置くのではなく、各ホストにローカルにする必要があります。
EMSTATE
ディレクトリには各ホストに関連するターゲットが含まれるため、EMSTATEディレクトリはローカル・ホスト上に配置することを強くお薦めします。
EMSTATEディレクトリの領域の要件は、次のとおりです。
EMSTATE
ディレクトリに必要な初期領域は、1 MBです。
このディレクトリにはすべてのアップロード・ファイル、収集ファイルおよびログ・ファイルが格納されるため、ディレクトリのサイズは拡大していきます。したがって、これらの要因を考慮に入れて、EMSTATE
ディレクトリには十分な領域を割り当てることをお薦めします。
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを起動すると、自動的にいくつかの実行可能ファイルおよびリンク・ファイルがホスト上の一時ディレクトリにコピーされます。たとえば、UNIXホストでは/tmp
ディレクトリが、Microsoft WindowsホストではC:\Temp
がデフォルトで使用されます。
定期的に実行される他の多数のプロセスとともにcron
ジョブを実行するようにホストが設定されている場合、これらのジョブによってデフォルトの一時ディレクトリのクリーンアップが試行されます。このため、一部のファイルが削除され、インストール・ウィザードは失敗します。
ホストで自動的に実行されて一時ディレクトリをクリーンアップするcron
ジョブまたはプロセスがある場合は、必ず、TMP
またはTEMP
環境変数をデフォルトの場所とは別の場所に設定してください。デフォルト以外の場所を設定する場合は必ず、ハード・ドライブ上のセキュアな場所、つまりクリーンアップ・ジョブが実行されない場所に設定してください。また、この代替ディレクトリへの書込み権限を持っていることも確認してください。
これは、インストーラを実行してEnterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを起動する前に行う必要があります(UNIXオペレーティング・システムではrunInstaller
を実行し、Microsoft Windowsではsetup.exe
を実行します)。
注意: 一時ディレクトリの代替場所の指定は必須ではありません。/tmp ディレクトリをクリーンアップするcron ジョブがコンピュータ上に設定されている場合のみ 、指定する必要があります。 |
この項では、Enterprise Manager Grid Controlのコア・コンポーネントとともにインストールされる追加コンポーネントについて説明します。特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントをインストールするときに、Oracle Configuration Managerを有効化するように選択できます。あるいは、Enterprise Manager Grid Controlをインストールした後にOracle Configuration Managerを有効化することもできます。
Oracle Configuration Managerは自動的に、環境から構成情報を定期的に収集して、Oracleリポジトリにアップロードします。これにより、Oracleは環境に関する最新情報を保持し、セキュリティの脆弱性を特定できます。また、サポートの問題を素早く診断し、一貫してよりよいソリューションを提供できます。
ただし、ビジネス情報または個人情報(送信の問題が発生した場合のローカル担当者名を除く)は収集およびアップロードされません。オラクル社は、収集されたすべての情報の機密性が厳密に保持されることを保証しています。また、いかなる状況においても、この情報が第三者と共有されることはありません。
構成情報が自動的に収集されてMy Oracle Supportにアップロードされるように、インストール・ウィザードの実行に使用するホストをインターネットに接続することをお薦めします。
インストール・ウィザードの実行に使用するホストがインターネットに接続されている場合は、インストール・ウィザードの「Oracle Configuration Manager」画面で、My Oracle Supportユーザー名(または電子メール・アドレス)およびパスワードを指定します。
あるいは、電子メール・アドレスのみを指定し、その他のフィールドは空白のままにしておきます。インストールの完了後、手動で構成情報を収集してMy Oracle Supportにアップロードします。構成情報を手動で収集してアップロードする方法の詳細は、「手動による構成情報の収集およびアップロード」に示された手順を参照してください。
Enterprise Manager Grid Controlをインストール後に有効化する場合は、「Enterprise Manager Grid Controlのインストール後のOracle Configuration Managerの有効化」を参照してください。
構成情報を手動で収集するには、次の手順を実行します。
OMSのOracleホームに移動し、次のコマンドを実行します。
$<ORACLE_HOME>/ccr/bin/emCCR collect
Oracle Configuration Manager 10.2.7以上の場合、収集された構成情報は/ccr/hosts/state/upload/ocmconfig.jar
ファイルに格納されます。それより下位のバージョンのOracle Configuration Managerでは、収集された構成情報は/ccr/state/upload/ocmconfig.jar
ファイルに格納されます。次回に同じコマンドを実行すると、ocmconfig.jarファイルは新しいデータで上書きされます。したがって、ocmconfig.jarファイルは常に1つしか存在しません。
ocmconfig.jar
ファイルをMy Oracle Supportのサービス・リクエストにアップロードします。
Oracle Management AgentのOracleホームから、手順(1)および手順(2)を繰り返します。
後でOracle Configuration Managerを有効化するには、次のようにします。
環境変数ORACLE_CONFIG_HOME
をOracle Management Serviceインスタンス・ベースに設定します。Oracle Management Serviceインスタンス・ベースは、OMSの構成ファイルが作成されるディレクトリです。
OMSのOracleホームから、次のコマンドを実行します。
$<ORACLE_HOME>/ccr/bin/setupCCR
Oracle Management AgentのOracleホームから、次のコマンドを実行します。
$<ORACLE_HOME>/ccr/bin/setupCCR
Enterprise Manager Grid Controlまたは追加OMSをインストールまたはアップグレードするときに、ソフトウェア更新をインストールするように選択できます。
ソフトウェア更新には、オラクル社が定期的にリリースする個別パッチ、重要なパッチ更新、前提条件更新、インストール更新などが含まれます。
ソフトウェア更新は、手動でダウンロードするか、またはEnterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードで自動的にダウンロードできます。
ユーザーによる手動ダウンロード: ソフトウェア更新を手動でダウンロードするように選択した場合は、次のユーティリティを実行し、必要な情報を入力します。
<DVD>/install/utility/downloadSWUpdates -u <My_Oracle_Support_Username> -p <My_Oracle_Support_Password>
注意: このユーティリティとともに渡すことができる各種の引数を確認する場合は、次のコマンドを実行します。
|
手動ダウンロードのオプションは、Enterprise Manager Grid Controlまたは追加OMSをサイレント・モードでインストールする場合に最も適しています。グラフィック・モードでインストールする場合でも、このオプションを使用することをお薦めします。
デフォルトでソフトウェア更新がダウンロードされる場所の詳細、およびカスタムの場所にダウンロードする方法の詳細は、「ソフトウェア更新がダウンロードされる場所」を参照してください。
インストール・ウィザードによる自動ダウンロード: Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードで自動的にソフトウェア更新をダウンロードするように選択した場合、インストール・ウィザードの「ソフトウェア更新のインストール」画面で、My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名およびパスワードを指定します。インストール・ウィザードはMy Oracle Supportに接続され、そこから自動的に更新がダウンロードされます。
ダウンロードのメカニズムに応じて、次のいずれかの方法でソフトウェア更新を適用できます。
ユーザーによる手動ダウンロード: ソフトウェア更新を手動でダウンロードした場合は、次のようにします。
サイレント・モード: レスポンス・ファイルを使用してインストーラを起動する前に、レスポンス・ファイルを編集して、INSTALL_UPDATES_SELECTION
パラメータを"staged"
に設定します。次に、STAGE_LOCATION
パラメータにフルパスを指定します。このパスには、ソフトウェア更新が含まれるUpdates
ディレクトリまでを含めます。
グラフィック・モード: Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードの「ソフトウェア更新のインストール」画面で、ソフトウェア更新が含まれるUpdates
ディレクトリまで含めてフルパスを指定します。
インストール・ウィザードによる自動ダウンロード: Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードで自動的にソフトウェア更新をダウンロードして適用するように選択した場合、インストール・ウィザードの「ソフトウェア更新のインストール」画面で、My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名およびパスワードを指定します。インストール・ウィザードはMy Oracle Supportに接続され、そこから自動的に更新がダウンロードされて、インストール中に適用されます。
次の理由から、インストールの進行中に更新を適用することを強くお薦めします。
インストール時にソフトウェア更新が使用可能かどうかを追跡することは困難です。
パッチ番号を追跡し、インストール後に手動で更新をダウンロードして適用するのは面倒なプロセスです。
インストール中にソフトウェア更新を自動的にダウンロードして適用すると、時間と労力を節約でき、重要なソフトウェア更新を逃すことがありません。ただし、製品を削除すると、更新はスクラッチ・パスの場所にあるUpdates
というディレクトリにダウンロードされて格納されます。たとえば、スクラッチ・パスの場所が/scratch/OracleHomes/
の場合、ソフトウェア更新は/scratch/OracleHomes/Updates
にダウンロードされて格納されます。
デフォルトでは、ソフトウェア更新は、一時ディレクトリの場所(たとえば、UNIXでは/tmp
、Microsoft WindowsではC:\Temp
など)にあるUpdates
というサブディレクトリにダウンロードされて格納されます。たとえば、/tmp/Updates
などです。
ソフトウェア更新を一時ディレクトリの場所にダウンロードしない場合は、次のコマンドを実行し、目的のダウンロード場所を指定します。
<DVD>/install/utility/downloadSWUpdates -u <My_Oracle_Support_Username> -p <My_Oracle_Support_Password> -s <Custom_Download_Location>
この項では、インストール・ウィザードで実行されるインストール後のアクティビティについて説明します。特に、次の内容について説明します。
Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Grid Controlまたはそのコア・コンポーネントをインストールまたはアップグレードするとき、インストール・プロセスの終了時に一連のコンフィギュレーション・アシスタントが実行されて、インストール済のコンポーネントが構成されます。これらのコンフィギュレーション・アシスタントを使用してすべてのインストール済コンポーネントを構成して初めて、インストール・プロセスは完了します。
インストール・ウィザードにより実行されるコンフィギュレーション・アシスタントを次に示します。
表2-3 コンフィギュレーション・アシスタント
インストール・タイプ | コンフィギュレーション・アシスタント |
---|---|
新しいEnterprise Managerシステムのインストール (Enterprise Manager Grid Controlインストーラにより提供されるインストール・タイプ) |
|
追加管理サービスの追加 (Enterprise Manager Grid Controlインストーラにより提供されるインストール・タイプ) |
|
Enterprise Manager 11gへのアップグレード (Enterprise Manager Grid Controlインストーラにより提供されるインストール・タイプ) |
|
Oracle Management Agent(このガイドで説明している管理エージェント・インストール方法のいずれかを使用。これは、Enterprise Manager Grid Controlインストーラにより適用されるインストール・タイプではありません。) |
|
注意:
|
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント(agentca
)は、管理エージェントを構成するために構成フェーズ中に実行されるコンフィギュレーション・アシスタントです。
agentcaスクリプトは、管理エージェントを最初のインストール時に構成する場合以外にも、新しくインストールされたターゲットの検出、スタンドアロン管理エージェントからクラスタベース管理エージェントへの変換、クラスタの新規ノードにインストールされたターゲットの検出、およびクラスタベース管理エージェントの再構成を行う場合に使用します。これらの操作の実行方法の詳細は、付録I「Oracle Management Agentの再構成および新規ターゲットの検出」を参照してください。
表2-4に、agentca
スクリプトとともに渡すことができる引数を示します。
表2-5に、コンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合に実行する必要のある処理を示します。
表2-5 コンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合に実行する処理
コンフィギュレーション・アシスタント | 参照先のログ・ファイル | 実行する処理 |
---|---|---|
OMS個別パッチ・アプリケーション |
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
リポジトリ・コンフィギュレーション・アシスタント |
次の場所にあるログ・ファイルを参照します。
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。<ACTION>は、CREATE、TRANSX、MY_ORACLE_SUPPORTなどのスキーマ・アクションを指します。これらのリポジトリ・ログ・ファイルの詳細は、「リポジトリ構成ログ」を参照してください。) |
|
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント |
詳細は、次のログ・ファイルを参照してください。
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
OCM EMリポジトリ・インストゥルメンテーション |
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
OMSコンフィギュレーション・アシスタント |
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
アドオンOMS側の構成 |
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
OMSのOCM構成 |
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。) |
|
エージェント個別パッチ・アプリケーション |
(ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームを指します。) |
|
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント |
(ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームを指します。) secureが失敗した場合、次のログ・ファイルを参照してください。
|
|
OCM構成 |
(ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームを指します。) |
|
エージェント・アドオン・プラグイン |
(ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームを指します。) |
|
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント |
次の場所にあるログ・ファイルを参照します。
(ORACLE_HOMEはOMSのOracleホームを指します。<ACTION>は、PREUPGRADE、UPGRADE、TRANSXなどのスキーマ・アクションを指します。これらのリポジトリ・ログ・ファイルの詳細は、「リポジトリ構成ログ」を参照してください。) |
|
エージェント・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント |
secureが失敗した場合、次のログ・ファイルを参照してください。
(ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームを指します。) |
|
インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Grid Controlをインストールするたびに、一連の前提条件チェックが実行され、環境がインストール成功のための最小要件を満たしているかどうかが確認されます。インストール・ウィザードによって、必要なオペレーティング・システム・パッチ、オペレーティング・システム・パッケージ、カーネル・パラメータを含む様々な要素が確認されます。
次の各項で、これらの前提条件チェックについて説明します。特に、次の内容について説明します。
表2-6に、各種のインストール・タイプに対してEnterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより実行されるデフォルトの前提条件チェックを示します。
表2-6 各種のインストール・タイプに対してEnterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードにより実行される前提条件チェック
インストール・タイプ | 前提条件チェック |
---|---|
|
|
|
|
インストール・ウィザードの起動前に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行できます。これにより、インストールの失敗の原因となる問題を特定して解決できます。
表2-7に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行するために実行する必要のあるコマンドを示します。
表2-7 スタンドアロン・モードでの前提条件チェックの実行
インストール・タイプ | コマンド |
---|---|
|
|
|
|
注意: Microsoft Windowsの場合、/runInstaller をsetup.exe で置き換えてください。また、表2-7のコマンドに示されている<Software_Location>は、Enterprise Managerソフトウェアが含まれている場所です。たとえば、DVDなどです。Oracle Technology Network(OTN)からソフトウェアをダウンロードした場合は、そのダウンロード場所のフルパスを指定します。 |
この項では、Enterprise Manager Grid Controlの使用時に直面する可能性のある制限事項について説明します。特に、次の内容について説明します。
メディア・パック内のインストール・メディアには多数のOracleコンポーネントが含まれていますが、使用できるのは、ライセンスを購入したコンポーネントのみです。Oracleサポート・サービスは、ライセンスを購入していないコンポーネントのサポートは提供しません。
詳細は、次のURLでEnterprise Managerドキュメント・ライブラリにアクセスし、Oracle Enterprise Managerライセンス情報ガイドを参照してください。
DHCP対応のコンピュータではOMSを実行しないでください。Enterprise Manager Grid Controlコンポーネントが正常に機能するために、ネットワーク上で割り当てられている静的なホスト名またはIPアドレスを使用することを強くお薦めします。
詳細は、次のURLにあるMy Oracle Supportノート428665.1を参照してください。
この項では、Enterprise Manager Grid Controlのインストールに関連するその他の概念について説明します。特に、次の内容について説明します。
エージェント・デプロイ・ウィザードの使用中に、次の2つの方法で、Oracle Management Agentをインストールするホストを指定できます。
ホスト名またはIPアドレスを指定します。複数のホスト名は、カンマ、空白または改行を使用して区切ります。
示されているホストのリストを含む外部ファイルを選択します。
必要なすべてのホスト名のリストを含む外部ファイルを選択する場合は、ファイル形式が/etc/hosts
ファイルのようになっていることを確認します。/etc/hosts
ファイルの推奨形式は次のとおりです。
154.87.3.229 host1.foo.com host1 154.87.3.109 host2.foo.com host2 154.80.5.218 host3.foo.com host3
IPv6エントリは、11gリリース1(11.1)の新規インストールのファイル内でサポートされます。ただし、10gリリース4(10.2.0.4)以上から11gリリース1(11.1)へのアップグレードではサポートされません。
注意: RFC 952によると、次のことが前提となっています。名前(ネット、ホスト、ゲートウェイまたはドメイン名)は、アルファベット(A〜Z)、数字(0〜9)、マイナス記号(-)およびピリオド(.)で構成される最大24文字のテキスト文字列です。ピリオドは、ドメイン・スタイル名のコンポーネントの区切り文字としてのみ使用できます。ブランクや空白文字を名前の一部として使用することはできません。大/小文字は区別されません。最初の文字はアルファベット文字にする必要があります。 |
エージェント・デプロイ・ウィザードにより、選択したホスト・リスト・ファイルの最初の列の値のみが選択されます。ホスト・リスト形式が適切であることを確認してください。エージェント・デプロイ・ウィザードでは、選択したファイルに対するこの形式の検証は行われません。
警告: ホストのエントリを重複して指定していなことを確認してください。リスト内に重複するホスト・エントリが存在すると、アプリケーションはハングします。また必ず、SSHが設定されているホストと同じホスト名を使用してください。 |
表2-8に、既存のDBAが管理リポジトリ・スキーマを作成するために必要なSYSDBA権限を示します。
表2-8 リポジトリ・スキーマの作成に必要なSYSDBA権限
オブジェクト名 | 必要な権限 | 権限を付与できるかどうか | 権限を付与するためのコマンド |
---|---|---|---|
dbms_aq |
実行 |
可 |
|
dbms_aqadm |
実行 |
可 |
|
dbms_rls |
実行 |
可 |
|
aux_stats$ |
選択 |
可 |
|
aux_stats$ |
挿入 |
可 |
|
aux_stats$ |
更新 |
可 |
|
aux_stats$ |
削除 |
可 |
|
dbms_random |
実行 |
可 |
|
dbms_redefinition |
実行 |
可 |
|
dbms_lob |
実行 |
可 |
|
dbms_lock |
実行 |
可 |
|
dbms_crypto |
実行 |
可 |
|
dbms_session |
実行 |
可 |
|
dbms_utility |
実行 |
可 |
|
utl_file |
実行 |
可 |
|
アクセス・ポリシー |
適用除外 |
可 |
|
Enterprise Manager Grid Controlまたは管理エージェントのインストール中またはインストール後に少なくとも1回、rootユーザーとしてログインして、oraInstRoot.sh
、allroot.sh
またはroot.sh
を実行するように要求されます。rootユーザーとしてログインする必要がある理由は、スクリプトにより/etc
ディレクトリ内のファイルが編集され、ローカルのbinディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/bin
)内にファイルが作成されます。
インストールが終わるたびに、中央インベントリ(oraInventory)ディレクトリを特定するためのチェックが実行されます。中央インベントリ・ディレクトリは、Oracle製品が初めてホストにインストールされると、インストール・ウィザードによって自動的に作成されるディレクトリです。
注意: 中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上に指定しないでください。中央インベントリがすでに共有ファイル・システム上に存在する場合は、My Oracle Supportノート1092645.1に示されている手順に従って、非共有ファイル・システムに切り替えてください。 |
ホストにOracle製品をまだインストールしていない場合は、中央インベントリからoraInstRoot.sh
スクリプトを実行します。
$Home/oraInventory/oraInstRoot.sh
oraInstRoot.shスクリプトが実行されると、oraInst.loc
ファイルが作成されます。oraInst.loc
ファイルには、中央インベントリの場所が含まれています。
ただし、ホスト上にOracle製品がすでに存在する場合は、次のようにします。
Enterprise Manager Grid Controlまたは追加OMSをインストールする場合は、OMSのOracleホーム(oms11g
)からallroot.shスクリプトを実行します。
<Oracle_Home>/allroot.sh
管理エージェントをインストールする場合は、管理エージェントのOracleホーム(agent11g
)からroot.shスクリプトを実行します。
<Oracle_Home>/root.sh