BPELプロセスの設計が完了した後は、プロセスをコンパイルし、Oracle JDeveloperからOracle BPEL Serverにプロセスをデプロイします。(Oracle BPEL Serverはアプリケーション・サーバーが起動されている場合は起動しています。)コンパイルおよびデプロイが正常に終了した場合は、Oracle BPEL ControlからBPELプロセスを実行および管理できます。詳細は、第13章「Oracle BPEL Process Managerの監視」を参照してください。
デプロイでは、Oracle BPEL Process Managerアーカイブ(プロジェクトのディレクトリ構造に似たディレクトリ構造を持つJARファイル内の一連のファイル)がOracle BPEL Serverに送信されます。デプロイ操作では、プロジェクト・ディレクトリの検証およびBPELアーカイブへのコンパイルが自動的に実行されます。したがって、デプロイ前にプロジェクトの検証、コンパイルおよび再コンパイルを明示的に実行する必要はありません。追加のプロセスのコンパイルおよびデプロイを実行する場合は、その前にOracle BPEL Controlを使用して現在実行中のBPELプロセスを表示します。実行中のBPELプロセスのデプロイが完了するまで待ってから、別のプロセスをデプロイしてください。
初めてBPELプロセスをOracle BPEL Serverにデプロイすると、1.0というデフォルトのバージョン・ラベルが自動的に作成されます。バージョンは、BPELプロセスの特定のデプロイ済インスタンスを識別するためのものです。バージョン・ラベルは、BPELプロセスのデプロイ時に作成されるJARファイル名の最後に追加されます。
このラベル・バージョンがデプロイ済で、サーバー・モードが本番の場合は、既存のバージョンを上書きするか、別のバージョン・ラベルを入力するように求めるプロンプトが表示されます。バージョンを上書きすると、サーバーの古いプロセス定義が新しい定義で置換されます。古い定義には戻せません。また、古い定義で実行されていたプロセス・インスタンスは失効としてマークされます。失効したインスタンスは確認できず、フローおよび監査情報はすべて失われます。新しいプロセス定義に別のバージョン・ラベル(2.0など)を入力した場合、そのバージョン・ラベルはOracle BPEL Serverにデプロイされ、一方、デプロイ済の古いプロセス定義(1.0)もOracle BPEL Serverで同時に実行が続きます。古い定義で実行されていたインスタンスは保持され、失効としてマークされません。これらのインスタンスのフローおよび監査情報は引き続き確認できます。サーバー・モードが開発の場合、プロンプトは表示されず、バージョンは自動的に上書きされます。
開発環境では、常にOracle BPEL Server上の同じバージョンにプロセスをデプロイすることをお薦めします。これによって、プロセスをデフォルトとして明示的にマークする必要がなくなります。この環境では、次のようなライフサイクルに従います。
プロセスを設計します。
プロセスをOracle BPEL Serverにデプロイします(バージョンは1.0です)。これは、あらゆる新規インスタンスのデフォルト・プロセスになります。
必要に応じてプロセスを再設計します。
プロセスをバージョン1.0として再デプロイします(これは古いバージョンを上書きした新しいバージョンですが、バージョン1.0はデフォルト・プロセスのままです)。
本番環境では、新しいバージョンをデプロイする都度、バージョン番号を増分することをお薦めします。たとえば、OrderBookingバージョン1.0が本番環境で実行されている場合、OrderBookingの新しいバージョンはバージョン2.0でデプロイします。プロセスのテストおよび検証を十分に行った時点で、デフォルトとしてマークします。新規インスタンスはデフォルト・バージョンの定義を使用して開始されます。バージョン1.0のすべてのインスタンスがバージョン2.0にシームレスに切り替わります。これによって、プロセスを本番モードで実行できる状態になった時期を判断できます。このシナリオでは、次のようなライフサイクルに従います。
プロセスを設計します。
プロセスを別のバージョン番号でOracle BPEL Serverにデプロイします(たとえば、古いデフォルト・バージョンが1.0の場合はバージョン2.0を使用します)。
プロセスのバージョン2.0をテストします。
バージョン2.0をデフォルト・プロセスとしてマークし、アクティブにします。
BPELプロセスは、デフォルトのドメイン、または統合サーバー接続を使用して作成した他のドメインに直接デプロイできます。ドメインを使用すると、プロセスのインスタンスをパーティション化して管理できます。
BPELプロセスをコンパイルおよびデプロイする手順は、次のとおりです。
アプリケーション・ナビゲータで、デプロイするプロセスのプロジェクト名(JPRファイル)を右クリックします。
「デプロイ」→「my_integration_server_connection」→「defaultドメインにデプロイ」の順に選択します。
「OK」をクリックします。
BPELプロセスがコンパイルされます。
Oracle JDeveloperの下部にあるログ・ウィンドウでエラーを確認します。「メッセージ」タブと「Apache Ant」タブの両方を使用して、メッセージを確認してください。
エラーがない場合、デプロイは成功です。エラーがある場合は、エラーの行をダブルクリックし、エラーの種類と場所について詳細を表示します。
修正し、再度デプロイします。
詳細は、『Oracle BPEL Process Manager開発者ガイド』の次の項目に関する説明を参照してください。
BPELドメインの作成
BPELプロセスのテスト
BPELプロセス・デプロイヤの使用
Oracle JDeveloperでのデプロイを行わないコンパイル
Oracle BPEL Serverのモードの変更
特定のドメインへのBPELスーツケースのデプロイ
特定のドメインからのBPELプロセスのアンデプロイ
BPELプロセスをデプロイするためのビルド・ツールとコンパイラ・コマンドライン・ツールの理解
コンパイルおよびデプロイでは、BPELプロセス・アーカイブとそのコンポーネントがコンパイルされ、BPELスーツケースと呼ばれるJARファイルにパッケージ化されます。このJARファイルには、次のファイルが含まれています。
プロセスのproject_name
.bpel
ファイル実装
project_name
.wsdl
ファイル
bpel.xml
デプロイメント・ディスクリプタ・ファイル
その他必要なローカル・リソース(XMLスキーマ、Javaクラスまたはライブラリなど)
スーツケースJARファイルは、次のディレクトリにデプロイされます。
JDev_Oracle_Home\jdev\mywork\application_name\process_name\output
スーツケースJARファイルの名前は、bpel_
projectname
_
versionnumber
.jar
という規則に従います。
BPELプロセスのコンパイルおよびデプロイを実行した後は、Oracle BPEL Controlを使用して実行中のインスタンスを表示します。ユーザーの入力が必要な場合は、Oracle BPEL Controlで入力を開始できます。詳細は、第13章「Oracle BPEL Process Managerの監視」を参照してください。