リソースやリソースグループの値は管理者によって静的に設定されるため、これらの設定値を変更するには管理上の作業が必要です。RGM では、リソースグループの「状態」が動的に変更されます。次に、このような設定値と状態について説明します。
managed (管理) または unmanaged (非管理) - クラスタ全体に適用されるこの設定値は、リソースグループだけに使用されます。リソースグループは RGM によって管理されます。リソースグループを RGM によって管理または非管理にするには、scrgadm(1M) コマンドを使用します。これらの設定値は、クラスタ再構成では変更されません。
新たに作成したリソースグループの状態は非管理になっています。このグループのいずれかのリソースをアクティブにするためには、リソースグループの状態が管理になっていなければなりません。
スケーラブル Web サーバーなど、ある種のデータサービスでは、ネットワークリソースの起動前や停止後に、あるアクションが必要です。このアクションには、initialization (INIT) と finish (FINI) データサービスメソッドを使用します。INIT メソッドが動作するためには、リソースが置かれているリソースグループが管理状態になっていなければなりません。
リソースグループを非管理から管理の状態に変更すると、そのグループに対して登録されている INIT メソッドがグループの各リソースに対して実行されます。
リソースグループを管理から非管理の状態に変更すると、登録されている FINI メソッドが呼び出され、クリーンアップが行われます。
INIT や FINI メソッドは、一般にスケーラブルサービスのネットワークリソースに対して使用されますが、これらのメソッドは、アプリケーションによって行われない任意の初期設定やクリーンアップにも使用できます。
enabled (有効) または disabled (無効) - クラスタ全体に適用されるこの設定値は、リソースだけに使用されます。リソースを有効または無効にするには、scrgadm(1M) コマンドを使用します。これらの設定値は、クラスタ再構成では変更されません。
リソースの通常の設定では、リソースは有効にされ、システムでアクティブに動作しています。
何らかの理由であるリソースをすべてのクラスタノードで使用不能にする場合は、そのリソースを無効にします。無効にされたリソースは、一般的な使用には提供されません。
online (オンライン) または offline (オフライン) – 動的に変更可能なこの状態は、リソースとリソースグループに適用されます。
これらの状態は、スイッチオーバーやフェイルオーバーで行われるクラスタ再構成手順でクラスタの状態が変わるのに伴って変化します。さらに、これらの状態は、管理アクションによって変更することもできます。リソースやリソースグループをオンラインまたはオフライン状態に変更するには、scswitch(1M) を使用します。
フェイルオーバーリソースまたはリソースグループを、どの時点でも 1 つのノード上でのみオンラインにすることができます。スケーラブルリソースまたはリソースグループは、いくつかのノードではオンラインにし、他のノードではオフラインにすることができます。スイッチオーバーやフェイルオーバーでの間、リソースグループやリソースグループに属するリソースは、あるノードでオフラインにされてから、別のノードでオンラインにされます。
あるリソースグループがオフラインであるなら、そのすべてのリソースもオフラインです。あるリソースグループがオンラインであるなら、有効にされているそのすべてのリソースもオンラインです。
リソースグループはいくつかのリソースを持つことができますが、リソース間には相互依存関係があります。したがって、これらのリソースをオンラインまたはオフラインにするときには、特定の順序で行う必要があります。リソースをオンラインまたはオフラインにするためにメソッドが必要とする時間は、リソースによって異なります。リソースの相互依存関係と起動や停止時間の違いにより、クラスタの再構成では、同じリソースグループのリソースでもオンラインやオフラインの状態が異なることがあります。