Sun Cluster 3.1 の概念

クラスタメンバーシップモニター

クラスタメンバーシップモニター (CMM) はエージェントの分散型セットであり、クラスタメンバーごとに 1 つずつ用意されています。これらのエージェントは、クラスタインターコネクトを介してメッセージを交換して、次の処理を行います。

Sun Cluster ソフトウェアの以前のリリースとは異なり、CMM は完全にカーネルで実行されます。

クラスタメンバーシップ

CMM の主な機能は、特定の時刻にクラスタに属するノードの集合に対して、クラスタ全体の同意を確立することです。この制約をクラスタメンバーシップと呼びます。

クラスタメンバーシップを決定して、最終的にデータの完全性を保証するために、CMM は次のことを行います。

クラスタが複数の独立したクラスタに分割されないように防止する方法については、定足数と定足数デバイスを参照してください。

クラスタメンバーシップモニターの再構成

データが破壊から保護されるように保証するには、すべてのノードが、クラスタメンバーシップに対して一定の同意に達していなければなりません。必要であれば、CMM は、障害に応じてクラスタサービス (アプリケーション) のクラスタ再構成を調整します。

CMM は、クラスタのトランスポート層から、他のノードへの接続に関する情報を受け取ります。CMM は、クラスタインターコネクトを使用して、再構成中に状態情報を交換します。

CMM は、クラスタメンバーシップの変更を検出すると、クラスタの同期化構成を実行します。これにより、クラスタリソースは、クラスタの新しいメンバーシップに基づいて再分配されます。

フェイルファースト機構

CMM は、ノードに重大な問題が発生したことを検出すると、クラスタフレームワークに依頼して、そのノードを強制的に停止 (パニック) 状態にし、クラスタメンバーシップから除きます。この機構を「フェイルファースト」といいます。フェイルファーストでは、ノードは次の 2 つの方法で停止されます。

クラスタデーモンの停止によってノードが停止すると、そのノードのコンソールに次のようなメッセージが表示されます。


panic[cpu0]/thread=40e60: Failfast: Aborting because "pmfd" died 35 seconds ago.
409b8 cl_runtime:__0FZsc_syslog_msg_log_no_argsPviTCPCcTB+48 (70f900, 30, 70df54, 407acc, 0)
%l0-7: 1006c80 000000a 000000a 10093bc 406d3c80 7110340 0000000 4001 fbf0

パニックを発生したノードは、再起動を行ってクラスタに再び結合しようとするか、OpenBootTM PROM (OBP) プロンプトの状態に留まることができます。どちらのアクションをとるかは、OBP の auto-boot? パラメータの設定に依存します。