Sun Cluster 3.1 データサービス開発ガイド

SunPlex Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成

SunPlex Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成できます。SunPlex Agent Builder の詳細については、第 9 章「SunPlex Agent Builder」を参照してください。

Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成

Agent Builder を使って GDS ベースのサービスを作成する方法
  1. SunPlex Agent Builder を起動します。


    # /usr/cluster/bin/scdsbuilder
    
  2. 「SunPlex Agent Builder」パネルが表示されます。

    「SunPlex Agent Builder」ダイアログ - Agent Builder メイン画面
  3. 「ベンダー名」にベンダー名を入力します。

  4. 「アプリケーション名」にアプリケーション名を入力します。


    注 –

    「ベンダー名」と「アプリケーション名」の合計は 9 文字以内でなければなりません。この組み合わせは、起動スクリプトのパッケージ名として使用されます。


  5. 作業ディレクトリに移動します。

    「ブラウズ」のプルダウンを使用すれば、パスを入力する代わりにディレクトリを選択することができます。

  6. データサービスがスケーラブルなのかフェイルオーバーなのかを選択します。

    GDS を作成するときには「ネットワーク認識」がデフォルトですので、これを選択する必要はありません。

  7. 「GDS」を選択します。

  8. 「作成」ボタンをクリックして起動スクリプトを作成します。

  9. サービスの作成結果が「SunPlex Agent Builder」パネルに表示されます。「作成」ボタンが無効になります。「進む」ボタンを押します。

    情報入力後の Create 画面
起動スクリプトを構成する方法

起動スクリプトを作成したなら、SunPlex Agent Builder を使って新しいサービスを構成する必要があります。

  1. 「進む」ボタンをクリックすると、構成パネルが表示されます。

  2. 起動コマンドの場所を入力するか、「ブラウズ」ボタンを使って起動コマンドの場所を選択します。

  3. (省略可能) 停止コマンドを入力するか、「ブラウズ」ボタンを使って停止コマンドの場所を選択します。

  4. (省略可能) 検証コマンドを入力するか、「ブラウズ」ボタンを使って検証コマンドの場所を選択します。

  5. (省略可能) 起動、停止、検証コマンドのタイムアウト値を指定します。

  6. 「構成」をクリックして起動スクリプトの構成を開始します。


    注 –

    このパッケージ名は、ベンダー名とアプリケーション名が結合したものです。


    起動スクリプトのパッケージが作成され、次の場所に格納されます。


    <working-dir>/<vendor_name><application>/pkg
    
    たとえば、/export/wdir/NETapp/pkg のようになります。

  7. 完成したパッケージをクラスタのすべてのノードにインストールします。


    # cd /export/wdir/NETapp/pkg 
    # pkgadd -d . NETapp
    

  8. pkgadd の実行で次のファイルがインストールされます。


    /opt/NETapp 
    /opt/NETapp/README.app 
    /opt/NETapp/man 
    /opt/NETapp/man/man1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/removeapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/startapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/stopapp.1m 
    /opt/NETapp/man/man1m/app_config.1m 
    /opt/NETapp/util 
    /opt/NETapp/util/removeapp 
    /opt/NETapp/util/startapp 
    /opt/NETapp/util/stopapp 
    /opt/NETapp/util/app_config


    注 –

    マニュアルページとスクリプト名は、上で入力したアプリケーション名の前にスクリプト名を付けたものです。たとえば、startapp のようになります。


    マニュアルページを表示するには、マニュアルページへのパスを指定する必要があります。たとえば、startapp のマニュアルページを表示する場合は、次のように入力します。


    # man -M /opt/NETapp/man startapp
    
  9. クラスタのいずれかのノードでリソースを構成し、アプリケーションを起動します。


    # /opt/NETapp/util/startapp -h <logichostname> -p <port and protocol list>
    

    起動スクリプトの引数は、リソースのタイプがフェイルオーバーかスケーラブルかで異なります。カスタマイズしたマニュアルページを検査するか、起動スクリプトを引数なしで実行して引数リストを入手してください。


    # /opt/NETapp/util/startapp 
     The resource name of LogicalHostname or SharedAddress must be specified. 
     For failover services: 
     Usage: startapp -h <logical host name> 
              -p <port and protocol list> 
              [-n <ipmpgroup/adapter list>] 
     For scalable services: 
     Usage: startapp  
              -h <shared address name> 
              -p <port and protocol list> 
              [-l <load balancing policy>]  
              [-n <ipmpgroup/adapter list>] 
              [-w <load balancing weights>]

SunPlex Agent Builder の出力

SunPlex Agent Builder は 3 つの起動スクリプトと、パッケージ作成時の入力内容に基づいた構成ファイルを生成します。構成ファイルには、リソースグループとリソースタイプの名前が指定されます。

生成される起動スクリプトは次のとおりです。

これらの起動スクリプトのインタフェースや動作は、SunPlex Agent Builder によって非 GDS ベースのエージェント用に作成されるユーティリティスクリプトのものと同じです。これらのスクリプトは、複数のクラスタで再利用できる Solaris にインストール可能なパッケージとしてパッケージ化されます。

構成ファイルをカスタマイズすれば、リソースグループの名前など、一般には scrgadm コマンドへの入力として指定されるパラメータを独自に設定できます。スクリプトをカスタマイズしないと、SunPlex Agent Builder が scrgadm のパラメータに対し妥当なデフォルトを 設定します。