Sun Cluster 3.1 データサービス開発ガイド

構成の確認

DNS が動作するためには、構成ディレクトリ内の named.conf ファイルからの情報が必要です。したがって、Start メソッドは、DNS を起動しようとする前にいくつかの妥当性検査を実行し、ディレクトリやファイルがアクセス可能であるかどうかを確認します。

Confdir 拡張プロパティは、構成ディレクトリへのパスを提供します。プロパティ自身は RTR ファイルに定義されています。しかし、実際の位置は、クラスタ管理者がデータサービスを構成するときに指定します。

サンプルのデータサービスでは、Start メソッドは scha_resource_get(1HA) コマンドを使用して構成ディレクトリの位置を取得します。


注 –

Confdir は拡張プロパティであるため、scha_resource_get はタイプと値の両方を戻します。したがって、awk(1) コマンドで値だけを取得し、シェル変数 CONFIG_DIR に格納します。



# クラスタ管理者がリソースの追加時に設定した Confdir の値を検索。
config_info=`scha_resource_get -O Extension -R $RESOURCE_NAME \
-G $RESOURCEGROUP_NAME Confdir`

# scha_resource_get は、拡張プロパティの値とともにタイプを返す。
# 拡張プロパティの値だけを取得。
CONFIG_DIR=`echo $config_info | awk '{print $2}'`

次に、Start メソッドは CONFIG_DIR の値を使用し、ディレクトリがアクセス可能であるかどうかを確認します。アクセス可能ではない場合、Start メソッドはエラーメッセージを記録し、エラー状態で終了します。Start の終了状態 を参照してください。


# $CONFIG_DIR がアクセス可能かどうか確認。
if [ ! -d $CONFIG_DIR ]; then
   logger -p ${SYSLOG_FACILITY}.err \
         -t [$SYSLOG_TAG] \
         "${ARGV0} Directory $CONFIG_DIR is missing or not mounted"
   exit 1
fi

アプリケーションデーモンを起動する前に、このメソッドは最終検査を実行し、named.conf ファイルが存在するかどうかを確認します。存在しない場合、Start メソッドはエラーメッセージを記録し、エラー状態で終了します。


# データファイルに相対パス名が含まれている場合は $CONFIG_DIR 
# ディレクトリに移動。
cd $CONFIG_DIR

# named.conf ファイルが存在することを確認。
if [ ! -s named.conf ]; then
   logger -p ${SYSLOG_FACILITY}.err \
         -t [$SYSLOG_TAG] \
         "${ARGV0} File $CONFIG_DIR/named.conf is missing or empty"
   exit 1
fi