Sun Cluster Data Service for Sun Java System Web Server ガイド (Solaris OS 版)

Sun Java System Web Server のインストールと構成

この節では、以下の作業の手順について解説します。


注 –

Web サーバーに対する URL マッピングの設定では、いくつかの規則に従う必要があります。 たとえば、CGI ディレクトリを設定する場合、可用性を維持するには、マップしたディレクトリをクラスタファイルシステムに配置する必要があります。 たとえば、CGI ディレクトリを /global/pathname /cgi-bin にマップします。

CGI プログラムが、RDBMS などのバックエンドサーバーにアクセスする場合は、バックエンドサーバーも Sun Cluster によって制御されていることを確認してください。 バックエンドサーバーが Sun Cluster ソフトウェアによってサポートされる RDBMS の場合は、高可用性 RDBMS パッケージを使用してください。 バックエンドサーバーは、API を使用して Sun Cluster の制御下に置くこともできます。API については、『Sun Cluster Data Services Developer's Guide for Solaris OS』を参照してください。


Sun Java System Web Server のインストール

この手順を実行するには、お使いの構成に関する以下の情報が必要です。


注 –

Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server サービスと別の HTTP サーバーを実行しており、これらが同じネットワークリソースを使用している場合は、それぞれ異なるポートで待機するように構成してください。 異なるポートで待機するように構成しないと、2 つのサーバーの間でポートの競合が発生します。


  1. クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  2. インストールを開始します。

    • Sun Java System Web Server を Solaris 8 にインストールする場合は、CD のインストールディレクトリから Sun Java System Web Server に setup コマンドを実行します。

    • Solaris 9 とパッケージされた Sun Java System Web Server をインストールする場合は、インストール CD の手順に従います。


    注 –

    Solaris 9 とパッケージされた Sun Java System Web Server をインストールする場合は、システムの再起動時に Web サーバーの自動開始を有効にしないでください


  3. プロンプトが表示されたら、Sun Java System Web Server バイナリをインストールする場所を入力します。

    インストール場所には、クラスタファイルシステム上またはローカルディスク上の場所を指定します。 ローカルディスク上にインストールする場合は、次の手順で指定するネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) の主ノードとなる可能性があるすべてのクラスタノードに Web サーバーインストールします。

  4. マシン名の入力プロンプトに対して、Sun Java System Web Server が依存する論理ホスト名と適切な DNS ドメイン名を入力します。

    完全な論理ホスト名は、 network-resource.domainname の形式になります (例: schost-1.sun.com )。


    注 –

    Sun Cluster HA for Sun Java System Web Server のフェイルオーバーを正常に実行するには、マシン名の入力時に、物理ホスト名ではなく、論理ホスト名または共有アドレスリソース名のどちらかを指定します。


  5. 問い合わせが表示されたら、「Run admin server as root」を選択します。

    Sun Java System インストールスクリプトが管理サーバー用として選択したポート番号を書き留めてください。 管理サーバーを使用して Sun Java System Web Server のインスタンスを構成するときに、このデフォルト値を使用できます。 デフォルト値を使用しない場合は、別のポート番号を指定できます。

  6. 問い合わせが表示されたら、サーバー管理者 ID とパスワードを入力します。

    システムのガイドラインに従います。

    管理サーバーが起動されることを示すメッセージが表示されたら、構成の準備は完了です。

Sun Java System Web Server の構成

この手順では、Sun Java System Web サーバーのインスタンスの可用性を高める構成方法について解説します。 この手順では、Web ブラウザを使用します。

この手順を実行するには、次の情報を確認しておく必要があります。

  1. Sun Java System Web Server をスケーラブルデータサービスとして構成する場合は、すべてのノードのローカルディスクに、ログ、エラーファイル、PID ファイルを格納するディレクトリを作成し、Sun Java System Web Server で管理するように設定します。

    スケーラブル構成を正常に稼動するには、これらのファイルをクラスタファイルシステムではなく、クラスタの各ノードに配置する必要があります。 共有の記憶装置は、Sun Java System Web Server をフェイルオーバーデータサービスとして構成する場合以外は使用しません。

    クラスタ内のすべてのノードにおいて、ローカルディスクの同じ場所を選択します。 mkdir -p コマンドを使用してディレクトリを作成します。 このディレクトリの所有者は nobodyにします。

    次の例に、この手順を行う方法を示します。


    phys-schost-1# mkdir -p /var/pathname/http-instance/logs/
    

    注 –

    エラーログや PID ファイルが大きくなると予想される場合、/var ディレクトリの容量は小さいので、このディレクトリに格納してはいけません。 その代わりに、大きなファイルを格納できるだけの十分な容量を持つパーティションに新しいディレクトリを作成します。


  2. 管理ワークステーションまたはクラスタノードから Netscape ブラウザを起動します。

  3. 1 つのクラスタノード上で、ディレクトリ https-admserv に移動し、次のように Sun Java System 管理サーバーを起動します。


    # cd https-admserv
    # ./start
    

  4. Netscape ブラウザで Sun Java System 管理サーバーの URL を入力します。

    URL は、サーバーのインストール手順 (手順 4) の Sun Java System インストールスクリプトによって確立される物理ホスト名とポート番号で構成されます (例: n1.eng.sun.com:8888 )。 手順 2 を実行すると、./start コマンドで管理 URL が表示されます。

    プロンプトが表示されたら、サーバーのインストール手順 (手順 6) で指定したユーザー ID とパスワードを入力し、Sun Java System 管理サーバーインタフェースにログインします。

  5. 次の作業を行うには、可能な限り管理サーバーを使用し、そうでない場合だけ手動で変更するようにします。

    • サーバー名が正しいことを確認します。

    • サーバーユーザーがスーパーユーザーとして設定されていることを確認します。

    • バインドアドレスフィールドを次のアドレスの 1 つに変更します。

      • ネームサービスとして DNS を使用する場合、論理ホスト名または共有アドレス。

      • ネームサービスとして NIS を使用する場合、論理ホスト名または共有アドレスに対応する IP アドレス。

    • この節の手順 1 で作成したディレクトリを反映するように、ErrorLog、PidLog、および Access Log エントリを更新します。

    • 変更を保存します。

  6. このインスタンスの起動に使用するセキュアキーパスワードを含むファイルを作成してサーバーのルートディレクトリに置きます。 このファイルには、keypass という名前を付けます。


    注 –

    このファイルには、キーデータベースのパスワードが含まれています。適切なアクセス権を付与して、ファイルを保護する必要があります。