Sun Cluster Data Service for Sun Grid Engine ガイド (Solaris OS 版)

Sun Grid Engine のインストールと構成

次の手順では、Sun Cluster HA for Sun Grid Engine で使用できるように Sun Grid Engine をインストールするための特別な要件だけを説明します。Sun Grid Engine のインストールと構成についての詳細は、Sun Grid Engine のマニュアルを参照してください。

Sun Grid Engine をクラスタで実行できるようにするには、論理ホスト名を使用するように Sun Grid Engine を変更する必要があります。

Sun Grid Engine をインストールおよび構成するには

開始する前に、グリッド内にあるすべてのホストにホスト名があることを確認します。グリッド内にあるホストの種類ごとに、ホスト名のリストを個別に作成します。

  1. Sun Grid Engine をインストールするクラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. SDRMcomm パッケージと SDRMsp64 パッケージを pkgadd でインストールします。

    各パッケージをインストールするときには、Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトがたずねられます。


    Where should Sun Grid Engine 5.3 be installed [default /gridware/sge] 
  3. 「ノードとディスクの準備」で作成したSun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリを指定します。

  4. プロンプトが表示されたら、次の情報を指定します。

    • 「ノードとディスクの準備」で作成したアカウントの Sun Grid Engine 管理ユーザーの名前。デフォルトは sgeadmin です。

    • Sun Grid Engine 管理ユーザーのユーザーグループの名前。デフォルトは adm です。

  5. SGE_ROOT 環境変数に、「ノードとディスクの準備」で作成した Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリを設定します。


    # SGE_ROOT=sge-root-dir 
    # export SGE_ROOT
    
  6. Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリに移動します。


    # cd sge-root-dir
    
  7. Sun Grid Engine マスターホストをインストールするスクリプトを起動します。


    # ./install_qmaster
    
  8. 画面のプロンプトに従って、次の情報を指定または確認します。

    • SGE_ROOT 環境変数の値

    • TCP ポート番号

    • Sun Grid Engine 管理ユーザーの名前

    • SDRMcomm パッケージと SDRMsp64 パッケージをインストールした方法

    • ドメイン名サービス (DNS) ドメインの詳細

  9. プロンプトが表示されたら、使用する Sun Grid Engine のグループ ID の範囲を指定します。

    十分なグループ ID を確実に割り当てることができるように、約 100 個のグループ ID を指定します (たとえば、20000 から 20100)。

    ブート時に Sun Grid Engine を起動するスクリプトをインストールするかどうかをたずねられます。


    We can install the startup script that
    Grid Engine is started at machine boot (y/n) [y] >>   
  10. ブート時に Sun Grid Engine を起動するスクリプトをインストールするかどうかをたずねられたら、no で回答します。

    Sun Cluster HA for Sun Grid Engine が障害監視と自動障害回復を確実に提供できるようにするには、Sun Grid Engine を Sun Cluster だけから起動する必要があります。

  11. プロンプトが表示されたら、実行ホストのリストを指定します。

Sun Grid Engine をクラスタで実行するには

  1. Sun Grid Engine をホストするクラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソースが含まれるフェイルオーバーリソースグループを作成します。

    リソースグループには、「構成計画に関する質問」の質問で回答したリソースグループを使用します。


    # scrgadm -a -g sge-rg \
     -y Pathprefix=sge-root-dir
    
    -g sge-rg

    作成しているリソースグループの名前が sge-rg であることを指定します。

    -y Pathprefix= sge-root-dir

    Sun Cluster HA for NFS が管理情報とステータス情報の保持に使用する、クラスタファイルシステム上のディレクトリを指定します。このディレクトリは、「ノードとディスクの準備」で作成した Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリである必要があります。

  3. Sun Grid Engine 論理ホスト名のリソースを、手順 2で作成したフェイルオーバーリソースグループに追加します。


    # scrgadm -a -L -j sge-lh-rs \
    -g sge-rg \
    -l hostlist
    
    -j sge-lh-rs

    作成しているリソースの名前が sge-lh-rs であることを指定します。

    -g sge-rg

    論理ホスト名リソースを、手順 2 で作成したフェイルオーバーリソースグループに追加することを指定します。

    -l hostlist

    論理ホスト名リソースによって利用可能になるホスト名をコンマ区切りリストで指定します。