Sun Cluster Data Service for WebSphere MQ ガイド (Solaris OS 版)

Sun Cluster HA for WebSphere MQ のアップグレード

以下の節で説明するように、Sun Cluster 3.1 9/04では Sun Cluster HA for WebSphere MQ 用の追加の構成パラメータが導入されています。パラメータのデフォルト値を変更する、またはデフォルトを使用せずにパラメータの値を設定する必要がある場合は、Sun Cluster HA for WebSphere MQ をアップグレードする必要があります。

MQ ユーザーを構成するためのパラメータ

MQ ユーザーを構成するための次のパラメータは、Sun Cluster 3.1 9/04 で導入されています。これらのパラメータに対してはデフォルト値が定義されています。

CLEANUP=YES

mqm により作成され、使用されていない共有メモリーセグメントは削除されることを指定します。

USERID=mqm

ユーザー ID mqmmq コマンドの発行に使用されることを指定します。

XAResourceManager 処理を構成するためのパラメータ

XAResourceManager 処理を使用すると、次のデータベースの任意の組み合わせを使用して、WebSphere MQ で広域的単位として作業を管理することができます。

XAResourceManager の処理を構成するための次のパラメータは、Sun Cluster 3.1 9/04 で導入されています。これらのパラメータに対しては null 値が定義されています。

DB2INSTANCE=name

XAResourceManager の DB2 インスタンス名を指定します。

ORACLE_HOME=directory

XAResourceManager の Oracle ホームディレクトリを指定します。

ORACLE_SID=identifier

XaResourceManager の Oracle SID を指定します。

WebSphere MQ を有効にして WebSphere MQ Queue Manager の起動を管理するためのパラメータ

広域ファイルシステムに WebSphere MQ Queue Manager の qmgr ファイルとログファイルを配備する場合があります。この場合、strmqm プログラムおよび endmqm プログラムの名前を変更し、別のノードで Queue Manager が手動で起動されないようにします。これらのプログラムの名前を変更すると、WebSphere MQ フレームワークが WebSphere MQ Queue Manager の管理と起動を行います。

WebSphere MQ で WebSphere MQ Queue Manager の起動を管理できるようにするための次のパラメータは、Sun Cluster 3.1 9/04 で導入されています。これらのパラメータに対しては null 値が定義されています。

START_CMD=start-program

名前を変更した strmqm プログラムのフルパス名およびファイル名を指定します。

STOP_CMD=stop-program

名前を変更した endmqm プログラムのフルパス名およびファイル名を指定します。

ProcedureSun Cluster HA for WebSphere MQ のアップグレード方法

パラメータのデフォルト値を変更する、またはデフォルトを使用せずにパラメータの値を設定する必要がある場合は、パラメータの変更対象である Sun Cluster HA for WebSphere MQ リソースを削除し、再登録する必要があります。

USERID=mqm のみが、次のすべてのコンポーネントのリソースに適用されます。

Sun Cluster 3.1 9/04 で導入された残りのパラメータは、Queue Manager コンポーネントのリソースにのみ適用されます。

変更する各 WebSphere MQ リソースに対してこの作業を実行します。


注 –

Sun Cluster 3.1 9/04 で導入されたパラメータを設定または変更する場合にのみ、この作業を実行します。


手順
  1. リソース定義を保存します。


    # scrgadm -pvv -j resource > file1
    
  2. リソースを無効にします。


    # scswitch -n -j resource
    
  3. リソースを削除します。


    # scrgadm -r -j resource
    
  4. リソースを構成し、登録します。

    1. リソースの構成ファイルと登録ファイルが含まれるディレクトリに移動します。


      # cd /opt/SUNWscmqs/prefixutil
      
    2. リソースの構成ファイルを編集します。


      vi prefix_config
      
    3. リソースの構成ファイルを実行します。


      # ./prefix_register
      

    prefix は、次のように、ファイルの適用対象であるコンポーネントを意味します。

    • mgr は Queue Manager コンポーネントを意味します。

    • chi は Channel Initiator コンポーネントを意味します。

    • csv は Command Server コンポーネントを意味します。

    • lsr は Listener コンポーネントを意味します。

    • trm は Trigger Monitor コンポーネントを意味します。


    注 –

    mgr_config ファイルにのみ、Sun Cluster 3.1 9/04 で導入されているすべてのパラメータが含まれています。残りのファイルには、USERID=mqm パラメータのみ含まれています。


  5. リソース定義を保存します。


    # scrgadm -pvv -j resource > file2
    
  6. 更新した定義を、リソースを更新する前に保存した定義と比較します。

    これらの定義を比較することで、タイムアウトの値など、既存の拡張プロパティーが変更されたかどうかを判別することができます。


    # diff file1 file2
    
  7. リセットされたリソースのプロパティーを修正します。


    # scrgadm -c -j resource -x|y resource
    
  8. リソースをオンラインにします。


    # scswitch -e -j resource