この節では、Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX 上にインストールされている N1 Grid Service Provisioning System 5.0 についての詳細を示します。内容は次のとおりです。
「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX 上の N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のディレクトリ構造」
「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムの Remote Agent パラメータファイル (サンプル)」
N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールする際には、ソフトウェアのホームディレクトリを選択するプロンプトが表示されます。Solaris OS および AIX サーバー上のデフォルトディレクトリは、/opt/SUNWn1sps です。Red Hat Linux サーバー上のデフォルトディレクトリは、/opt/sun です。ホームディレクトリには、インストールプログラムによって次のディレクトリが作成されます。
N1_Grid_Service_Provisioning_System_5.0: Master Server と CLI Client のためのソフトウェア格納ディレクトリ
N1_Grid_Service_Provisioning_System: Local Distributor と Remote Agent のためのソフトウェア格納ディレクトリ
N1 Grid Service Provisioning System 5.0 ソフトウェアは、インストールスクリプトにより、そのソフトウェアのホームディレクトリの下のデフォルトのインストールディレクトリにインストールされます。次の表に示されているものを除き、すべてのディレクトリはアクセス許可 755 (rwxr-xr-x) で作成されます。実行可能ファイルとスクリプト (これらは 755 に設定される) を除き、ほとんどのファイルにはアクセス許可 644 (rw-r--r) が割り当てられます。
次に、N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のすべてのアプリケーション (Master Server、Local Distributor、Remote Agent、CLI Client) でインストールされるディレクトリを示します。
表 A–1 すべてのアプリケーションに共通のディレクトリ
ディレクトリ |
内容 |
---|---|
/common |
すべてのアプリケーションの共通ファイル |
/common/jre |
プラットフォーム固有 JRE のバンドル版コピー |
/common/lib |
一部またはすべてのアプリケーションに共通のライブラリファイル |
次に、Master Server 用にインストールされるディレクトリを示します。
表 A–2 Master Server 用にインストールされるディレクトリ
ディレクトリ |
内容 |
---|---|
/server/config |
Master Server の構成ファイル |
/server/custom |
ユーザーインタフェースのカスタマイズファイル |
/server/data |
Master Server のデータファイル |
/server/bin |
Master Server の実行可能ファイル |
/server/lib |
Master Server 固有のライブラリファイル |
/server/postgres |
Postgres のバンドル版コピー |
/server/tomcat |
Apache Tomcat のバンドル版コピー |
/server/webapp |
ブラウザインタフェース Web アプリケーション |
/server/setup |
Master Server の初期化に使用するさまざまなファイル |
/server/config/proxy/config |
コマンド行ユーザーインタフェース SSH プロキシプロパティファイル |
/server/data/tmp |
アクセス許可が 777 に設定された、Master Server の一時ディレクトリ |
/server/README |
テキストライセンス契約 |
次に、Local Distributor 用にインストールされるディレクトリを示します。
表 A–3 Local Distributor 用にインストールされるディレクトリ
ディレクトリ |
内容 |
---|---|
/ld/config |
Local Distributor の構成ファイル |
/ld/bin |
Local Distributor の実行可能ファイル |
/ld/lib |
Local Distributor のライブラリファイル |
/ld/data |
Local Distributor 固有のデータ |
/ld/data/tmp |
アクセス許可が 777 に設定された、Local Distributor の一時ディレクトリ |
/ld/jvm/jre/bin |
Local Distributor の JRE プロキシ |
/ld/README |
テキストライセンス契約 |
次に、Remote Agent 用にインストールされるディレクトリを示します。
表 A–4 Remote Agent 用にインストールされるディレクトリ
ディレクトリ |
内容 |
---|---|
/agent/config |
Remote Agent の構成ファイル |
/agent/bin |
Remote Agent の実行可能ファイル |
/agent/bin/protect |
アクセス許可が 100 (--x------) に設定された Jexec ディレクトリ |
/agent/bin/protect/jexec |
Jexec は、アクセス許可が 4110 に設定された root 権限が必要な場合に使用される |
/agent/lib |
Remote Agent のライブラリファイル |
/agent/data |
Remote Agent 固有のデータ |
/agent/work |
execNatives の実行用のデフォルトディレクトリ |
/agent/data/tmp |
アクセス許可が 777 に設定された、Remote Agent の一時ディレクトリ |
/agent/jvm/jre/bin |
Remote Agent の JRE プロキシ |
/agent/README |
テキストライセンス契約 |
次に、CLI Client 用にインストールされるディレクトリを示します。
表 A–5 CLI Client 用にインストールされるディレクトリ
ディレクトリ |
内容 |
---|---|
/cli/config |
CLI の構成ファイル |
/cli/bin |
CLI の実行可能ファイル |
/cli/lib |
CLI のライブラリファイル |
/cli/data |
CLI 固有のデータ |
/cli/data/tmp |
アクセス許可が 777 に設定された、CLI の一時ディレクトリ |
/cli/README |
テキストライセンス契約 |
インストールプログラムは、データベースの最適化を毎日行うかどうかを尋ねるメッセージを表示します。データベースの最適化を毎日行うことを選択すると、インストールスクリプトによって次のコマンドが cronjob ファイルに追加されます。このコマンドは、日次ベースでデータベース最適化を開始する任意の時点で cronjob ファイルに追加できます。
MM HH * * * N1SPS5.0-home/server/bin/roxdbcmd vacuumdb -d rox > /dev/null 2> /dev/null |
N1SPS5.0-home には、Master Server のホームディレクトリを指定します。
Master Server の /server/bin ディレクトリには、Master Server のインストール時にほかのスクリプトと共にサンプルパラメータファイルがインストールされます。ユーザーはこのファイルを利用して構成内容を選択し、非対話方式で Remote Agent をインストールできます。以下に、このサンプルパラメータファイルの内容を示します。
# これは、Remote Agent のリモートインストールに # 必要なパラメータを設定したサンプルファイルです。 # # このファイルは、コメントを解除し、正しい値に直して使用してください。 # $Id: cr_ra_remote_params.sh,v 1.2 2004/09/15 18:39:01 echiquet Exp $ # CR_RA_INSTALLBASE - Remote Agent のインストール先であるベースディ # レクトリ。このディレクトリが存在しない場合、インストールプログラムに # よって作成されます。 # デフォルトは /opt/SUNWn1sps です。 # CR_RA_INSTALLBASE=/opt/SUNWn1sps # CR_RA_OWNER - ディストリビューションの所有者。すでに存在するユーザー # を指定する必要があります。デフォルトは 'n1sps' です。 # CR_RA_OWNER=n1sps # CR_RA_GROUP - ディストリビューションのグループ所有者。 # すでに存在するグループ名を指定する必要があります。 # デフォルトは 'n1sps' です。 # CR_RA_GROUP=n1sps # CR_RA_PORT - Remote Agent が待機するポート番号。 # 1024 〜 65535 の整数値を指定する必要があります。 # デフォルトは 1131 です。 # CR_RA_PORT=1131 # CR_RA_CTYPE - 親の接続タイプ。親がこの RA にどのように接続するか # にもとづき、'raw' (暗号化を行わない)、'ssh'、または 'ssl' のいずれ # かを指定します。デフォルトはありません。 # このパラメータは必須です。 # #CR_RA_CTYPE=raw # CR_RA_CIPHER_TYPE - SSL 暗号スイートのタイプとして、'1' (暗号化を # 行うが認証は行わない) または '2' (暗号化と認証の両方を行う) を指定 # します。デフォルトは 1 ですが、親の接続タイプが raw または ssh の # 場合は無効です。 # CR_RA_CIPHER_TYPE=1 # CR_RA_INSTALL_JRE - JRE を (Remote Agent で使用できるように) # Remote Agent と共に インストールすべきかどうかを指定します。 # デフォルトは 'y' です。有効な値は 'y' または 'n' です。 # CR_RA_INSTALL_JRE=y # JRE_HOME - JRE インストールの場所を指定します。CR_RA_INSTALL_JRE # 命令が 'y' に設定されていると、インストールプログラムは JRE を # インストールします。この場合、JRE_HOME の値は # $CR_RA_INSTALLBASE/common/jre です。インストールプログラムが JRE を # インストールしない場合は、すでにインストールされている JRE の場所を # 指すように JRE_HOME を指定する必要があります。 # JRE_HOME=$CR_RA_INSTALLBASE/N1_Grid_Service_Provisioning_System/common/jre # CR_RA_SUID - setuid root 権限を使用して RA をインストールするかどうか # を指定します。有効な値は 'y' または 'n' です。この設定が実際に作用する # のは、リモートマシン上のインストールプログラムがスーパーユーザー # (root) アカウントで実行されている場合だけです。 # デフォルトはありません。このパラメータは必須です。 # #CR_RA_SUID=y # CR_RA_INSTALLER_USER - このインストールを実行すべきユーザー。 # リモートマシン上のインストールプログラムがリモートホストへの ssh # 接続とコマンド実行をどのアカウントとして行うかを指定します。 # この値は root に設定することを強く推奨します (必ずしも root にする # 必要はありません)。デフォルトは現在のユーザーです。 # CR_RA_INSTALLER_USER=root # CR_RA_INSTALLER_WORKDIR - 一時ファイルの保存に使用するディレクトリ。 # ディストリビューションはこのディレクトリにコピーされるため、 # ディストリビューションファイルを格納するだけの十分な容量があるか # 確認してください。デフォルトは /tmp です。 # CR_RA_INSTALLER_WORKDIR=/tmp # CR_RA_INSTALLER_LEAVEFILES - 一時ファイルをリモートホスト上に保存 # するかどうかを指定します。デフォルトは 'n' です。 # CR_RA_INSTALLER_LEAVEFILES=n # CR_RA_INSTALLER_HOSTS - Remote Agent がインストールされるリモート # ホストの一覧。この一覧には、少なくともホスト名を 1 つは含める必要が # あります。このホスト一覧は、環境変数 'CR_RA_INSTALLER_HOSTS' に設定 # することも、コマンド行に指定することもできます。指定方法の詳細は、 # Remote Agent インストールプログラムのスクリプト使用メッセージで確認 # してください。 # # 注: このホスト一覧の書式は重要です。ホスト間にスペースを含めずに # コンマ (',') で区切って入力し、連続した 1 つの文字列となるように # してください。 # CR_RA_INSTALLER_HOSTS="" export CR_RA_INSTALLBASE CR_RA_PORT CR_RA_GROUP CR_RA_OWNER CR_RA_INSTALL_JRE CR_RA_SUID export CR_RA_CTYPE CR_RA_CIPHER_TYPE export CR_RA_INSTALLER_USER CR_RA_INSTALLER_WORKDIR CR_RA_INSTALLER_LEAVEFILES export CR_RA_INSTALLER_HOSTS JRE_HOME |
N1 Grid Service Provisioning System 5.0 でサポートされているバージョンよりも高いオペレーティングシステムバージョンに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 Remote Agent をインストールする場合は、パラメータファイルに次のパラメータを追加します。
CR_RA_ALLOWFORWARDVERSION=y
CR_RA_ALLOWFORWARDVERSION=y パラメータを使用すると、インストールプログラムは Remote Agent がインストールされるオペレーティングシステムがサポートされているかどうかを確認しません。サポートされていないオペレーティングシステムでの N1 Grid Service Provisioning System 5.0 の使用については、Sun Services は標準サポートを提供しません。
サポートされていないオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールすると、不確定な動作や予期しない動作が発生することがあります。サポートされていないオペレーティングシステムに対する N1 Grid Service Provisioning System 5.0 のインストールは、テスト目的以外では行わないでください。運用環境では、サポートされていなオペレーティングシステムに N1 Grid Service Provisioning System 5.0 をインストールして使用することは避けてください。