Sun Java System Application Server 9.1 管理ガイド

Application Server のコマンド

Application Server の管理には、ドメイン、クラスタ、ノードエージェント、およびサーバーインスタンスの作成、設定、制御、管理などのタスクが含まれます。ここでは、次の内容について説明します。

ドメインの作成

ドメインは、create-domain コマンドを使用して作成します。次のコマンド例では、mydomain というドメインを作成します。管理サーバーが待機するポートは 5000 で、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、管理パスワードおよびマスターパスワードの入力を求めます。


$ asadmin create-domain --adminport 5000 –user admin mydomain

mydomain ドメインの管理コンソールをブラウザ内で起動するには、次の URL を入力します。


http://hostname:5000

Application Server 9.1 では、各ドメインはそれぞれがプロファイルを持ちます。プロファイルについては、「使用法プロファイル」を参照してください。ドメインのプロファイルは、作成時に選択することができます。また、「一般」タブの「クラスタサポートを追加」をクリックすると、開発者プロファイルからクラスタプロファイルに変更できます。ドメインのプロファイルを指定するには、create-domain コマンドで --profile オプションを使用します。--profile オプションを使用してプロファイルを明示的に指定しない場合、そのドメインにはデフォルトのプロファイルが関連付けられます。デフォルトのプロファイルは、asadminenv.conf ファイル内の AS_ADMIN_PROFILE で定義されます。


注意 – 注意 –

HADB および ネットワークセキュリティーサービス (NSS) キーストアがない場合は、エンタープライズドメインを作成しないでください。HADB および NSS がないと、エンタープライズドメインを起動できません。


前述の create-domain の例の場合、ドメインのログファイル、設定ファイル、および配備されたアプリケーションは次のディレクトリに置かれます。

domain-root-dir/mydomain

ドメインのディレクトリを別の位置に作成するには、--domaindir オプションを指定します。このコマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-domain と入力してください。

ドメインの削除

ドメインは、asadmin delete-domain コマンドによって削除されます。ドメインを管理できる OS ユーザー (またはルート) だけが、このコマンドを正常に実行できます。たとえば、mydomain というドメインを削除するには、次のコマンドを入力します。


$ asadmin delete-domain mydomain

ドメインの一覧表示

マシン上に作成されているドメインを asadmin list-domains コマンドを使用して参照できます。デフォルトの domain-root-dir ディレクトリ内のドメインを一覧表示するには、次のコマンドを入力します。


$ asadmin list-domains

別のディレクトリに作成されているドメインを一覧表示するには、--domaindir オプションを指定します。

ドメインの起動

ドメインの起動時に、管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスが起動されます。アプリケーションサーバーインスタンスは、一度起動すると常時稼動となり、要求を待機して受け付けます。各ドメインは、別々に起動する必要があります。

ドメインを起動するには、asadmin start-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を起動するには、次のように入力します。


$ asadmin start-domain --user admin domain1

ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略できます。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-domain と入力してください。パスワードオプションを省略した場合は、入力するように要求されます。

Windows でのデフォルトドメインの起動

Windows の「スタート」メニューで、「プログラム」>「Sun Microsystems」>「Application Server 9.1」>「デフォルトサーバーを起動」を選択します。

ドメインの停止

ドメインを停止すると、そのドメインの管理サーバーとアプリケーションサーバーインスタンスがシャットダウンします。ドメインを停止すると、そのサーバーインスタンスは新しい接続を受け付けなくなり、未完了の接続がすべて完了するまで待機します。サーバーインスタンスはシャットダウンプロセスを完了しなければならないため、これには数秒間かかります。ドメインの停止処理中は、管理コンソールおよびほとんどの asadmin コマンドが使用できません。

ドメインを停止するには、asadmin stop-domain コマンドを入力し、ドメイン名を指定します。たとえば、デフォルトのドメイン (domain1) を停止するには、次のように入力します。


$ asadmin stop-domain domain1

ドメインが 1 つだけの場合は、ドメイン名を省略できます。コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-domain と入力してください。

管理コンソールからドメインを停止するには、管理コンソールのオンラインヘルプを参照してください。

Windows でのデフォルトドメインの停止

「スタート」メニューで、「プログラム」>「Sun Microsystems」>「Application Server 9.1」>「デフォルトサーバー停止」を選択します。

ドメインの再起動

サーバーの再起動の手順はドメインの再起動と同じです。ドメインまたはサーバーを再起動するには、ドメインをいったん停止してから起動します。

クラスタの作成

クラスタを作成するには create-cluster コマンドを使用します。次の例では、mycluster という名前のクラスタを作成します。管理サーバーホストは myhost、サーバーポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。


$ asadmin create-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-cluster と入力してください。

クラスタの起動

クラスタを起動するには start-cluster コマンドを使用します。次の例では mycluster という名前のクラスタを起動します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。


$ asadmin start-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-cluster と入力してください。

クラスタの停止

クラスタを停止するには stop-cluster コマンドを使用します。次の例では mycluster という名前のクラスタを停止します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。


$ asadmin stop-cluster --host myhost --port 1234 --user admin mycluster

myhost は管理サーバーホスト、1234 は管理ポート、admin は管理ユーザー名です。

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-cluster と入力してください。クラスタを停止すると、クラスタのすべてのサーバーインスタンスが停止します。インスタンスを含まないクラスタは停止できません。

ノードエージェントの作成

ノードエージェントを作成するには create-node-agent コマンドを使用します。次の例では mynodeagent という名前のノードエージェントを作成します。管理サーバーホストは myhost、管理サーバーポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。このコマンドは、通常は管理パスワードの入力を求めます。ただし、--savemasterpassword オプションが指定されていないか、または false の場合、このコマンドはマスターパスワードの入力を求めません。


$ asadmin create-node-agent --host myhost --port 1234 --user admin mynodeagent

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help create-node-agent と入力してください。

ノードエージェントの起動

ノードエージェントを起動するには start-node-agent コマンドを使用し、ノードエージェント名を指定します。たとえば、ノードエージェント mynodeagent を起動するには、次のように入力します。


$ asadmin start-node-agent --user admin mynodeagent

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-node-agent と入力してください。

ノードエージェントの停止

ノードエージェントを停止するには stop-node-agent コマンドを使用し、ノードエージェント名を指定します。たとえば、ノードエージェント mynodeagent を停止するには、次のように入力します。


$ asadmin stop-node-agent mynodeagent

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-node-agent と入力してください。

インスタンスの起動

サーバーインスタンスを起動するには start-instance コマンドを使用します。次の例では、myinstance という名前のサーバーインスタンスを起動します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。


$ asadmin start-instance --host myhost --port 1234 --user admin  myinstance

管理サーバーホストは myhost、管理ポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。サーバーインスタンス myinstance はクラスタ化することもスタンドアロンにすることもできます。

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help start-instance と入力してください。

インスタンスの停止

サーバーインスタンスを停止するには stop-instance コマンドを使用します。次の例では、myinstance という名前のサーバーインスタンスを停止します。このコマンドは、管理パスワードの入力を求めます。


$ asadmin stop-instance --host myhost --port 1234 --user admin  myinstance

管理サーバーホストは myhost、管理ポートは 1234、管理ユーザー名は admin です。サーバーインスタンス myinstance はクラスタ化することもスタンドアロンにすることもできます。

コマンドの完全な構文を確認するには、asadmin help stop-instance と入力してください。

インスタンスの再起動

サーバーインスタンスを再起動するには、インスタンスを停止してから、再起動します。

ドメイン管理サーバーの再作成

ミラーリングを行うため、および、ドメイン管理サーバー (DAS) の有効なコピーを提供するためには、次のものを用意する必要があります。


注 –

1 台目のマシンの DAS のバックアップを維持する必要があります。現在のドメインをバックアップするには、asadmin backup-domain を使用します。


ProcedureDAS を移行する

ドメイン管理サーバーを 1 台目のマシン (machine1) から 3 台目のマシン (machine3) に移行するには、次の手順が必要です。

  1. 1 台目のマシンと同様に、Application Server を 3 台目のマシンにインストールします。

    この処理は、DAS が 3 台目のマシンに正常に復元されて、パスの競合を発生させないために必要です。

    1. コマンド行 (対話型) モードを使用して、Application Server 管理パッケージをインストールします。対話型コマンド行モードを有効にするには、次のように console オプションを使用してインストールプログラムを呼び出します。


      ./bundle-filename -console

      コマンド行インタフェースを使用してインストールを行うには、ルートのアクセス権が必要です。

    2. オプションの選択を解除して、デフォルトのドメインをインストールします。

      バックアップされたドメインの復元は、同じアーキテクチャーおよびまったく同じインストールパスを持つ 2 台のマシンでのみサポートされます (すなわち両方のマシンが同じ as-installdomain-root-dir を使用する)。

  2. 1 台目のマシンのバックアップ ZIP ファイルを、3 台目のマシンの domain-root-dir にコピーします。FTP でファイルを転送することもできます。

  3. asadmin restore-domain コマンドを実行して、ZIP ファイルを 3 台目のマシンに復元します。


    asadmin restore-domain --filename domain-root-dir/sjsas_backup_v00001.zip domain1

    任意のドメインをバックアップできます。ただし、ドメインの再作成時には、ドメイン名を元のドメイン名と同一にする必要があります。

  4. 3 台目のマシンで domain-root-dir/domain1/generated/tmp ディレクトリのアクセス権を変更して、1 台目のマシンの同じディレクトリのアクセス権と一致させます。

    このディレクトリのデフォルトのアクセス権は、?drwx------? (または 700) です。

    次に例を示します。

    chmod 700 domain-root-dir/domain1/generated/tmp

    前述の例では、domain1 をバックアップすると仮定しています。ドメインを別の名前でバックアップする場合は、この domain1 をバックアップするドメインの名前に置き換えてください。

  5. 3 台目のマシンの domain.xml で、プロパティーのホスト値を変更します。

  6. 3 台目のマシンの domain-root-dir/domain1/config/domain.xml を更新します。

    たとえば、machine1 を検索して、machine3 に置き換えるとします。その場合は、次のように変更します。

    <jmx-connector><property name=client-hostname value=machine1/>...

    変更後:

    <jmx-connector><property name=client-hostname value=machine3/>...
  7. 変更前:

    <jms-service... host=machine1.../>

    変更後:

    <jms-service... host=machine3.../>
  8. machine3 で復元されたドメインを起動します。


    asadmin start-domain --user admin-user --password admin-password domain1
  9. machine2 のノードエージェントのプロパティーで、DAS ホストの値を変更します。

  10. machine2 の as-install/nodeagents/nodeagent/agent/config/das.properties で、agent.das.host プロパティー値を変更します。

  11. machine2 のノードエージェントを再起動します。


    注 –

    asadmin start-instance コマンドを使用してクラスタインスタンスを起動し、復元したドメインと同期させます。