Sun Java System Application Server 9.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

接続プールとフェイルオーバー

Application Server は JMS 接続プールとフェイルオーバーをサポートします。Sun Java System Application Server は JMS 接続を自動的にプールします。「アドレスリストの動作」属性が random (デフォルト) である場合、Application Server は主ブローカを JMS ホストリストからランダムに選択します。フェイルオーバーが発生すると、MQ は負荷を別のブローカに透過的に転送し、JMS セマンティクスを保持します。JMS タイプが LOCAL タイプの場合、「アドレスリストの動作」属性のデフォルト値は priority です。

接続が失われたときに Application Server が主ブローカへの再接続を試行するかどうかを指定するには、「再接続」チェックボックスを選択します。再接続を有効に設定した状態で、主ブローカが停止すると、Application Server は JMS ホストリストにある別のブローカへの再接続を試みます。

「再接続」を有効にする場合には、以下の属性も指定します。

これらの設定は、JMS 接続ファクトリ設定を使用してオーバーライドできます。詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 管理ガイド』「JMS 接続ファクトリ」を参照してください。

負荷分散されたメッセージのインフロー

メッセージ駆動型 Bean の sun-ejb-jar.xml ファイル内の activation-config-property 要素を使用して、jmsra リソースアダプタの ActivationSpec プロパティーを設定できます。メッセージ駆動型 Bean (EndPointFactory) が配備されるたびに、コネクタランタイムエンジンがこれらのプロパティーを検出し、それに従ってリソースアダプタ内でそれらのプロパティーを設定します。『Sun Java System Application Server 9.1 Application Deployment Guide』「activation-config-property」を参照してください。

Application Server は、同じ ClientID を持つメッセージ駆動型 Bean へのランダムなメッセージ配信を透過的に実現します。ClientID は永続的なサブスクライバには必須です。

ClientID が設定されない非永続サブスクライバに対しては、同じトピックをサブスクライブする特定のメッセージ駆動型 Bean のすべてのインスタンスは同等であると見なされます。メッセージ駆動型 Bean がApplication Server の複数のインスタンスに配備される場合、メッセージ駆動型 Bean のうちの1 つだけがメッセージを受信します。複数の異なるメッセージ駆動型 Bean が同じトピックをサブスクライブすると、メッセージ駆動型 Bean ごとに1 つのインスタンスがメッセージのコピーを受信します。

同じキューを使用する複数のコンシューマをサポートするには、物理送信先の maxNumActiveConsumers プロパティーを大きい値に設定します。このプロパティーを設定すると、Sun Java System Message Queue ソフトウェアはプロパティーに設定した数までメッセージ駆動型 Bean は同じキューからメッセージを消費することを許可します。メッセージはそれらのメッセージ駆動型 Bean にランダムに配信されます。maxNumActiveConsumers-1 に設定した場合は、コンシューマの数に制限はありません。

ローカル配信が優先されることを保証するには、addresslist-behavior を priority に設定します。この設定は、AddressList 内の最初のブローカが最初に選択されることを指定します。この最初のブローカは、ローカルで共存する Message Queue インスタンスです。このブローカが利用できない場合、AddressList 内で列挙されている順序でブローカへの接続試行が行われます。この設定は、クラスタに属する Application Server インスタンスに対するデフォルトです。


注 –

クラスタ化機能は開発者プロファイルでは利用できません。プロファイルの詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 管理ガイド』「使用法プロファイル」を参照してください。


JMS サービスの高可用性

JMS コンポーネントには、次の2 つのレベルの可用性があります。

データ可用性は、Java Message Service (JMS) に準拠する Sun Java System Message Queue クラスタで有効にできます。メッセージは共通持続ストアに持続化され、クラスタ内のほかのすべてのブローカインスタンスから利用可能です。また、高可用性データベース (HADB) がインストールされていて、エンタープライズプロファイルが選択されている場合は、そのデータベースからも利用可能です。プロファイルの詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 管理ガイド』「使用法プロファイル」を参照してください。対応するブローカに対してデータ可用性を有効にする前に、Application Server インスタンスに対して可用性を有効にする必要があります。


注 –

個別のアプリケーションおよびモジュールは、JMS の可用性を制御またはオーバーライドできません。


データ可用性を有効にするには、管理コンソールの関連する設定下で「可用性サービス」コンポーネントを選択します。「可用性サービス」ボックスにチェックマークを付けます。JMS サービスの可用性を有効にするには、「JMS の可用性」タブを選択して「可用性サービス」ボックスにチェックマークを付けます。動作の一貫性を保証するために、Application Server クラスタ内のすべてのインスタンスで、インスタンス可用性および JMS 可用性の設定を統一してください。詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 高可用性 (HA) 管理ガイド』を参照してください。


注 –

クラスタ化機能は開発者プロファイルでは利用できません。プロファイルの詳細については、『Sun Java System Application Server 9.1 管理ガイド』「使用法プロファイル」を参照してください。