Sun Java System Application Server 9.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

設定属性の表示と変更

データベース設定属性の表示および変更は、それぞれ hadbm get および hadbm set コマンドを使用して行えます。

設定属性の値の取得

設定属性の値を取得するには、hadbm get コマンドを使用します。有効な属性のリストについては、「設定属性」を参照してください。コマンド構文は次のとおりです。

hadbm get attribute-list | --all  
[dbname]  
[--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]  
[--agent=maurl]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

attribute-list オペランドは、コンマで区切られたまたは引用符で囲まれスペースで区切られた、属性のリストです。--all オプションはすべての属性の値を表示します。hadbm get のすべての属性のリストについては、「設定属性」を参照してください。

コマンドオプションの説明は、「一般的なオプション」を参照してください。


例 3–4 hadbm get の使用例

hadbm get JdbcUrl,NumberOfSessions

設定属性の値の設定

設定属性の値を設定するには、hadbm set コマンドを使用します。有効な属性のリストについては、「設定属性」を参照してください。

hadbm set [dbname] attribute
=value[,attribute=
value...]
 [--adminpassword=password | --adminpasswordfile=file]
 [--agent=maurl]

dbname オペランドにはデータベース名を指定します。デフォルトは hadb です。

attribute=value リストは、コンマで区切られたまたは引用符で囲まれスペースで区切られた、属性のリストです。

コマンドオプションの説明は、「一般的なオプション」を参照してください。

このコマンドが正常に実行されると、データベースは以前の状態またはよりよい状態で再起動されます。データベースの状態については、「HADB の状態の取得」を参照してください。「データベースの再起動」で説明されている手順に従って、HADB を再起動します。

次の属性は、hadbm set では設定できません。その代わりに、データベース作成時に設定します (「データベースの作成」を参照)。


注 –

hadbm set を使用して ConnectionTraceSQLTraceMode 以外のいずれかの設定属性を設定すると、HADB の順次再起動が実行されます。順次再起動では、各ノードが一度に 1 つずつ、停止して新規の設定で起動します。このとき HADB サービスは中断されません。

ConnectionTrace または SQLTraceMode を設定した場合、順次再起動は実行されませんが、変更は Application Server インスタンスから作成された新規の HADB 接続に対してのみ反映されます。


設定属性

次の表に、hadbm set での変更と hadbm get での検出が可能な設定属性を一覧表示します。

表 3–8 設定属性

属性 

説明 

デフォルト 

範囲 

ConnectionTrace

True に設定すると、クライアント接続 (JDBC、ODBC) が開始または終了したときに、メッセージが HADB 履歴ファイルに記録されます。 

False 

True または False 

CoreFile

デフォルト値を変更しないでください。 

False 

True または False 

DatabaseName

データベースの名前。 

hadb 

 

DataBufferPoolSize

共用メモリーに割り当てられるデータバッファープールのサイズ。 

200M バイト 

16 〜 2047M バイト 

DataDeviceSize

ノードのデバイスサイズを指定します。推奨される DataDeviceSize のサイズについては、「デバイスサイズの指定」を参照してください。

最大値は、256G バイトとオペレーティングシステムの最大ファイルサイズの小さい方です。最小値は次のとおりです。 

(4 x LogbufferSize + 16M バイト) / n

ここで、n はデータデバイスの番号です。

1024M バイト 

32 〜 262144M バイト 

PackageName 

データベースが使用する HADB ソフトウェアパッケージの名前。 

V4.x.x.x 

なし 

DevicePath

デバイスの場所。デバイスは次のとおりです。 

  • データデバイス (DataDevice)

  • ノード内部ログデバイス (NiLogDevice)

  • 関係代数クエリーデバイス (RelalgDevice)

Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb

Windows: C:\Sun\AppServer\SUNWhadb\vers。ここで、vers は HADB バージョン番号です。

 

EagerSessionThreshold

通常または高速処理 (eager) アイドルセッション有効期限を使用するかどうかを判別します。 

通常のアイドルセッション有効期限では、アイドル状態が SessionTimeout 秒を超過したセッションが期限切れとなります。

並行セッションの数がセッション最大数の EagerSessionThreshold パーセントを超えている場合は、アイドル状態が EagerSessionTimeout 秒を超過したセッションが期限切れとなります。

NumberOfSessions 属性の半分 

0 〜 100 

EagerSessionTimeout

高速処理 (eager) セッション有効期限を使用している場合に、データベース接続がアイドル状態になってから期限切れになるまでの秒数。 

120 秒 

0 〜 2147483647 秒 

EventBufferSize

データベースイベントが記録されるイベントバッファーのサイズ。0 に設定すると、イベントバッファーへのロギングは実行されません。

障害が起きている間、イベントバッファーはダンプされます。これは、障害の原因に関する有用な情報を提供し、試験的な配備の際に役立ちます。 

イベントをメモリーに書き込むと、パフォーマンスが犠牲になります。 

0M バイト

0 〜 2097152M バイト 

HistoryPath

HADB 履歴ファイルの場所。このファイルの内容は、情報、警告、およびエラーメッセージです。 

これは読み取り専用属性です。 

Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb

Windows: REPLACEDIR (実行時に実際の URL に置換される) 

 

InternalLogbufferSize

ノード内部ログデバイスのサイズ。データの格納に関連する操作のトラックが保持されます。 

12M バイト 

4 〜 128M バイト 

JdbcUrl

データベースの JDBC 接続 URL。 

これは読み取り専用属性です。 

なし 

 

LogbufferSize

ログバッファーのサイズ。データに関連する操作のトラックが保持されます。 

48M バイト 

4 〜 2048M バイト 

MaxTables

HADB データベース内で許可される表の最大数。 

1100 

100 〜 1100 

NumberOfDatadevices

HADB ノードで使用されるデータデバイスの数。 

これは読み取り専用属性です。 

1 〜 8 

NumberOfLocks

HADB ノードによって割り当てられるロックの数。 

50000 

20000 〜 1073741824 

NumberOfSessions

HADB ノード用に開くことが可能なセッション (データベース接続) の最大数。 

100 

1 〜 10000 

PortBase

異なる HADB プロセス用に異なるポート番号を作成する際に使用するベースポート番号。 

これは読み取り専用属性です。 

15200 

10000 〜 63000 

RelalgDeviceSize

関係代数クエリーに使用するデバイスのサイズ。 

128M バイト 

32 〜 262144M バイト 

SessionTimeout

通常のセッション有効期限を使用している場合に、データベース接続がアイドル状態になってから期限切れになるまでの時間。 

1800 秒 

0 〜 2147483647 秒 

SQLTraceMode

履歴ファイルに書き込まれる実行された SQL クエリーに関する情報の量。 

SHORT に設定すると、SQL セッションのログインとログアウトが記録されます。FULL に設定すると、準備中および実行中のすべての SQL が、パラメータ値を含めて記録されます。

なし 

NONE/SHORT/FULL 

StartRepairDelay

スペアノードが、障害の発生したアクティブノードに対してノード復旧の実行を許可する最大時間。障害の発生したノードがこの時間内に回復できない場合、スペアノードが障害の発生したノードのミラーからデータのコピーを開始してアクティブになります。デフォルト値を変更しないことをお勧めします。 

20 秒 

0 〜 100000 秒 

StatInterval

HADB ノードがスループットと応答時間の統計情報を履歴ファイルに書き込む間隔。無効にする場合は、0 に設定します。 

次に示すのは、統計情報の行の例です。 

Req-reply time: # 123, min= 69 avg= 1160 max= 9311 %=100.0

ハッシュ記号 (#) の後ろの数字は、StatInterval の間に処理された要求の数です。次の 3 つの数字は、StatInterval の間に完了したトランザクションが処理に要した時間の最小値、平均値、最大値をマイクロ秒で表したものです。パーセント記号 (%) の後ろの数字は、StatInterval の間に 15 ミリ秒以内で正常に完了したトランザクションの数です。

600 秒 

0 〜 600 秒 

SyslogFacility

syslog にレポートするときに使用する機能。syslog デーモンを設定しておくことをお勧めします (詳細は man syslogd.conf を参照)。

同じマシン上で実行中のほかのアプリケーションによって使用されていない機能を使用します。 

syslog ロギングを無効にするには、none に設定します。

local0 

local0、local1、local2、local3、local4、local5、local6、local7、kern、user、mail、daemon、auth、syslog、lpr、news、uucp、cron、none 

SysLogging

True に設定すると、HADB ノードは情報をオペレーティングシステムの syslog ファイルに書き込みます。

True 

True または False 

SysLogLevel

オペレーティングシステムの syslog ファイルに保存される HADB メッセージの最小レベル。指定したレベル以上のすべてのメッセージが記録されます。たとえば、「info」に設定した場合は、すべてのメッセージが記録されます。

警告 

nonealert errorwarninginfo 

SyslogPrefix

HADB によって書き込まれるすべての syslog メッセージの前に挿入されるテキスト文字列。

hadb -dbname 

 

TakeoverTime

ノードに障害が発生してから、処理がミラーに引き継がれるまでの時間。デフォルト値を変更しないでください。 

10000 (ミリ秒) 

500 〜 16000 ミリ秒