単一のクラスタに配備されたアプリケーションの順次アップグレードは、そのクラスタの設定がほかのどのクラスタとも共有されていないと仮定して行うことができます。
旧バージョンのアプリケーションを保存するか、ドメインをバックアップします。
ドメインをバックアップするには、asadmin backup-domain コマンドを使用します。コマンドの詳細については、backup-domain(1) を参照してください。
クラスタの動的再設定を無効にします (有効になっている場合)。
管理コンソールを使用してこれを行うには、次の手順に従います。
あるいは、次のコマンドを使用します。
asadmin set --user user --passwordfile password-file cluster-name-config.dynamic-reconfiguration-enabled=false
ターゲットの domain に対して、アップグレードしたアプリケーションを再配備します。
管理コンソールを使って再配備する場合、ドメインが自動的にターゲット になります。asadmin を使用している場合は、ターゲットのドメインを指定します。動的再設定が無効なので、旧アプリケーションがクラスタで実行し続けます。
asadmin enable-http-lb-application を使用して、インスタンスに対して再配備したアプリケーションを有効にします。コマンドの詳細については、enable-http-lb-application(1) を参照してください。
ロードバランサから、クラスタ内の 1 つのサーバーインスタンスを休止します。
次の手順を実行します。
asadmin disable-http-lb-server を使用して、サーバーインスタンスを無効にします。コマンドの詳細については、disable-http-lb-server(1) を参照してください。
asadmin export-http-lb-config を使用して、ロードバランサ設定ファイルをエクスポートします。コマンドの詳細については、export-http-lb-config(1) を参照してください。
エクスポートした設定ファイルを Web サーバーインスタンスの構成ディレクトリにコピーします。
たとえば、Sun Java System Web Server の場合、コピー先は web-server-install-dir /https-host-name /config/loadbalancer.xml となります。確実にロードバランサに新しい設定ファイルをロードさせるために、ロードバランサ設定の reloadinterval を設定して、動的再設定が有効であることを確認します。
タイムアウトが経過するまで待機します。
ロードバランサのログファイルを監視して、インスタンスがオフラインであることを確認します。ユーザーに再試行 URL が表示される場合は、休止期間をスキップして、サーバーをただちに再起動します。
クラスタ内のほかのインスタンスが実行中の間に、無効になっていたサーバーインスタンスを再起動します。
再起動すると、サーバーはドメインと同期し、アプリケーションを更新します。
再起動したサーバー上でアプリケーションをテストし、正しく動作していることを確認します。
ロードバランサで、サーバーインスタンスをふたたび有効にします。
次の手順を実行します。
asadmin enable-http-lb-server を使用して、サーバーインスタンスを有効にします。コマンドの詳細については、enable-http-lb-server(1) を参照してください。
asadmin export-http-lb-config を使用して、ロードバランサ設定ファイルをエクスポートします。コマンドの詳細については、export-http-lb-config(1) を参照してください。
設定ファイルを Web サーバーの構成ディレクトリにコピーします。
クラスタ内の各インスタンスに対して、手順 5 〜 8 を繰り返します。
すべてのサーバーインスタンスに新しいアプリケーションがあり、それらのインスタンスが実行中である場合は、そのクラスタに対して動的再設定を再度有効にすることができます。