Sun Java System Application Server 9.1 高可用性 (HA) 管理ガイド

第 7 章 設定の管理

この章では、Application Server における名前付きサーバー設定の追加、変更、および使用について説明します。この章の内容は次のとおりです。

設定の使用

設定

設定とは一連のサーバー設定情報で、HTTP リスナー、ORB/IIOP リスナー、JMS ブローカ、EJB コンテナ、セキュリティー、ロギング、および監視などの設定が含まれます。アプリケーションやリソースは、名前付き設定では定義されません。

設定は管理ドメインに配置されます。ドメイン内の複数のサーバーインスタンスが同じ設定を参照したり、別個の設定を使用したりできます。

クラスタでは、クラスタのインスタンスで均質の環境が確保されるように、クラスタ内のすべてのサーバーインスタンスがクラスタの設定を継承します。

設定には数多くの必須設定情報が含まれるため、既存の名前付き設定をコピーして新しい設定を作成します。設定情報を変更しないかぎり、新規に作成された設定はコピーした設定と同じです。

クラスタまたはインスタンスが設定を使用するには 3 つの方法があります。

default-config 設定

default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタの設定を作成するテンプレートとして機能する特殊な設定です。クラスタとサーバーインスタンスは、default-config 設定を参照できません。この設定は、新しい設定を作成するためにコピーできるだけです。デフォルト設定を編集して、コピーした新しい設定が正しく初期設定されているかどうか確認します。

詳細は、次の項目を参照してください。

インスタンスまたはクラスタの作成時に作成された設定

新しいサーバーインスタンスまたは新しいクラスタを作成する場合は、次のどちらかを実行します。

デフォルトでは、default-config 設定からコピーした設定を使用して新しいクラスタまたはインスタンスが作成されます。別の設定からコピーするには、新規インスタンスまたはクラスタの作成時に設定を指定します。

サーバーインスタンスの場合、新しい設定には instance_name -config という名前が付けられます。クラスタの場合、新しい設定には cluster-name -config という名前が付けられます。

詳細は、次の項目を参照してください。

クラスタ化された設定の同期

クラスタ化された設定を作成すると、Application Server によってクラスタ設定ディレクトリがドメイン管理サーバーの domain-root/domain-dir/config/cluster-config に作成されます。このディレクトリは、クラスタ内ですべてのインスタンスの設定を同期するために使われます。

一意のポート番号と設定

同じホストマシン上の複数のインスタンスが同じ設定を参照する場合、各インスタンスは固有のポート番号で待機する必要があります。たとえば、ポート 80 の HTTP リスナーを使用する名前付き設定を 2 つのサーバーインスタンスが参照する場合、ポートの競合により、どちらかのサーバーインスタンスが起動できなくなります。一意のポートが使用されるように、個々のサーバーインスタンスが待機するポート番号を定義するプロパティーを変更します。

ポート番号に次の原則を適用します。

名前付き設定に関連した作業

Procedure名前付き設定を作成する

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。

  2. 「設定」ページで、「新規」をクリックします。

  3. 「設定の作成」ページで、一意の設定の名前を入力します。または「新しい設定」ページで、一意の設定の名前を入力します。

  4. 設定を選択して、コピーします。

    default-config 設定は、スタンドアロンサーバーインスタンスまたはスタンドアロンクラスタを作成するときに使用するデフォルトの設定です。

同機能を持つ asadmin コマンド

copy-config

参照

名前付き設定のプロパティーの編集

次の表は、設定に対して定義済みのプロパティーを示しています。

あらかじめ定義されたプロパティーはポート番号です。有効なポートの値は 1 〜 65535 です。UNIX では、ポート 1 〜 1024 で待機するソケットを作成するには 、スーパーユーザー権限が必要です。複数のサーバーインスタンスがある場合、ポート番号は一意にする必要があります。

プロパティー名 

説明 

HTTP_LISTENER_PORT

http-listener-1 のポート番号。 

HTTP_SSL_LISTENER_PORT

http-listener-2 のポート番号。 

IIOP_SSL_LISTENER_PORT

IIOP リスナー SSL が待機する IIOP 接続用の ORB リスナーポート。

IIOP_LISTENER_PORT

orb-listener-1 が待機する IIOP 接続用の ORB リスナーポート。

JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT

JMX コネクタが待機するポート番号。 

IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT

IIOP リスナー SSL_MUTUALAUTH が待機する IIOP 接続のORB リスナーポート。

Procedure名前付き設定のプロパティーを編集する

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。

  2. 名前付き設定のノードを選択します。

  3. 「システムプロパティーの設定」ページで、動的再設定を有効にするかどうかを選択します。

    有効な場合は、設定に対する変更は、サーバーを再起動することなくサーバーインスタンスに適用されます。

  4. 必要に応じて、プロパティーを追加、削除、または変更します。

  5. 設定に関連するすべてのインスタンスの現在のプロパティーの値を編集するには、「インスタンス値」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド

set

参照

Procedure設定を参照するインスタンスのポート番号を編集する

名前付き設定を参照する各インスタンスは、最初にその設定からポート番号を継承します。ポート番号はシステムで一意である必要があるため、継承されたポート番号をオーバーライドする必要があります。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。

  2. 名前付き設定のノードを選択します。

    管理コンソールに「システムプロパティーの設定」ページが表示されます。

  3. 編集するインスタンス変数の横にある「インスタンス値」をクリックします。

    たとえば、HTTP-LISTENER-PORT インスタンス変数の横にある「インスタンス値」をクリックすると、その設定を参照するすべてのサーバーインスタンスの HTTP-LISTENER-PORT の値が表示されます。

  4. 必要に応じて値を変更して、「保存」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド

set

参照

Procedure名前付き設定のターゲットを表示する

「システムプロパティーの設定」ページに、設定を使用するすべてのターゲットのリストが表示されます。クラスタ設定の場合、ターゲットはクラスタです。インスタンス設定の場合、ターゲットはインスタンスです。

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを開きます。

  2. 名前付き設定のノードを選択します。

参照

Procedure名前付き設定を削除する

  1. ツリーコンポーネントで、「設定」ノードを選択します。

  2. 「設定」ページで、削除する名前付き設定のチェックボックスにチェックマークを付けます。

    default-config 設定は削除できません。

  3. 「削除」をクリックします。

同機能を持つ asadmin コマンド

delete-config

参照