Sun Java System Application Server 9.1 配備計画ガイド

HADB への負荷の見積もり

HADB への負荷を計算するには、次の要因を考慮します。

セッション持続性を設定する手順については、『Sun Java System Application Server 9.1 高可用性 (HA) 管理ガイド』の第 9 章「高可用性 (HA) セッション持続性とフェイルオーバーの設定」を参照してください。

HTTP セッション持続性の頻度

HADB で受信される 1 分あたりの要求の数は、持続性の頻度に依存します。持続性の頻度によって、Application Server が HTTP セッションデータを HADB に保存する頻度が決定されます。

持続性の頻度オプションを次に示します。

次の表は、持続性の頻度オプションの長所と短所を要約しています。

表 2–1 持続性の頻度オプションの比較

持続性の頻度オプション 

長所 

短所 

web-method 

最新のセッション情報を使用できることが保証されます。 

応答時間が長くなり、スループットが低下する可能性があります。 

time-based 

応答時間が短縮されるとともに、スループットが向上する可能性もあります。 

アプリケーションサーバーインスタンスの障害が発生したあと、最新のセッション情報を使用できる保証は低くなります。 

HTTP セッションサイズと範囲

1 要求あたりのセッションサイズは、セッション内に格納されているセッション情報の量に依存します。


ヒント –

全体的なパフォーマンスを向上させるには、セッション内の情報の量をできるだけ削減します。


持続性の範囲」の設定を使用して、1 要求あたりのセッションサイズを微調整することができます。HTTP セッション持続性の範囲を、次のオプションから選択します。

このオプションを使用するには、アプリケーションが次の処理を行う必要があります。

表 2–2 持続性の範囲オプションの比較

持続性の範囲オプション 

長所 

短所 

modified-session 

セッション状態を変更しない要求の応答時間が向上します。 

Web メソッド (一般には、doGet() または doPost()) の実行中、アプリケーションは次のセッションメソッドを呼び出す必要があります。

  • 属性が変更された場合は、setAttribute()

  • 属性が削除された場合は、removeAttribute()

session 

アプリケーションに制約はありません。 

modified-session および modified-attribute オプションに比べて、スループットや応答時間が低下する可能性があります。

modified-attribute 

変更されたセッション状態の割合が低い要求のスループットや応答時間が向上します。 

特定の要求に対する変更されたセッション状態の割合が 60% に近づくと、スループットや応答時間は低下します。このような場合は、属性を個別のレコードに分割するためのオーバーヘッドにより、パフォーマンスはほかのオプションの場合よりも低下します。 

ステートフルセッション Bean のチェックポイント設定

SFSB セッション持続性の場合、HADB への負荷は次の要素に依存します。

チェックポイント設定は一般に、その SFSB を含む任意のトランザクションが完了したあとに (そのトランザクションがロールバックした場合でも) 発生します。

パフォーマンスを向上させるには、チェックポイント設定に指定するメソッドのセットを小さくします。チェックポイントを設定するデータのサイズと、チェックポイント設定の頻度によって、特定のクライアント対話の応答時間で発生する追加のオーバーヘッドが決定されます。