Oracle Solaris Studio 12.2: dbx コマンドによるデバッグ

fix と cont の働き

fix コマンドを使用するには、エディタウィンドウでソースを編集する必要があります。(コードの変更方法については、「fix と cont によるソースの変更」を参照)。変更結果を保存して fix と入力します。fix コマンドについては、fix コマンド」を参照してください。

fix が実行されると、dbx は適切なコンパイラオプションでコンパイラを呼び出します。変更後のファイルがコンパイルされ、一時共有オブジェクト (.so) ファイルが作成されます。古いファイルと新しいファイルとを比較することによって、修正の安全性を検査する意味上のテストが行われます。

実行時リンカーを使用して新しいオブジェクトファイルが動作中のプロセスにリンクされ、プログラムカウンタが古い関数から新しい関数の同じ行に移動します (その関数が修正中のスタックの一番上にある場合)。さらに、古いファイルのブレークポイントがすべて新しいファイルに移動します。

対象となるファイルがデバッグ情報付きでコンパイルされているかどうかにかかわらず、fix コマンドと cont コマンドを実行できます。ただし、デバッグ情報なしでコンパイルされているファイルの場合には多少の機能制限があります。fix コマンド」-g オプションの解説を参照してください。

共有オブジェクト (.so) ファイルの修正は可能ですが、その場合、そのファイルを特別なモードでオープンする必要があります。dlopen 関数の呼び出しで、RTLD_NOW|RTLD_GLOBALまたは RTLD_LAZY|RTLD_GLOBAL のどちらかを使用します。

Oracle Solaris Studio C および C++ コンパイラのプリコンパイル済みヘッダー機能では、再コンパイル時にコンパイラオプションが同じである必要があります。fix コマンドによって、コンパイラオプションがわずかに変更されるため、プリコンパイル済みヘッダーを使用して作成されたオブジェクトファイルでは fix コマンドを使用しないでください。