Sun GlassFish Enterprise Server v3 管理ガイド

管理ツール

グラフィカルな 管理コンソール と asadmin コマンド行ユーティリティーのどちらを使用しても、ほとんどの場合同じタスクを実行できますが、例外もあります。

この節では次の Enterprise Server の管理ツールについて説明します。

管理コンソール

管理コンソール はブラウザベースのユーティリティーで、ナビゲーションが容易なグラフィカルインタフェースを特長とし、管理タスク向けの広範なオンラインヘルプを用意しています。

管理コンソール を使用するには、ドメイン管理サーバー (DAS) が稼働中である必要があります。·各ドメインには、一意のポート番号を持つ DAS がそれぞれ必要です。DAS のポート番号は、Enterprise Server をインストールしたときに選択しています。選択していない場合は、デフォルトポートの 4848 を使用しています。デフォルトのログイン情報 (ユーザー名 admin、パスワードなし) をそのまま使用していない場合は、ユーザー名とパスワードも指定しています。.

管理コンソール の URL を指定する場合は、ドメインの管理ポート番号を指定します。Web ブラウザで 管理コンソール を開始するための形式は、http://hostname: port です。次に例を示します。


http://kindness.sun.com:4848

Enterprise Server をインストールしたマシンで 管理コンソール を実行する場合は、ホスト名として localhost を指定します。次に例を示します。


http://localhost:4848

Microsoft Windows では「スタート」メニューから Enterprise Server の 管理コンソール を開始することもできます。

管理コンソール のページのヘルプ内容を表示するには、そのページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。最初のマニュアルページには、ページ自体の機能とフィールドの説明があります。追加ページにある関連タスクの操作方法にアクセスするには、「関連項目」リストのリンクをクリックします。

asadmin ユーティリティー

asadmin ユーティリティーはコマンド行ツールであり、実行する操作またはタスクを指定するサブコマンドを実行します。asadmin のサブコマンドは、コマンドプロンプト、またはスクリプトから実行できます。asadmin のサブコマンドをスクリプトから実行すると、反復したタスクを自動化するのに役立ちます。asadmin ユーティリティーの機能の基本情報については、asadmin(1M) のマニュアルページを参照してください。asadmin ユーティリティーの使用方法については、asadmin ユーティリティーの使用」を参照してください。

asadmin のサブコマンドを標準コマンドシェル (シングルモード) で実行するには、&InstallDir/bin ディレクトリに移動し、asadmin コマンドのあとにサブコマンドを入力します。次に例を示します。


asadmin list-jdbc-resources

マルチコマンドモード (マルチモード) を起動するには、コマンドプロンプトに asadmin を入力します。その後、プロンプト asadmin> が表示されます。マルチモードを終了して標準コマンドシェルに戻るまで、asadmin ユーティリティーは継続してサブコマンドを受け取ります。次に例を示します。


asadmin> list-jdbc-resources

asadmin のサブコマンドのマニュアルページを表示するには、help の後にサブコマンド名を入力します。次に例を示します。


asadmin> help restart-domain

または


asadmin help restart-domain

asadmin のマニュアルページを集めたものが、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Reference Manual』です。HTML および PDF の形式で用意されています。

REST インタフェース

Enterprise Server は、新規にインストールされたアドオンコンポーネントが提供するデータなど、Enterprise Server の監視データや構成データにアクセスできる表現状態転送 (REST) インタフェースを装備しています。詳細については、「REST インタフェースによる Enterprise Server の管理」を参照してください。

更新ツール

Enterprise Server は、配備した Enterprise Server のソフトウェアを更新する Image Packaging System (IPS) のツールセットを装備しています。一般的な更新には、Enterprise Server の新規リリース、および Enterprise Server のアドオンコンポーネントまたはモジュールの新規リリースまたは改訂リリースが含まれます。

GlassFish Enterprise Server v3 では、Web Profile と Full Platform Profile の 2 つの配布がサポートされています。インストール後、システムのモジュールを表示するには、グラフィカルな更新ツール、または pkg コマンドを使用します。


注 –

Web Profile を選択した後で、Full Platform Profile に変更するには、更新ツールの対応する Full Platform Profile パッケージを選択します。従属するモジュールがすべて自動的に追加されます。


配布について各モジュールの追加や削除は可能ですが、そのような構成はサポートされていません。

Enterprise Server の新バージョンを操作するために、ドメイン構成データのアップグレードについての情報が必要な場合は、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 Upgrade Guide』を参照してください。

OSGi モジュール管理サブシステム

Enterprise Server に付属の OSGi モジュール管理サブシステムは、Apache Felix OSGi フレームワークです。このフレームワークを管理できるように、Enterprise Server ではデフォルトで Apache Felix Remote Shell が有効 なっています。このシェルは Felix シェルサービスを使用して OSGi モジュール管理サブシステムと相互作用し、次のような管理タスクを実行可能にします。

Apache Felix Remote Shell は、ネットワークのどこからでも telnet クライアントにアクセスできます。telnet サービスを使用して Apache Felix Remote Shell に接続するには、コマンド telnet(1) を次のように使用します。


telnet host felix-remote-shell-port
host

DAS が稼働中のホスト

felix-remote-shell-port

telnet サービスを使用して Apache Felix Remote Shell に接続するポート。Enterprise Server は、このためにポート 6666 を使用するように事前構成されています。

Apache Felix Remote Shell で使用できるコマンドを一覧表示するには、Apache Felix Remote Shell のプロンプトに help と入力します。

Apache Felix Remote Shell を終了するには、Apache Felix Remote Shell のプロンプトに exit と入力します。


例 1–1 Apache Felix Remote Shell に接続する

この例では、ローカルホストで動作し、telnet サービスによる Apache Felix Remote Shell への接続に事前構成されたポートを使用しているドメインで Apache Felix Remote Shell に接続します。


telnet localhost 6666

接続の確立後、次の情報が表示されます。


Connected to localhost.
Escape character is '^]'.

Felix Remote Shell Console:
============================

-> 


例 1–2 インストール済みの OSGi バンドルを一覧表示する

この例は、引数を指定せずに Felix Remote Shell のコマンド ps を実行して、インストール済みの OSGi バンドルを一覧表示します。見やすくするために、この例で表示される可能性のある一部のバンドルを記載していません。


-> ps
START LEVEL 1
   ID   State         Level  Name
[   0] [Active     ] [    0] System Bundle (2.0.2)
[   1] [Active     ] [    1] HK2 OSGi Main Bundle (1.0.0)
[   2] [Installed  ] [    1] AMX V3 Core (3.0.0.SNAPSHOT)
[   3] [Active     ] [    1] GlassFish Rest Interface (3.0.0.SNAPSHOT)
...
[ 217] [Installed  ] [    1] Admin Console JDBC Plugin (3.0.0.SNAPSHOT)
[ 218] [Resolved   ] [    1] stats77 (3.0.0.SNAPSHOT)
[ 219] [Active     ] [    1] Apache Felix Declarative Services (1.0.8)
[ 220] [Active     ] [    1] GlassFish Web Container (rfc #66) for OSGi Enabled 
Web Applications (3.0.0.SNAPSHOT)
->


例 1–3 指定の名前を持つ OSGi バンドルを検索する

この例は、Felix Remote Shell のコマンド find を実行して、名前にテキスト rfc が含まれる OSGi バンドルを検索します。··


-> find rfc
START LEVEL 1
   ID   State         Level  Name
[ 220] [Active     ] [    1] GlassFish Web Container (rfc #66) for OSGi Enabled 
Web Applications (3.0.0.SNAPSHOT)
->


例 1–4 OSGi バンドルが提供するサービスを調べる

この例は、オプション servicecapability を指定して Felix Remote Shell のコマンド inspect を実行し、OSGi バンドル 220 が提供するサービスを調べます。


-> inspect service capability 220 
GlassFish Web Container (rfc #66) for OSGi Enabled Web Applications (220) provides services:
--------------------------------------------------------------------------------------------
objectClass = org.glassfish.osgiweb.Extender
service.id = 30
----
objectClass = org.osgi.service.url.URLStreamHandlerService
service.id = 31
url.handler.protocol = webbundle
-> 

keytool ユーティリティー

keytool ユーティリティーは、Java Security Socket Extension (JSSE) デジタル証明書の設定と操作に使用します。keytool の使用方法については、「JSSE 証明書の管理 」を参照してください。

Java Monitoring and Management Console (JConsole)

Java SE は、MBean サーバーに接続してそのサーバーに登録された MBean を表示するツールを装備しています。JConsole は一般的な JMX コネクタクライアントであり、標準 Java SE ディストリビューションの一部として利用できます。Enterprise Server 環境に JConsole を実装する方法については、「Enterprise Server の監視データを表示するための JConsole の設定」を参照してください。

Application Server Management Extension (AMX)

アプリケーションサーバー管理拡張 (AMX) API は、AMX インタフェースの使いやすいクライアント側の動的プロキシ実装として、Enterprise Server の構成、および監視中の JMX 管理対象 Bean をすべて公開します。