Solaris ユーザーズガイド (上級編)

作業用ディレクトリの変更 (cd)

cd (change directory) コマンドを使うと、ファイルシステム階層内を自由に移動できます。


$ cd /usr/lib

$ pwd

/usr/lib

cd コマンドを引数なしで入力すると、自分のホームディレクトリに戻ります。たとえば、ホームディレクトリが /export/home/user1 の場合は、次のようになります。


$ cd

$ pwd

/home/user1

ホームディレクトリは /export/home/user1 ですが、cd コマンドはユーザを /home/user1 に返します。これは、ホームディレクトリがオートマウンタによって /home ディレクトリにマウントされているためです。

Bourne Again、C、Korn、TC、および Z シェルでは、ホームディレクトリを示す短縮名としてチルド文字 (~) が使用されます。たとえば、次のように入力するとホームディレクトリ内の music サブディレクトリに移動できます。


example% cd ~/music

この短縮名を使ってほかのユーザのホームディレクトリを指定することもできます。次に例を示します。


example% cd ~username

username はほかのユーザのログイン名です。このコマンドによって、そのユーザのホームディレクトリに移動します。


注 –

Bourne シェルを使用している場合は、この短縮名「~」は機能しません。


Bourne シェルを使用している場合は、$home と入力してホームディレクトリを指定できるようにシステム管理者がすでに設定している場合があります。その場合は、次のコマンドを入力すると作業ディレクトリをホームディレクトリ内の music サブディレクトリに移動できます。


$ cd $home/music

サブディレクトリのすぐ「上」のディレクトリは、親ディレクトリと呼ばれます。前記の例では、/home/home/user1 の親ディレクトリです。親ディレクトリは、シンボル .. (ピリオドを 2 つ) で表します。したがって、cd .. というコマンドを入力すると、次の例で示すように、作業用ディレクトリが親ディレクトリに変わります。


$ pwd

/home/user1

$ cd ..

$ pwd

/home

現在の作業ディレクトリが /home/user1 のときに、/home/user2 にあるファイルの処理を行いたいという場合は、次のコマンドを入力します。


$ pwd

/home/user1

$ cd ../user2

$ pwd

/home/user2

../user2 は、user2 の親ディレクトリを経由するようシステムに指示します。この例に示すように、絶対パス名 /home/user2 を入力するより簡単です。