Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド

ネットワーク・ディスプレイでのログイン画面の表示

ログイン・サーバは、ネットワーク・ディスプレイからの要求でログイン画面を特定のディスプレイに表示できます。ネットワーク・ディスプレイは通常 X 端末ですが、ワークステーションの場合もあります。

ネットワーク・ディスプレイからの要求を管理するため、ログイン・サーバは X ディスプレイ・マネージャ・プロトコル (XDMCP) 1.0 をサポートします。このプロトコルは、ログイン・サーバがネットワーク・ディスプレイからの要求を受け入れたり拒否したりできるようにします。ほとんどの X 端末に XDMCP が組み込まれています。

ネットワーク・ディスプレイからの XDMCP の直接要求

XDMCP 直接モード (照会モード) を使用するように X 端末を構成する場合は、ログイン・サーバのホスト名を X 端末に通知します。X 端末を起動すると、自動的にログイン・サーバに通信し、ログイン・サーバが X 端末にログイン画面を表示します。XDMCP 直接モード用に X 端末を構成する方法については、X 端末のマニュアルを参照してください。

ほとんどの X サーバは -query オプションもサポートしています。このモードでは、X サーバは X 端末のように動作して、ログイン・サーバ・ホストに直接通信し、X サーバにログイン画面を表示するよう要求します。たとえば、X サーバをワークステーション bridget のビットマップ・ディスプレイで起動すると、ログイン・サーバ anita が X サーバにログイン画面を表示します。

X -query anita

ネットワーク・ディスプレイからの XDMCP の間接要求

XDMCP 間接モードを使用するように X 端末を構成する場合は、ログイン・サーバのホスト名を X 端末に通知します。X 端末を起動すると、ログイン・サーバに通信し、ログイン・サーバが、ネットワークの他のログイン・サーバ・ホストのリストを選択画面で表示します。このリストからユーザはホストを選択できます。そのホストがユーザの X 端末にログイン画面を表示します。XDMCP 間接モード用に X 端末を構成する方法については、X 端末のマニュアルを参照してください。

直接モード同様、ほとんどの X サーバが -indirect オプションをサポートしています。このオプションを指定すると X サーバは XDMCP 間接モードでログイン・サーバと通信します。

非 XDMCP ネットワーク・ディスプレイの管理

古い X 端末は XDMCP をサポートしていない可能性があります。このような X 端末にログイン・サーバがログイン画面を表示するには、Xservers ファイルに X 端末名を記入します。

ディスプレイはネットワーク上にあるので、display_name はホスト名を名前の一部として取り込みます。display class は、特定のクラスの X 端末に固有のリソースを指定するのに使用します (X 端末のマニュアルに、X 端末のディスプレイ・クラスが記載されています)。foreigndisplay_type はログイン・サーバに、ログイン・サーバ自身を起動するのではなく、既存の X サーバに接続するよう通知します。この場合、X_server_command は指定されません。

次に示す Xservers ファイルの行は、rubywolfie という 2 つの非 XDMCP X 端末に、ログイン・サーバがログイン画面を表示します。

ruby.blackdog.com:0 AcmeXsta foreign 
wolfie:0 PandaCo foreign