Solaris 10 の概要

X11 ウィンドウ表示の機能拡張

Solaris 10 8/07 リリースでは、次の X11 ウィンドウ機能と拡張機能が追加されました。

dtlogin の言語選択のオーバーホール

CDE では現在、ログイン画面に階層メニューの形式でわかりにくいロケール名の一覧を表示します。dtlogin の言語選択のオーバーホールにより、よりユーザーに親しみやすい言語指向のログインリストになりました。CDE には、ディスプレイごとのデフォルトのログイン言語名を記憶する機能があります。SunRay 環境では、X リソースを使ってディスプレイがログイン言語を記憶できないようにすることが可能です。

詳細は、dtlogin のマニュアルページを参照してください。

X サーバーの DTrace プロバイダ

このリリース以降、X ウィンドウシステムのサーバーには、X11 クライアントの接続に備えて USDT (User-land Statically Defined Tracing) DTrace プロバイダが追加されました。X ウィンドウシステムのサーバーには次のものがあります。

使用できるプローブとその引数、およびそれらを使用した DTrace スクリプトの例については、http://people.freedesktop.org/~alanc/dtrace/ を参照してください。

Xorg X11R7.2 サーバーおよびドライバ

X11 ウィンドウシステム、関連したグラフィックス、および入力デバイスドライバ用の Xorg サーバーは、X11R7.2 リリースにアップグレードされました。X11R7.2 リリースには Xorg サーバーの version 1.2 が含まれています。また、x64 プラットフォームと SPARC プラットフォーム向けの 64 ビット版の Xorg サーバーも追加されましたが、共通した SPARC グラフィックスデバイス向けのドライバは Xorg ではまだ使用できません。

このリリースには、Xephyr で入れ子にした X サーバーや Xorg 版の Xvfb も組み込まれており、どちらも /usr/X11/bin ディレクトリにインストールされます。このバージョンの Xorg は、LBX (Low Bandwidth X) 拡張をサポートしなくなりました。帯域幅が極端に制限されたネットワークリンクにまたがって X ディスプレイを配置する必要があるサイトでは、ssh(1) の X トンネリング機能や圧縮機能を使用するようにしてください。