Solaris ボリュームマネージャの管理

シナリオ—RAID-1 ボリューム (ミラー)

RAID-1 ボリュームによって冗長ボリュームを作成できます。したがって、構成要素である RAID-0 ボリュームの 1 つで部分障害または完全障害が発生しても、データ損失は生じません。また、ファイルシステムにアクセスできなくなることもありません。次の例では、第 5 章「Solaris ボリュームマネージャの構成と使用」「シナリオ—RAID-0 ボリューム」で説明したシナリオを前提に、RAID-1 ボリュームで冗長記憶領域を提供する方法を示します。

「シナリオ—RAID-0 ボリューム」で説明したとおり、このシステム例には 2 つの RAID-0 ボリュームがあります。1 つのボリュームは約 27G バイトの容量で、3 つのディスクにまたがっています。RAID-1 ボリュームを作成してこれら 2 つの RAID-0 ボリュームをミラー化すると、完全に冗長化された記憶領域によって、障害からの回復が可能なデータ記憶領域を構築できます。

この RAID-1 ボリュームでは、どちらのディスクコントローラに障害が発生しても、ボリュームへのアクセスは中断されません。さらに、最大 3 つのディスクに障害が発生しても、アクセスが中断されない場合もあります。

アクセス中断を引き起こす状況に対して保護を強化するには、ホットスペアを使用します。第 16 章「ホットスペア集合 (概要)」を参照してください。特に 「ホットスペアの仕組み」を参照してください。