Solaris ボリュームマネージャの管理

付録 A Solaris ボリュームマネージャの重要なファイル

この付録では、Solaris ボリュームマネージャのファイルについて説明します。これらのファイルは、参照目的で使用してください。この付録の構成は、次のとおりです。

システムファイルと始動ファイル

この節では、Solaris ボリュームマネージャが正常に動作するのに必要なファイルについて説明します。いくつかの特別な構成変更を行う場合を除き、これらのファイルを使用したり、変更したりする必要はありません。

手動で設定するファイル

md.tab ファイルの概要

/etc/lvm/md.tab ファイルには、Solaris ボリュームマネージャの構成情報が格納されています。この情報を使えば、Solaris ボリュームマネージャ構成を再構築することができます。Solaris ボリュームマネージャは、このファイルをコマンド行ユーティリティー metainitmetadbmetahs への入力として使用することによって構成を再構築できます。このファイルには、通常、ボリュームやディスクセット、ホットスペア集合のエントリが含まれています。このファイルを作成する方法については (metastat -p > /etc/lvm/md.tab コマンドを使用)、「構成ファイルを作成するには」を参照してください。


注 –

/etc/lvm/md.tab ファイルの構成情報と、実際に使用中のボリュームやホットスペア、状態データベースの複製が異なる場合があります。このファイルは、意図する構成を手動で保存するためのものです。Solaris ボリュームマネージャ構成を変更したあと、このファイルを作成し直し、バックアップコピーを保管しておいてください。


このファイルを作成または更新したら、metainitmetahsmetadb コマンドを使って、このファイルに指定したボリュームや、ホットスペア集合、状態データベースの複製をアクティブにすることができます。

/etc/lvm/md.tab ファイルの各行には、1 つの ボリュームの完全な構成エンティティーの情報を、metainitmetadbmetahs コマンドの構文に基づいて指定します。


注 –

metainit -an コマンドを使って、md.tab 内にあるすべてのボリュームの初期化をシミュレートすると、md.tab で定義されている別のボリュームに依存するボリュームについてのエラーメッセージが表示されることがあります。こうしたエラーメッセージが表示されるのは、metainit -an コマンドの実行時に作成されたはずのボリュームの状態を Solaris ボリュームマネージャが維持していないからです。構成が存在している場合は、既存押構成に基づいて各行が評価されます。したがって、metainit -an コマンドが失敗するように見える場合でも、-n オプションを指定しなければ成功する可能性があります。


その上で metainit コマンドに -a オプションを指定すれば、/etc/lvm/md.tab ファイルに指定されているすべてのボリュームをアクティブにできます。あるいは、このファイルの特定のエントリに対応するボリュームを指定すれば、そのボリュームをアクティブにできます。


注 –

Solaris ボリュームマネージャが /etc/lvm/md.tab ファイルに構成情報を書き込んだり、格納したりすることはありません。Solaris ボリュームマネージャコンポーネントを再作成するためには、ユーザーがこのファイルを手動で編集し、metainitmetahs、または metadb コマンドを実行する必要があります。


詳細は、md.tab(4) のマニュアルページを参照してください。