パリティー計算は複雑なので、書き込み率が 20 パーセントを超えるボリュームは、通常、RAID-5 ボリュームにすべきではありません。書き込みが頻繁に発生するボリュームでデータの冗長性を確保したい場合は、ミラーの使用を検討してください。
RAID-5 ボリューム内の各コンポーネントが異なるコントローラ上にあり、ボリュームへのアクセスが主に大容量の順次アクセスである場合は、飛び越し値を 32 K バイトに設定すると、性能が向上することがあります。
RAID-5 ボリュームにコンポーネントを連結することによってボリュームを拡張できます。ただし、既存の RAID-5 ボリュームに新しいコンポーネントを連結すると、ボリュームの全体的な性能が低下します。これは、連結されたコンポーネント上のデータが順次処理されるためです。つまり、データは、すべてのコンポーネントにストライプ化されるわけではありません。ボリュームの元のコンポーネントのデータとパリティーは、すべてのコンポーネントについてストライプ化されますが、ストライプ化は連結されたコンポーネントでは失われます。ただし、コンポーネントの入出力時にパリティーが使用されるので、エラーが発生してもデータは回復可能です。新しいコンポーネントが連結された RAID-5 ボリュームも 1 つのコンポーネントの障害にのみ対応できます。
連結されたコンポーネントは、それ自体のどの領域でもパリティーがストライプ化されないという点で元のコンポーネントとは違います。連結されたコンポーネントでは、全内容がデータに使用されます。
コンポーネントを連結すると、大規模な書き込みや順次書き込みにおける性能上の利点は失われます。
データブロックをゼロで初期化せずに、RAID-5 ボリュームを作成することもできます。そのためには、次のどちらかの方法を使用します。
metainit コマンドに -k オプションを指定します。-k オプションを指定すると、RAID-5 ボリュームが初期化なしで作成し直され、ディスクブロックが「正常 (Okay)」状態に設定されます。-k は、潜在的に危険なオプションです。ボリューム内のディスクブロックにエラーがあると、不正なデータの生成など、Solaris ボリュームマネージャが予期せぬ動作を起こすことがあります。
デバイスを初期化し、テープからデータを復元します。詳細は、metainit(1M) のマニュアルページを参照してください。