Solaris ボリュームマネージャの管理

状態データベースと状態データベースの複製

状態データベース 」は、Solaris ボリュームマネージャの構成の状態に関する情報を格納するデータベースです。状態データベースは、構成に対して加えられた変更を記録および管理します。Solaris ボリュームマネージャは、構成や状態に変化があると、状態データベースを自動的に更新します。たとえば、新しいボリュームの作成は構成の変更であり、サブミラーの障害は状態の変化を意味します。

状態データベースは、実際には複製された複数のデータベースコピーの集まりです。各コピーは、状態データベースの複製と呼ばれ、データベース内のデータが常に有効であることを保証します。状態データベースのコピーを複数持つことにより、単一点障害からデータを保護することができます。状態データベースは、既知の状態データベースの複製の格納場所と状態をすべて記録しています。

状態データベースとその状態データベースの複製が作成されるまで、Solaris ボリュームマネージャは動作できません。Solaris ボリュームマネージャ構成には、正常に動作する状態データベースが必要です。

構成を設定するときは、状態データベースの複製を次のどちらかに配置できます。

Solaris ボリュームマネージャは、状態データベースの複製が割り当てられているスライスを認識し、そのスライスがボリューム内で使用されている場合には、その複製部分を自動的にスキップします。状態データベースの複製用に予約されているスライスの部分を、他の目的に使用することはできません。

複数の状態データベースのコピーを 1 つのスライス上に置くこともできますが、そのようにすると、システムは単一点障害に対して脆弱になります。

すべての状態データベースの複製が削除された場合でも、Solaris オペレーティングシステムは正常に動作します。しかし、状態データベースの複製がディスク上にまったくない状態でシステムをリブートすると、すべての Solaris ボリュームマネージャの構成データが失われます。