Solaris ボリュームマネージャの管理

多数決アルゴリズムとは

複製されたデータベース特有の問題は、どのデータベースが有効でデータが正しいかの判別が困難だということです。この問題を解決するために、Solaris ボリュームマネージャでは多数決アルゴリズムが使用されます。このアルゴリズムでは、過半数の複製のコンセンサスが得られないかぎり、いずれの複製も有効なものとみなされません。したがって、このアルゴリズムでは、始めから 3 つ以上の複製が存在していなければなりません。3 つの複製のうち少なくとも 2 つが使用可能であれば、コンセンサスが得られたことになります。一方、複製が 1 つしか存在していないときに、システムがクラッシュすると、すべてのボリューム構成データが失われてしまう可能性があります。

データを保護するために、Solaris ボリュームマネージャは、半数の複製が使用可能でなければ、動作しません。これにより、データの損傷が防止されます。

多数決アルゴリズムによって、システムは多数決アルゴリズムに従って次のように動作します。

使用可能な状態データベースの複製の数が足りない場合は、シングルユーザーモードでブートし、損傷または失われた複製を削除して、規定数を満たす有効な複製を確保する必要があります。「状態データベースの複製数の不足から回復するには」を参照してください。


注 –

状態データベースの複製の総数が奇数の場合は、その値を 2 で割り、端数を切り捨てた整数値に 1 を加えることによって過半数値が計算されます。たとえば、複製が 7 つあるシステムの過半数値は 4 です (7 を 2 で割って端数を切り捨てると 3 になり、それに 1 を足すと 4 になる)。