Solaris ボリュームマネージャの管理

Proceduremetassist コマンドを使ってボリューム構成ファイルを作成するには

始める前に

「ボリュームをトップダウン作成するための前提条件」を確認します。

  1. ボリュームの作成に使用する記憶領域を特定します。

    記憶領域を明示的に指定しなかった場合、システム上の未使用の記憶領域を Solaris ボリュームマネージャが特定し、必要に応じて使用します。記憶領域を指定すると、この記憶領域を Solaris ボリュームマネージャが使用します。記憶領域の指定は、広義に (たとえば、コントローラ 1 のすべての記憶領域) 行う場合もあれば、狭義に (たとえば、c1t4d2 は使用し、c1t4d1 は使用しない) 行う場合もあります。

  2. 作業に応じて、metassist コマンドと適切なオプションを使用します。

    -d オプションを使用して、ボリュームを実際には作成しないことを指定します。代わりに、XML ベースのボリューム構成ファイルが標準出力に送信されます。


    # metassist create -s diskset-name -f -r redundancy -a device1, device2... \
     -S size -v verbosity [-d]
    
    create

    ボリュームを作成するために使用するサブコマンド。

    -s diskset-name

    ボリュームに使用するディスクセットの名前を指定します。

    -f

    ボリュームとホットスペアを対応付けることを指定します。

    -r redundancy

    作成する冗長レベル (データコピー数) を指定します。

    -a device1, device2...

    ボリュームの作成用に使用できるデバイスを指定します。

    -S size

    作成するボリュームのサイズを KB (キロバイト)、MB (メガバイト)、GB (ギガバイト)、または TB (テラバイト) 単位で指定します。

    -v verbosity

    出力の詳細度を指定します。指定できる値の範囲は 0 (出力がほとんどない) から 2 (出力が多い) です。デフォルトレベルは 1 (中程度の出力) です。

    -d

    ボリュームを実際には作成しないことを意味します。


    注 –

    -d 引数によって、XML ベースのボリューム構成ファイルを標準出力に送信することが必須になります。しかし、metassist コマンドの他の出力は標準エラーに送信されます。出力ストリームは自由にリダイレクトできます。


    詳細は、次の例と metassist(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 23–9 metassist コマンドを使ってボリューム構成ファイルを作成する

次に、metassist コマンドを使用して、容量が 10M バイトの 2 面ミラーとホットスペアを作成し、障害耐性を強化する例を示します。-f オプションで障害耐性を指定します。最後の引数 (-c) で、ボリュームを実際には作成しないことを指定します。その代わりに、指定した構成を作成するために使用できるボリューム構成ファイルが、標準出力に送信されます。


# metassist create -s myset -f -r 2 -S 10mb -d


.(output truncated)
.
.
Volume request completed successfully.
<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE volume-config SYSTEM "/usr/share/lib/xml/dtd/volume-config.dtd">
 <volume-config>
<diskset name="myset"/>
<disk name="c1t3d0"/>
<disk name="c1t6d0"/>
<disk name="c1t4d0"/>
<slice name="c1t3d0s7" sizeinblocks="0"/>
<slice name="c1t3d0s0" sizeinblocks="17649765" startsector="10773"/>
<slice name="c1t6d0s7" sizeinblocks="0"/>
<slice name="c1t6d0s0" sizeinblocks="17649765" startsector="10773"/>
<slice name="c1t4d0s7" sizeinblocks="0"/>
<slice name="c1t4d0s0" sizeinblocks="17649765" startsector="10773"/>
<hsp name="hsp000">
<slice name="c1t3d0s1" sizeinblocks="21546" startsector="17660538"/>
</hsp>
<mirror name="d0" read="ROUNDROBIN" write="PARALLEL" passnum="1">
<concat name="d2">
<slice name="c1t4d0s1" sizeinblocks="21546" startsector="17660538"/>
<hsp name="hsp000"/>
</concat>
<concat name="d1>
<slice name="c1t6d0s1"sizeinblocks="21546" startsector="17660538"/>
<hsp name="hsp000"/>
</concat>
</mirror>
</volume-config>
# 


例 23–10 metassist コマンドを使ってボリューム構成ファイルを保存する

次に、metassist コマンドを使用して、容量が 10M バイトの 2 面ミラーとホットスペアを作成し、障害耐性を強化する例を示します。-f オプションで障害耐性を指定します。最後の引数 (-c) で、ボリュームを実際には作成しないことを指定します。その代わりに、指定した構成を作成するために使用できるボリューム構成ファイルが、標準出力に送信されます。コマンドの最後の部分では、標準出力をリダイレクトして /tmp/metassist-volume-config.xml ボリューム構成ファイルを作成することを指定します。このファイルはあとで、指定したボリュームを作成するために使用できます。


# metassist create -s myset -f -r 2 -S 10mb -d >  \
/tmp/metassist-volume-config.xml