Solaris のシステム管理 (基本編)

SPARC システムで指定した ZFS ルートファイルシステムからブートする

SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris ZFS からのブートをサポートするために、2 つの新しいブートオプションが追加されました。

-L

ZFS プール内の使用可能なブート可能データセットのリストを表示します。


注 –

boot -L コマンドは、コマンド行からではなく OBP から実行されます。


-Z dataset

指定の ZFS ブート可能データセットのルートファイルシステムをブートします。

ZFS ルートファイルシステムからシステムをブートする場合は、最初に OBP から -L オプションを指定して boot コマンドを実行して、システム上の使用可能な BE のリストを表示します。次に、-Z オプションを使用して指定の BE をブートします。

詳細は、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。

ProcedureSPARC: ZFS ルートプール内の使用可能なブート可能データセットのリストを表示する方法

SPARC システムでは、menu.lst ファイルに次の 2 つの GRUB コマンドが含まれています。

ZFS プール内のブート可能データセットのリストを表示するには、次のどちらかの方法を選択します。

次の手順は、boot -L コマンドを使用してシステム上の使用可能な BE のリストを表示する方法を示しています。このコマンドの実行後に指定の BE をブートするには、画面に表示された指示に従います。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムを ok PROM プロンプトにします。


    # init 0
    
  3. ZFS プール内の使用可能な BE のリストを表示します。


    ok boot device-specifier -L
    
  4. 表示されているいずれかのエントリをブートするには、そのエントリに対応する番号を入力します。

  5. 画面に出力される指示に従って、指定した BE からブートします。

    方法については、「SPARC: 指定した ZFS ルートファイルシステムからブートする方法」を参照してください。


例 12–5 SPARC: boot -L を使用してシステム上の使用可能な BE のリストを表示する


# init 0
# svc.startd: The system is coming down. Please wait.
svc.startd: 94 system services are now being stopped.
svc.startd: The system is down.
syncing file systems... done
Program terminated
ok boot -L
.
.
.
Boot device: /pci@1f,0/pci@1/scsi@8/disk@0,0 File and args: -L
zfs-file-system
Loading: /platformsun4u/bootlst
1.s10s_nbu6wos
2 zfs2BE
Select environment to boot: [ 1 - 2 ]: 2

to boot the selected entry, invoke:
boot [<root-device] -Z rpool/ROOT/zfs2BE

参照

詳細は、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の第 5 章「Oracle Solaris ZFS ルートファイルシステムのインストールと起動」を参照してください。

ProcedureSPARC: 指定した ZFS ルートファイルシステムからブートする方法

Oracle Solaris ZFS からブートする方法は、UFS からブートする方法とは異なります。 ZFS からブートするときは、デバイス識別子によって単一のルートファイルシステムではなく、ストレージプールが識別されます。ストレージプールには、複数のブート可能データセット (ルートファイルシステム) が含まれていることがあります。そのため、ZFS からブートするときは、ブートデバイスによってデフォルトと見なされるプール内のルートファイルシステムも識別する必要があります。デフォルトでは、デフォルトのブートデバイスはプールの bootfs プロパティーによって識別されます。この手順では、ZFS ブート可能データセットを指定してシステムをブートする方法を示します。使用可能なすべてのブートオプションの詳細は、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

bootfs プロパティーを以前に正しく設定した場合 (luactivate コマンドを使用して BE をアクティブにした場合など)、システムは自動的に ZFS ルートをブートします。


詳細は、zpool(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムを ok PROM プロンプトにします。


    # init 0
    
  3. (省略可能) 使用可能な BE のリストを表示するには、-L オプションを指定して boot コマンドを実行します。

    方法については、「SPARC: ZFS ルートプール内の使用可能なブート可能データセットのリストを表示する方法」を参照してください。

  4. 指定のエントリをブートするには、そのエントリの番号を入力し、Return キーを押します。


    Select environment to boot: [1 - 2]:
  5. システムをブートするには、画面に表示された指示に従います。

    To boot the selected entry, invoke:
    boot [<root-device>] -Z rpool/ROOT/dataset
    

    ok boot -Z rpool/ROOT/dataset
    

    次に例を示します。


    # boot -Z rpool/ROOT/zfs2BE
    
  6. システムのブートが完了したら、次のコマンドを入力してアクティブな BE を確認します。


    # prtconf -vp | grep whoami
    
    • アクティブな BE のブートパスを表示するには、次のコマンドを入力します。


      # prtconf -vp | grep bootpath
      
    • 別の方法として、df -lk コマンドを使用して、正しい BE がブートされたかどうかを確認することもできます。


例 12–6 SPARC: 指定した ZFS ルートファイルシステムからブートする

次の例は、boot -Z コマンドを使用して SPARC システムで ZFS データセットをブートする方法を示しています。


# init 0
# svc.startd: The system is coming down. Please wait.
svc.startd: 79 system services are now being stopped.
svc.startd: The system is down.
syncing file systems... done
Program terminated
ok boot -Z rpool/ROOT/zfs2BEe
Resetting
LOM event: =44d+21h38m12s host reset
g ...

rProcessor Speed = 648 MHz
Baud rate is 9600
8 Data bits, 1 stop bits, no parity (configured from lom)

Firmware CORE Sun Microsystems, Inc.
@(#) core 1.0.12 2002/01/08 13:00
software Power ON
Verifying nVRAM...Done
Bootmode is 0
[New I2C DIMM address]
.
.
.
Environment monitoring: disabled
Executng last command: boot -Z rpool/ROOT/zfs2BE
Boot device: /pci@1f,0/pci@1/scsi@8/disk@0,0 File and args: -Z rpool/ROOT/zfs2Be
zfs-file-system
Loading: /platform/SUNW,UltraAX-i2/boot_archive
Loading: /platform/sun4u/boot_archive
ramdisk-root hsfs-file-system
Loading: /platform/SUNW,UltraAX-i2/kernel/sparcv9/unix
Loading: /platform/sun4u/kernel/sparcv9/unix
.
.
.
Hostname: mallory
NIS domainname is boulder.Central.Sun.COM
Reading ZFS config: done.
Mounting ZFS filesytems: (6/6)

mallory console login:

参照

指定の ZFS ブート可能データセットのフェイルセーフアーカイブをブートする方法については、「SPARC システムをフェイルセーフモードでブートする方法」を参照してください。