Solaris のシステム管理 (基本編)

ProcedureSPARC: 復旧を目的としてシステムをブートする方法

次の手順は、/etc/passwd などの重要なファイルに、無効なエントリがあり正常にブートできない場合に使用します。

root パスワードがわからない場合やシステムにログインできない場合は、この手順で示すアボートキーシーケンスを使用します。詳細は、「SPARC: 復旧を目的としてシステムを停止する方法」を参照してください。

次の手順で使用されている変数 device-name は、修復するファイルシステムのデバイス名に置き換えてください。システムのデバイス名を調べる場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』「デバイス構成情報の表示」を参照してください。

  1. システムのアボートキーシーケンスを使用して、システムを停止します。

  2. システムをシングルユーザーモードでブートします。

    • Oracle Solaris インストールメディアからシステムをブートします。

      • Oracle Solaris インストールメディアをドライブに挿入します。

      • Solaris SOFTWARE - 1 CD または DVD から、シングルユーザーモードでブートします。


        ok boot cdrom -s
        
    • ネットワーク (インストールサーバーまたはリモート CD/DVD ドライブが使用できない場合) からシステムをブートします。


      ok boot net -s
      
  3. ファイル内に無効なエントリがあるファイルシステムをマウントします。


    # mount /dev/dsk/device-name /a
    
  4. 新しくマウントしたファイルシステムに移動します。


    # cd /a/file-system
    
  5. 端末タイプを設定します。


    # TERM=sun
    # export TERM
    
  6. エディタを使って、ファイルから無効なエントリを削除します。


    # vi filename
    
  7. ルート (/) ディレクトリに変更します。


    # cd /
    
  8. /a ディレクトリのマウントを解除します。


    # umount /a
    
  9. システムを再起動します。


    # init 6
    
  10. システムが実行レベル 3 になっていることを確認します。

    ブートプロセスが正常に終了すると、ログイン画面かログインプロンプトが表示されます。


    hostname console login:

例 14–3 SPARC: 復旧を目的としてシステムをブートする (パスワードファイルが損傷した場合)

次の例は、ローカルの CD-ROM からブートしたあとで重要なシステムファイル (この場合は /etc/passwd) を修復する方法を示しています。


ok boot cdrom -s
# mount /dev/dsk/c0t3d0s0 /a
# cd /a/etc
# TERM=vt100
# export TERM
# vi passwd
(Remove invalid entry)
# cd /
# umount /a
# init 6


例 14–4 SPARC: root パスワードを忘れた場合にシステムをブートする

次の例は、root パスワードを忘れた場合にネットワークからシステムをブートする方法を示しています。この例では、ネットワークのブートサーバーが利用可能になっていることを前提とします。システムをリブートしたあとで必ず新しい root パスワードを適用してください。


ok boot net -s
# mount /dev/dsk/c0t3d0s0 /a
# cd /a/etc
# TERM=vt100
# export TERM
# vi shadow
(Remove root's encrypted password string)
# cd /
# umount /a
# init 6