Solaris のシステム管理 (上級編)

データの自動収集を設定する (sar)

sar コマンドを使用すると、システム動作データそのものを収集するか、sadc コマンドで作成された日次動作ファイルに収集された情報を報告できます。

sar コマンドの書式は次のとおりです。


sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-o file] t [n] 

sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-s time] [-e time] [-i sec] [-f file]

次の sar コマンドは、オペレーティングシステム内の累積動作カウンタから t 秒間隔で n 回データを収集します。t は、5 秒以上の値にします。それ以外の値にすると、コマンドそのものがサンプルに影響を与えることがあります。また、サンプルの収集間隔を指定する必要があります。指定しないと、このコマンドは第 2 の書式に従って動作します。n のデフォルト値は 1 です。次の例では、10 秒間隔で 2 つのサンプルが収集されます。-o オプションを指定すると、サンプルは 2 進形式でファイルに保存されます。


$ sar -u 10 2

その他に、sar では次の点に注意する必要があります。

次の表に、sar コマンドのオプションとその動作を示します。

表 13–2 sar コマンドのオプション

オプション 

動作 

-a

ファイルアクセス操作をチェックする 

-b

バッファー動作をチェックする  

-c

システムコールをチェックする  

-d

各ブロックデバイスの動作をチェックする 

-g

ページアウトとメモリーの解放をチェックする  

-k

カーネルメモリーの割り当てをチェックする  

-m

プロセス間通信をチェックする  

-nv

システムテーブルの状態をチェックする  

-p

スワップとディスパッチ動作をチェックする  

-q

待ち行列動作をチェックする  

-r

未使用メモリーをチェックする  

-u

CPU の使用率をチェックする 

-w

ボリュームのスワッピングと切り替えをチェックする  

-y

端末動作をチェックする  

-A

システム全体のパフォーマンスをリポートする (すべてのオプションを入力した場合と同じです) 

オプションを使用しなければ、sar コマンドを -u オプションを指定して呼び出すのと同じです。