Solaris のシステム管理 (上級編)

システムアカウンティングファイル

/var/adm ディレクトリには、使用中のデータ収集ファイルが含まれています。次の一覧は、このディレクトリにあるアカウンティングファイルを説明しています。

dtmp

acctdusg プログラムからの出力

fee

chargefee プログラムからの出力である ASCII の tacct レコード

pacct

現在使用中のプロセスアカウンティングファイル

pacct n

turnacct スクリプトの実行によって切り替えられたプロセスアカウンティングファイル

Spacctn. MMDD

runacct スクリプトの実行中に生成された MMDD 日付のプロセスアカウンティングファイル

/var/adm/acct ディレクトリには、nitesum、および fiscal ディレクトリが設けられています。それぞれのディレクトリに実際のデータ収集ファイルが格納されます。たとえば、nite ディレクトリは runacct スクリプトが毎日繰り返して使用するファイルを格納しています。次の表で、/var/adm/acct/nite ディレクトリ内の各ファイルを簡単に説明します。

表 10–4 /var/adm/acct/nite ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

active

runacct スクリプトが進捗状況の記録用、警告メッセージ、エラーメッセージの出力用として使用する

active.MMDD

runacct スクリプトがエラーを検出した後は、active ファイルに同じ

cms

prdaily スクリプトが使用する ASCII 合計コマンド要約

ctacct.MMDD

tacct.h 形式の接続アカウンティングレコード

ctmp

acctcon1 プログラムの出力。ctmp.h 形式の接続セッションレコードで構成される (acctcon1acctcon2 は互換性を保証するために用意)

daycms

prdaily スクリプトが使用する ASCII 日次コマンド要約

daytacct

tacct.h 形式の 1 日分の合計アカウンティングレコード

disktacct

tacct.h 形式のディスクアカウンティングレコード。dodisk スクリプトが作成する

fd2log

runacct スクリプトの実行中の診断出力

lastdate

runacct スクリプトが最後に実行された日 (date +%m%d 形式)

lineuse

prdaily スクリプトが使用する tty 回線利用状況レポート

lock

runacct スクリプトの逐次使用の制御に使用する

log

acctcon プログラムからの診断出力

log.MMDD

runacct スクリプトがエラーを検出した後は、log ファイルに同じ

owtmpx

前日の wtmpx ファイル

reboots

wtmpx ファイルからの開始および終了日付とリブートのリスト

statefile

runacct スクリプトの実行中の現在状態の記録用に使用

tmpwtmp

wtmpfix プログラムが修復した wtmpx ファイル

wtmperror

wtmpfix エラーメッセージが格納される場所

wtmperror MMDD

runacct スクリプトがエラーを検出したあとは、wtmperror ファイルに同じ

wtmp MMDD

runacct スクリプトが使用する wtmpx ファイルのコピー

sum ディレクトリは、runacct スクリプトが更新し、monacct スクリプトが使用する、累積要約ファイルを格納します。次の表で、 /var/adm/acct/sum ディレクトリの中にあるファイルを説明します。

表 10–5 /var/adm/acct/sum ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

cms

バイナリ形式の、会計期の合計コマンド要約ファイル  

cmsprev

最新の更新がなされていないコマンド要約ファイル  

daycms

内部要約書式の、当日の利用状況を表すコマンド要約ファイル  

loginlog

各ユーザーが最後にログインした日付のレコード。 lastlogin スクリプトによって作成され、 prdaily スクリプトによって使用される。

rprt.MMDD

prdaily スクリプトが保存し出力

tacct

会計期の累積合計アカウンティングファイル  

tacctprev

最新の更新がない点を除いて tacct ファイルと同じ

tacct.MMDD

MMDD 日付分の合計アカウンティングファイル

fiscal ディレクトリは monacct スクリプトが作成する定期的要約ファイルを格納します。次の表で、 /var/adm/acct/fiscal ディレクトリの中にあるファイルを説明します。

表 10–6 /var/adm/acct/fiscal ディレクトリ内のファイル

ファイル 

説明 

cmsn

内部要約書式の、会計期 n の合計コマンド要約ファイル

fiscrptn

会計期 nrprtn と同じレポート

tacctn

会計期 n の合計アカウンティングファイル

runacct スクリプトが生成するファイル

次の表で、runacct スクリプトによって生成される非常に有用なファイルを説明します。これらのファイルは、/var/adm/acct ディレクトリ内にあります。

表 10–7 runacct スクリプトが生成するファイル

ファイル  

説明 

nite/daytacct

tacct.h 形式の当日の合計アカウンティングファイル

nite/lineuse

runacct スクリプトは acctcon プログラムを呼び出し、/var/adm/acct/nite/tmpwtmp ファイルから端末の回線利用状況に関するデータを収集し、そのデータを /var/adm/acct/nite/lineuse ファイルに書き込む。prdaily スクリプトはこれらのデータを使用して回線利用状況を報告する。このレポートは特に不良回線の検出に有効となる。ログアウトとログインの回数の比率が 3 対 1 を上回る場合は、回線に障害が起こっている可能性が高い。

sum/cms

毎日のコマンド要約の累積。monacct スクリプトの実行によって新たに累積を開始する。ASCII バージョンは nite/cms ファイル

sum/daycms

runacct スクリプトは acctcms プログラムを呼び出し、当日中に使用されたコマンドを処理し、日次コマンド要約レポートを作成して、/var/adm/acct/sum/daycms ファイルにデータを保存する。ASCII バージョンは /var/adm/acct/nite/daycms ファイル

sum/loginlog

runacct スクリプトは lastlogin スクリプトを呼び出し、/var/adm/acct/sum/loginlog ファイルの各ログインの最終ログイン日付を更新する。lastlogin コマンドは、すでに有効ではないログインをこのファイルから削除する

sum/rprt.MMDD

runacct スクリプトが実行されるたびに、prdaily スクリプトによって印刷された日次レポートのコピーが保存される

sum/tacct

毎日の nite/daytacct データの累積が含まれており、課金の目的で使用される。monacct スクリプトは、各月または会計期ごとにデータの累積を新たに開始する。