Solaris のシステム管理 (上級編)

第 6 章 ディスク使用の管理 (手順)

この章では、使用していないファイルや大きなディレクトリを見つけることにより、ディスク容量を最適化する方法を示します。

ディスク使用の管理に関する手順については、「ディスク使用の管理 (手順マップ)」を参照してください。

ディスク使用の管理 (手順マップ)

作業 

説明 

参照先 

ファイルとディスク容量の情報を表示します。 

df コマンドを使用して、ディスク容量の利用状況に関する情報を表示します。

「ファイルとディスク容量の情報を表示する方法」

ファイルのサイズを表示します。 

ls コマンドと -lh オプションを使用して、ファイルのサイズに関する情報を表示します。

「ファイルサイズを表示する方法」

サイズの大きなファイルを探します。 

ls -s コマンドを使用して、ファイルをサイズの降順にソートします。

「サイズの大きなファイルを見つける方法」

指定されたサイズ制限を超えるファイルを見つけます。 

find コマンドと -size オプションを使用し、サイズ制限の値を指定して、そのサイズ制限を超えるファイルを見つけ、名前を表示します。

「指定されたサイズ制限を超えるファイルを見つける方法」

ディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示します。 

du コマンドを使用して、1 つ以上のディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示する

「ディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示する方法」

ローカル UFS ファイルシステムの所有状況を表示します。 

quot -a コマンドを使用して、ファイルの所有状況を表示します。

「ローカル UFS ファイルシステムのユーザーの所有状況を表示する方法」

最新ファイルのリストを表示します。 

ls -t コマンドを使用して、もっとも新しく作成または変更されたファイルから順番にファイルのリストを表示します。

「最新ファイルのリストを表示する方法」

古いファイルと使用されていないファイルを見つけて削除します。 

find コマンドと -atime および -mtime オプションを使用して、指定された日数アクセスされていないファイルを見つけます。これらのファイルは、rm `cat filename' コマンドを使用して削除できます。

「古いファイルと使用されていないファイルを見つけて削除する方法」

一時ディレクトリを一度にクリアします。 

一時ディレクトリを見つけ、rm -r * コマンドを使用してディレクトリ全体を削除します。

「一時ディレクトリを一度にクリアする方法」

コアファイルを見つけて削除します。 

find . -name core -exec rm {} \; コマンドを使用し、コアファイルを見つけて削除します。

コアファイルを見つけて削除する方法」

クラッシュダンプファイルを削除します。 

rm * コマンドを使用して、/var/crash/ ディレクトリにあるクラッシュダンプファイルを削除します。

「クラッシュダンプファイルを削除する方法」

ファイルとディスク容量の情報の表示

次の表に、ファイルのサイズとディスク容量の情報を表示するコマンドを示します。

コマンド 

説明 

マニュアルページ 

df

空きディスクブロック数とファイル数を表示します。 

df(1M)

du

各サブディレクトリに割り当てられたディスク容量を表示します。 

du(1)

find -size

-size オプションで指定したサイズに基づいて、ディレクトリを再帰的に検索します。

find(1)

ls -lh

ファイルのサイズを 1024 の累乗でリストします。 

ls(1)

Procedureファイルとディスク容量の情報を表示する方法

  1. 次のように df コマンドを入力して、ディスク容量の利用状況に関する情報を表示します。


    $ df [directory]  [-h] [-t]
    df

    オプションを指定しない場合、マウントされている全ファイルシステム、それらの装置名、使用されている 512 バイトのブロック数、ファイル数のリストを表示します。

    directory

    チェックするファイルシステムのディレクトリを指定します。

    -h

    ディスク容量を 1024 の累乗で表示します。

    -t

    マウントされている全ファイルシステムの合計ブロック数と使用されているブロック数を表示します。


例 6–1 ファイルサイズとディスク容量に関する情報を表示する

次の例では、/usr/dist を除き、リストされているすべてのファイルシステムがローカルにマウントされています。


$ df
/                  (/dev/dsk/c0t0d0s0 ):  101294 blocks   105480 files
/devices           (/devices          ):       0 blocks        0 files
/system/contract   (ctfs              ):       0 blocks 2147483578 files
/proc              (proc              ):       0 blocks     1871 files
/etc/mnttab        (mnttab            ):       0 blocks        0 files
/etc/svc/volatile  (swap              ):  992704 blocks    16964 files
/system/object     (objfs             ):       0 blocks 2147483530 files
/usr               (/dev/dsk/c0t0d0s6 ):  503774 blocks   299189 files
/dev/fd            (fd                ):       0 blocks        0 files
/var/run           (swap              ):  992704 blocks    16964 files
/tmp               (swap              ):  992704 blocks    16964 files
/opt               (/dev/dsk/c0t0d0s5 ):   23914 blocks     6947 files
/export/home       (/dev/dsk/c0t0d0s7 ):   16810 blocks     7160 files


例 6–2 UFS ルートファイルシステムを使用したシステムのファイルサイズ情報を 1024 バイト単位で表示する

次の例では、UFS ルートファイルシステムを使用したシステムのファイルシステム情報が 1024 バイト単位で表示されています。


$ df -h
Filesystem             size   used  avail capacity  Mounted on
/dev/dsk/c0t0d0s0      249M   200M    25M    90%    /
/devices                 0K     0K     0K     0%    /devices
ctfs                     0K     0K     0K     0%    /system/contract
proc                     0K     0K     0K     0%    /proc
mnttab                   0K     0K     0K     0%    /etc/mnttab
swap                   485M   376K   485M     1%    /etc/svc/volatile
objfs                    0K     0K     0K     0%    /system/object
/dev/dsk/c0t0d0s6      3.2G   2.9G   214M    94%    /usr
fd                       0K     0K     0K     0%    /dev/fd
swap                   485M    40K   485M     1%    /var/run
swap                   485M    40K   485M     1%    /tmp
/dev/dsk/c0t0d0s5       13M   1.7M    10M    15%    /opt
/dev/dsk/c0t0d0s7      9.2M   1.0M   7.3M    13%    /export/home

/proc/tmp は、ローカルファイルシステムですが、UFS ファイルシステムではありません。/proc は PROCFS ファイルシステムであり、/var/run/tmp は TMPFS ファイルシステムであり、/etc/mnttab は MNTFS ファイルシステムです。



例 6–3 ZFS ルートファイルシステムを使用したシステムのファイルサイズ情報を 1024 バイト単位で表示する

次の例では、Oracle Solaris ZFS ルートファイルシステムを使用したシステムのファイルシステム情報が 1024 バイト単位で表示されています。


Filesystem             size   used  avail capacity  Mounted on
rpool/ROOT/s1008be      67G   4.6G    58G     8%    /
/devices                 0K     0K     0K     0%    /devices
ctfs                     0K     0K     0K     0%    /system/contract
proc                     0K     0K     0K     0%    /proc
mnttab                   0K     0K     0K     0%    /etc/mnttab
swap                   1.9G   1.5M   1.9G     1%    /etc/svc/volatile
objfs                    0K     0K     0K     0%    /system/object
sharefs                  0K     0K     0K     0%    /etc/dfs/sharetab
/platform/sun4u-us3/lib/libc_psr/libc_psr_hwcap1.so.1
                        63G   4.6G    58G     8% /platform/sun4u-us3/lib/libc_psr.so.1
/platform/sun4u-us3/lib/sparcv9/libc_psr/libc_psr_hwcap1.so.1
                        63G   4.6G    58G     8% /platform/sun4u-us3/lib/sparcv9/libc_psr.so.1
fd                       0K     0K     0K     0%    /dev/fd
rpool/ROOT/s1008be/var
                        67G    73M    58G     1%    /var
swap                   1.9G    32K   1.9G     1%    /tmp
swap                   1.9G    40K   1.9G     1%    /var/run
rpool/export            67G    20K    58G     1%    /export
rpool/export/home       67G    18K    58G     1%    /export/home


例 6–4 ファイルシステムに割り当てられたブロックとファイルの合計数を表示する

次の例は、マウントされているすべてのファイルシステム、装置名、使用されている 512 バイトブロックの合計数、ファイル数を示しています。2 行構成の各エントリの 2 行目は、それぞれのファイルシステムに割り当てられているブロックの合計数とファイルの合計数を示します。


$ df -t
/                  (/dev/dsk/c0t0d0s0 ):   101294 blocks   105480 files
                                  total:   509932 blocks   129024 files
/devices           (/devices          ):        0 blocks        0 files
                                  total:        0 blocks      113 files
/system/contract   (ctfs              ):        0 blocks 2147483578 files
                                  total:        0 blocks       69 files
/proc              (proc              ):        0 blocks     1871 files
                                  total:        0 blocks     1916 files
/etc/mnttab        (mnttab            ):        0 blocks        0 files
                                  total:        0 blocks        1 files
/etc/svc/volatile  (swap              ):   992608 blocks    16964 files
                                  total:   993360 blocks    17025 files
/system/object     (objfs             ):        0 blocks 2147483530 files
                                  total:        0 blocks      117 files
/usr               (/dev/dsk/c0t0d0s6 ):   503774 blocks   299189 files
                                  total:  6650604 blocks   420480 files
/dev/fd            (fd                ):        0 blocks        0 files
                                  total:        0 blocks       31 files
/var/run           (swap              ):   992608 blocks    16964 files
                                  total:   992688 blocks    17025 files
/tmp               (swap              ):   992608 blocks    16964 files
                                  total:   992688 blocks    17025 files
/opt               (/dev/dsk/c0t0d0s5 ):    23914 blocks     6947 files
                                  total:    27404 blocks     7168 files
/export/home       (/dev/dsk/c0t0d0s7 ):    16810 blocks     7160 files
                                  total:    18900 blocks     7168 files

ファイルサイズの確認

ls コマンドを使用して、ファイルサイズを調べたりソートしたりできます。また、find コマンドを使用して、サイズの制限を超えているファイルを探すことができます。詳細については、ls(1) および find(1) のマニュアルページを参照してください。


注 –

/var ディレクトリの容量がなくなった場合、/var ディレクトリに、ファイルシステム上の空き容量のあるディレクトリへのシンボリックリンクを設定しないでください。たとえそれが一時的な策であっても、デーモンプロセスおよびユーティリティーの一部に問題が生じることがあります。


Procedureファイルサイズを表示する方法

  1. 確認したいファイルがあるディレクトリに移動します。

  2. 次のように入力して、ファイルのサイズを表示します。


    $ ls [-lh] [-s]
    -l

    長形式でファイルとディレクトリのリストを表示し、それぞれのサイズをバイト単位で示します。(次の例を参照)

    -h

    ファイルやディレクトリのサイズが 1024 バイトより大きい場合、ファイルとディレクトリのサイズをキロバイト、メガバイト、ギガバイト、テラバイト単位で示します。このオプションは、-o-n-@-g オプションによる出力も、ファイルやディレクトリのサイズを新しい形式で表示するよう変更します。詳細は、ls(1) のマニュアルページを参照してください。

    -s

    ファイルとディレクトリのリストを表示し、それぞれのサイズをブロック単位で示します。


例 6–5 ファイルサイズを表示する

次の例は、lastlogmessages/var/adm ディレクトリ内のその他のファイルよりも大きいことを示します。


$ cd /var/adm
$ ls -lh
total 148
drwxrwxr-x   5 adm      adm          512 Nov 26 09:39 acct/
-rw-------   1 uucp     bin            0 Nov 26 09:25 aculog
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Nov 26 09:25 exacct/
-r--r--r--   1 root     other       342K Nov 26 13:56 lastlog
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Nov 26 09:25 log/
-rw-r--r--   1 root     root         20K Nov 26 13:55 messages
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Nov 26 09:25 passwd/
drwxrwxr-x   2 adm      sys          512 Nov 26 09:39 sa/
drwxr-xr-x   2 root     sys          512 Nov 26 09:49 sm.bin/
-rw-rw-rw-   1 root     bin            0 Nov 26 09:25 spellhist
drwxr-xr-x   2 root     sys          512 Nov 26 09:25 streams/
-rw-r--r--   1 root     bin         3.3K Nov 26 13:56 utmpx
-rw-r--r--   1 root     root           0 Nov 26 10:17 vold.log
-rw-r--r--   1 adm      adm          19K Nov 26 13:56 wtmpx

次の例は、lpsched.1 ファイルが 2 ブロックを使用していることを示します。


$ cd /var/lp/logs
$ ls -s
total 2            0 lpsched       2 lpsched.1

Procedureサイズの大きなファイルを見つける方法

  1. 検索したいディレクトリに移動します。

  2. ファイルのサイズをブロック数でもっとも大きいものから降順に表示します。

    • ファイルの文字またはカラムが異なる場合、次のコマンドを使用して、ブロックサイズによりもっとも大きいものから降順で、ファイルのリストをソートします。


      $ ls -l | sort +4rn | more
      

      このコマンドは、左から 4 番目のフィールドにある文字により、リスト内のファイルをソートすることに注意してください。

    • ファイルの文字またはカラムが同じである場合、次のコマンドを使用して、ブロックサイズによりもっとも大きいものから降順で、ファイルのリストをソートします。


      $ ls -s | sort -nr | more
      

      このコマンドは、もっとも左側の文字から始め、リスト内のファイルをソートすることに注意してください。


例 6–6 サイズの大きなファイルを見つける (5 番目のフィールドの文字によるソート)


$ cd /var/adm
$ ls -l | sort +4rn | more
-r--r--r--   1 root     root     4568368 Oct 17 08:36 lastlog
-rw-r--r--   1 adm      adm       697040 Oct 17 12:30 pacct.9
-rw-r--r--   1 adm      adm       280520 Oct 17 13:05 pacct.2
-rw-r--r--   1 adm      adm       277360 Oct 17 12:55 pacct.4
-rw-r--r--   1 adm      adm       264080 Oct 17 12:45 pacct.6
-rw-r--r--   1 adm      adm       255840 Oct 17 12:40 pacct.7
-rw-r--r--   1 adm      adm       254120 Oct 17 13:10 pacct.1
-rw-r--r--   1 adm      adm       250360 Oct 17 12:25 pacct.10
-rw-r--r--   1 adm      adm       248880 Oct 17 13:00 pacct.3
-rw-r--r--   1 adm      adm       247200 Oct 17 12:35 pacct.8
-rw-r--r--   1 adm      adm       246720 Oct 17 13:15 pacct.0
-rw-r--r--   1 adm      adm       245920 Oct 17 12:50 pacct.5
-rw-r--r--   1 root     root      190229 Oct  5 03:02 messages.1
-rw-r--r--   1 adm      adm       156800 Oct 17 13:17 pacct
-rw-r--r--   1 adm      adm       129084 Oct 17 08:36 wtmpx


例 6–7 サイズの大きなファイルを見つける (もっとも左側の文字によるソート)

次の例では、lastlogmessages ファイルが /var/adm 内でもっとも大きなファイルです。


$ cd /var/adm
$ ls -s | sort -nr | more
  48 lastlog
  30 messages
  24 wtmpx
  18 pacct
   8 utmpx
   2 vold.log
   2 sulog
   2 sm.bin/
   2 sa/
   2 passwd/
   2 pacct1
   2 log/
   2 acct/
   0 spellhist
   0 aculog
total 144

Procedure指定されたサイズ制限を超えるファイルを見つける方法

  1. 次のように find コマンドを使用して、指定したサイズを超えるファイルを見つけてファイル名を表示します。


    $ find directory -size +nnn 
    
    directory

    検索するディレクトリを指定します。

    -size +nnn

    512 バイトブロック数です。このサイズを上回るファイルがリストされます。


例 6–8 指定されたサイズ制限を超えるファイルを見つける

次の例は、作業中のカレントディレクトリ内で 400 ブロックを超えるファイルを見つける方法を示します。-print オプションは、find コマンドの出力を表示します。


$ find . -size +400 -print
./Howto/howto.doc
./Howto/howto.doc.backup
./Howto/howtotest.doc
./Routine/routineBackupconcepts.doc
./Routine/routineIntro.doc
./Routine/routineTroublefsck.doc
./.record
./Mail/pagination
./Config/configPrintadmin.doc
./Config/configPrintsetup.doc
./Config/configMailappx.doc
./Config/configMailconcepts.doc
./snapshot.rs

ディレクトリサイズの確認

du コマンドとそのオプションを使用すると、ディレクトリのサイズを表示できます。さらに quot コマンドを使用すれば、ユーザーアカウントによって占められるローカル UFS ファイルシステム上のディスク容量のサイズを知ることができます。これらのコマンドについては、du(1)quot(1M) のマニュアルページを参照してください。

Procedureディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示する方法

  1. du コマンドを使用して、1 つ以上のディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示するサイズは 512 バイトブロック単位で表示されます。


    $ du [-as] [directory ...]
    du

    指定した各ディレクトリとそれらの下の各サブディレクトリのサイズを表示します。

    -a

    指定したディレクトリ内の各ファイルと各サブディレクトリのサイズと合計ブロック数を表示します。

    -s

    指定したディレクトリ内の合計ブロック数を表示します。

    -h

    ディレクトリのサイズを 1024 バイト単位のブロック数で表示します。

    -H

    ディレクトリのサイズを 1000 バイト単位のブロック数で表示します。

    [directory ...]

    調べたい 1 つ以上のディレクトリを指定します。複数のディレクトリを指定する場合は、コマンド行構文で空白を使用して区切ります。


例 6–9 ディレクトリ、サブディレクトリ、およびファイルのサイズを表示する

次の例は、2 つのディレクトリのサイズを示しています。


$ du -s /var/adm /var/spool/lp
130     /var/adm
40      /var/spool/lp

次の例は、2 つのディレクトリとそれらのすべてのサブディレクトリとファイルのサイズを示しています。各ディレクトリ内の合計ブロック数も表示しています。


$ du /var/adm /var/spool/lp
2       /var/adm/exacct
2       /var/adm/log
2       /var/adm/streams
2       /var/adm/acct/fiscal
2       /var/adm/acct/nite
2       /var/adm/acct/sum
8       /var/adm/acct
2       /var/adm/sa
2       /var/adm/sm.bin
258     /var/adm
4       /var/spool/lp/admins
2       /var/spool/lp/requests/printing....
4       /var/spool/lp/requests
4       /var/spool/lp/system
2       /var/spool/lp/fifos
24      /var/spool/lp

次の例は、ディレクトリのサイズを 1024 バイト単位のブロック数で示しています。


$ du -h /usr/share/audio
 796K   /usr/share/audio/samples/au
 797K   /usr/share/audio/samples
 798K   /usr/share/audio

Procedureローカル UFS ファイルシステムのユーザーの所有状況を表示する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して、ユーザー、ディレクトリまたはファイルシステム、1024 バイト単位のブロック数を表示します。


    # quot [-a] [filesystem ...]
    -a

    マウントされている各 UFS ファイルシステムの全ユーザーと 1024 バイト単位のブロック数を表示します。

    filesystem

    UFS ファイルシステムを指定します。このファイルシステムについて、ユーザーと使用されているブロック数が表示されます。


    注 –

    quot コマンドは、ローカル UFS ファイルシステムに対してだけ使用できます。



例 6–10 ローカル UFS ファイルシステムのユーザーの所有状況を表示する

次の例では、ルート (/) ファイルシステムのユーザーが表示されています。その次に、マウントされた全 UFS ファイルシステムのユーザーが表示されています。


# quot /
/dev/rdsk/c0t0d0s0:
43340   root    
 3142   rimmer   
   47   uucp    
   35   lp      
   30   adm     
    4   bin     
    4   daemon  

# quot -a
/dev/rdsk/c0t0d0s0 (/):
43340   root    
 3150   rimmer  
   47   uucp    
   35   lp      
   30   adm     
    4   bin     
    4   daemon  
/dev/rdsk/c0t0d0s6 (/usr):
460651  root    
206632  bin     
  791   uucp    
   46   lp      
    4   daemon  
    1   adm     
/dev/rdsk/c0t0d0s7 (/export/home):
    9   root

古いファイルまたは使用されていないファイルの検索と削除

負荷の大きいファイルシステムを整理する作業として、最近使用されていないファイルの特定と削除があります。使用されていないファイルは ls コマンドまたは find コマンドを使用して見つけることができます。詳細については、ls(1) および find(1) のマニュアルページを参照してください。

ディスク容量を節約するには、/var/tmp または /var/spool 内にある一時ディレクトリを空にしたり、コアファイルやクラッシュダンプファイルを削除したりするなどの方法もあります。クラッシュダンプファイルの詳細は、第 17 章システムクラッシュ情報の管理 (手順)を参照してください。

Procedure最新ファイルのリストを表示する方法

  1. ls -t コマンドを使用して、もっとも新しく作成または変更されたファイルから順番にファイルのリストを表示します。


    $ ls -t [directory]
    -t

    最新タイムスタンプのファイルを最初にしてソートします。

    directory

    検索するディレクトリを指定します。


例 6–11 最新ファイルのリストを表示する

次の例では、ls -tl コマンドを使用して、/var/adm ディレクトリ内でもっとも新しく作成または変更されたファイルを見つける方法を示します。sulog がもっとも新しく作成または変更されたファイルです。


$ ls -tl /var/adm
total 134
-rw-------   1 root     root         315 Sep 24 14:00 sulog
-r--r--r--   1 root     other     350700 Sep 22 11:04 lastlog
-rw-r--r--   1 root     bin         4464 Sep 22 11:04 utmpx
-rw-r--r--   1 adm      adm        20088 Sep 22 11:04 wtmpx
-rw-r--r--   1 root     other          0 Sep 19 03:10 messages
-rw-r--r--   1 root     other          0 Sep 12 03:10 messages.0
-rw-r--r--   1 root     root       11510 Sep 10 16:13 messages.1
-rw-r--r--   1 root     root           0 Sep 10 16:12 vold.log
drwxr-xr-x   2 root     sys          512 Sep 10 15:33 sm.bin
drwxrwxr-x   5 adm      adm          512 Sep 10 15:19 acct
drwxrwxr-x   2 adm      sys          512 Sep 10 15:19 sa
-rw-------   1 uucp     bin            0 Sep 10 15:17 aculog
-rw-rw-rw-   1 root     bin            0 Sep 10 15:17 spellhist
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Sep 10 15:17 log
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Sep 10 15:17 passwd

Procedure古いファイルと使用されていないファイルを見つけて削除する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 指定した日数の間アクセスのないファイルを見つけて、ファイルにそれらのリストを書き込みます。


    # find directory -type f[-atime +nnn] [-mtime +nnn] -print > filename &
    directory

    検索するディレクトリを指定します。このディレクトリの下にあるディレクトリも検索します。

    -atime +nnn

    指定した日数 (nnn) の間アクセスのないファイルを見つけます。

    -mtime +nnn

    指定した日数 (nnn) の間変更のないファイルを見つけます。

    filename

    使用されないファイルリストを書き込むファイルを指定します。

  3. 上の手順でリストに書き込んだ使用されていないファイルを削除します。


    # rm `cat filename`
    

    filename は、前の手順で作成したファイルです。このファイルには、使用されていないファイルのリストが入っています。


例 6–12 古いファイルまたは使用されていないファイルの検索と削除

次の例は、/var/adm ディレクトリ内とそのサブディレクトリ内で過去 60 日にわたってアクセスされていないファイルを示しています。/var/tmp/deadfiles ファイルには、使用されていないファイルのリストが含まれます。rm コマンドは、これらの使用されていないファイルを削除します。


# find /var/adm -type f -atime +60 -print > /var/tmp/deadfiles &
# more /var/tmp/deadfiles
/var/adm/aculog
/var/adm/spellhist
/var/adm/wtmpx
/var/adm/sa/sa13
/var/adm/sa/sa27
/var/adm/sa/sa11
/var/adm/sa/sa23
/var/adm/sulog
/var/adm/vold.log
/var/adm/messages.1
/var/adm/messages.2
/var/adm/messages.3
# rm `cat /var/tmp/deadfiles`
#

Procedure一時ディレクトリを一度にクリアする方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 整理するディレクトリに移動します。


    # cd directory
    

    注意 – 注意 –

    手順 3 を実行する前に、正しいディレクトリにいることを確認してください。手順 3 はカレントディレクトリ内のすべてのファイルを削除します。


  3. カレントディレクトリ内のファイルとサブディレクトリを削除します。


    # rm -r *
    
  4. サブディレクトリやファイルで、不要なもの、一時的なもの、または古くなったものがある他のディレクトリに移動します。

  5. 手順 3 を繰り返してこれらのサブディレクトリやファイルを削除します。


例 6–13 一時ディレクトリを一度にクリアする

次の例は、mywork ディレクトリを空にする方法、およびすべてのファイルとサブディレクトリが削除されたことを確認する方法を示しています。


# cd mywork
# ls
filea.000
fileb.000
filec.001
# rm -r *
# ls
#

Procedureコアファイルを見つけて削除する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. コアファイルを検索したいディレクトリに移動します。

  3. ディレクトリとサブディレクトリ内のすべてのコアファイルを見つけて削除します。


    # find . -name core -exec rm {} \;
    

例 6–14 コアファイルを見つけて削除する

次の例は、find コマンドを使用して jones のユーザーアカウントからコアファイルを見つけて削除する方法を示します。


# cd /home/jones
# find . -name core -exec rm {} \;

Procedureクラッシュダンプファイルを削除する方法

クラッシュダンプファイルは非常に大きくなる可能性があります。これらのファイルを保存するようシステムで設定している場合は、必要以上に長期間保存しないでください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して、クラッシュダンプファイルが格納されているディレクトリに移動します。


    # cd /var/crash/system
    

    system は、クラッシュダンプファイルを作成したシステムのことです。


    注意 – 注意 –

    手順 3 を実行する前に、正しいディレクトリにいることを確認してください。手順 3 はカレントディレクトリ内のすべてのファイルを削除します。


  3. クラッシュダンプファイルを削除します。


    # rm *
    
  4. クラッシュダンプファイルが削除されたことを確認します。


    # ls
    

例 6–15 クラッシュダンプファイルを削除する

次の例は、システム venus からクラッシュダンプファイルを削除する方法、およびクラッシュダンプファイルが削除されたことを確認する方法を示します。


# cd /var/crash/venus
# rm *
# ls