Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

PAM およびパスワードの変更

パスワードを変更するには、passwd コマンドを使用します。enableShadowUpdate スイッチが true に設定されていない場合、userPassword 属性がユーザーによって書き込み可能である必要があります。enableShadowUpdate スイッチが true に設定されている場合、管理者資格で userPassword 属性を更新できる必要があります。passwd-cmd 用の serviceAuthenticationMethod が、この操作の authenticationMethod を無効にすることに留意してください。使用する認証方式によっては、現行のパスワードの暗号化解除がネットワーク上で行われる場合があります。

pam_unix の場合、UNIX crypt フォーマットを使用して新しい userPassword 属性が暗号化されタグ付けされてから、LDAP への書き込みが行われます。このため、新規パスワードは、サーバーへのバインドに使用される認証方式に関係なく、ネットワーク上で暗号化されます。詳細は、pam_authtok_store(5) のマニュアルページを参照してください。

enableShadowUpdate スイッチが true に設定されている場合、ユーザーのパスワードが変更されると、pam_unix も関連するシャドウ情報を更新します。pam_unix は、ローカルユーザーのパスワードが変更されたときに pam_unix が更新するローカル shadow ファイル内の同じ shadow フィールドを更新します。

Solaris 10 ソフトウェアリリース以降、pam_ldap ではパスワード更新がサポートされません。pam_ldap パスワード更新機能は、以前に推奨されていた pam_authtok_storeserver_policy オプションによって置き換えられます。pam_authtok_store を使用すると、新しいパスワードは平文で LDAP サーバーに送信されます。このため、機密性を保つために TLS を使用する必要があります。TLSを使用しない場合、新しい userPassword が漏洩する危険性があります。Sun Java System Directory Server でタグ付けされていないパスワードを設定すると、passwordStorageScheme 属性を使用してパスワードが暗号化されます。passwordStorageScheme の詳細については、ご使用のバージョンの Sun Java System Directory Server の『管理者ガイド』のユーザーアカウントの管理に関する節を参照してください。


注 –

passwordStorageScheme 属性を設定する際、次の構成上の問題を考慮する必要があります。pam_unix を使用する NIS、NIS+、またはほかのクライアントがリポジトリとして LDAP を使用する場合、passwordStorageScheme に対して crypt を実行する必要があります。また、Sun Java System Directory Server で sasl/digest-MD5 に対して pam_ldap を使用する場合、passwordStorageScheme を平文に設定する必要があります。