Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

NIS マップの使用

NIS を使うと、/etc ファイルシステムを使った場合に比べ、ネットワークデータベースの更新がはるかに簡単になります。/etc ファイルシステムではネットワーク環境を更新するたびに各マシンの管理 /etc ファイルを変更する必要がありましたが、NIS ではこのような操作を行う必要はありません。

たとえば、NIS が動作しているネットワークに新しいマシンを追加する場合に必要なのは、マスターサーバーの入力ファイルを更新し、make を実行することだけです。これで、hosts.byname および hosts.byaddr マップが自動的に更新されます。次に、これらのマップはすべてのスレーブサーバーに転送され、ドメインのすべてのクライアントマシン、およびこれらのクライアントマシンのプログラムはこれらのマップを使用することが可能になります。クライアントマシンまたはアプリケーションがマシン名またはアドレスを要求すると、NIS サーバーは必要に応じて hosts.byname または hosts.byaddr マップを参照し、要求された情報をクライアントに送信します。

ypcat コマンドを使うと、マップの値を表示できます。ypcat の基本的な使用形式は、次のとおりです。


% ypcat mapname

mapname は、調べたいマップ名またはその「ニックネーム」です。ypservers の場合のようにマップがキーだけで構成されている場合は、ypcat -k と入力してください。ypcat -k と入力しない場合は、空白行が出力されます。ypcat のほかのオプションについては、ypcat(1) のマニュアルページに説明されています。

ypwhich コマンドを使うと、どのサーバーが特定のマップのマスターサーバーなのかを判定できます。次のように入力します。


% ypwhich -m mapname

mapname は、検索するマスターサーバーのマップ名またはニックネームです。mapname を入力すると、マスターサーバー名が表示されます。詳細については、ypwhich(1) のマニュアルページを参照してください。